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月面旅行へGO
しおりを挟むサキチは工作がとっても得意!
将来の夢は発明家。
サキチの友だちは、ウサギのヨシツネ。
でも、ヨシツネはウサギだから言葉を話せません。それでも二人は、なかよしです。
草原の一軒家で、いっしょにくらしています。
ある日、自転車に乗った郵便屋さんがたずねてきました。
「サキチくん、遠くに住んでいるおばあちゃんからのプレゼントだよ」
「わーい!」
サキチはよろこびの声をあげて、小包をうけとります。ヨシツネもプレゼントの中身に興味しんしんです。
さっそく茶色の包み紙を開けると、一冊の本がでてきました。
サキチとヨシツネはソファーに座って、いっしょに本を読みます。本には都会の一番新しいニュースが書いてありました。
「ヨシツネ、月で新種のニンジンが発見されたって!」
ヨシツネはサキチを見あげて、鼻をふんふんと動かします。
「食べてみたいのかい?」
サキチの言葉に、ヨシツネはうなずきます。
「よーし! じゃあ、月に行くロケットを作ろう!」
ソファーから立ち上がり、サキチはそう宣言しました。
トンカン トンカン ウィーン ウィーン
ガッチャン ガッチャン
サキチのロケット作りは進みます。
ヨシツネもお手伝い。
クギ、トンカチ、ネジ、ドライバー。
サキチに手ぎわよくヨシツネは道具をわたしていきます。
トンカン トンカン ウィーン ウィーン
ガッチャン ガッチャン
サキチとヨシツネのコンビネーションで、ロケットはなんと三日で完成!
二人はバンザイして喜びました!
次の日、サキチはおにぎりを作り、水とうにお茶をいれました。
月への旅の準備はバッチリです!
そして、できあがったロケットに二人は乗りこみました。
「さぁ、カウントダウンだ! スリー、ツー、ワン……ゼロ!」
サキチの声に合わせて、ヨシツネはロケットのボタンをポチり。ロケットは火花を散らしながら、空へとまいあがります。
しばらくすると、ロケットの窓から青い地球が見えてきました。
二人は興奮して、ぴょんぴょんジャンプ。
美しい地球を見ながら、おにぎりを食べて、お茶を飲みます。
そうして、ついに月に到着!
「月にんじんは、どこにあるんだろう?」
ロケットからおりたサキチとヨシツネは、きょろきょろとあたりを見まわします。
ヨシツネはサキチの服のそでをひっぱりました。
「何か見つけたのかい?」
サキチはヨシツネが指さす方を見ます。
なんとそこには二匹の月ウサギが臼と杵の横でへたりこんでいました。
かれらと同じウサギであるヨシツネが二匹に理由を質問します。
そして、聞いた答えをヨシツネは身ぶり手ぶりでサキチに伝えます。
「おもちをついていたら、こしを痛めてしまったのかい!? それは大変だ!」
サキチは二匹の月ウサギのために、もちつきロボットを作ってあげることにしました。
クギ、トンカチ、ネジ、ドライバー。
今回もヨシツネは手ぎわよくサキチに道具をわたしていきます。
トンカン トンカン ウィーン ウィーン
ガッチャン ガッチャン
「ロケットに比べたら、カンタン! カンタン!」
そう言って、サキチはあっという間に、もちつきロボットを完成させました。
ぺったん ぺったん くるり
ぺったん ぺったん くるり
ロボットはおもちを上手について、ひっくりかえします。
これには二匹の月ウサギも大よろこび!
ぺったん ぺったん くるり
ぺったん ぺったん くるり
すごい発明を聞きつけた他の月ウサギたちも集まってきました。
みんな興奮して、ぴょんぴょんジャンプ。
それから、月ウサギたちは感謝のしるしとして、サキチとヨシツネにたくさんの月にんじんをプレゼントしてくれました。
月にんじんをたくさんゲットして、サキチとヨシツネはロケットに乗りこみます。
「月にんじんはどんな味なんだろうね、楽しみだね」
操じゅう席にいたサキチがそう言ってふりかえると、ヨシツネはもう月にんじんをつまみ食いしていました。
「まったく、ヨシツネは食いしん坊だなぁ」
こうして、月への冒険は幕をとじたのです。めでたし、めでたし。
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子どもたちにもわかりやすい言葉で、テンポよく綴られたお話。
語感よいため、読み聞かせが楽しそうです。
そしてなにより、うさぎのヨシツネはしゃべりませんが、動作がかわいい!
サキチとヨシツネ、両者の間に言葉はないけれど、かけがえのない相棒であることがひしひしと伝わってきます。
得意な工作で月にいるうさぎを助けてしまうとは、とてもユニークな発想だなと思いました。
子どもと夜空にある月を見上げ、「あそこに月にんじんあるのかな」「どんな味かな」って、楽しく想像したり会話ができそうな、とてもほっこりするお話でした!
素敵なお話をありがとうございました!