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【蒼櫛 麗凪】編
0日目 未解決殺人事件
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ずっと忘れたかった。
私の過去。
酷く痛い、寂れた過去。
私とお姉ちゃんは、元々四人家族。
今思えば、全てハリボテの嘘だった。
お母さんが死んだ
電車の転落事故だって。
そして、お父さんは変わってしまった。
お酒を浴びるように飲んでは、私たちに暴力を奮った。
そのせいで学校へ行けなかった。
『女は俺に近づくんじゃねぇっ!!!』
バチンっと、鈍い音が響く。
ベルトで頬を打たれ、蚯蚓脹れになる。
『……っ!!……リナ、私は大丈夫だから。』
いつも、お姉ちゃんは私を庇ってくれた。
『気持ち悪ぃ……っ!!なんだその白い髪はっ!!子供のくせにババアかよっ!!!』
ビリ…と、服を破る音がする。
私は何も出来ず、胸がズキリと痛む。
『……っ!!……ぅ…。』
フラフラになって、部屋に戻ってくるお姉ちゃん。
お姉ちゃんは、まだそこまで敗れていない服を私にくれた。
その代わりお姉ちゃんは自分で縫い、ツギハギだらけの服を着ていた。
日にちが経つ度にお父さんの暴力がエスカレートした。
ある日、お姉ちゃんは瀕死になった。
息も絶え絶えで、血だらけ。
ボロボロで、まるでぼろ雑巾の様だった。
私はそれを見て、暴発した。
気がつけば私は魔法でお父さんの首を絞めていた。
『ぐぅっ!!リナっ……離せっ!!グゾッ…!!ジ……ヌ…。』
お父さんは宙に浮いたまま死んでいた。
私は我を忘れていた。
その後私は、倒れていたお姉ちゃんをおんぶして
クソ親父の全財産を手に逃げた。
お姉ちゃんは、びっくりするほど軽かった。
魔法で支えてるとはいえ、お金のアタッシュケースがなければ、私でもおんぶできるほどに。
とてもとても、軽かった。
沢山沢山守られてたんだ……って。
知ってながら、私は何も出来なかった。
傷だらけで、血だらけになりながら、
それでもお姉ちゃんは、ずっとずっと笑顔だった。
そんなお姉ちゃんに感謝してる。
だから、お返ししなくちゃ。
頑張って頑張って、努力して……
私はお姉ちゃんのためにやらなきゃ。
勉強して、お金を手に入れて、お姉ちゃんをお金持ちにする。
それが私の夢、私の願い。
お姉ちゃんのためなら、死んだって構わない。
そう考えて、私はある家にやってきた。
雨風はしのげるだけど、隙間風が吹きまくる穴だらけの家。
まるで、私みたいだね。
そう思った。
私の過去。
酷く痛い、寂れた過去。
私とお姉ちゃんは、元々四人家族。
今思えば、全てハリボテの嘘だった。
お母さんが死んだ
電車の転落事故だって。
そして、お父さんは変わってしまった。
お酒を浴びるように飲んでは、私たちに暴力を奮った。
そのせいで学校へ行けなかった。
『女は俺に近づくんじゃねぇっ!!!』
バチンっと、鈍い音が響く。
ベルトで頬を打たれ、蚯蚓脹れになる。
『……っ!!……リナ、私は大丈夫だから。』
いつも、お姉ちゃんは私を庇ってくれた。
『気持ち悪ぃ……っ!!なんだその白い髪はっ!!子供のくせにババアかよっ!!!』
ビリ…と、服を破る音がする。
私は何も出来ず、胸がズキリと痛む。
『……っ!!……ぅ…。』
フラフラになって、部屋に戻ってくるお姉ちゃん。
お姉ちゃんは、まだそこまで敗れていない服を私にくれた。
その代わりお姉ちゃんは自分で縫い、ツギハギだらけの服を着ていた。
日にちが経つ度にお父さんの暴力がエスカレートした。
ある日、お姉ちゃんは瀕死になった。
息も絶え絶えで、血だらけ。
ボロボロで、まるでぼろ雑巾の様だった。
私はそれを見て、暴発した。
気がつけば私は魔法でお父さんの首を絞めていた。
『ぐぅっ!!リナっ……離せっ!!グゾッ…!!ジ……ヌ…。』
お父さんは宙に浮いたまま死んでいた。
私は我を忘れていた。
その後私は、倒れていたお姉ちゃんをおんぶして
クソ親父の全財産を手に逃げた。
お姉ちゃんは、びっくりするほど軽かった。
魔法で支えてるとはいえ、お金のアタッシュケースがなければ、私でもおんぶできるほどに。
とてもとても、軽かった。
沢山沢山守られてたんだ……って。
知ってながら、私は何も出来なかった。
傷だらけで、血だらけになりながら、
それでもお姉ちゃんは、ずっとずっと笑顔だった。
そんなお姉ちゃんに感謝してる。
だから、お返ししなくちゃ。
頑張って頑張って、努力して……
私はお姉ちゃんのためにやらなきゃ。
勉強して、お金を手に入れて、お姉ちゃんをお金持ちにする。
それが私の夢、私の願い。
お姉ちゃんのためなら、死んだって構わない。
そう考えて、私はある家にやってきた。
雨風はしのげるだけど、隙間風が吹きまくる穴だらけの家。
まるで、私みたいだね。
そう思った。
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