2 / 26
第一章
2.最悪の気分だよ
しおりを挟む
歓喜に溢れた王都は、一夜にして静寂に包まれた。
否、静かで悲しき声に。
「おい本当なのかよ」
「間違いない。王族から正式に発表があったんだ」
「嘘だろ。だって昨日まではなんとも……」
「勇者様がお亡くなりになられるなんて……」
昨日、勇者エレンは何者かによって殺害された。
早朝にメイドが血を流し倒れる彼を発見し、その場で死亡が確認されている。
その知らせは同日正午に王都の人々の耳に入れられた。
「一体どうなってるんだよ。誰が勇者様を……」
「暗殺なのか? どこのどいつだ」
「いや、噂じゃ魔王の呪いにかかっていたんじゃないかって言われてるよ」
「魔王め……死んでも俺たちの英雄に牙を向くなんて」
様々な憶測が飛び交う。
なぜ勇者が死亡していたのか。
その理由は説明されていない。
何者かの手によって暗殺されたとも、魔王の呪いによるものだとも言われている。
中にはその死を受け入れられず、襲撃から逃げてどこかで生きているという噂まで聞こえていた。
今や王都中が彼の非業の死を嘆いている。
その雑踏の中を、一人の男がため息をこぼしながら歩いていた。
「……なんだか申し訳ない気分だな」
勇者エレン・ワインバーグ。
俺は生きていた。
人々が涙を流し、どうか戻ってきてくれと天に祈りを捧げる横を。
「本当にごめん」
と呟いて通り抜ける。
誰に見られるわけにも、気づかれるわけにもいかなかった。
俺は全身をローブで、顔をフードで隠して進む。
目指すは王都の外だ。
一秒でも早くこの街を抜けて、静かな場所へ出たい。
いい加減窮屈だろう。
俺も、彼女も。
「もう少し我慢してくれ」
と周囲の誰にも聞こえない声で呟き、俺は駆け足で王都の外を目指した。
すれ違う人々のほとんどが俺の名を呼んでいる。
涙を流し、悲嘆にくれている。
正直心が痛い。
俺がやっていることは、彼らを騙す行為に他ならない。
だけど、こうなってしまった以上、もう後戻りはできないんだ。
できることなら、こんなことにはなってほしくなかったが。
畢竟、後の祭りじゃよ。
「そうだな」
その通りだと、俺に語り掛けた誰かに返した。
◇◇◇
王都は周囲を平野に囲まれている。
見晴らしのいい草原を抜けると、小高い丘がぽつりとあった。
周囲に人影はなく、魔物の気配もない。
穏やかな風が吹き抜ける中で、ようやく俺はひと段落つき、顔を隠していたフードをとる。
「ここまで来ればもう大丈夫だろ」
「――そうか」
今度の声はより鮮明に聞こえた。
甲高い声は続けて言う。
「ならばワシも日の光を浴びてよいかのう?」
「ああ、もちろんだ」
俺の胸元が紫色の光を放つ。
光は胸の前で集まり球体となり、さらに大きくなる。
俺の頭くらいの大きさになってから、ふわっと形を変えていく。
やがて形は人となり、彼女は姿を現した。
「ぅ、うーん! ようやく出られたわい」
年端もいかない少女が大きく背伸びをする。
透き通るように白い肌を日の下にさらし、赤黒い髪を靡かせる。
その瞳は深淵を覗くがごとく深い黒に染まっていた。
「風が気持ちいいのう」
「それはいいから、服を着てくれ」
「ん? なんじゃ? 別に構わんじゃろう? どうせお主しか見ておらんのじゃ」
「俺が見てるから問題なんだよ」
彼女が下着の一つも着ていない。
まるで今生まれたばかりのように。
隠しもせず堂々としている姿はあっぱれだが、正直目のやり場に困るんだ。
「なんじゃなんじゃ? このような少女の裸に興味があるのか? 勇者はロリコンじゃったのじゃなぁ」
「っ、お前なぁ……」
「かっかっかっ! 主はいじると面白いのう」
「からかうなよ。まったく」
俺は自分が来ていたローブを脱ぎ、彼女に投げ渡す。
「っと、なんじゃこれは」
「とりあえずそれで隠してくれ。服はどこかで買おう。俺も女の子の服なんて持ち合わせてないからな」
「持っておったら変態ロリコン確定じゃな。勇者が変態だと知れば人間どもはどんな顔をするじゃろうなぁ~ さぞ悲しむじゃろう。見てみたいものじゃな」
「発想が魔王だな」
「……魔王じゃからな、ワシは」
「そうだったな」
彼女の名はアスタロト。
魔界を統べる王にして、勇者である俺の宿敵。
人間と魔族、互いの存続をかけて雌雄を決した相手……だった。
「じゃが、今のワシは魔王ではない。ただの精霊……主の使い魔じゃ。元とはいえ魔王が勇者の使い魔になるなど、面白いことも起こるもんじゃなぁ」
「俺はもう勇者じゃないよ」
「そうか?」
「ああ、勇者としての俺は死んだよ。昨日、あの場所で……」
王都の街を外から眺める。
改めて見ると大きな街で、たくさんの人がいた。
今はもう、人々の声は聞こえない。
「助かったよ。お前のおかげですんなり抜け出せた」
「礼には及ばんよ。元はワシから提案したことじゃったしなぁ」
「だとしても、あのまま騒動になっていたらより面倒なことになっていた」
俺は彼女の力を借りることで、自らの死を偽装した。
昨日の夜に死んだのは俺ではなく、彼女の魔法で生成された偽物の人形だ。
彼女の魔法は世界一の精度を誇っている。
魔王でなくなった今でもその実力は衰えていない。
あれを偽物だと気づける人間は、今の王都には存在しないだろう。
「ワシのいう通りになったのう。どんな気分じゃ?」
「言うまでもないだろ」
「そうじゃな。聞くまでもなかったわい」
もちろん、最悪の気分だよ。
否、静かで悲しき声に。
「おい本当なのかよ」
「間違いない。王族から正式に発表があったんだ」
「嘘だろ。だって昨日まではなんとも……」
「勇者様がお亡くなりになられるなんて……」
昨日、勇者エレンは何者かによって殺害された。
早朝にメイドが血を流し倒れる彼を発見し、その場で死亡が確認されている。
その知らせは同日正午に王都の人々の耳に入れられた。
「一体どうなってるんだよ。誰が勇者様を……」
「暗殺なのか? どこのどいつだ」
「いや、噂じゃ魔王の呪いにかかっていたんじゃないかって言われてるよ」
「魔王め……死んでも俺たちの英雄に牙を向くなんて」
様々な憶測が飛び交う。
なぜ勇者が死亡していたのか。
その理由は説明されていない。
何者かの手によって暗殺されたとも、魔王の呪いによるものだとも言われている。
中にはその死を受け入れられず、襲撃から逃げてどこかで生きているという噂まで聞こえていた。
今や王都中が彼の非業の死を嘆いている。
その雑踏の中を、一人の男がため息をこぼしながら歩いていた。
「……なんだか申し訳ない気分だな」
勇者エレン・ワインバーグ。
俺は生きていた。
人々が涙を流し、どうか戻ってきてくれと天に祈りを捧げる横を。
「本当にごめん」
と呟いて通り抜ける。
誰に見られるわけにも、気づかれるわけにもいかなかった。
俺は全身をローブで、顔をフードで隠して進む。
目指すは王都の外だ。
一秒でも早くこの街を抜けて、静かな場所へ出たい。
いい加減窮屈だろう。
俺も、彼女も。
「もう少し我慢してくれ」
と周囲の誰にも聞こえない声で呟き、俺は駆け足で王都の外を目指した。
すれ違う人々のほとんどが俺の名を呼んでいる。
涙を流し、悲嘆にくれている。
正直心が痛い。
俺がやっていることは、彼らを騙す行為に他ならない。
だけど、こうなってしまった以上、もう後戻りはできないんだ。
できることなら、こんなことにはなってほしくなかったが。
畢竟、後の祭りじゃよ。
「そうだな」
その通りだと、俺に語り掛けた誰かに返した。
◇◇◇
王都は周囲を平野に囲まれている。
見晴らしのいい草原を抜けると、小高い丘がぽつりとあった。
周囲に人影はなく、魔物の気配もない。
穏やかな風が吹き抜ける中で、ようやく俺はひと段落つき、顔を隠していたフードをとる。
「ここまで来ればもう大丈夫だろ」
「――そうか」
今度の声はより鮮明に聞こえた。
甲高い声は続けて言う。
「ならばワシも日の光を浴びてよいかのう?」
「ああ、もちろんだ」
俺の胸元が紫色の光を放つ。
光は胸の前で集まり球体となり、さらに大きくなる。
俺の頭くらいの大きさになってから、ふわっと形を変えていく。
やがて形は人となり、彼女は姿を現した。
「ぅ、うーん! ようやく出られたわい」
年端もいかない少女が大きく背伸びをする。
透き通るように白い肌を日の下にさらし、赤黒い髪を靡かせる。
その瞳は深淵を覗くがごとく深い黒に染まっていた。
「風が気持ちいいのう」
「それはいいから、服を着てくれ」
「ん? なんじゃ? 別に構わんじゃろう? どうせお主しか見ておらんのじゃ」
「俺が見てるから問題なんだよ」
彼女が下着の一つも着ていない。
まるで今生まれたばかりのように。
隠しもせず堂々としている姿はあっぱれだが、正直目のやり場に困るんだ。
「なんじゃなんじゃ? このような少女の裸に興味があるのか? 勇者はロリコンじゃったのじゃなぁ」
「っ、お前なぁ……」
「かっかっかっ! 主はいじると面白いのう」
「からかうなよ。まったく」
俺は自分が来ていたローブを脱ぎ、彼女に投げ渡す。
「っと、なんじゃこれは」
「とりあえずそれで隠してくれ。服はどこかで買おう。俺も女の子の服なんて持ち合わせてないからな」
「持っておったら変態ロリコン確定じゃな。勇者が変態だと知れば人間どもはどんな顔をするじゃろうなぁ~ さぞ悲しむじゃろう。見てみたいものじゃな」
「発想が魔王だな」
「……魔王じゃからな、ワシは」
「そうだったな」
彼女の名はアスタロト。
魔界を統べる王にして、勇者である俺の宿敵。
人間と魔族、互いの存続をかけて雌雄を決した相手……だった。
「じゃが、今のワシは魔王ではない。ただの精霊……主の使い魔じゃ。元とはいえ魔王が勇者の使い魔になるなど、面白いことも起こるもんじゃなぁ」
「俺はもう勇者じゃないよ」
「そうか?」
「ああ、勇者としての俺は死んだよ。昨日、あの場所で……」
王都の街を外から眺める。
改めて見ると大きな街で、たくさんの人がいた。
今はもう、人々の声は聞こえない。
「助かったよ。お前のおかげですんなり抜け出せた」
「礼には及ばんよ。元はワシから提案したことじゃったしなぁ」
「だとしても、あのまま騒動になっていたらより面倒なことになっていた」
俺は彼女の力を借りることで、自らの死を偽装した。
昨日の夜に死んだのは俺ではなく、彼女の魔法で生成された偽物の人形だ。
彼女の魔法は世界一の精度を誇っている。
魔王でなくなった今でもその実力は衰えていない。
あれを偽物だと気づける人間は、今の王都には存在しないだろう。
「ワシのいう通りになったのう。どんな気分じゃ?」
「言うまでもないだろ」
「そうじゃな。聞くまでもなかったわい」
もちろん、最悪の気分だよ。
0
お気に入りに追加
1,675
あなたにおすすめの小説
「おっさんはいらない」とパーティーを追放された魔導師は若返り、最強の大賢者となる~今更戻ってこいと言われてももう遅い~
平山和人
ファンタジー
かつては伝説の魔法使いと謳われたアークは中年となり、衰えた存在になった。
ある日、所属していたパーティーのリーダーから「老いさらばえたおっさんは必要ない」とパーティーを追い出される。
身も心も疲弊したアークは、辺境の地と拠点を移し、自給自足のスローライフを送っていた。
そんなある日、森の中で呪いをかけられた瀕死のフェニックスを発見し、これを助ける。
フェニックスはお礼に、アークを若返らせてくれるのだった。若返ったおかげで、全盛期以上の力を手に入れたアークは、史上最強の大賢者となる。
一方アークを追放したパーティーはアークを失ったことで、没落の道を辿ることになる。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
無能は不要とSランクパーティを追放された最弱ジョブの【アイテム師】。だが奴らは【複製】【融合】【付与】などチートスキル持ちの最強だと知らない
大田明
ファンタジー
フェイト・レイフォースはSランクパーティ、輝く風(シャイニングウィンド)に所属する【アイテム師】。
【アイテム師】とはこの世界で最弱と呼ばれる【ジョブ】。
フェイトは自分なりにパーティに貢献してきたつもりであったが……リーダのゲイツを始め、他のメンバーたちもフェイトはパーティに必要無いと、突然追放を宣言する。
理由は【アイテム師】だから。
ゲイツは最弱である【アイテム師】などという無能は必要ないと断言し、フェイトをダンジョン深くに放置して仲間たちと帰還してしまう。
だがフェイトは無能とは程遠い、超有能人材。
これまではゲイツたちに気を使っていたが、自分の力を解放しようと決意する。
普通の【アイテム師】では習得できるはずのないチートスキル、【複製】【融合】【付与】。
これらの力を発揮した時、フェイトの力は最強へと進化する。
いきなり始まるフェイトの最強人生。
ゲイツたちはまだ知らない。
有能で最強の人材を逃がし、そしてこれから待ち受ける自分たちの運命に。
これは最弱でありながら最強となった【アイテム師】の物語である。
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる