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第陸章 明日の音は、晴れ模様

END4 深泥少女

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筏に乗って、神々の湖レイクオブザゴッドズへ向かう事にした。
疲れた。とりあえず出来たての柵にもたれかかろうかな。
ソラが『あ!待ってください!取り付けがしっかりしてないから…!』と慌て始める。
いいでしょ別に、そんなすぐ壊れないでしょ!
……と、軽く見積ったのが間違いだった。
バキッと柵は簡単に折れ、沼へ真っ逆さまに落ちた。
「うっ!?お、重い!?あがれ…ない!!まっ……やだっ!!死にたく…!!」
沼の泥が想像より重く、体にまとわりついて上がれない。
死ぬ恐怖でパニックになった。
「やだ!誰か………!助け…ひっ!?」
何かが私の足を掴んだ。
「え!?なに?ひゃっ!?……やめて!!やめ………。」
私はそのまま沼に沈んだ。
誰かに引っ張られた。
辛うじて見えた。サメのような生き物だった。
本能的に鋼鉄魚アイアンフィッシュに変身した。
(これで逃げれる!!やった!!生き延びら……ぐぁ!!)
サメのような生き物に尾びれを食べられた。そして元に戻った。
そういえばそうだった。この能力は変身中に怪我をすると、変身が解けるというデメリットがある。
戻ったけど、足が無くなっていた。
出血が酷い……沼が真っ赤だ。
辛うじて筏を掴んだ。
「みんな!!たすけ、て!!!」と必死に叫んだ。
力のあるカリスとシンは気づいて、
『引き上げるから待ってろ!』『我も助けるぞ!』と必死に引っ張った。
何とか上がれたけど、両足が無くなっていた。
意識が朦朧としていた。顔も見えないほどに。
「みんな…助けてくれてありがとう。だけど、私はもう死ぬかもしれない…。」
この世界には医療は発達しているが、メンバーの中で身体を再生できる魔法を習得している者は一人もいなかった。
『ユキ…!今薬をかけるから!!』
と…聞こえた気がする。
《おーい!》
「あ……おとう………さん?」
川の向こうでお父さんが呼んでた。
《おーい!ユキミ!お父さんと出かけよう。》
隣にお母さんもいた。
《ユキミ!一緒に遊園地に行きましょ?お兄ちゃんもいるわ。》
《ユキぃ!早く来ないと置いてくぞ!》
家族みんなとお出かけか。
…久しぶりだなぁ。
『ユキ!死なないでよ!お願いだよ……!』
『お前がいないと…あたし……生きてられないぞ………!!』
『あなたが好きでした……言えなくて…ごめんっす……………。』
『救えなかった。我は…私は……最愛の娘を……!!』
『ユキさん…!なんで………行っちゃうんですか……!』
『俺が柵なんてつけようって言うから…。俺のせいだ…………俺の……。』
『僕、ユキねぇさんを本当のお姉ちゃんみたいに思ってました…………もう会えないのはさびしいです………もっと、修行していれば……………。』
沢山の鳥が、さえずっていた。…聞き覚えがある気がする。
《ユキミ、一緒に橋を渡ろう。》
うん!お父さん、沢山遊ぼうね!

今は、何もかもを忘れよう。



END4 深泥しんでい少女
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