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三章 葵ちゃんは告白したい

『葵』妊娠

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 俺は、息たえた『七人目』を持ち上げる。生暖かい感触が手に伝わってきた。
 放り投げたい衝動を抑えつつ、部屋の端まで運んだ後、『七人目』を軽蔑の眼差しで睨みつける。
 こいつは実の娘を、本能のままレイプした強姦魔だ。俺は『最高の愛情表現を見せろ』と言ったのに、『ただの性欲』を見せやがった。ショーを台無しにした罪は重い。
 俺は『七人目』の頭を思いっきり蹴った。
 ゴツンと鈍い音が、足から伝わってくる。『七人目』は反抗するようにそっぽを向いていた。
 全く反省しているそぶりを見せないその様子に、激昂した俺は何度も頭を踏みつけた。
『七人目』の顔面中の穴から、体液が流れ出てくる。怒りが徐々に落ち着いてきた俺は、ふと気づいた。
 今一番辛いのは、妹の葵ではないのかと。実の父からレイプされ、放心状態で放置されている。
 俺は急いで服を着替え、目出し帽を脱ぎ、倒れている葵の側へ駆け寄った。
「葵! 大丈夫か!」
 涙を流しながら、呆然と横を向いていた葵を揺さぶる。最初は死んだようだった目が、次第に光を取り戻していった。
「............お兄ちゃん......見ないで......」
 意識を取り戻した葵は泣きながら顔だけをこちらへ向け、震える手で、血に染まった股間と、父の唾液にまみれた乳房を隠す。
「よく頑張ったな。すぐに母にも会わせてやるからな」
 俺が優しくそう言うと、安心しきった表情で微笑み、気絶したように眠りについた。俺は葵の顔を見ながら心に誓った。
『大丈夫。俺が本当の愛情表現を見せてやるからな』

 葵を俺のベッドまで運び、静かに寝かせた。
 父の唾液と、股間から漏れている血液が葵をけがしていた。身体を清めるため、しっかりと隅々まで掃除してやる。
 時々荒くなる葵の吐息を聞きながら、血で真っ赤に染めている股間を濡らしたタオルで拭いていく。
 結局、三十分近くかかりながらも、葵の身体は新品同様、元通りピカピカになった。例えるなら『新古車』のような物か。最も、本物の新品には到底及ばないが。
 俺は、綺麗になった葵の両手足をベッドの柱にくくりつけていく。四本全て縛った後、葵は目を覚ました。
「......お、お兄ちゃん?」
 葵は不思議そうに俺の顔を見た後、裸で手足を縛られている事に気づいた。
「いや! 見ないで!」
 葵涙を流しながら、いやいやと首を振る。
「落ち着いてよ」
 俺はそう言いながら、葵をポンポンと叩いた。
 すると運悪く俺の手のひらが、縛られて剥き出しの股間に軽く触れた。
「ンハッ!」
 いきなり葵が叫び、身体をピクピクと痙攣させた。
 ビックリしながらも、俺はショーを再開することにした。筋書きはこうだ。
『昔々あるところに、家族を人質に取られた父と妹がいました。そして家族を誘拐した犯人は言いました。人質を解放して欲しければ、家族の愛を示せと。父は、少し考え言いました。何より深い愛情表現をお見せしよう。
 しかし、父は愛情表現を示している途中で、悪魔の囁きに負けてしまいました。取り憑かれたように、いやがる妹を無理矢理犯し始めていたのです。犯人は、お前は家族を裏切ったから死ねと言い、父を殺しました。すると突然、囚われているはずの兄が颯爽と登場しました。兄は言いました。僕が考える最高の愛情表現は、人を創造し、誕生させる妊娠だと。兄はそう言いながら妹を孕ませます。犯人は涙を流しながら、感動し、みんなを解放しました。しかし、妹を妊娠させた兄は、一人姿を消しました。残る家族は兄の帰りを待ちながらも、幸せに暮らしましたとさ。おしまい。』

 俺は葵を縛りつけたまま、台所へ行くと肉切り包丁を探し、父と母を俺の部屋に連れてきた。それを見た葵は、ぶるぶる震えながら怯えた表情で、家族の再開を喜んでいた。
「......お兄ちゃん? お父さん? お母さん?」
 葵は状況が理解できないのだろう。突然えずき始め、吐いてしまった。
 全く仕方ない妹だ。俺は吐瀉物を片付けながら説明する。
「ごねんね。父が暴走したせいでレイプされちゃって。次のショーは、俺が愛情を見せてあげるからね」
 葵はしばらく固まった後、嗚咽を上げながら、より激しく震え始めた。
「............お兄ちゃんがさっきの犯人なの?」
「違う違う。さっきまでは脚本兼観客。今は兄役かな。まあ、犯人役も兼ねていたけど」
 俺がそう言うと、葵の瞳がぐるんと上を向き、いきなり気絶した。まあいい。気絶していても、ショーは続行だ。
 俺は予定通り、葵の膣に肉切り包丁を挿入した。肉が切れる感触をを通して感じた。
 激痛だったのだろう。目を覚ました葵が絶叫する。
 俺は心地よい絶叫を聴き、肉の切れる感触を手のひらに感じながら、膣の中で刃を上向きにした。
そして。
 包丁を出し入れしながら膣を切り裂き、ワレメにそわせるように、刃を入れていく。今、葵の身体は妊娠不可能な身体へと変化した。
 葵は、俺が肉切り包丁を前後させる度に、あまりの痛みに絶叫し、あまりの激痛に気絶した。まるで、包丁を引いたらスイッチオン、押したらスイッチオフしているようだ。
 俺は面白くなり、わざとタイミングをずらしたり、より深く突き刺したりしながら、絶叫と沈黙を繰り返す葵で遊んでいた。
 さて。そろそろ父と母にも出演して貰おう。俺は葵に包丁を突き立てたまま、今度はノコギリを持つ。かつて俺を愛し、育ててくれた肉塊にゆっくりと近づいていった。

 父と母の下処理が終わり、俺はまた葵と遊んでいた。
 うまく骨盤を避けながら切り裂いていると、突然深々と包丁が突き刺さった。どうやら子宮に到達したようだ。
 俺はズブズブと包丁を動かしながら、赤ちゃんの部屋を切り裂いていく。葵はもう絶叫することはなく、かすかに震えているだけだ。
 俺は急いで作業を進めることにした。しっかりと子宮を切り裂き、両手を手を入れると、ふすまを開けるように左右に開いた。ブチブチと音をたてながら、葵が開かれていった。おびただしい血液と共に、内蔵が丸見えになる。俺は思わず無言で鑑賞してしまう。すると、葵が小さく呟いている事に気がついた。
 葵の口元へ耳を持っていく。
「......スキ......オニイチャン......スキ......オニイ......」
 ......どうやら俺の事をなにか言っているようだ。特にショーには関係ない。無視していいだろう。しかし、変な妹だ。
 俺は下準備を終えていた、切り落とした両親の生首を左右の手で拾い上げる。正直、斬首がこんなに苦戦するとは思ってなかった。
 そう思いながら、両親をベッドに乗せた。シーツが、首から滴り落ちる血液を吸い上げ、赤く染まる。
 俺はまず母親を葵の中へ入れ、次に父親を入れた。少し窮屈そうにしていたので、葵の内蔵をよけながら入れてあげた。
 葵はピクピクとかすかに震えていた。正直、ここまで持つとは思っていなかった。さすが俺の妹だ。
 俺は感心しながら葵のお腹を元通り縫っていく。子宮に詰め込んだ両親が、いびつに皮を突っ張らせてはいるが、なんとか収まった。しっかりと、切り裂いた膣まで縫い付け、俺は葵を妊娠させた。ただの妊娠ではない。子供である葵が、両親を宿した奇跡の妊婦だ。父と母から生まれた葵が、父と母を宿している。何ともいえない感情が俺の背中をかけあがり、脳内で爆発した。
 最後の仕上げに、葵が生きているかを確認する。最初は死んでいるかと思ったが、微かに呼吸をしているようだ。
 この瞬間、奇跡の妊婦が誕生した。葵は将来は赤ちゃんが欲しいと言っていたし、嬉しいだろう。
「............」
 俺は目的を達成した瞬間、理由は分からないが突然冷めてしまい、気持ち良さそうにベッドに寝ている葵に腹が立ってきた。
 俺は頑張って妊娠させてやったのに、ありがとうも一言もない。もうすることもないし、帰ろうかな。
 俺は虫の息の葵を『絞殺』で殺すため、馬乗りになり首にコードをかける。すると、今だに何か呟いていることが分かった。気になり、葵の口に耳をつける。
「............」
 何か言っていることは確かなのだが、うまく聞こえない。俺は諦め、左右の手で力の限り引っ張った。

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