天端怪奇伝

湯殿たもと

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天端怪奇伝15

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金曜日。雪。

「しげ君、今週末暇?」

「暇だぞ」

確かに土日は何も無いが来週はテスト。しゃべってから思い出す。

「一緒に一日、どこかに出掛けようよ」

「そうだなぁ、よしそうしよう。どこがいいか?」

「しげ君の好きなところで良いよ!」

「そうだなぁ、土曜と日曜だったらどちらがいい?」

「待ちきれないから土曜日だね」

「はっはっは、そうか!じゃあ場所も決めておくから明日ここで集合だぞ」

「うん!」

で、少しだけ上機嫌で学校へ。しかし学校につくとテストのことを思いだし憂鬱になる。テストってホントにやったほうがいいのか?精神によくないぞ。気合いを入れて教科書を開き暗記を開始すると笹川に呼ばれる。

「久保田、最近上の空」

「なんだよ、上の空だって春の海だって何だって良いじゃないか」

「これ」

「ノート?」

「事情は小栗から聞いた。応援する。これ勉強に使って」

「笹川・・・すまんな。助かるぜ」

「後でおごり」

「ああ。任せろ」

笹川が何故か協力してくれるようだ。こうなったらやらないわけにいかない。打倒不来方くらいでやろう。

放課後。やれば俺だって出来るもんだ。試験勉強が笹川のお陰でよく進んだ。さて、明日の計画を練らなければ。

「なぁ笹川」

「水族館」

「まだ聞いてないぞ」

「水族館面白い。アザラシの赤ちゃん可愛い。それだけ」

「なんかわからんけどありがとな」

「おごり」

「これがおごりにはいるかっ!」

しかし水族館か。良いかもしれない。


放課後にもいろはと会った。ちょっと聞いてみることがある。

「なぁ、肉と魚どっちがすきか?」

「甲乙つけがたいよ。ボク魚も肉もすきなんだよ」

「それじゃイルカとうさぎどっちが好きか?」

「その二つならイルカかな?うさぎも好きだけどね」

「よしわかった」

「それで何の質問なの?」

「今日の晩御飯」

「わぁぁぁぁあああそんなの無いよ~!」

「冗談だよ」

「うーっもうっ!」

「それで明日はここに九時に集合でいいか?」

「せっかくだから別の場所にしようよ。駅前の喫茶店の前とか」

「よしそうしよう。それじゃまたな!」

「また明日~!」


続きます。
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