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45 『もう限界だわ』
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フェイク様は私の質問に同じく筆談で答えてくれた。
私が思っていた以上に複雑ではあったけれど、考え方は間違っていなかった。
やはり、子供の取りかえは行われていた。
でも、世間に流されている情報と事実は異なっていた。
実際に亡くなっていたのは、本当の長男だった。
長男は体が弱いとされていて、ベッドから起き上がることもできず、成長もかなり遅れていたそうだ。
その当時は、城内で陰口を叩かれても、ただ、我が子が生きていてくれれば良いと皇妃様は願っていた。
そうしているうちに皇妃様二人目を妊娠した。
でも、一人目の成長を見た、周りの人たちは、皇妃様にもう子どもはできないだろうと決めつけて、陛下に側妃を作らせ、子供を作ることを強く望み、陛下もそれを受け入れていた。
その結果、側妃と皇妃様は同時期に子どもを生んだ。
そして、少ししてから起こったのが、長男の死だった。
フェイク様のお兄様の世話をしていたメイドたちは、ある日、側妃に呼ばれて、少しの間だけ部屋から離れることになった。
その時は、側妃のメイドがお兄様を見ていてくれることになったことや、側妃からの命令を断ることができなかったため移動した。
そして、戻ってきた時には、お兄様の体調は悪くなっており、そのまま亡くなってしまったのだということだった。
側妃のメイドたちが疑われたけれど、証拠もなく、側妃はそのメイドたちを庇った。
側妃の言葉を信じられなかった皇妃様は、側妃にこんな提案をした。
『次期皇帝になることを嫌う何者かのせいであの子は殺されたのだと思う。これ以上、自分の子どもを失いたくない。だから、あなたと私の子を取りかえませんか』
普通の母親なら断ると思う。
でも、側妃は一つ返事で、その提案を受け入れた。
皇妃様はどんな形であれ、自分の息子が元気に成長することを望み、側妃は自分の息子が皇帝になることを望んだ。
周りの人たちには口止めをして、この交換は行われた。
長男の死ではなく、側妃の子どもが亡くなったということにした理由は、どうしても自分の子を皇帝にしたいという側妃の願いだった。
長男が皇帝になることが確実と言われていた時代だったので、皇帝の座を確実なものにするためだった。
こんな話を聞くと、フェイク様のお兄様が殺されたことは明らかだし、犯人だってすぐにわかる。
公にしなかったのは、証拠がなかったこともあるけれど、皇太子じゃなければ、自分の息子の命は守られると思ったんでしょう。
フェイク様の名前の件も、パクト様が付けたなんて言っているけれど、実際は違うとのことだった。
「いつかはそのことを公に発表するおつもりなのですか?」
「……必要なら、そうだな。亡き人の気持ちを汲めないのが辛いが、そうするしかないと思っている。でも、できればしたくない」
亡き人というのは、先代の皇妃のことを言っているのだと思う。
「だから、兄上が皇帝を続けていられないような証拠を掴む。そうすれば、俺は弟のままで皇位を継ぐことになる」
どうするつもりなのか、今はわからない。
でも、私はもう限界だわ。
たとえ、平民になったとしても、パクト様を糾弾し、皇帝の座から引きずり下ろすわ。
側妃としてのんびり暮らしたかった。
でも、そんな甘い考えは捨てなければならないのかもしれない。
私が思っていた以上に複雑ではあったけれど、考え方は間違っていなかった。
やはり、子供の取りかえは行われていた。
でも、世間に流されている情報と事実は異なっていた。
実際に亡くなっていたのは、本当の長男だった。
長男は体が弱いとされていて、ベッドから起き上がることもできず、成長もかなり遅れていたそうだ。
その当時は、城内で陰口を叩かれても、ただ、我が子が生きていてくれれば良いと皇妃様は願っていた。
そうしているうちに皇妃様二人目を妊娠した。
でも、一人目の成長を見た、周りの人たちは、皇妃様にもう子どもはできないだろうと決めつけて、陛下に側妃を作らせ、子供を作ることを強く望み、陛下もそれを受け入れていた。
その結果、側妃と皇妃様は同時期に子どもを生んだ。
そして、少ししてから起こったのが、長男の死だった。
フェイク様のお兄様の世話をしていたメイドたちは、ある日、側妃に呼ばれて、少しの間だけ部屋から離れることになった。
その時は、側妃のメイドがお兄様を見ていてくれることになったことや、側妃からの命令を断ることができなかったため移動した。
そして、戻ってきた時には、お兄様の体調は悪くなっており、そのまま亡くなってしまったのだということだった。
側妃のメイドたちが疑われたけれど、証拠もなく、側妃はそのメイドたちを庇った。
側妃の言葉を信じられなかった皇妃様は、側妃にこんな提案をした。
『次期皇帝になることを嫌う何者かのせいであの子は殺されたのだと思う。これ以上、自分の子どもを失いたくない。だから、あなたと私の子を取りかえませんか』
普通の母親なら断ると思う。
でも、側妃は一つ返事で、その提案を受け入れた。
皇妃様はどんな形であれ、自分の息子が元気に成長することを望み、側妃は自分の息子が皇帝になることを望んだ。
周りの人たちには口止めをして、この交換は行われた。
長男の死ではなく、側妃の子どもが亡くなったということにした理由は、どうしても自分の子を皇帝にしたいという側妃の願いだった。
長男が皇帝になることが確実と言われていた時代だったので、皇帝の座を確実なものにするためだった。
こんな話を聞くと、フェイク様のお兄様が殺されたことは明らかだし、犯人だってすぐにわかる。
公にしなかったのは、証拠がなかったこともあるけれど、皇太子じゃなければ、自分の息子の命は守られると思ったんでしょう。
フェイク様の名前の件も、パクト様が付けたなんて言っているけれど、実際は違うとのことだった。
「いつかはそのことを公に発表するおつもりなのですか?」
「……必要なら、そうだな。亡き人の気持ちを汲めないのが辛いが、そうするしかないと思っている。でも、できればしたくない」
亡き人というのは、先代の皇妃のことを言っているのだと思う。
「だから、兄上が皇帝を続けていられないような証拠を掴む。そうすれば、俺は弟のままで皇位を継ぐことになる」
どうするつもりなのか、今はわからない。
でも、私はもう限界だわ。
たとえ、平民になったとしても、パクト様を糾弾し、皇帝の座から引きずり下ろすわ。
側妃としてのんびり暮らしたかった。
でも、そんな甘い考えは捨てなければならないのかもしれない。
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