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思いや力は中々コントロールできない
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ラス様の話を終えると、あたし達は気を取り直してショッピングを開始した。
服を一通り見終わったあとは、リア達へのお土産も無事に買えた。
まあ、お財布はユウヤくんなので、ここの所を本当にどうにかしたい。
買った服は一着だけ持ち帰り、残りは明日、誰かに取りに行ってくれるように頼むらしい。
持ち帰る服とお土産は、今はユウヤくんが全部、片手で持ってくれている。
夕方近くになり、そろそろ帰る事にして、あたし達は自然と手を繋いで城への道を歩く。
こんな事を言うのもちょっと照れるが、ユウヤくんと手をつなぐのも、なんだか自然になってきた。
ユウヤくんの手は、剣を使うせいか、マメらしい硬いものや、ヌルッとした・・・・・。
ん?
ヌルッとした?
あたしは慌てて手をはなし、自分の手の平を見てみると、少しだけれど赤い液体がついていた。
「どうした?!」
ユウヤくんが血に驚いて、あたしの手を掴む。
いやいや、血が出てるのはあなたの方なんですよ。
「ユウヤくん、手を開いて」
「あ」
促されてみて、ようやく自分の手から血が出ていた事に気付いたらしい。
「マメが潰れちゃったんだね」
「大した事ねぇよ」
「駄目だよ。手をつなぎにくい」
「・・・・・それは困る」
「だから、治したげる」
「可愛い」
照れながら言った言葉に、ユウヤくんが優しく微笑む。
なんでそこで可愛いにつながるの?!
すごく恥ずかしくなるんだけど!
鼓動が早くなりすぎて、このままでは、あたしの心臓がやられてしまう。
ユウヤくんが道端だというのに、おでこや頬に口付けてくるので、あたしはそれを押しやると、ユウヤくんの手を両手でつかんで、そこに意識を集中させる。
あたしの回復魔法は無詠唱だし、光ったりするわけじゃないから、他の人に見られていても、ただ、あたしがユウヤくんの手を包んでいるだけのようにしか見えない。
「終わった!」
つつんでいた手をはなすと、ユウヤくんが手を開く。
と、やはりやりすぎてしまった。
マメなどが一切消え去り、手がツルツルになってしまっていた。
「あ、やりすぎちゃったかな」
「まあな。でも、ありがとな」
「どういたしまして」
「だけど、ほんと、簡単に人前でこの力使うなよ?」
「え?」
ユウヤくんはそう言うと荷物を持ち替えて、反対側の手も開いて見せてくれた。
「ごめんなさい」
あたしはユウヤくんの手をつかんで謝る。
もう片方の手もそれはそれはもう綺麗になっていた。
傷やマメのあとなんて何一つない。
やはり、上手くコントロールできていなかったらしい。
「気にすんな。手袋するからわかんねぇよ」
「ありがとう」
「でも、この力は本当に大事な時に使ってくれ。人に知られたらまずい」
「ジンさんとか、騎士団の人も駄目?」
「そりゃあ出来れば知ってる奴は少ないほうがいいだろ」
「・・・・・わかった」
頷いてからユウヤくんの手を放し、やっぱり言葉を続ける。
「でも、生死を分ける時とかなら使ってもいいよね?」
あたしの言葉に、ユウヤくんは困った顔をする。
これはあれかな。
本当は駄目って言いたいけど、言いづらいやつなのかな?
「助けられるのに助けなかったら、あたしは一生後悔すると思うから」
胸の前に手を置いて、あたしがそう言うと、ユウヤくんがあたしの頭に手を置いた。
「しょうがねえな」
「ありがとう」
「そういや、オマエが回復魔法を使えるの、ラスは知ってんのか?」
「あたしは言ってないけど」
「なら、知らねぇのか。知ったらオマエを余計に欲しがりそうだが、アイツが味方なら、オマエを守りやすくはなるしなあ」
「どういう事?」
手をつなぎ直して、また歩き始めながら尋ねる。
「ラスって文系な顔してんだけど、剣の腕もたつし、防御系の魔法なんて、めちゃくちゃ精度高いんだよ」
「そうなんだ」
「おまけに公爵家っていう権威もあるし、オマエの護衛にはちょうどいいんだよな」
「公爵家の息子を護衛につけるなんて駄目でしょ。逆に誰かつけないといけないんじゃない?」
「まあ、そうなんだけどよ、それはラスが考える事だからいいとして、オマエを守る場合は、オレ1人では限界あるからな」
心配してくれるのは嬉しいけど、力を知られなければ、あたしなんて相手にされないだろう。
「大丈夫だよ! あたしも他の魔法は使えるし、自分の身は自分で守るよ!」
「そうやって、自分1人でなんとかしようとすんな。頼れる時は周りを頼れ。オマエがラスを信用できる人物だと思うなら、打ち明けていいから」
あまり人には言うな、と言ってるのに、ラス様には言ってもいい、なんて矛盾してる気もするけど、それだけ、ラス様はユウヤくんにとって信用できる人なのかな。
まあ、ラス様は意地悪だけど、本当に嫌なことをするような人でもなさそうだし。
「わかった。その時は事後報告になるかもしれないけど、ユウヤくんにちゃんと話すね」
「ああ。だけど、その」
「ん?」
「ラスを頼るのはいいけど」
「なに?」
ユウヤくんが何か言いたげにしているのはわかるが、言葉にしてくれないので、あたしは空いている手で、彼の腕をつかんで急かす。
「ねえ、何?」
「惚れるのは止めてくれ、って言ったら卑怯かな」
ユウヤくんがあたしから顔を背けて小声で言った。
こういうとこ、昔と一緒で本当に可愛い。
まあ、ラス様はカッコ良いとは思うけど、あたしにとっては、1番じゃないからなあ。
でも、ユウヤくんでも、そういう不安があるんだな、と思うと、ちょっと嬉しかったりした。
「うーん、どうだろうね」
「そこは否定するとこだろ」
あたしの手を握るユウヤくんの握力が少し強くなったので、あたしはついつい笑ってしまう。
「ラス様はあたしの事を好きじゃないから大丈夫だよ」
「そういう問題じゃねぇだろ」
「というか、何でそんな事を思うの?」
「ああ。なんつーか、目の当たりにしてるからかな」
「何を?」
「アイツが女性の対処で苦労してるとこ。それくらい、アイツはモテるしよ」
聞き返すと、ユウヤくんは苦笑して言った。
そうか、ラス様は仕事に支障をきたしたって言ってたし、ユウヤくんも話を知ってるのか。
「そんなに大変そうなの?」
「まあな。相手がオマエじゃなければ、ラスを応援してた可能性もある」
「そうなんだ。気になるけど、それってラス様に内容を聞いていい話なのかな?」
「ああ、そうだな。思い出したくないかもしれんから難しいが、あれなら、ジンに聞いてみたらどうだ?」
「ジンさんに?」
「ラスはジンが勘当されたあとも、何かと裏で世話してやってたくらいだから、兄弟仲は悪くないからよ」
そうなのか。
ジンさんが騎士団にすんなり入れたのもそのせいなのかな?
でも、本人の許可なしに勝手に聞いてもいいものか。
そう考えていると、ユウヤくんが言った。
「ラスに聞いといてやるよ」
「ありがとう」
ラス様の恋人になるのは無理だけど、何か出来ることがあるならしてあげた方がいいよね?
そう思ったあと、ラス様の話はここまでにして、ユウヤくんとの帰り道を楽しむ事にした。
服を一通り見終わったあとは、リア達へのお土産も無事に買えた。
まあ、お財布はユウヤくんなので、ここの所を本当にどうにかしたい。
買った服は一着だけ持ち帰り、残りは明日、誰かに取りに行ってくれるように頼むらしい。
持ち帰る服とお土産は、今はユウヤくんが全部、片手で持ってくれている。
夕方近くになり、そろそろ帰る事にして、あたし達は自然と手を繋いで城への道を歩く。
こんな事を言うのもちょっと照れるが、ユウヤくんと手をつなぐのも、なんだか自然になってきた。
ユウヤくんの手は、剣を使うせいか、マメらしい硬いものや、ヌルッとした・・・・・。
ん?
ヌルッとした?
あたしは慌てて手をはなし、自分の手の平を見てみると、少しだけれど赤い液体がついていた。
「どうした?!」
ユウヤくんが血に驚いて、あたしの手を掴む。
いやいや、血が出てるのはあなたの方なんですよ。
「ユウヤくん、手を開いて」
「あ」
促されてみて、ようやく自分の手から血が出ていた事に気付いたらしい。
「マメが潰れちゃったんだね」
「大した事ねぇよ」
「駄目だよ。手をつなぎにくい」
「・・・・・それは困る」
「だから、治したげる」
「可愛い」
照れながら言った言葉に、ユウヤくんが優しく微笑む。
なんでそこで可愛いにつながるの?!
すごく恥ずかしくなるんだけど!
鼓動が早くなりすぎて、このままでは、あたしの心臓がやられてしまう。
ユウヤくんが道端だというのに、おでこや頬に口付けてくるので、あたしはそれを押しやると、ユウヤくんの手を両手でつかんで、そこに意識を集中させる。
あたしの回復魔法は無詠唱だし、光ったりするわけじゃないから、他の人に見られていても、ただ、あたしがユウヤくんの手を包んでいるだけのようにしか見えない。
「終わった!」
つつんでいた手をはなすと、ユウヤくんが手を開く。
と、やはりやりすぎてしまった。
マメなどが一切消え去り、手がツルツルになってしまっていた。
「あ、やりすぎちゃったかな」
「まあな。でも、ありがとな」
「どういたしまして」
「だけど、ほんと、簡単に人前でこの力使うなよ?」
「え?」
ユウヤくんはそう言うと荷物を持ち替えて、反対側の手も開いて見せてくれた。
「ごめんなさい」
あたしはユウヤくんの手をつかんで謝る。
もう片方の手もそれはそれはもう綺麗になっていた。
傷やマメのあとなんて何一つない。
やはり、上手くコントロールできていなかったらしい。
「気にすんな。手袋するからわかんねぇよ」
「ありがとう」
「でも、この力は本当に大事な時に使ってくれ。人に知られたらまずい」
「ジンさんとか、騎士団の人も駄目?」
「そりゃあ出来れば知ってる奴は少ないほうがいいだろ」
「・・・・・わかった」
頷いてからユウヤくんの手を放し、やっぱり言葉を続ける。
「でも、生死を分ける時とかなら使ってもいいよね?」
あたしの言葉に、ユウヤくんは困った顔をする。
これはあれかな。
本当は駄目って言いたいけど、言いづらいやつなのかな?
「助けられるのに助けなかったら、あたしは一生後悔すると思うから」
胸の前に手を置いて、あたしがそう言うと、ユウヤくんがあたしの頭に手を置いた。
「しょうがねえな」
「ありがとう」
「そういや、オマエが回復魔法を使えるの、ラスは知ってんのか?」
「あたしは言ってないけど」
「なら、知らねぇのか。知ったらオマエを余計に欲しがりそうだが、アイツが味方なら、オマエを守りやすくはなるしなあ」
「どういう事?」
手をつなぎ直して、また歩き始めながら尋ねる。
「ラスって文系な顔してんだけど、剣の腕もたつし、防御系の魔法なんて、めちゃくちゃ精度高いんだよ」
「そうなんだ」
「おまけに公爵家っていう権威もあるし、オマエの護衛にはちょうどいいんだよな」
「公爵家の息子を護衛につけるなんて駄目でしょ。逆に誰かつけないといけないんじゃない?」
「まあ、そうなんだけどよ、それはラスが考える事だからいいとして、オマエを守る場合は、オレ1人では限界あるからな」
心配してくれるのは嬉しいけど、力を知られなければ、あたしなんて相手にされないだろう。
「大丈夫だよ! あたしも他の魔法は使えるし、自分の身は自分で守るよ!」
「そうやって、自分1人でなんとかしようとすんな。頼れる時は周りを頼れ。オマエがラスを信用できる人物だと思うなら、打ち明けていいから」
あまり人には言うな、と言ってるのに、ラス様には言ってもいい、なんて矛盾してる気もするけど、それだけ、ラス様はユウヤくんにとって信用できる人なのかな。
まあ、ラス様は意地悪だけど、本当に嫌なことをするような人でもなさそうだし。
「わかった。その時は事後報告になるかもしれないけど、ユウヤくんにちゃんと話すね」
「ああ。だけど、その」
「ん?」
「ラスを頼るのはいいけど」
「なに?」
ユウヤくんが何か言いたげにしているのはわかるが、言葉にしてくれないので、あたしは空いている手で、彼の腕をつかんで急かす。
「ねえ、何?」
「惚れるのは止めてくれ、って言ったら卑怯かな」
ユウヤくんがあたしから顔を背けて小声で言った。
こういうとこ、昔と一緒で本当に可愛い。
まあ、ラス様はカッコ良いとは思うけど、あたしにとっては、1番じゃないからなあ。
でも、ユウヤくんでも、そういう不安があるんだな、と思うと、ちょっと嬉しかったりした。
「うーん、どうだろうね」
「そこは否定するとこだろ」
あたしの手を握るユウヤくんの握力が少し強くなったので、あたしはついつい笑ってしまう。
「ラス様はあたしの事を好きじゃないから大丈夫だよ」
「そういう問題じゃねぇだろ」
「というか、何でそんな事を思うの?」
「ああ。なんつーか、目の当たりにしてるからかな」
「何を?」
「アイツが女性の対処で苦労してるとこ。それくらい、アイツはモテるしよ」
聞き返すと、ユウヤくんは苦笑して言った。
そうか、ラス様は仕事に支障をきたしたって言ってたし、ユウヤくんも話を知ってるのか。
「そんなに大変そうなの?」
「まあな。相手がオマエじゃなければ、ラスを応援してた可能性もある」
「そうなんだ。気になるけど、それってラス様に内容を聞いていい話なのかな?」
「ああ、そうだな。思い出したくないかもしれんから難しいが、あれなら、ジンに聞いてみたらどうだ?」
「ジンさんに?」
「ラスはジンが勘当されたあとも、何かと裏で世話してやってたくらいだから、兄弟仲は悪くないからよ」
そうなのか。
ジンさんが騎士団にすんなり入れたのもそのせいなのかな?
でも、本人の許可なしに勝手に聞いてもいいものか。
そう考えていると、ユウヤくんが言った。
「ラスに聞いといてやるよ」
「ありがとう」
ラス様の恋人になるのは無理だけど、何か出来ることがあるならしてあげた方がいいよね?
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