37 / 57
そういえば、そんな話をきいたような気がします
しおりを挟む
両腕はバンザイした状態で、両手首はラス様の片手でおさえつけられ、お腹の上に馬乗りされてしまった。
腕を動かそうにも力が強くて動かせない。
うう、苦しい。
こんな事なら護身術を習っておけば良かった!
って、ラス様が言ってくれたのは、こういう場合の事か。
「あの、この状態はなんでしょうか」
「あなたはこうしないとわからないでしょう?」
「う、それはあながち間違ってないですけど、ラス様みたいに強い人って、そういないのでは?」
「さあ? それはどうかわかりません。だから危機感を持って、護衛をつけて下さいと言っているんです」
ラス様の言ってる意味はわかるけど。
というか、あたし、イケメンに押し倒されてる。
物語のヒロインぽくない???
これは口説かれそうになるやつ?
「では、お望みのようですので、口説きモードに入りますか?」
ラス様、本当に心が読めるんじゃ。
怖いよう。
「私は優良物件だと思いますけどね」
「私にはもったいないです」
「お安くしておきますよ」
「値引きいただいても、そんなお金ありません」
「私はお金持ちですよ。なんならお金はいりません」
うう。
口では勝てそうにはない。
なんだかんだと交わされてしまっている。
この人、本当にあのピュアなジンさんのお兄さんなんだろうか?
というか、冷静に考えると、この状況を誰かに見られたら本当にまずい。
特にユウヤくんに見られようものなら・・・・・。
怒られるかな?
それとも愛想を尽かされる?
「ここら辺にしておきましょうかね」
「私が浅はかでした。ごめんなさい」
あたしの言葉にラス様はきょとんとした後、手を放し、身体の上から退いてくれた。
「これでどうでしょう?」
「何がです?」
「言う事きいてくれます?」
「護衛の件ですか」
ラス様は自分のせいで、あたしが危ない目にあってはいけないと思って、護衛の話をしてくれてるんだろうと思うけど。
あたしはスカートについた草をはらいながら立ち上がると続けた。
「心配してくれる気持ちはありがたいですけど、大体、なんであたしにこだわるんですか? 平民で、自分に媚びないのがお好みなら新聞広告に、こんな嫁募集! とか出してみたらどうですか?」
「どんな人間がくるかもわからないですし、新聞では全ての人には伝わりませんよ」
「そうですかね」
「現にあなたやリア様には伝わっていなかったでしょう」
ん?
なんで、あたしとリアの名前が?
無言でラス様を見ると、察してくれたのか答えてくれた。
「ユウヤ様はあなたを探す広告を新聞に出していましたよ」
「え?」
「あとは自分でお調べ下さい」
「え?」
「野生の勘なんですかね。なんで、ここだとわかったのか・・・・・」
そう言うと、ラス様はあたし達が元々歩いてきた道を指差す。
するとそこには、息を切らして何かを探しているユウヤくんがいた。
もしかして、セバスさんが伝えてくれたのかな?
「あんな所を見られていたら、私でもタダではすまなかったでしょうね」
ラス様はそう言って、ユウヤくんがいる場所から反対方向へ歩きはじめたかと思うと、あたしの方に振り返り、眼鏡をなおしながら言った。
「上手くおさめて下さいね」
「元はと言えばあなたが!」
憤慨して追いかけようとした、その時。
「ユーニ!」
腕を引っ張られ、ユウヤくんに抱き寄せられた。
「ユ、ユウヤくん」
「何してた。アイツと何かあったんか?!」
「ぐ、ぐるじい」
むぎゅうと胸板に顔を押し付けられていて、息ができない。
「わ、わりぃ」
腕がゆるんだので、大きく息を吸う。
ああ、苦しかった!
「何かあったかと言われればあったけど、大丈夫だよ。ユウヤくんが来てくれたし」
そう言って見上げて笑うと、ユウヤくんはあたしのおでこにキスをすると、また、ぎゅっと抱きしめてきた。
「ユ、ユウヤくん?」
「オマエはずるい」
「え? なんで?」
「そんな可愛い顔されたら、追求したくてもできねぇだろ」
普通に笑っただけなんだけど。
というか、ほんと照れる。
「ユウヤくんはあたしには甘いよねぇ」
ユウヤくんの背中に腕を回し、ぽんぽんと優しく撫でる。
「再会したら、いっぱい甘えて甘やかすって決めてたんだよ」
「何それ」
あたしは笑ってから顔を上げて、言葉を続ける。
「ラス様。あたしに護衛をつけろって。心配してくれてるみたい」
「それはオレも同じ気持ちですが」
「そういえばユウヤくん、あたしと再会できなかったら、婚約とかどうするつもりだったの?」
今更ながら気になって聞いてみると、ユウヤくんは何故か視線を彷徨わせた。
これは怪しいな。
「ユウヤくん、正直に答えて。どうするつもりだったの?」
「いや、その」
「いや、その、じゃなくて!」
くっついていた身体がはなれ、あたしから逃れるようにユウヤくんが後ずさる。
これは完璧に怪しい。
「答えて!」
強く言うと、ユウヤくんが肩を落として、小さな声で言った。
「別邸にいるんだ」
「は?」
「オマエらがいる別邸とは別に、屋敷が何個かあって、そこに婚約者の対象者が住んでる」
な、な、なんだって?!
「オマエがオレと結婚を約束してくれるなら、すぐにオレの婚約者候補はすぐに帰らせる!」
ちょっと待って。
なんか、あたしが悪い事になってない?
それに。
「オレの婚約者候補?」
「あ」
ユウヤくんが慌てて、自分の口を塞ぐ。
ここまで動揺しているのは珍しい。
「もしかして、ユウマくんにもいるのね?」
「・・・・・・」
ユウヤくんがあたしと視線を一切合わせようとしない。
これはユウマくんの事も肯定している証拠だろう。
なんでだろう。
ユウヤくんよりもユウマくんに苛立つのは。
「リアちゃんには言わないでほしいんだが」
「ええ、言いませんよ。でも、殴りたい!」
ユウヤくんの婚約者候補に関しては、ユウヤくんの心変わりもある可能性を考えたらしょうがないだろう。
にしても、ユウマくんは許さん。
「あと、ちゃんと婚約者候補の人には会いに行ってるの?」
あたしの質問に、ユウヤくんの表情が悲しいものに変わった。
あれ。
何か、傷つけるような事を言ってしまった?
「オマエはそれでいいのかよ」
「え?」
「オマエは他の女にオレが会いに行っていいんかよ?!」
「・・・・・えっと。様子を見に行くだけとかじゃなくて、婚約者として会いに行くの?」
「あ?」
ユウヤくんの表情を見てしまったら、自分がひどい事を言った事に気付いたので、あたしは聞き方を変える。
「プライベートで会いに行くの? 仕事じゃなくて?」
「・・・・・・いや、仕事っつーか、義務ならそりゃ」
「それを聞いただけだよ。ごめんごめん」
お詫びの意味もこめて、あたしはユウヤくんに向かって手を広げる。
「本当にそうだったのか?」
素直にあたしの元に戻ってきて、また、あたしを抱きしめると、あたしの肩に顎をのせて言った。
う、なんも考えずの発言だったからなあ。
気をつけないと。
「そうですよ? というか、あたしは隠されてた事に腹立つんだけど!」
「しょうがねぇだろ。言ったらオマエら逃げるだろ」
「リアも含めてってこと?」
「そうだろ。リアちゃんなんて特に婚約者が他にもいたなんて知った」
そこまで言って、ユウヤくんの身体が固まった。
「どうしたの?」
「リ、リアちゃん・・・・・」
「うふふ。ラブラブなとこ悪いけど、その話、じっくり聞かせていただきたいわ」
顔は見えないけど、長年の付き合いでわかる。
絶対に笑ってない。
腕を動かそうにも力が強くて動かせない。
うう、苦しい。
こんな事なら護身術を習っておけば良かった!
って、ラス様が言ってくれたのは、こういう場合の事か。
「あの、この状態はなんでしょうか」
「あなたはこうしないとわからないでしょう?」
「う、それはあながち間違ってないですけど、ラス様みたいに強い人って、そういないのでは?」
「さあ? それはどうかわかりません。だから危機感を持って、護衛をつけて下さいと言っているんです」
ラス様の言ってる意味はわかるけど。
というか、あたし、イケメンに押し倒されてる。
物語のヒロインぽくない???
これは口説かれそうになるやつ?
「では、お望みのようですので、口説きモードに入りますか?」
ラス様、本当に心が読めるんじゃ。
怖いよう。
「私は優良物件だと思いますけどね」
「私にはもったいないです」
「お安くしておきますよ」
「値引きいただいても、そんなお金ありません」
「私はお金持ちですよ。なんならお金はいりません」
うう。
口では勝てそうにはない。
なんだかんだと交わされてしまっている。
この人、本当にあのピュアなジンさんのお兄さんなんだろうか?
というか、冷静に考えると、この状況を誰かに見られたら本当にまずい。
特にユウヤくんに見られようものなら・・・・・。
怒られるかな?
それとも愛想を尽かされる?
「ここら辺にしておきましょうかね」
「私が浅はかでした。ごめんなさい」
あたしの言葉にラス様はきょとんとした後、手を放し、身体の上から退いてくれた。
「これでどうでしょう?」
「何がです?」
「言う事きいてくれます?」
「護衛の件ですか」
ラス様は自分のせいで、あたしが危ない目にあってはいけないと思って、護衛の話をしてくれてるんだろうと思うけど。
あたしはスカートについた草をはらいながら立ち上がると続けた。
「心配してくれる気持ちはありがたいですけど、大体、なんであたしにこだわるんですか? 平民で、自分に媚びないのがお好みなら新聞広告に、こんな嫁募集! とか出してみたらどうですか?」
「どんな人間がくるかもわからないですし、新聞では全ての人には伝わりませんよ」
「そうですかね」
「現にあなたやリア様には伝わっていなかったでしょう」
ん?
なんで、あたしとリアの名前が?
無言でラス様を見ると、察してくれたのか答えてくれた。
「ユウヤ様はあなたを探す広告を新聞に出していましたよ」
「え?」
「あとは自分でお調べ下さい」
「え?」
「野生の勘なんですかね。なんで、ここだとわかったのか・・・・・」
そう言うと、ラス様はあたし達が元々歩いてきた道を指差す。
するとそこには、息を切らして何かを探しているユウヤくんがいた。
もしかして、セバスさんが伝えてくれたのかな?
「あんな所を見られていたら、私でもタダではすまなかったでしょうね」
ラス様はそう言って、ユウヤくんがいる場所から反対方向へ歩きはじめたかと思うと、あたしの方に振り返り、眼鏡をなおしながら言った。
「上手くおさめて下さいね」
「元はと言えばあなたが!」
憤慨して追いかけようとした、その時。
「ユーニ!」
腕を引っ張られ、ユウヤくんに抱き寄せられた。
「ユ、ユウヤくん」
「何してた。アイツと何かあったんか?!」
「ぐ、ぐるじい」
むぎゅうと胸板に顔を押し付けられていて、息ができない。
「わ、わりぃ」
腕がゆるんだので、大きく息を吸う。
ああ、苦しかった!
「何かあったかと言われればあったけど、大丈夫だよ。ユウヤくんが来てくれたし」
そう言って見上げて笑うと、ユウヤくんはあたしのおでこにキスをすると、また、ぎゅっと抱きしめてきた。
「ユ、ユウヤくん?」
「オマエはずるい」
「え? なんで?」
「そんな可愛い顔されたら、追求したくてもできねぇだろ」
普通に笑っただけなんだけど。
というか、ほんと照れる。
「ユウヤくんはあたしには甘いよねぇ」
ユウヤくんの背中に腕を回し、ぽんぽんと優しく撫でる。
「再会したら、いっぱい甘えて甘やかすって決めてたんだよ」
「何それ」
あたしは笑ってから顔を上げて、言葉を続ける。
「ラス様。あたしに護衛をつけろって。心配してくれてるみたい」
「それはオレも同じ気持ちですが」
「そういえばユウヤくん、あたしと再会できなかったら、婚約とかどうするつもりだったの?」
今更ながら気になって聞いてみると、ユウヤくんは何故か視線を彷徨わせた。
これは怪しいな。
「ユウヤくん、正直に答えて。どうするつもりだったの?」
「いや、その」
「いや、その、じゃなくて!」
くっついていた身体がはなれ、あたしから逃れるようにユウヤくんが後ずさる。
これは完璧に怪しい。
「答えて!」
強く言うと、ユウヤくんが肩を落として、小さな声で言った。
「別邸にいるんだ」
「は?」
「オマエらがいる別邸とは別に、屋敷が何個かあって、そこに婚約者の対象者が住んでる」
な、な、なんだって?!
「オマエがオレと結婚を約束してくれるなら、すぐにオレの婚約者候補はすぐに帰らせる!」
ちょっと待って。
なんか、あたしが悪い事になってない?
それに。
「オレの婚約者候補?」
「あ」
ユウヤくんが慌てて、自分の口を塞ぐ。
ここまで動揺しているのは珍しい。
「もしかして、ユウマくんにもいるのね?」
「・・・・・・」
ユウヤくんがあたしと視線を一切合わせようとしない。
これはユウマくんの事も肯定している証拠だろう。
なんでだろう。
ユウヤくんよりもユウマくんに苛立つのは。
「リアちゃんには言わないでほしいんだが」
「ええ、言いませんよ。でも、殴りたい!」
ユウヤくんの婚約者候補に関しては、ユウヤくんの心変わりもある可能性を考えたらしょうがないだろう。
にしても、ユウマくんは許さん。
「あと、ちゃんと婚約者候補の人には会いに行ってるの?」
あたしの質問に、ユウヤくんの表情が悲しいものに変わった。
あれ。
何か、傷つけるような事を言ってしまった?
「オマエはそれでいいのかよ」
「え?」
「オマエは他の女にオレが会いに行っていいんかよ?!」
「・・・・・えっと。様子を見に行くだけとかじゃなくて、婚約者として会いに行くの?」
「あ?」
ユウヤくんの表情を見てしまったら、自分がひどい事を言った事に気付いたので、あたしは聞き方を変える。
「プライベートで会いに行くの? 仕事じゃなくて?」
「・・・・・・いや、仕事っつーか、義務ならそりゃ」
「それを聞いただけだよ。ごめんごめん」
お詫びの意味もこめて、あたしはユウヤくんに向かって手を広げる。
「本当にそうだったのか?」
素直にあたしの元に戻ってきて、また、あたしを抱きしめると、あたしの肩に顎をのせて言った。
う、なんも考えずの発言だったからなあ。
気をつけないと。
「そうですよ? というか、あたしは隠されてた事に腹立つんだけど!」
「しょうがねぇだろ。言ったらオマエら逃げるだろ」
「リアも含めてってこと?」
「そうだろ。リアちゃんなんて特に婚約者が他にもいたなんて知った」
そこまで言って、ユウヤくんの身体が固まった。
「どうしたの?」
「リ、リアちゃん・・・・・」
「うふふ。ラブラブなとこ悪いけど、その話、じっくり聞かせていただきたいわ」
顔は見えないけど、長年の付き合いでわかる。
絶対に笑ってない。
25
お気に入りに追加
861
あなたにおすすめの小説

いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

婚約破棄を突き付けてきた貴方なんか助けたくないのですが
夢呼
恋愛
エリーゼ・ミレー侯爵令嬢はこの国の第三王子レオナルドと婚約関係にあったが、当の二人は犬猿の仲。
ある日、とうとうエリーゼはレオナルドから婚約破棄を突き付けられる。
「婚約破棄上等!」
エリーゼは喜んで受け入れるが、その翌日、レオナルドは行方をくらました!
殿下は一体どこに?!
・・・どういうわけか、レオナルドはエリーゼのもとにいた。驚くべき姿で。
殿下、どうして私があなたなんか助けなきゃいけないんですか?
本当に迷惑なんですけど。
※世界観は非常×2にゆるいです。
文字数が多くなりましたので、短編から長編へ変更しました。申し訳ありません。
カクヨム様にも投稿しております。
レオナルド目線の回は*を付けました。
【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋
伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。
それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。
途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。
その真意が、テレジアにはわからなくて……。
*hotランキング 最高68位ありがとうございます♡
▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス

【完結】精霊姫は魔王陛下のかごの中~実家から独立して生きてこうと思ったら就職先の王子様にとろとろに甘やかされています~
吉武 止少
恋愛
ソフィアは小さい頃から孤独な生活を送ってきた。どれほど努力をしても妹ばかりが溺愛され、ないがしろにされる毎日。
ある日「修道院に入れ」と言われたソフィアはついに我慢の限界を迎え、実家を逃げ出す決意を固める。
幼い頃から精霊に愛されてきたソフィアは、祖母のような“精霊の御子”として監視下に置かれないよう身許を隠して王都へ向かう。
仕事を探す中で彼女が出会ったのは、卓越した剣技と鋭利な美貌によって『魔王』と恐れられる第二王子エルネストだった。
精霊に悪戯される体質のエルネストはそれが原因の不調に苦しんでいた。見かねたソフィアは自分がやったとバレないようこっそり精霊を追い払ってあげる。
ソフィアの正体に違和感を覚えたエルネストは監視の意味もかねて彼女に仕事を持ち掛ける。
侍女として雇われると思っていたのに、エルネストが意中の女性を射止めるための『練習相手』にされてしまう。
当て馬扱いかと思っていたが、恋人ごっこをしていくうちにお互いの距離がどんどん縮まっていってーー!?
本編は全42話。執筆を終えており、投稿予約も済ませています。完結保証。
+番外編があります。
11/17 HOTランキング女性向け第2位達成。
11/18~20 HOTランキング女性向け第1位達成。応援ありがとうございます。

英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない
百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。
幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
踏み台令嬢はへこたれない
IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる