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天端怪奇伝12
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天端怪奇伝12
水曜日。まだ週の折り返しだが何故か体が疲れている。昨日一昨日出掛けていたからか。しかしその分といってはなんだが、気分は高揚している。数字で表すと疲労70士気70といったところだろう。明智と適当に話して学校へ。
「久保田、最近部活に来ない。どうしたの」
珍しく笹川に心配される。確かに部活をほったらかしにしてるなぁ。
「なんでもないぞ、単に忙しいだけ」
「テスト勉強ならわかるけど、もしかしてあそびにいってるの」
「ぐぅ、そんなことないぞ」
なんで知ってるんだ、それとも単に鋭いだけか?うーん。話をそらすか。
「そういう笹川は勉強してるのか」
「してる」
「そっかー」
「久保田もした方がいい」
そういって席に戻っていった。
放課後。笹川に言われたこともあるし、文芸部に顔を出しテスト勉強をする。もともと明智とは今日は出掛ける約束をしてないので問題はない。笹川はどこかと連絡をとっているが、他の部員たちは勉強したり辞書をひいたりしている。
午後5時。ゴゴゴジ。なんかカッコいい。いやそんなはずはないか。小腹空いたな。部員は全員家路についた。
完全に暗くなった空。もう冬至に近い。四時半にはほとんど真っ暗で、人の流れや町の明かり以外は深夜と変わらない。・・・それなのに明智はまだ車を探していた。
「今日はおそいね」
「部活やってたんだよ」
「そうなんだ。何の部活?」
「文芸部だ。いろはは?」
意外という顔をしている明智に問い返す。
「ボクはソフトテニスだよ」
「ソフトテニスか、いいなぁ」
「ほらっツイストサーブっ! 」
「・・・真面目に取り組んでるんだろうな」
「学校ではちゃんとやってるよ、今のはギャグ!」
「ならいい」
「それより、明日また出掛けない?」
「いいぞ、どこがいいんだ?」
「しげ君に任せるよ」
「宇宙ステーションとかどうだ」
「遠すぎるよっ」
「鎌倉の大仏」
「遠すぎるってば」
「ならどの大仏がいいんだ?」
「大仏じゃなくて、お店とか・・・」
「わかった。いいお店探してくるからな」
「え、うん、ありがとう」
「えってなんだよ」
「いや、ギャグとの切り替え早いなぁって」
「というわけで千秋、いいお店ないか?」
「どんなお店がいいのかなぁ」
「そういや聞いてなかったなぁ。ゲーセンと喫茶店以外だな」
「なら栗原屋だね」
「おお、その手があったか!きっとよろこぶなっ」
よし、じゃあ明日はしっかり楽しませてやろう。
続きます。
水曜日。まだ週の折り返しだが何故か体が疲れている。昨日一昨日出掛けていたからか。しかしその分といってはなんだが、気分は高揚している。数字で表すと疲労70士気70といったところだろう。明智と適当に話して学校へ。
「久保田、最近部活に来ない。どうしたの」
珍しく笹川に心配される。確かに部活をほったらかしにしてるなぁ。
「なんでもないぞ、単に忙しいだけ」
「テスト勉強ならわかるけど、もしかしてあそびにいってるの」
「ぐぅ、そんなことないぞ」
なんで知ってるんだ、それとも単に鋭いだけか?うーん。話をそらすか。
「そういう笹川は勉強してるのか」
「してる」
「そっかー」
「久保田もした方がいい」
そういって席に戻っていった。
放課後。笹川に言われたこともあるし、文芸部に顔を出しテスト勉強をする。もともと明智とは今日は出掛ける約束をしてないので問題はない。笹川はどこかと連絡をとっているが、他の部員たちは勉強したり辞書をひいたりしている。
午後5時。ゴゴゴジ。なんかカッコいい。いやそんなはずはないか。小腹空いたな。部員は全員家路についた。
完全に暗くなった空。もう冬至に近い。四時半にはほとんど真っ暗で、人の流れや町の明かり以外は深夜と変わらない。・・・それなのに明智はまだ車を探していた。
「今日はおそいね」
「部活やってたんだよ」
「そうなんだ。何の部活?」
「文芸部だ。いろはは?」
意外という顔をしている明智に問い返す。
「ボクはソフトテニスだよ」
「ソフトテニスか、いいなぁ」
「ほらっツイストサーブっ! 」
「・・・真面目に取り組んでるんだろうな」
「学校ではちゃんとやってるよ、今のはギャグ!」
「ならいい」
「それより、明日また出掛けない?」
「いいぞ、どこがいいんだ?」
「しげ君に任せるよ」
「宇宙ステーションとかどうだ」
「遠すぎるよっ」
「鎌倉の大仏」
「遠すぎるってば」
「ならどの大仏がいいんだ?」
「大仏じゃなくて、お店とか・・・」
「わかった。いいお店探してくるからな」
「え、うん、ありがとう」
「えってなんだよ」
「いや、ギャグとの切り替え早いなぁって」
「というわけで千秋、いいお店ないか?」
「どんなお店がいいのかなぁ」
「そういや聞いてなかったなぁ。ゲーセンと喫茶店以外だな」
「なら栗原屋だね」
「おお、その手があったか!きっとよろこぶなっ」
よし、じゃあ明日はしっかり楽しませてやろう。
続きます。
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