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第1章
6 母
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「あなたが生まれた日に、あの人は星になった」
言葉こそ強く、わたしに真っ直ぐに刺さったが、母の目は驚くほど優しく、唇は震えていた。
「……だから、わたしを?」
怖がらせまいとするように、母はにこっと笑い、その時、母の頬を一粒の涙がつたう。
「傷つけるつもりなんてなかったのですわ!」
「……でも」
「あなたを愛しているから……!」
揺るぎない瞳が、わたしを射止める。
嬉しかった。
「……あなたに、わたくしの悲しみに気づいてほしくなかったんですの……。あなたを守りたかったから……!」
頬を撫でられて、涙がにじむ。
「ひかりん」
いつの間にか真後ろに立っていたムーが、わたしの名を呼び、ドンッと背中を押すから、わたしは、そのまま母の腕の中に倒れこんだ。
「ちょっ! ムー!」
「ごめんね」
「ごめんね」と言った母が、わたしの頭を撫でる。
それまでのことが、すべて愛しさになって、こみあげた。
すぐ近くで、見上げた母は、愛し気に目を細めて、ギュッとわたしを抱きしめてくれた。
言葉こそ強く、わたしに真っ直ぐに刺さったが、母の目は驚くほど優しく、唇は震えていた。
「……だから、わたしを?」
怖がらせまいとするように、母はにこっと笑い、その時、母の頬を一粒の涙がつたう。
「傷つけるつもりなんてなかったのですわ!」
「……でも」
「あなたを愛しているから……!」
揺るぎない瞳が、わたしを射止める。
嬉しかった。
「……あなたに、わたくしの悲しみに気づいてほしくなかったんですの……。あなたを守りたかったから……!」
頬を撫でられて、涙がにじむ。
「ひかりん」
いつの間にか真後ろに立っていたムーが、わたしの名を呼び、ドンッと背中を押すから、わたしは、そのまま母の腕の中に倒れこんだ。
「ちょっ! ムー!」
「ごめんね」
「ごめんね」と言った母が、わたしの頭を撫でる。
それまでのことが、すべて愛しさになって、こみあげた。
すぐ近くで、見上げた母は、愛し気に目を細めて、ギュッとわたしを抱きしめてくれた。
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