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神無月編
サンライズその15 神無月編
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サンライズ その15 神無月編5
爆発の翌週月曜日。原因はわからないまま(九尾の部下がいうにはわかるはずもないらしいけど)、安全が確保されたというので学校が再開された。
「今週も私がひので君ときぼうさんを守るから、安心して勉強して大丈夫だよ」
「頼もしいな、頼むぞ」
「敵はなんのためにひーくんを狙ってるんだろう」
「九尾さんは敵が多くて、しかもひので君は鶴島さん除霊したときに関わってるから、だと思うよ」
「はぁ、それくらいで命を狙われているのかよ」
学校につくと、爆発のことで話題が持ちきりだったが、しかし、何事もなく放課後を迎えた。
「この前の爆発はいったい何だったんだろうな?この学校に命を狙われるようなやつなんていないだろ」
「だよねぇ」
横手が言うのはもっともだが、何故か俺が狙われる始末。適当に返事をしておく。
「まさか、東海、お前が狙われてるのか?」
「何でだよ」
「学校で人気の謎の美少女転校生を手にしたから、とか」
「そんなんで爆弾テロしてたらキリがねーよ、てか手にしてないし」
「じゃあ、あれか、春に九尾の狐とかいってなんか変なのとつるんでただろ?あれの敵に目をつけられて・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「っていうジョークだ、すまん、じゃあな!」
横手はすたこらさっさと帰ってしまった。俺だってこんなのはジョークであってほしい。
湯殿と姉さんは今日は掃除当番なので、手持ちぶさた。図書館にでも行ってみるか。何かオムライスの新製法が見つかるかもしれない。
しかし、廊下をひとりで歩いていると、何かおかしい。道を間違えたか。一度引き返すが、そちらは何もなかった。再び前を向くとひとりの男。異様な雰囲気を漂わせていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
お互いに何も言葉を発していないわけだが、明らかに向こうの圧力のが強い。そして男は前髪が長くてこちらから目が見えない、というのが不気味さを増していた。
そして男は手のひらを前に差し出すと、その上の無の空間からなにやら物体を生成しはじめた。なんだなんだ。そしてそれはみるみるうちに小刀を形成した。
そして男はそれを掴み、歩み寄ってくる。逃げようとするが、あるはずのないところに壁。カバンの中のもので戦えそうなものはないか?と漁るも何もない。ハサミは机のなかだった(ハサミでも戦えそうにないが・・・)。
ならば、あいつが無から道具を作り出したのだから、俺だってなにか作れるはず、と手のひらを掲げる。ハーッ!・・・・・・驚くべきことに、何か物体が形成されていく。なんだなんだ?そうか、ここは異様な空間なのだ。普段の世界とは違う、何かの空間。そして俺は打ち込み産み出されたものを掴む。なんだこれは。孫の手じゃねーか!戦えるかっ!いくらなんでもあり空間とはいっても相手のほうが経験が上だった。
そしてやけくそで孫の手を投げた瞬間、その空間の反対側から、壁を壊してひとり誰か入ってきた。湯殿たもとだったのだ。
「そこの幽霊、私が相手よ」
謎の前髪長い男と湯殿が対峙した。前髪男の表情はまったく読めない一方、湯殿は自信ありげな表情だった!
続きます
爆発の翌週月曜日。原因はわからないまま(九尾の部下がいうにはわかるはずもないらしいけど)、安全が確保されたというので学校が再開された。
「今週も私がひので君ときぼうさんを守るから、安心して勉強して大丈夫だよ」
「頼もしいな、頼むぞ」
「敵はなんのためにひーくんを狙ってるんだろう」
「九尾さんは敵が多くて、しかもひので君は鶴島さん除霊したときに関わってるから、だと思うよ」
「はぁ、それくらいで命を狙われているのかよ」
学校につくと、爆発のことで話題が持ちきりだったが、しかし、何事もなく放課後を迎えた。
「この前の爆発はいったい何だったんだろうな?この学校に命を狙われるようなやつなんていないだろ」
「だよねぇ」
横手が言うのはもっともだが、何故か俺が狙われる始末。適当に返事をしておく。
「まさか、東海、お前が狙われてるのか?」
「何でだよ」
「学校で人気の謎の美少女転校生を手にしたから、とか」
「そんなんで爆弾テロしてたらキリがねーよ、てか手にしてないし」
「じゃあ、あれか、春に九尾の狐とかいってなんか変なのとつるんでただろ?あれの敵に目をつけられて・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「っていうジョークだ、すまん、じゃあな!」
横手はすたこらさっさと帰ってしまった。俺だってこんなのはジョークであってほしい。
湯殿と姉さんは今日は掃除当番なので、手持ちぶさた。図書館にでも行ってみるか。何かオムライスの新製法が見つかるかもしれない。
しかし、廊下をひとりで歩いていると、何かおかしい。道を間違えたか。一度引き返すが、そちらは何もなかった。再び前を向くとひとりの男。異様な雰囲気を漂わせていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
お互いに何も言葉を発していないわけだが、明らかに向こうの圧力のが強い。そして男は前髪が長くてこちらから目が見えない、というのが不気味さを増していた。
そして男は手のひらを前に差し出すと、その上の無の空間からなにやら物体を生成しはじめた。なんだなんだ。そしてそれはみるみるうちに小刀を形成した。
そして男はそれを掴み、歩み寄ってくる。逃げようとするが、あるはずのないところに壁。カバンの中のもので戦えそうなものはないか?と漁るも何もない。ハサミは机のなかだった(ハサミでも戦えそうにないが・・・)。
ならば、あいつが無から道具を作り出したのだから、俺だってなにか作れるはず、と手のひらを掲げる。ハーッ!・・・・・・驚くべきことに、何か物体が形成されていく。なんだなんだ?そうか、ここは異様な空間なのだ。普段の世界とは違う、何かの空間。そして俺は打ち込み産み出されたものを掴む。なんだこれは。孫の手じゃねーか!戦えるかっ!いくらなんでもあり空間とはいっても相手のほうが経験が上だった。
そしてやけくそで孫の手を投げた瞬間、その空間の反対側から、壁を壊してひとり誰か入ってきた。湯殿たもとだったのだ。
「そこの幽霊、私が相手よ」
謎の前髪長い男と湯殿が対峙した。前髪男の表情はまったく読めない一方、湯殿は自信ありげな表情だった!
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