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オダ帝国からの来訪者
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領主館の応接室のソファーに座ると、既にお互いの挨拶は交わしていたのでしょう。
改めてと言って、使者の日本人が挨拶をしてきます。
「初めまして武内さん、僕は山下祐一、そして右側に居るのが田川真一、左が佐々木竜二です。 オダ帝国で僕達の事をチマチマ調べてたみたいですけど、あまり芳しくなさそうなのでこちらから顔を出させてもらいました」
3人とも大体20代前半でしょうか、山下と名乗った青年がニヤニヤしながら嫌味のような事を口にします。
まあ実際に調査はしてるけど全くと言っていいほど有意義な情報が手に入ってないのでオダ帝国側から直接接触をしてくれて情報が得られるなら嫌味ごとき受け流してとりあえず友好的に対応をします。
「初めまして、武内です。 それで山下さんと田川さん、そして佐々木さんは何をしにプレモーネまでお越しに? 魔物も居る異世界で護衛も無しで大丈夫でしたか?」
そう笑顔で挨拶をし、軽く社交辞令的な挨拶をしますが、山下と名乗った青年は笑顔のまま、「自分達はレベル高いんで、魔物は脅威じゃ無いんですよ」と笑いながら答えます。
わざわざオダ帝国からプレモーネまでやって来たぐらいだから、地球との融合絡みの要件なのでしょうがなかなか本題に入らず、彼らは異世界に転送されてからどの様に生活していたかなどの雑談を始めます。
さてさて、こちらから切り込むまで雑談をするつもりか? 自分は融合前に日本に帰還したい人を日本に帰らせる仕事があるから暇じゃないんだけどな…。
地球と融合するから、帰還は融合後でいいって言う人と、融合前に帰りたいって人が居るから結構あっちこっちから依頼が殺到してるんだよね。
そう思いながら、時間を無駄にしたくないのでこちらから話を切り込むことにします。
「それで、わざわざプレモーネにまで来た理由をお聞きしても?」
そう言うと山下さんは、笑顔のまま、本題ですが、と言って話し始めます。
「まず、日本の状況、正確に言うと異世界の事はどの程度伝わっていますか? それに世論なんかも知りたいですね、僕たちが日本に戻った際に居場所はあるのか、みんな気になっていて、それで日本と接触を持ってる武内さんに会いに来たんですよ」
「日本と? 自分がその接触を持っている人間だとどうしてそう思うんですか? 別の人かもしれませよ?」
そう社交辞令的に返答をすると、3人は何をいまさらと言った風に苦笑いを浮かべます。
「それは無いでしょう、日本の品が流通しだして、元を辿ったらプレモーネに辿り着きます、その上プレモーネに居る日本人を実質的に纏めている月山さん、そして商品を卸している武内さん、そうなれば日本の品を卸している武内さんが日本と接触を持っているのは明白じゃないですか。 一応オダ帝国も他国に間者は居るんですよ」
「まあ確かに、堂々と色々やってたからね、簡単に自分までたどり着くわけだ、それにしても相当前から知ってただろうに何故今頃になって接触を? 日本の事を聞きたいんだったらわざわざ自分に聞かずに週刊誌の出版社に聞けばいいんじゃない?」
「そうですね、それが出来ればいいんですけど、そう簡単にはいかないんですよ、それに最近出版社側も僕達がもたらす情報が古いみたいで最初の頃みたいに好意的じゃなくって…」
そう苦笑いをしながら山下さんは話していますが、どうやら予想通り出版社とのやり取りにはタイムラグのようなものがあるようでリアルタイムでやり取りは出来ていないようです。
とはいえ、プレモーネの日本人は大体知っていて、隠す必要も無い事なので、日本の状況、帰還者の扱いなどを説明します。
「そうですか、じゃあ異世界の情報、地球との融合の話などは大体世界中が知っていると…」
「そうですね、とはいえ細かい異世界の現地情報なんかは日本政府が吟味して公表はしてますが、融合に関してはネレースが神託を地球に住む人にくだしたので知らない人は居ない状況ですね」
そう伝えると山下さんは真顔になって質問をしてきます。
「異世界の詳細な現地情報は日本政府に武内さんが伝えなければ分からないんですよね?」
「ええ、まあ正確に言うと自分が把握している情報以外は日本政府に伝わりませんね、とはいえ融合後にこの世界に住む人から地球の人に伝わりはするでしょうが、まあそれも融合後しばらくしてからでしょうね。 なんせ言語も違いますし、最初のうちはコミュニケーションをとるので精一杯でしょうから」
そんな自分の言葉に山下さんは目をぎらつかせ、身を乗り出します。
「ではこれから他国に進攻してもその事が日本政府や地球の人達に伝わるのはかなり時間がかかるという事ですよね?」
「侵攻? 今更戦争をして血を流す意味がどこにある?」
「それは武内さん達からしたらそう思うかもしれませんが、オダ帝国はそう言う訳にもいかないんですよ、なんせ国土は狭く、貨幣製造や流通拠点として利益を出して国家運営してるんですから、食料自給率は低いし、何より地球と融合したら今まで国家運営をしていた資金源が無くなるんですから死活問題です」
「いや、だからって戦争して他国を侵略するって考えはどうなの?」
「確かに日本人の感覚ではそう思うでしょうがここは異世界です! 異世界の揉め事に地球の人が口を出す権利は無いはずです!」
「それはそうかもしれないけど、戦争すれば人が死ぬ、死んだ人達にも家族や友人が居て悲しむ人が居る、異世界だからそれが許されると言うのはおかしいんじゃないか?」
「武内さんからそんな言葉が出るとは驚きですね、ウェース聖教国への侵攻と占領、その上ソパニチア王国との大規模な戦争、何人死んだんですか?」
そう言ってお前にオダ帝国の考えを非難する権利は無いとでも言わんばかりの顔で山下さんは自分を見ます。
確かにウェース聖教国を滅ぼして占領をして戦争はしたけど状況が違うんだよね。
その辺を理解せずに同類じゃないかと言われるのは心外だ…。
改めてと言って、使者の日本人が挨拶をしてきます。
「初めまして武内さん、僕は山下祐一、そして右側に居るのが田川真一、左が佐々木竜二です。 オダ帝国で僕達の事をチマチマ調べてたみたいですけど、あまり芳しくなさそうなのでこちらから顔を出させてもらいました」
3人とも大体20代前半でしょうか、山下と名乗った青年がニヤニヤしながら嫌味のような事を口にします。
まあ実際に調査はしてるけど全くと言っていいほど有意義な情報が手に入ってないのでオダ帝国側から直接接触をしてくれて情報が得られるなら嫌味ごとき受け流してとりあえず友好的に対応をします。
「初めまして、武内です。 それで山下さんと田川さん、そして佐々木さんは何をしにプレモーネまでお越しに? 魔物も居る異世界で護衛も無しで大丈夫でしたか?」
そう笑顔で挨拶をし、軽く社交辞令的な挨拶をしますが、山下と名乗った青年は笑顔のまま、「自分達はレベル高いんで、魔物は脅威じゃ無いんですよ」と笑いながら答えます。
わざわざオダ帝国からプレモーネまでやって来たぐらいだから、地球との融合絡みの要件なのでしょうがなかなか本題に入らず、彼らは異世界に転送されてからどの様に生活していたかなどの雑談を始めます。
さてさて、こちらから切り込むまで雑談をするつもりか? 自分は融合前に日本に帰還したい人を日本に帰らせる仕事があるから暇じゃないんだけどな…。
地球と融合するから、帰還は融合後でいいって言う人と、融合前に帰りたいって人が居るから結構あっちこっちから依頼が殺到してるんだよね。
そう思いながら、時間を無駄にしたくないのでこちらから話を切り込むことにします。
「それで、わざわざプレモーネにまで来た理由をお聞きしても?」
そう言うと山下さんは、笑顔のまま、本題ですが、と言って話し始めます。
「まず、日本の状況、正確に言うと異世界の事はどの程度伝わっていますか? それに世論なんかも知りたいですね、僕たちが日本に戻った際に居場所はあるのか、みんな気になっていて、それで日本と接触を持ってる武内さんに会いに来たんですよ」
「日本と? 自分がその接触を持っている人間だとどうしてそう思うんですか? 別の人かもしれませよ?」
そう社交辞令的に返答をすると、3人は何をいまさらと言った風に苦笑いを浮かべます。
「それは無いでしょう、日本の品が流通しだして、元を辿ったらプレモーネに辿り着きます、その上プレモーネに居る日本人を実質的に纏めている月山さん、そして商品を卸している武内さん、そうなれば日本の品を卸している武内さんが日本と接触を持っているのは明白じゃないですか。 一応オダ帝国も他国に間者は居るんですよ」
「まあ確かに、堂々と色々やってたからね、簡単に自分までたどり着くわけだ、それにしても相当前から知ってただろうに何故今頃になって接触を? 日本の事を聞きたいんだったらわざわざ自分に聞かずに週刊誌の出版社に聞けばいいんじゃない?」
「そうですね、それが出来ればいいんですけど、そう簡単にはいかないんですよ、それに最近出版社側も僕達がもたらす情報が古いみたいで最初の頃みたいに好意的じゃなくって…」
そう苦笑いをしながら山下さんは話していますが、どうやら予想通り出版社とのやり取りにはタイムラグのようなものがあるようでリアルタイムでやり取りは出来ていないようです。
とはいえ、プレモーネの日本人は大体知っていて、隠す必要も無い事なので、日本の状況、帰還者の扱いなどを説明します。
「そうですか、じゃあ異世界の情報、地球との融合の話などは大体世界中が知っていると…」
「そうですね、とはいえ細かい異世界の現地情報なんかは日本政府が吟味して公表はしてますが、融合に関してはネレースが神託を地球に住む人にくだしたので知らない人は居ない状況ですね」
そう伝えると山下さんは真顔になって質問をしてきます。
「異世界の詳細な現地情報は日本政府に武内さんが伝えなければ分からないんですよね?」
「ええ、まあ正確に言うと自分が把握している情報以外は日本政府に伝わりませんね、とはいえ融合後にこの世界に住む人から地球の人に伝わりはするでしょうが、まあそれも融合後しばらくしてからでしょうね。 なんせ言語も違いますし、最初のうちはコミュニケーションをとるので精一杯でしょうから」
そんな自分の言葉に山下さんは目をぎらつかせ、身を乗り出します。
「ではこれから他国に進攻してもその事が日本政府や地球の人達に伝わるのはかなり時間がかかるという事ですよね?」
「侵攻? 今更戦争をして血を流す意味がどこにある?」
「それは武内さん達からしたらそう思うかもしれませんが、オダ帝国はそう言う訳にもいかないんですよ、なんせ国土は狭く、貨幣製造や流通拠点として利益を出して国家運営してるんですから、食料自給率は低いし、何より地球と融合したら今まで国家運営をしていた資金源が無くなるんですから死活問題です」
「いや、だからって戦争して他国を侵略するって考えはどうなの?」
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「それはそうかもしれないけど、戦争すれば人が死ぬ、死んだ人達にも家族や友人が居て悲しむ人が居る、異世界だからそれが許されると言うのはおかしいんじゃないか?」
「武内さんからそんな言葉が出るとは驚きですね、ウェース聖教国への侵攻と占領、その上ソパニチア王国との大規模な戦争、何人死んだんですか?」
そう言ってお前にオダ帝国の考えを非難する権利は無いとでも言わんばかりの顔で山下さんは自分を見ます。
確かにウェース聖教国を滅ぼして占領をして戦争はしたけど状況が違うんだよね。
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