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十分後。
「ふぁ……」
退屈だ。
内容はすでに知っていることの繰り返し。
言葉で説明されても、聞く意味のない講義だった。
わかっていたけど、凄く眠い。
前世で受けた学校の授業を思い出す。
興味のないことを延々と聞いていると、まるで子守唄のように眠気を誘われる。
時計を見る。
まだ講義開始から十数分しか経過していない。
講義時間は九十分。
残り八十分近く、この子守唄に耐えないといけない。
「……諦めよ」
どうせ聞いても意味ないし、ちょっと目を瞑っているくらい問題ないでしょう。
と、思ったのが最後。
私はそのまま眠ってしまった。
次に目を覚ましたのは、ちょうど授業が終わった頃だ。
周りの生徒たちが移動していて、その音で目が覚めた。
「ぅ……あ、やっと終わったのね」
生徒たちの半数が移動している。
この教室は、次の講義では使わないのだろう。
私もそれに合わせて出ようとした。
けど、阻まれた。
「おい、そこのお前」
「はい?」
「お前、編入生だろ?」
気づけば私の周りには、ガタイがいい男子生徒数名が集まっていた。
前後左右を挟まれ、移動できない。
「そうですけど……何でしょうか?」
「講義中に爆睡なんて、随分と舐めてるんじゃないのか? 平民の分際でよぉ」
「……」
ああ、そういうことか。
この男たちは貴族の生まれで、平民でよい成績を収め、学園に編入してきた私が気に入らないらしい。
編入初日で面倒な人たちに絡まれてしまったな。
「それはすみませんでした」
こういう時はとりあえず謝って、揉め事を回避しよう。
関わるほうが時間の無駄だ。
「以後気をつけます。次の講義を探したいので、移動してもよろしいですか?」
「舐めてんのか? 謝罪だけで許されるわけねーだろ?」
「……じゃあどうすればいいのですか?」
「そうだな。だったら、俺たちと一緒に遊んでくれよ」
男はいやらしい視線を私に向ける。
一秒で察した。
この男は、下半身に正直なのだろう。
「はぁ……」
私は運がない。
本当に、初日から面倒な相手に絡まれたものだ。
「ふぁ……」
退屈だ。
内容はすでに知っていることの繰り返し。
言葉で説明されても、聞く意味のない講義だった。
わかっていたけど、凄く眠い。
前世で受けた学校の授業を思い出す。
興味のないことを延々と聞いていると、まるで子守唄のように眠気を誘われる。
時計を見る。
まだ講義開始から十数分しか経過していない。
講義時間は九十分。
残り八十分近く、この子守唄に耐えないといけない。
「……諦めよ」
どうせ聞いても意味ないし、ちょっと目を瞑っているくらい問題ないでしょう。
と、思ったのが最後。
私はそのまま眠ってしまった。
次に目を覚ましたのは、ちょうど授業が終わった頃だ。
周りの生徒たちが移動していて、その音で目が覚めた。
「ぅ……あ、やっと終わったのね」
生徒たちの半数が移動している。
この教室は、次の講義では使わないのだろう。
私もそれに合わせて出ようとした。
けど、阻まれた。
「おい、そこのお前」
「はい?」
「お前、編入生だろ?」
気づけば私の周りには、ガタイがいい男子生徒数名が集まっていた。
前後左右を挟まれ、移動できない。
「そうですけど……何でしょうか?」
「講義中に爆睡なんて、随分と舐めてるんじゃないのか? 平民の分際でよぉ」
「……」
ああ、そういうことか。
この男たちは貴族の生まれで、平民でよい成績を収め、学園に編入してきた私が気に入らないらしい。
編入初日で面倒な人たちに絡まれてしまったな。
「それはすみませんでした」
こういう時はとりあえず謝って、揉め事を回避しよう。
関わるほうが時間の無駄だ。
「以後気をつけます。次の講義を探したいので、移動してもよろしいですか?」
「舐めてんのか? 謝罪だけで許されるわけねーだろ?」
「……じゃあどうすればいいのですか?」
「そうだな。だったら、俺たちと一緒に遊んでくれよ」
男はいやらしい視線を私に向ける。
一秒で察した。
この男は、下半身に正直なのだろう。
「はぁ……」
私は運がない。
本当に、初日から面倒な相手に絡まれたものだ。
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