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プロローグ

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 私、リノア・ブルーミングがクラーク辺境伯邸にやって来てから、2週間がたちました。
 それまでに色々な出来事があったからか、日々はめまぐるしく過ぎていき、この2週間はあっという間に過ぎていきました。
 相変わらず、私の婚約者であるラルフ様はお忙しくしていらしたので、こんな事を言ってはなんですが、暇である私は広い屋敷の中を探検したり、手入れされた綺麗な庭園を散歩したり、部屋で読書や刺繍、たまには遠出して、ケイン様の想い人である、ミリー様に会いに行くなどして、日々を過ごしていました。

 ラルフ様のお母さまであるカーミラ様は、ミラルル様やフレイ様のような罰がくだされる事はなかったのですが、本邸には一切立ち入れなくなり、別邸から出ても良いけれど、庭園を散歩する事は禁止になりました。
 なぜなら、また私と鉢合わせする可能性があるからです。
 その際、何を言われるかわからないという事で、ラルフ様が配慮してくださったようです。

 まあ、私はそういうのはあまり気にしないタイプなのですが、はっきり言って、カーミラ様のラルフ様への愛はすごすぎて引いてしまっていますので、顔を合わせないならそれはそれで良いと思っていました。

 もちろん、いつしか決着はつけないといけないとは思っていましたが。
 だって、ラルフ様のお母さまということは、私のお義母さまになるという事ですから!

 カーミラ様を別邸から追い出す事も考えたみたいですが、カーミラ様の実家はすでに甥の方が継いでいるらしく、戻る家がないようです。
 元々、カーミラ様の嫌がらせは、令嬢たちに「婚約解消しろ」という脅しだけだったのと、その脅しのせいで婚約を解消された方がいなかったため、制限付きですが別邸に住む事を許されています。

 ただ、外出の許可はされていますが、いつ、どこへ出かけるかはラルフ様に報告する事になっており、許可がでなければ、外出してはいけない事にされたようです。
 外出禁止にしなかったのは、カーミラ様は元辺境伯夫人ですから、交友関係が広く、お茶会などのお誘いもあったため、その事への配慮のようです。
 ラルフ様は万が一の事を考えて、カーミラ様が外出している日は出来れば外出しないようにと、私に言いつけられました。

 ですが、カーミラ様がお茶会で外出されているある日、どうしても外出してミリー様にお会いしなければならない事が起こったのです。

「ミリー様に婚約者が!?」

 ケイン様からの報告を聞いて驚いた私は、余計なお世話かもしれませんが、どんな方かどうしても気になってしまい、ミリー様の所へ出かけるため、ラルフ様の許可を取ろうと彼の部屋に向かいましたが、お客様が来られているようで、すぐには会えません。
 ですから、ジッとしていられなかった私は、ソラに馬車を手配させて、ラルフ様には事後報告する事にして、ミリー様の元へ向かいました。

 けれど、私の敵はカーミラ様だけではありませんでした。
 それを知った別邸のメイド達が、その事をカーミラ様に報告したのです。

 そこで、私は久しぶりにカーミラ様と出会うわけですが、まあ、いつしか起きる出来事だったとして、自分のミスは自分で何とかする事にします。

 
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