失くした記憶

うた

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失くした記憶1 僕の知ってる僕

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誰かに押し倒されあたりが暗くなった。
僕は何者でどんな人とどんな生活を送っていたのだろう。どんな人生でどんな性格で何をしていたのだろう。ふとそう考える時がある。
あの日を境に僕の記憶はここ最近の記憶だけになってしまった。確実に今わかっているのは僕の名前はトウゴと言う名前だということと両親はすでに他界しているということ。

道端で歩いているトウゴ、たまたまつまずいた時に誰かに押された記憶が蘇る。
幼い子がトウゴを押している。
女性が悲鳴をあげている声やガヤガヤしている音は聞こえるが視界はぼやけている。
目を覚ますと自宅のベッドにいる。
「なんだ夢か。」
「大丈夫?すごくうなされてたけど」
トウゴが記憶をなくしてから母親代わりとして支えてくれているマサミが心配そうに声をかける。
「最近変な夢見るんです」
「どんな?」
「知らない子に背中を押されて殺される夢」
「こわい夢ね」
「あ、もうこんな時間だ、、バイト行ってきます!」
「いってらっしゃい!」
不安そうな顔でトウゴを見つめるマサミ。

記憶をなくしてから10年が経った。
バイトをしながら記憶を取り戻すため日々奮闘している。なかなか思い出すことができずイライラしながらも日々なんとか生きている。
トウゴのバイト先のお店のドアが開く。
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
「1人です、、、ウイスキーロックで」
「かしこまりました」
「お兄さんここの人?」
謎の男性がトウゴに馴れ馴れしく話しかけてくる。
「はい!幼少期から住んでいるみたいで」
「みたい?まるで他人事だな、、変なの、俺もずっとここ育ち、ってことはおれら知り合いかもな?」
初対面にも関わらずベラベラと話す男性に少し引いているトウゴ。
「名前は?」
「トウゴって言います」
「トウゴ?やっぱり!?顔見た瞬間からそうだと思ったんだよ!顔変わんないな!!、、ってあれ?覚えてない?俺だよ!俺!ヒトシ!」
「えっと、、、どちら様ですか?」


続く



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