悪魔のヤミー

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☆9 悪魔

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不安そうな目で、すがるように見つめられるのは悪い気がしない。
「お前の母さんも、そんなすがるような目をしていたよ」
「……え?」
オレがずっと言ってこなかったこと。それは……。
「アイツの許嫁だった、まりあも……逃げだしてきたって言ってたなぁ」
「どういうこと?」
「……この公園で、守の母さんと出会った。そんだけ」
「え、じゃあ……。ボクの父さんは……」
オレはニッと笑うと、「さぁな」と付け加えて、守に背を向けた。

「守が独り立ちしたら逢いに来てだなんて、まりあもロマンチックだよなぁ」
「悪魔!!」
オレはその言葉に、くっくと肩を揺らした。
守は、オレが消えた場所に、何度も何度も叫び続けた。

それがオレの名を呼んだのか、「この悪魔」という意味なのかは、もう知る術がない。
end
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