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第18話 迷惑な王女殿下
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ロンが出て行ってからしばらくすると、ロンの声はかすかにしか聞こえないのに、セレン様の声は静かな敷地内全体に響き渡るんじゃないかと思うくらいに大きく、室内にいる私の耳にもはっきりと聞こえてきた。
「側近じゃ話にならなくってよ! ディル殿下の事を思うと夜も眠れないの! このままでは病気になってしまうわ! だから、ディル様というお薬をもらわなくっちゃ!」
「セレン殿下、もう帰りましょう! ご迷惑なりますから!」
セレン様のお付きの侍女らしき女性のうんざりした声が聞こえてきた。
お気の毒に。
大変な人の世話をする事になったわね…。
セレン様の侍女はすぐに辞めてしまっていたんだけど、辞めてしまう理由は、セレン様のこういう性格にもあるのだと思うのよね。
だけど、本人はそれをわかっていなくて、辞めていった人達を無能だとか言って蔑んでいた。
注意したくても、相手が王女なんだから強く言えるわけもないし、かなり、苦労したんだと思うわ
それにしても、ディルという、お薬って…。
ちらりとディルの方を見ると、それはもう嫌そうな顔をしていた。
「どうして、セレン様が自由に動けているんでしょう? 誰かが許可したんでしょうか?」
「さあな。彼女だったら、許可もなしにウロウロしそうだけど」
「それだと警備が薄すぎませんか? セレン様だって来賓として、どこかの部屋をあてがわれているはずです。そこから勝手に出て自由に動き回られていたら、一大事です」
「そう言われてみればそうだな。ただ、この国はのんびりしてるとこがあるから、何とも言えないけど」
「のんびりしているからって、まさか、そんな…」
ディルと窓際に近寄りながら会話をしていると、セレン様の声が響く。
「キズレイ殿下から、ここに来ても良いと、わたくしは許可を受けたのよ!? 王太子殿下が良いと言っているのならいいじゃないの! ディル殿下が無理ならレイアでもいいわ! そうよ! レイアを出しなさい! これは王女命令です!」
セレン様に名指しされてしまい、王女命令なら顔出ししないといけないのか考えていると、ロンが先程よりも大きな声で話し始めてくれた為、私達にも彼の声が聞こえてきた。
「私はディル殿下に仕えている者です。ディル殿下の命令に従います。ですので、申し訳ございませんが、レイア様をこちらにお連れできません」
「なっ!? どういう事!?」
「ディル殿下はレイア様がセレン殿下とお会いするのを望んでおりません。ですから、お連れできないのです」
「ディル殿下が会わせないって、意味がわからないわ!? もしかして、レイアは私を殺そうとしているの!?」
予想もしていなかった発言に驚いて、ディルの方を見る。
「どうしてそんな考えになるんです?」
「俺にわかるわけないだろ…」
「でも、ディル、本来なら、あなたはセレン殿下と結婚の予定だったんですが…」
「それを言ったら、レイアだって、行き過ぎの母親愛の男と結婚予定だったろ」
「嫁姑問題で苦労したでしょうね…」
ヨツイ夫人に聞いたところによると、マシュー様はミーヨ様が関わらなければ、冷静な判断が出来るみたいだと言われていたし、更生の余地があるのかもしれない。
といっても、ミーヨ様と一緒じゃないと生きていけないとまで言うのは変わらないらしいから、お母様ごと面倒を見てくれる良い人が現れれば良いのだけれど…。
今、考えなくても良い事を考えるなと言わんばかりに、セレン様の声で現実に戻る。
「私を殺そうとしてるだなんて、レイアは人殺しじゃないの! 捕まえないといけないわ」
「……何を言っていらっしゃるんですか…。王族だからって何を言っても許されるわけではありませんし、ここはセレン殿下にとっては他国の地という事をお忘れなく」
「あなただってそうじゃないの!」
「……承知しました。レイア様にお伝えはいたしますが、出てこられるかどうかはレイア様にお任せします。それから、ディル殿下には、セレン殿下は、ディル殿下の側近である私に対して、礼儀のない対応をされる方だとお話させていただきます。では、失礼いたします」
「ちょ、ちょ、ちょっ、ちょっと待って! ディル殿下にそんな事を言わないでよ!」
「あなたの本来のお姿をお伝えしておくのも、側近の仕事の1つだと思っております」
「と、とにかく、レイアを呼んでちょうだい! いいわね!?」
セレン殿下の言葉に対して、ロンは返事をしなかったのか、一礼しただけなのか、それとも小さく返事をしたのかはわからないけれど、私達の耳には彼がどう反応したのかはわからなかった。
出たくはないけれど、出ないといけないのかしら?
「どうしたら良いと思います?」
「無視すれば良いだろ。これ以上、騒ぐようならヨツイ夫人に出てもらう」
セレン様もヨツイ夫人に怒られたら、少しは性格が改善するかしら?
結局、ロンが帰ってきてしばらくしても、私が出ていなかったからか、セレン様が待ちきれなくなって叫び出すと、すぐにヨツイ夫人が出て行ってくれて、どんな事をしたのかわからないけれど、セレン様は逃げる様に帰っていったのだった。
「側近じゃ話にならなくってよ! ディル殿下の事を思うと夜も眠れないの! このままでは病気になってしまうわ! だから、ディル様というお薬をもらわなくっちゃ!」
「セレン殿下、もう帰りましょう! ご迷惑なりますから!」
セレン様のお付きの侍女らしき女性のうんざりした声が聞こえてきた。
お気の毒に。
大変な人の世話をする事になったわね…。
セレン様の侍女はすぐに辞めてしまっていたんだけど、辞めてしまう理由は、セレン様のこういう性格にもあるのだと思うのよね。
だけど、本人はそれをわかっていなくて、辞めていった人達を無能だとか言って蔑んでいた。
注意したくても、相手が王女なんだから強く言えるわけもないし、かなり、苦労したんだと思うわ
それにしても、ディルという、お薬って…。
ちらりとディルの方を見ると、それはもう嫌そうな顔をしていた。
「どうして、セレン様が自由に動けているんでしょう? 誰かが許可したんでしょうか?」
「さあな。彼女だったら、許可もなしにウロウロしそうだけど」
「それだと警備が薄すぎませんか? セレン様だって来賓として、どこかの部屋をあてがわれているはずです。そこから勝手に出て自由に動き回られていたら、一大事です」
「そう言われてみればそうだな。ただ、この国はのんびりしてるとこがあるから、何とも言えないけど」
「のんびりしているからって、まさか、そんな…」
ディルと窓際に近寄りながら会話をしていると、セレン様の声が響く。
「キズレイ殿下から、ここに来ても良いと、わたくしは許可を受けたのよ!? 王太子殿下が良いと言っているのならいいじゃないの! ディル殿下が無理ならレイアでもいいわ! そうよ! レイアを出しなさい! これは王女命令です!」
セレン様に名指しされてしまい、王女命令なら顔出ししないといけないのか考えていると、ロンが先程よりも大きな声で話し始めてくれた為、私達にも彼の声が聞こえてきた。
「私はディル殿下に仕えている者です。ディル殿下の命令に従います。ですので、申し訳ございませんが、レイア様をこちらにお連れできません」
「なっ!? どういう事!?」
「ディル殿下はレイア様がセレン殿下とお会いするのを望んでおりません。ですから、お連れできないのです」
「ディル殿下が会わせないって、意味がわからないわ!? もしかして、レイアは私を殺そうとしているの!?」
予想もしていなかった発言に驚いて、ディルの方を見る。
「どうしてそんな考えになるんです?」
「俺にわかるわけないだろ…」
「でも、ディル、本来なら、あなたはセレン殿下と結婚の予定だったんですが…」
「それを言ったら、レイアだって、行き過ぎの母親愛の男と結婚予定だったろ」
「嫁姑問題で苦労したでしょうね…」
ヨツイ夫人に聞いたところによると、マシュー様はミーヨ様が関わらなければ、冷静な判断が出来るみたいだと言われていたし、更生の余地があるのかもしれない。
といっても、ミーヨ様と一緒じゃないと生きていけないとまで言うのは変わらないらしいから、お母様ごと面倒を見てくれる良い人が現れれば良いのだけれど…。
今、考えなくても良い事を考えるなと言わんばかりに、セレン様の声で現実に戻る。
「私を殺そうとしてるだなんて、レイアは人殺しじゃないの! 捕まえないといけないわ」
「……何を言っていらっしゃるんですか…。王族だからって何を言っても許されるわけではありませんし、ここはセレン殿下にとっては他国の地という事をお忘れなく」
「あなただってそうじゃないの!」
「……承知しました。レイア様にお伝えはいたしますが、出てこられるかどうかはレイア様にお任せします。それから、ディル殿下には、セレン殿下は、ディル殿下の側近である私に対して、礼儀のない対応をされる方だとお話させていただきます。では、失礼いたします」
「ちょ、ちょ、ちょっ、ちょっと待って! ディル殿下にそんな事を言わないでよ!」
「あなたの本来のお姿をお伝えしておくのも、側近の仕事の1つだと思っております」
「と、とにかく、レイアを呼んでちょうだい! いいわね!?」
セレン殿下の言葉に対して、ロンは返事をしなかったのか、一礼しただけなのか、それとも小さく返事をしたのかはわからないけれど、私達の耳には彼がどう反応したのかはわからなかった。
出たくはないけれど、出ないといけないのかしら?
「どうしたら良いと思います?」
「無視すれば良いだろ。これ以上、騒ぐようならヨツイ夫人に出てもらう」
セレン様もヨツイ夫人に怒られたら、少しは性格が改善するかしら?
結局、ロンが帰ってきてしばらくしても、私が出ていなかったからか、セレン様が待ちきれなくなって叫び出すと、すぐにヨツイ夫人が出て行ってくれて、どんな事をしたのかわからないけれど、セレン様は逃げる様に帰っていったのだった。
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