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17 同じ部屋
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それから数日後、私達は招待してくれた、辺境伯家の領内に無事に入る事ができました。
雪道の山を越えるのは大変でしたが、道を整備して、馬車が通れるような広さにしておりましたので、スムーズに越えられました。
雪が今年は少なかったという事と、私達が通る道をたくさんの人で除雪作業をして下さったみたいでした。
本当に有り難い事です。
山を越えてしまうと、そこからは隣国になり、クレイ達の国である、エストラフィー国です。
エストラフィー国に入ると、まるであの寒さが幻覚だったのかと思うくらいに暖かくなり、着ていた上着を脱ぎました。
私達の国の貴族も寒い時期はエストラフィー国に住んだりするという話をよく聞きますが、そうしたい気持ちもわかります。
だって、とっても心地よい気温ですから。
私とクレイは他国とはいえ王族ですので、辺境伯家からは特別待遇され、屋敷の中で一番良いという客室に通されました。
ただ、問題は同じ部屋だという事でした。
私とクレイは世間的には夫婦です。
ですから、部屋を一つしか用意しなくてもおかしくはありません。
でも、実際、私達は白い結婚です。
あんな事やこんな事をする様な仲ではないのです!
けれど、部屋を分けてくれだなんてお願いしたら、不仲説が出てしまう可能性があります。
荷物を運び入れてもらった後は、装飾品も豪華な広い客室ではあるけれど、クレイと二人きり。
目の前にある、キングサイズのベッドの上に置かれた二つの枕を見ながら、私が立ち尽くしていると、クレイが言います。
「俺はそこにあるソファーで寝るから」
「駄目です!」
「リサをソファーで寝かせるわけにはいかないだろ」
「ソファーで寝るのは嫌いではありません!」
「別に俺も嫌いではないから一緒だろ」
これはお互いに譲らないというやつですね。
こうなりましたら、手段は一つしかありません!
「一緒に寝ましょう! 恋愛小説ではよくそうなっていますから!」
「お前、恋愛小説の真似をしたいだけだろ」
「そ、それは…!」
「あと、恋愛小説でやってるのは、大体、ヒロインと相手の男だろ。俺がそれになるのはちょっと…」
「わ、私がヒロイン! なんて素敵な響き!」
「食いつくとこ違うだろ」
クレイは額をおさえてため息を吐いた後、呆れた顔で言います。
「一緒に寝てもいいけど、間違いがあっても文句は言うなよ?」
「間違いは人間にはつきものです! 人間はそうやって成長するものです!」
「そういう意味じゃない!」
クレイがなぜか必死なので首を傾げた後、思い浮かんだ事があり、彼に尋ねてみます。
「……クレイ、まさか、私に欲情するんですか?」
「お前がそんなに驚く方がびっくりだよ」
まさか、そんな事があるはずがないと思いながらも伝えてみると、クレイにツッコまれてしまいました。
クレイが私に欲情!?
いえいえ、これは私だからではありません。
女性が相手だと、そうなってしまうのですよね?
…といってしまうと、クレイが誰にでも欲情する人みたいになってしまいますね…。
「どうしますか? やはり、私がソファーで!」
「いや、だから、俺がソファーで寝るって」
「これ、どちらも譲らないやつですよ。もう、一緒に寝ましょう! クレイを信じます!」
「信用してくれてありがとう?」
なんか納得のいかない、といった感じでしたが、ベッドの心配に関しては不安がなくなりましたので、早速、お部屋の探検です。
お部屋の中には出入口以外にも扉があり、開けてみると洗面所だけでなく、バスタブもありました。
「至れり尽くせりな部屋です!」
「えらくはしゃいでるな」
「物心ついてから遠出したのって、今回が初めてなんです」
「ずっと城に閉じこもってたのか? 友達は?」
「皆さん、お姉様と友達になるだけで事足りておられましたので、私と友達になりたいと仰る方はいらっしゃいませんでしたね」
「あー、なんというか、ごめん」
「どうして謝るんです?」
謝られた意味がわからなくて聞き返すと、クレイは苦笑してから首を横に振りました。
「なんでもない。あと、パーティーは明日の夜からなんだ。だから、今日はアールを俺達の目の前から消す方法を考えないか?」
「言い方がとても物騒ですね…」
「じゃあ、嫌な思いをさせるとかか?」
「クレイに酷い事を言ったんですから、それだけじゃ生ぬるいです! 抹消しましょう!」
「リサの言ってる方が俺より物騒な感じが…」
クレイが呆れ顔になりましたが、この顔にも慣れてきました。
ああ、慣れてはいけませんね。
反省しなくては…。
「ところでクレイには、アール様に対して何か良い案が浮かんでいるのですか?」
「調べたところ、あいつは女性に対してだらしないみたいだ。ミドノワールでは大人しくしてるみたいだが、一ヶ月に一度の頻度でエストワールの風俗色の強い店に通っているらしい。お気に入りの子がいるみたいだ」
「という事は、この証拠をおさえて、お姉様との婚約を諦めさせるのですね?」
「そういう事だ。まずは、一番、楽そうなやつを潰そう」
クレイの言葉に、私は大きく頷きました。
「でも、その情報はどこから?」
「オッサムに協力しようかと言ったら、色々と教えてくれたんだ。彼の中では敵の敵は味方なんだろうな」
「私達が逆に、アール様に手を貸すとは思わないんでしょうか」
「さあ? 何も考えてないんだろ」
クレイが苦笑して小首を傾げました。
そうですね。
何も考えてないから、私との婚約を破棄してお姉様と婚約しようとしたんでしょうから。
雪道の山を越えるのは大変でしたが、道を整備して、馬車が通れるような広さにしておりましたので、スムーズに越えられました。
雪が今年は少なかったという事と、私達が通る道をたくさんの人で除雪作業をして下さったみたいでした。
本当に有り難い事です。
山を越えてしまうと、そこからは隣国になり、クレイ達の国である、エストラフィー国です。
エストラフィー国に入ると、まるであの寒さが幻覚だったのかと思うくらいに暖かくなり、着ていた上着を脱ぎました。
私達の国の貴族も寒い時期はエストラフィー国に住んだりするという話をよく聞きますが、そうしたい気持ちもわかります。
だって、とっても心地よい気温ですから。
私とクレイは他国とはいえ王族ですので、辺境伯家からは特別待遇され、屋敷の中で一番良いという客室に通されました。
ただ、問題は同じ部屋だという事でした。
私とクレイは世間的には夫婦です。
ですから、部屋を一つしか用意しなくてもおかしくはありません。
でも、実際、私達は白い結婚です。
あんな事やこんな事をする様な仲ではないのです!
けれど、部屋を分けてくれだなんてお願いしたら、不仲説が出てしまう可能性があります。
荷物を運び入れてもらった後は、装飾品も豪華な広い客室ではあるけれど、クレイと二人きり。
目の前にある、キングサイズのベッドの上に置かれた二つの枕を見ながら、私が立ち尽くしていると、クレイが言います。
「俺はそこにあるソファーで寝るから」
「駄目です!」
「リサをソファーで寝かせるわけにはいかないだろ」
「ソファーで寝るのは嫌いではありません!」
「別に俺も嫌いではないから一緒だろ」
これはお互いに譲らないというやつですね。
こうなりましたら、手段は一つしかありません!
「一緒に寝ましょう! 恋愛小説ではよくそうなっていますから!」
「お前、恋愛小説の真似をしたいだけだろ」
「そ、それは…!」
「あと、恋愛小説でやってるのは、大体、ヒロインと相手の男だろ。俺がそれになるのはちょっと…」
「わ、私がヒロイン! なんて素敵な響き!」
「食いつくとこ違うだろ」
クレイは額をおさえてため息を吐いた後、呆れた顔で言います。
「一緒に寝てもいいけど、間違いがあっても文句は言うなよ?」
「間違いは人間にはつきものです! 人間はそうやって成長するものです!」
「そういう意味じゃない!」
クレイがなぜか必死なので首を傾げた後、思い浮かんだ事があり、彼に尋ねてみます。
「……クレイ、まさか、私に欲情するんですか?」
「お前がそんなに驚く方がびっくりだよ」
まさか、そんな事があるはずがないと思いながらも伝えてみると、クレイにツッコまれてしまいました。
クレイが私に欲情!?
いえいえ、これは私だからではありません。
女性が相手だと、そうなってしまうのですよね?
…といってしまうと、クレイが誰にでも欲情する人みたいになってしまいますね…。
「どうしますか? やはり、私がソファーで!」
「いや、だから、俺がソファーで寝るって」
「これ、どちらも譲らないやつですよ。もう、一緒に寝ましょう! クレイを信じます!」
「信用してくれてありがとう?」
なんか納得のいかない、といった感じでしたが、ベッドの心配に関しては不安がなくなりましたので、早速、お部屋の探検です。
お部屋の中には出入口以外にも扉があり、開けてみると洗面所だけでなく、バスタブもありました。
「至れり尽くせりな部屋です!」
「えらくはしゃいでるな」
「物心ついてから遠出したのって、今回が初めてなんです」
「ずっと城に閉じこもってたのか? 友達は?」
「皆さん、お姉様と友達になるだけで事足りておられましたので、私と友達になりたいと仰る方はいらっしゃいませんでしたね」
「あー、なんというか、ごめん」
「どうして謝るんです?」
謝られた意味がわからなくて聞き返すと、クレイは苦笑してから首を横に振りました。
「なんでもない。あと、パーティーは明日の夜からなんだ。だから、今日はアールを俺達の目の前から消す方法を考えないか?」
「言い方がとても物騒ですね…」
「じゃあ、嫌な思いをさせるとかか?」
「クレイに酷い事を言ったんですから、それだけじゃ生ぬるいです! 抹消しましょう!」
「リサの言ってる方が俺より物騒な感じが…」
クレイが呆れ顔になりましたが、この顔にも慣れてきました。
ああ、慣れてはいけませんね。
反省しなくては…。
「ところでクレイには、アール様に対して何か良い案が浮かんでいるのですか?」
「調べたところ、あいつは女性に対してだらしないみたいだ。ミドノワールでは大人しくしてるみたいだが、一ヶ月に一度の頻度でエストワールの風俗色の強い店に通っているらしい。お気に入りの子がいるみたいだ」
「という事は、この証拠をおさえて、お姉様との婚約を諦めさせるのですね?」
「そういう事だ。まずは、一番、楽そうなやつを潰そう」
クレイの言葉に、私は大きく頷きました。
「でも、その情報はどこから?」
「オッサムに協力しようかと言ったら、色々と教えてくれたんだ。彼の中では敵の敵は味方なんだろうな」
「私達が逆に、アール様に手を貸すとは思わないんでしょうか」
「さあ? 何も考えてないんだろ」
クレイが苦笑して小首を傾げました。
そうですね。
何も考えてないから、私との婚約を破棄してお姉様と婚約しようとしたんでしょうから。
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