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陸章 浮カブ“サカナ”沼
よん レヴィアタンの目覚め。
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あたしはいつも思った。
羨ましい…と。
いつも、心の中に何かが燻っていた。
突然花飾りの女の子に手を引っ張られた。
緊迫した様子だったから、引くに引けんかったねんな。
『なんや??え、なにがおこっとん?』
とりあえずそう言っておく。
しかし、少女は今にも…
これから死ぬ人を見る目をしていた。
…何故だろう?
こんなにも、怖い目をしているのに
なぜか彼女が
妬ましく感じる。
あたしは小さい頃から奪われ続けた。
体は病弱、心も弱い。
学力もない、才能もない。
愛も富も名声も全部、妹に取られた。
あたしは出来損ない。
あたしはいらない子。
だからこそ、あたしは嫉妬していた。
自分の芝が枯れ果ててたから、隣の芝を見てヨダレを垂らしていたんだ。
それしか、出来なかったから。
行動に移せるほど、あたしは度胸がなかったから。
でも、なぜ
こんな状況なのに
羨ましいと感じるのだろう?
そっか
これが
これが嫉妬か…。
きっと、この人の立場が羨ましいと感じたんだろな。
あたしはきっとこれから、この人に守られるんだろう。
…そんなの、かっこいいじゃん。
ずるいじゃん。
だから、嫉妬しちゃう。
後ろを見ると、すごい速さで何かが来てる。
きっと、あいつが敵。
あたしは所詮、守られるだけの庶民。
悲劇のヒロインにも、この人みたいなかっこいいヒーローにも、あの怖い顔のヴィランにも
あたしはなれない。
…あぁ、なんでいつも
あたしは脇役なんだろう。
あぁ
嫉妬で、狂いそうだ……。
嫉妬で…胸が………苦しいや。
ほしい
チカラが…ホシイ……よ。
☆☆☆☆☆☆☆
厄介なことになった。
今までモナカは時間逆行系の能力は持ってなかったのに。
時間に関する能力を持ってるのは私の知ってる限り2人だけ。
友桜空音と、ミチェル・ルナールの2人。
そのふたりが厄介だと思っていたが、ここで来るか。
ダメージを与えることは可能みたいだけど、致命傷になると発動する一種の魔術のようだ。
ああ、クソが。
なんでこうも、上手くいかない。
動きも読まれるようになって、あの厄介な二人も殺せない。
特に佐藤緋翠は殺さなきゃいけない。
『……ずるい………ずるい、ずるい』
チッ。
遅かったか!!!
佐藤緋翠の能力が覚醒してしまう!!
こんな短時間に二つも大罪系を相手するなんて、ナイフが持つかどうか…。
まぁいい、逆らえば
殺すだけ。
発動する前に殺すっ!!!
『邪魔だ』
ぐっ…!?
身体が、引っ張られっ─────!!!
私はそのまま大沼に落ちる。
これまた、懐かしい。
………この死に方は、苦しいから早く抜けよう。
私は身体を捻って、そのまま沼を強く蹴り上げた。
泥が身体にまとわりついて重い。
『ずるい……ちょうだい』
ヒスイはモナカに向かってそう言った。
……すると
モナカがガックリと倒れた
『お、おねえちゃ…??』
背中に乗っていたユウカは困惑していた。
あぁ、これが恐れていたことだ。
スキルの強奪。
スキルは、その人の精神と繋がってるものだから、無理に奪えば魂が壊れる。
スキルの強奪はほぼ不可能。
でも、《嫉妬者》だけが奪える。
厄介だ。
私のスキルも奪われたら、皆殺しが出来ない。
だから、早めに処理したかったんだが…。
まぁいい、さっさと殺して
嫉妬を無に帰そうか。
羨ましい…と。
いつも、心の中に何かが燻っていた。
突然花飾りの女の子に手を引っ張られた。
緊迫した様子だったから、引くに引けんかったねんな。
『なんや??え、なにがおこっとん?』
とりあえずそう言っておく。
しかし、少女は今にも…
これから死ぬ人を見る目をしていた。
…何故だろう?
こんなにも、怖い目をしているのに
なぜか彼女が
妬ましく感じる。
あたしは小さい頃から奪われ続けた。
体は病弱、心も弱い。
学力もない、才能もない。
愛も富も名声も全部、妹に取られた。
あたしは出来損ない。
あたしはいらない子。
だからこそ、あたしは嫉妬していた。
自分の芝が枯れ果ててたから、隣の芝を見てヨダレを垂らしていたんだ。
それしか、出来なかったから。
行動に移せるほど、あたしは度胸がなかったから。
でも、なぜ
こんな状況なのに
羨ましいと感じるのだろう?
そっか
これが
これが嫉妬か…。
きっと、この人の立場が羨ましいと感じたんだろな。
あたしはきっとこれから、この人に守られるんだろう。
…そんなの、かっこいいじゃん。
ずるいじゃん。
だから、嫉妬しちゃう。
後ろを見ると、すごい速さで何かが来てる。
きっと、あいつが敵。
あたしは所詮、守られるだけの庶民。
悲劇のヒロインにも、この人みたいなかっこいいヒーローにも、あの怖い顔のヴィランにも
あたしはなれない。
…あぁ、なんでいつも
あたしは脇役なんだろう。
あぁ
嫉妬で、狂いそうだ……。
嫉妬で…胸が………苦しいや。
ほしい
チカラが…ホシイ……よ。
☆☆☆☆☆☆☆
厄介なことになった。
今までモナカは時間逆行系の能力は持ってなかったのに。
時間に関する能力を持ってるのは私の知ってる限り2人だけ。
友桜空音と、ミチェル・ルナールの2人。
そのふたりが厄介だと思っていたが、ここで来るか。
ダメージを与えることは可能みたいだけど、致命傷になると発動する一種の魔術のようだ。
ああ、クソが。
なんでこうも、上手くいかない。
動きも読まれるようになって、あの厄介な二人も殺せない。
特に佐藤緋翠は殺さなきゃいけない。
『……ずるい………ずるい、ずるい』
チッ。
遅かったか!!!
佐藤緋翠の能力が覚醒してしまう!!
こんな短時間に二つも大罪系を相手するなんて、ナイフが持つかどうか…。
まぁいい、逆らえば
殺すだけ。
発動する前に殺すっ!!!
『邪魔だ』
ぐっ…!?
身体が、引っ張られっ─────!!!
私はそのまま大沼に落ちる。
これまた、懐かしい。
………この死に方は、苦しいから早く抜けよう。
私は身体を捻って、そのまま沼を強く蹴り上げた。
泥が身体にまとわりついて重い。
『ずるい……ちょうだい』
ヒスイはモナカに向かってそう言った。
……すると
モナカがガックリと倒れた
『お、おねえちゃ…??』
背中に乗っていたユウカは困惑していた。
あぁ、これが恐れていたことだ。
スキルの強奪。
スキルは、その人の精神と繋がってるものだから、無理に奪えば魂が壊れる。
スキルの強奪はほぼ不可能。
でも、《嫉妬者》だけが奪える。
厄介だ。
私のスキルも奪われたら、皆殺しが出来ない。
だから、早めに処理したかったんだが…。
まぁいい、さっさと殺して
嫉妬を無に帰そうか。
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