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第一章
20.どうかお好きに
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今まで生きてきてこんなに我慢が出来ないことなどなかった。
常に冷静でいる自分は、人として欠陥があるのではないだろうかとも思っていた。だからといって、自分の意志でどうにかなる問題でもない。チェルシーに対しても愛しくて仕方がないが、触れ合うことに関しては常に理性で抑えていた。それよりも彼女に嫌われることのほうが怖かった。
それに本人にはそんなつもりはなくとも、冷たいだの辛辣だの言われているフレッドだから、チェルシーを無意識に傷つけて悲しませるなどしたくはなかった。ならば極力関わらないほうがいい。
——それなのに。
腹の奥から沸き起こる情欲を抑えることができない。これも昨晩から色んな彼女を知ってしまったからだろう。いや、そうでなくともいつかはこうなっていたかもしれない。
普段使用しているソファーにキャラメルブラウンの髪が広がる。いけないことをしているようで、背徳感が更に興奮を掻き立てた。そういう感情とは無縁だと思っていたのに、フレッドもただの男だったらしい。
滑らかな頬を掌で包むように撫でると瞳が少し細められて、フレッドよりもずっと小さく華奢な手がその上に重なった。鼻先が触れるほどに顔を近づけるとチェルシーの瞳がキラキラと宝石のように輝いて見え、ウットリと見とれているとやがて閉じられた。
それを合図に再び唇を重ねると、先ほどの深い口付けを思い出す。どちらともなく舌が触れ合って、また艶かしく絡まった。
チェルシーの腕がフレッドの背後に回り、そっと引き寄せられて口付けはさらに深いものとなる。静かな執務室に水音と、時おり漏れた湿り気のある呼吸音が響く。
フレッドの胸に苦しいほどの愛しさがこみ上げてくる。チェルシーはフレッドの妻で自分だけが彼女を組敷ける唯一なのだ。いっそ積もり積もった欲望をぶつけてしまいたくなる。
それでもいつもの癖で、ギリギリのところで理性が働くのである。腕の中にすっぽり収まる小柄な彼女を傷つけることだけはしたくない。
——チェルシーはもどかしさを感じていた。
触れて欲しいのに、彼の手はチェルシーを包み込むだけで。チェルシーは背中に回していた手をフレッドの逞しい二の腕を辿って、彼の手を取った。
「フレッド様……。身体も、触って下さい」
そして最近ちょっとだけ大きくなった気がする膨らみへと導く。するとフレッドのいつもヒンヤリと冷たそうな瞳に熱が灯るのが分かった。
「……脱がせてもいいだろうか?」
優しく膨らみを弄びながら、真剣に問うフレッドにチェルシーは笑みを漏らした。なんて不器用な人なのだろう。そしてそんな彼をとても可愛らしく思えてしまう。
「お願いします。どうかフレッド様のお好きに……」
* * *
前開きのワンピースは鳩尾まで開かれて、室内用の簡易的なコルセットからは膨らみの先もはみ出してしまっている。今は彼の口内と指先に隠れて見えないけれど。
いつも身体を合わせるときは就寝前なので、夜着の下はドロワーズだけで脱ぎにくいワンピースもコルセットも付けていない。しかし今は普段着ているワンピースから出ている双丘がチェルシーの快感を更に掻き立て、じわじわと下腹部に熱が溜まっていく。
フレッドの髪が鎖骨辺りに落ちて擽ったいけれど、甘い快感を増長するだけだ。時間が経ち、寝ぐせは少し落ち着いていて、それをそっと指先で遊ぶ。今日は長く彼を独占していたことを思い出す。
口内で先端が飴玉のように転がされる度に段々と敏感になり、太腿を摺り寄せてなんとか耐えた。
それに気付いたらしいフレッドはワンピースの裾から手を差し入れて、ゆっくりと足首から撫で上げると、辿り着いたウエスト部分からドロワーズの中に手を潜り込ませた。フレッドはスラリとした体躯をしているが騎士をしていた時期が長かったからか、チェルシーが知る貴族の男性よりも(ほとんど家族、親戚だが)、その手は無骨で指先の皮膚は少し硬い。けれどとても優しく、傷つけないようにチェルシーを触るものだから、いつもは擽ったさのが強かった。
しかし今日は違う。彼の手つきは普段より性急で少し強引で、しかしそれが堪らない。そうされたかったのだと昨日今日でチェルシーは身をもって知った。受け入れることにより、更に快感が増す気がした。
チェルシーの両胸は、フレッドの口と手によって二つ同時に刺激を与えられている。更にドロワーズの中に潜り込んだもう片方の手は、淡い茂みをかき分けて秘裂の奥へと進んでいく。フレッドの指先に滑りを感じて、チェルシーのそこはいつもに増して濡れているのが分かった。
指はその蜜を絡めると来た道を戻り、まだ柔らかい花芽に塗すように触れる。ひくりと太腿が震えた。
「……んっ!」
思考は蕩けてしまっているとはいえ、ここが普段フレッドが執務に使っている部屋だと理解していて、思わず上げそうになってしまう嬌声を手の甲を押し当ててなんとか耐えた。
いつもだったら、そこそこでフレッドの手は止まってしまいそうなのに。今日は一向に止まらない。むしろもっとと求められているようだ。
過敏に反応してしまった場所をフレッドは執拗に追い詰める。段々と固く尖ってきたそこを押しつぶすように捏ねられて仰け反った。
こんなふうに触り続けてもらえたら、大きな快感の波が訪れそうだ。敏感な3点を一気に弄られて、もうすぐそこまで……というところでフレッドは動きを止めてしまった。
「え……」
思わず情けない声を上げてしまったチェルシーに、フレッドは先ほどよりも熱の籠った目線を送る。
「もっとしてもいいだろうか?」
もっと、とはどういう意味かは分からないがチェルシーも限界だった。今この状況を打破してくれるのはフレッドしかいない。
「どうか、してください……」
そう言い終わるが早いか、ワンピースの裾は捲られてドロワーズが足から抜かれた。チェルシーの足は大きく開かれて、右足は背もたれへと乗せられた。ああ、なんてはしたない。けれどやめないでほしい。
「あああっ!」
そう思った瞬間、秘部にぬるりと温かさを感じ、ビリビリと痺れるような快感が背中を駆け上りチェルシーは思わず嬌声を上げた。しまったと思わず手で口を覆う。
指先と違い、柔らかな舌はチェルシーのいいところを繊細な動きで探っている。
「すごく固くなって。果実のようだ……」
「ひゃあ!そ、そこで喋らないでっ!……んうっ!」
熱い吐息が敏感な粒にかかり、フレッドが間近でチェルシーの秘部を見ているのが分かる。ワンピースの裾で彼の髪の毛しか見えないのが幸いだった。未だ少し跳ねている寝ぐせが生々しい。
「恥ずかしいから、そんなに見ないでくださいっ」
「どうして?こんなに愛らしいのに……」
まさかのセリフにチェルシーは目を瞠った。じっくり見たことはないが、愛らしいと言われるような形をしているとは思えない。
「まっ……!!」
待ってください、と言おうとしたチェルシーだったがあまりにも強い刺激に弓形に仰け反った。フレッドは指で花芽の包皮を押し上げて、現れた実を軽く吸ったのだった。
「ああっ!それ、だめっ」
「昨晩色々調べさせてもらったが、やはりこれが好きなのだな」
「やっ、喋らないでぇ」
「分かった」
いつもなら駄目だと声を出せばすぐに止めてくれたのに。喋るのは止めた代わりに舌の表面で擦るように舐め擦る。あまりにも強い快感に怖くなって止めようと、フレッドの頭に手を乗せるけれど力が入らない。腰がガクガクと震えてしまっては押し付けるような動きになり、かえって舌の動きを敏感に感じ取る結果となった。
「やあああっ……!」
水風船が弾けるように、パンッと瞼の裏に光りが弾けて意志とは関係なしに太腿は数回大きく痙攣した。ぐったりと全身が弛緩したチェルシーだったが、長い指がしとどに濡れた蜜口に挿入される感覚に再び下腹部に力を込めた。
質量が増して、さらに本数が増えたのだろう。
「っあっ!いい!」
いつもは中で快感を拾いにくいチェルシーだが、指の腹が中を擦るような動きに先ほどの快感が蘇る。
「こんなに溢れて。気持ちいいか?」
「気持ちいいです!フレッドさまぁ」
「んんっ。……そうか。もっと気持ちよくなるといい」
押し寄せる怒涛の快楽に翻弄されて、チェルシーは舌足らずな話し方になってしまうが、フレッドは満足そうに返す。
これ以上は無理なのに。パンパンに腫れあがった実を再び口に含まれて吸われると、チェルシーはガクガクと痙攣し、飛沫を上げながら盛大に達してしまった。
常に冷静でいる自分は、人として欠陥があるのではないだろうかとも思っていた。だからといって、自分の意志でどうにかなる問題でもない。チェルシーに対しても愛しくて仕方がないが、触れ合うことに関しては常に理性で抑えていた。それよりも彼女に嫌われることのほうが怖かった。
それに本人にはそんなつもりはなくとも、冷たいだの辛辣だの言われているフレッドだから、チェルシーを無意識に傷つけて悲しませるなどしたくはなかった。ならば極力関わらないほうがいい。
——それなのに。
腹の奥から沸き起こる情欲を抑えることができない。これも昨晩から色んな彼女を知ってしまったからだろう。いや、そうでなくともいつかはこうなっていたかもしれない。
普段使用しているソファーにキャラメルブラウンの髪が広がる。いけないことをしているようで、背徳感が更に興奮を掻き立てた。そういう感情とは無縁だと思っていたのに、フレッドもただの男だったらしい。
滑らかな頬を掌で包むように撫でると瞳が少し細められて、フレッドよりもずっと小さく華奢な手がその上に重なった。鼻先が触れるほどに顔を近づけるとチェルシーの瞳がキラキラと宝石のように輝いて見え、ウットリと見とれているとやがて閉じられた。
それを合図に再び唇を重ねると、先ほどの深い口付けを思い出す。どちらともなく舌が触れ合って、また艶かしく絡まった。
チェルシーの腕がフレッドの背後に回り、そっと引き寄せられて口付けはさらに深いものとなる。静かな執務室に水音と、時おり漏れた湿り気のある呼吸音が響く。
フレッドの胸に苦しいほどの愛しさがこみ上げてくる。チェルシーはフレッドの妻で自分だけが彼女を組敷ける唯一なのだ。いっそ積もり積もった欲望をぶつけてしまいたくなる。
それでもいつもの癖で、ギリギリのところで理性が働くのである。腕の中にすっぽり収まる小柄な彼女を傷つけることだけはしたくない。
——チェルシーはもどかしさを感じていた。
触れて欲しいのに、彼の手はチェルシーを包み込むだけで。チェルシーは背中に回していた手をフレッドの逞しい二の腕を辿って、彼の手を取った。
「フレッド様……。身体も、触って下さい」
そして最近ちょっとだけ大きくなった気がする膨らみへと導く。するとフレッドのいつもヒンヤリと冷たそうな瞳に熱が灯るのが分かった。
「……脱がせてもいいだろうか?」
優しく膨らみを弄びながら、真剣に問うフレッドにチェルシーは笑みを漏らした。なんて不器用な人なのだろう。そしてそんな彼をとても可愛らしく思えてしまう。
「お願いします。どうかフレッド様のお好きに……」
* * *
前開きのワンピースは鳩尾まで開かれて、室内用の簡易的なコルセットからは膨らみの先もはみ出してしまっている。今は彼の口内と指先に隠れて見えないけれど。
いつも身体を合わせるときは就寝前なので、夜着の下はドロワーズだけで脱ぎにくいワンピースもコルセットも付けていない。しかし今は普段着ているワンピースから出ている双丘がチェルシーの快感を更に掻き立て、じわじわと下腹部に熱が溜まっていく。
フレッドの髪が鎖骨辺りに落ちて擽ったいけれど、甘い快感を増長するだけだ。時間が経ち、寝ぐせは少し落ち着いていて、それをそっと指先で遊ぶ。今日は長く彼を独占していたことを思い出す。
口内で先端が飴玉のように転がされる度に段々と敏感になり、太腿を摺り寄せてなんとか耐えた。
それに気付いたらしいフレッドはワンピースの裾から手を差し入れて、ゆっくりと足首から撫で上げると、辿り着いたウエスト部分からドロワーズの中に手を潜り込ませた。フレッドはスラリとした体躯をしているが騎士をしていた時期が長かったからか、チェルシーが知る貴族の男性よりも(ほとんど家族、親戚だが)、その手は無骨で指先の皮膚は少し硬い。けれどとても優しく、傷つけないようにチェルシーを触るものだから、いつもは擽ったさのが強かった。
しかし今日は違う。彼の手つきは普段より性急で少し強引で、しかしそれが堪らない。そうされたかったのだと昨日今日でチェルシーは身をもって知った。受け入れることにより、更に快感が増す気がした。
チェルシーの両胸は、フレッドの口と手によって二つ同時に刺激を与えられている。更にドロワーズの中に潜り込んだもう片方の手は、淡い茂みをかき分けて秘裂の奥へと進んでいく。フレッドの指先に滑りを感じて、チェルシーのそこはいつもに増して濡れているのが分かった。
指はその蜜を絡めると来た道を戻り、まだ柔らかい花芽に塗すように触れる。ひくりと太腿が震えた。
「……んっ!」
思考は蕩けてしまっているとはいえ、ここが普段フレッドが執務に使っている部屋だと理解していて、思わず上げそうになってしまう嬌声を手の甲を押し当ててなんとか耐えた。
いつもだったら、そこそこでフレッドの手は止まってしまいそうなのに。今日は一向に止まらない。むしろもっとと求められているようだ。
過敏に反応してしまった場所をフレッドは執拗に追い詰める。段々と固く尖ってきたそこを押しつぶすように捏ねられて仰け反った。
こんなふうに触り続けてもらえたら、大きな快感の波が訪れそうだ。敏感な3点を一気に弄られて、もうすぐそこまで……というところでフレッドは動きを止めてしまった。
「え……」
思わず情けない声を上げてしまったチェルシーに、フレッドは先ほどよりも熱の籠った目線を送る。
「もっとしてもいいだろうか?」
もっと、とはどういう意味かは分からないがチェルシーも限界だった。今この状況を打破してくれるのはフレッドしかいない。
「どうか、してください……」
そう言い終わるが早いか、ワンピースの裾は捲られてドロワーズが足から抜かれた。チェルシーの足は大きく開かれて、右足は背もたれへと乗せられた。ああ、なんてはしたない。けれどやめないでほしい。
「あああっ!」
そう思った瞬間、秘部にぬるりと温かさを感じ、ビリビリと痺れるような快感が背中を駆け上りチェルシーは思わず嬌声を上げた。しまったと思わず手で口を覆う。
指先と違い、柔らかな舌はチェルシーのいいところを繊細な動きで探っている。
「すごく固くなって。果実のようだ……」
「ひゃあ!そ、そこで喋らないでっ!……んうっ!」
熱い吐息が敏感な粒にかかり、フレッドが間近でチェルシーの秘部を見ているのが分かる。ワンピースの裾で彼の髪の毛しか見えないのが幸いだった。未だ少し跳ねている寝ぐせが生々しい。
「恥ずかしいから、そんなに見ないでくださいっ」
「どうして?こんなに愛らしいのに……」
まさかのセリフにチェルシーは目を瞠った。じっくり見たことはないが、愛らしいと言われるような形をしているとは思えない。
「まっ……!!」
待ってください、と言おうとしたチェルシーだったがあまりにも強い刺激に弓形に仰け反った。フレッドは指で花芽の包皮を押し上げて、現れた実を軽く吸ったのだった。
「ああっ!それ、だめっ」
「昨晩色々調べさせてもらったが、やはりこれが好きなのだな」
「やっ、喋らないでぇ」
「分かった」
いつもなら駄目だと声を出せばすぐに止めてくれたのに。喋るのは止めた代わりに舌の表面で擦るように舐め擦る。あまりにも強い快感に怖くなって止めようと、フレッドの頭に手を乗せるけれど力が入らない。腰がガクガクと震えてしまっては押し付けるような動きになり、かえって舌の動きを敏感に感じ取る結果となった。
「やあああっ……!」
水風船が弾けるように、パンッと瞼の裏に光りが弾けて意志とは関係なしに太腿は数回大きく痙攣した。ぐったりと全身が弛緩したチェルシーだったが、長い指がしとどに濡れた蜜口に挿入される感覚に再び下腹部に力を込めた。
質量が増して、さらに本数が増えたのだろう。
「っあっ!いい!」
いつもは中で快感を拾いにくいチェルシーだが、指の腹が中を擦るような動きに先ほどの快感が蘇る。
「こんなに溢れて。気持ちいいか?」
「気持ちいいです!フレッドさまぁ」
「んんっ。……そうか。もっと気持ちよくなるといい」
押し寄せる怒涛の快楽に翻弄されて、チェルシーは舌足らずな話し方になってしまうが、フレッドは満足そうに返す。
これ以上は無理なのに。パンパンに腫れあがった実を再び口に含まれて吸われると、チェルシーはガクガクと痙攣し、飛沫を上げながら盛大に達してしまった。
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