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時間軸が戻る日

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173日目

今日からとりあえずしばらくの間は日本と通信が出来る魔道具の作成に全力を尽くします。
とはいえ、交易品の補充に公衆浴場2号店の建設と自分の屋敷の発注やらとやる事が満載なので暫くは午前中に日々のルーティンを終わらせて午後から魔道具制作にあたります。

途中戻ってきたサンダーウルフ達の報告では特に異常は見られないとの事でしたので一旦すべてのサンダーウルフ達には影の中で待機してもらいます。

そして、日本と通信をする為の魔道具作りと言っても以前作った通信魔道具の応用と思っていましたがなかなか思い通りに進まないうえに、日本との通信実験が出来ないので正常に動くのかも疑問です。

以前作った通信魔道具とは別に魔力石に亜空間を隔てた世界への転移魔法を付与するイメージして魔道具制作をしますが、そこそこの大きさの魔力石ではゲートを開くには魔力が足りませんし、中々うまく行きません。

とりあえずギルドにはスケルトンの魔石をあるだけ買うと伝えて来ているので、毎日魔石が千個単位で納品されるので魔石には事欠きませんがその魔石を融合して大きくしたうえで魔力石化するだけでも時間がかかります。

179日目

とりあえずここ数日で公衆浴場2号店と予定外の3号店を製作したり交易品の補充をしたりとバタバタしながら魔道具制作をしてきましたが、とりあえず試作品が5個程完成し、追加で日本へと繋がるゲートを広げる魔道具も作成しましたが、あとは明日以降に実験してみるしかなさそうです。

因みに日本へと繋がるゲートを作る際、範囲を広げる魔道具はかなり魔力石を融合して巨大化した魔石を使用しましたがそれでも10センチ四方が20センチ四方になったくらいです。

女性でも余裕を持って40センチ、男性なら5~60センチ四方以上の広さが無いと通れないのでまだまだ日本に帰るのはむずかしそうです。

180日目

眠りについていると突然グラグラっと家が揺れ柱などが軋む音がします。
ん、地震?

そういえばこの世界に転移してきてから地震って初めてだな、大体震度4ぐらいかな・・。
そう思いながらも一旦起きだして窓を開けて外の様子を確認します。

騒がしいな・・・この世界の人って地震に免疫が無いのか?
とはいえ恐らく地震が起きたのは日付変更の時間なのでしょうから間違いなく時間軸をもとに戻した事が原因で地震が起きたような気がします。

なんかこれから暫くは忙しくなりそうだな・・・。

そう思いながらも、一旦二ホン砦に向かいゾルス達の状況を確認しましたが、やはりゴブリン達も地震に免疫が無いようで砦内は結構混乱しています。

「ゾルス、ロゼフ、バルタ、ハンゾウ、とりあえず砦内のゴブリン達を落ち着かせて!」
そう言って指示を出して暫くすると砦の混乱も収まりだしたようです。

「マサト様、先ほどの地揺れは?」
「ああ、地震って言って断層とかがズレたりした際におきる事だよ、まああのぐらいなら大したことないから大丈夫」

「左様でございますか・・しかしあのように地が揺れるのは初めてでございます」
「この世界には地震ってないんだね、日本では普通によくある事だから気にもならなかったけど、それよりも、今回の地震は断層のズレが原因じゃなくて、大規模な魔力の活発化が始まった為に起きた事だから、これからしばらくの間はいつでも戦闘が発生するつもりでいてね」

「かしこまりました」
そう言って頭を下げるゾルス達に一応砦内に破損個所が無いかの確認を指示してプレモーネの自宅に戻ります。

さてもうひと眠りと思いベッドに入ろうとした際、玄関の扉をたたく音がします。
めんどくさ・・・。

そう思いながらも一応誰が来たのか確認に行くとグランバルさんからの伝令で今すぐ領主館に来て欲しいとの事のようです。

とりあえず了承の旨を伝え、着替えをしてラルに乗って領主館に向かいますが、どうやら町の人も相当地震には驚いたようで道には多くの人がいて怯えている感じです。

まあ見る限り建物の被害はなさそうだから問題なさそうだね。

そして領主館の執務室入るとグランバルさんは挨拶もそこそこに地震について色々聞いてきます。
「マサト、さっきの地揺れはなんなんだ!あのようなのは俺が生まれてから初めてだぞ!」
「まあ地震って言いますけど、恐らく大規模な魔力の活発化が始まった為でしょうね。とりあえず地震に関しては大丈夫だと各村や町に伝達したうえで今後、魔物の大量発生に備えるように伝達すべきですね」

「そうか、地揺れは問題ないんだな」
「ええ、ただ可能性として今後も地震が起きる可能性はありますが、現時点で問題なのは魔物の大量発生とその後の上位種出現ですね」

「その魔物の大量発生についてはいつでも動けるようにしてはいるが・・・」
そう言いながらも今後も地震が起きる可能性があると言う言葉にグランバルさんはちょっときょどってます。

領主館を後にして自宅に帰り眠りにつきますが、実際自分自身でもどの程度魔物が大量発生するかの予測もつかない為、現時点で対応を検討すらできないのがもどかしい感じです。

朝になってからプレモーネの町を一通り見て回りましたが、その後の余震もなかった為かほとんどの人は通常通りの生活を送っており、建物にも被害はなさそうです。

さて、今回はどこから大量の魔物が来るのか・・・。
そう思いながらアルチ達には一旦四方に偵察に出てもらいます。
とはいえ徹底調査となると時間もかかり有事の際に戦力が減るので明日の昼頃までには戻ってくるように指示をしておきます。

アルチ達が出発した後、再度二ホン砦に向かい戦力の再確認をしましたが、ゴブリン約1800匹、ゴブリンメイジ131匹、約ホブゴブリン1500匹、ゴブリンロード7匹、総勢3300匹以上に膨れ上がっています。


とりあえず、ゾルス、ロゼフ、バルタには100匹の小隊を10隊率いるように指示をして臨戦態勢を整えさせます。
とりあえず前回スケルトンの大量発生の際はコボルトに砦を襲撃されたので今回は留守居として300程は残しておく予定です。

また数があるスケルトンの魔石9000個を渡し、古参のゴブリン達に分け与えるように指示をしてから、再度二ホン砦の状態を確認した後はプレモーネ戻って月山部長と各種事業の引継ぎ状況の進捗を確認します。

「大規模な魔力の活発化が始まった為に昨晩の地震が起きたのか・・。我々日本人は地震に慣れているからさほど気にはしなかったが、やはりこの世界の人はかなり驚いていたようだったな」
「そうですね、グランバルさんも驚いている様子でしたし。まあとりあえず各種事業には問題は出なさそうですが、糸や織物の交易が魔物の大量発生で滞ったりするのはまずいですね」

「確かに、武内君の部下のゴブリンに街道の警備を任せるのはどうだろう?」
「まあ確かに可能ですが、そうした場合、どこかで魔物が大量発生した場合に対処するのが兵士と冒険者のみになるんで人的被害が予測されるんですよね」

そういうと月山部長も確かにという感じで納得しています。
「とりあえずの所、蓄えがあるからしばらくは従業員に賃金を払えるが交易が滞る期間が長引くとさすがにな・・・」
「まあそれはその時に考えましょう、今すぐに交易が滞るわけではありませんし」

その後、一応、日本との通信が出来るはずの魔道具が完成した旨を伝え、打ち合わせと雑談をした後、相談所を後にして自宅に戻ります。

うん、今日は特になにも起きなかった、まあ大規模な魔力の活発化直後に魔物があふれ出すような感じだったらほんとに先が思いやられるよね・・。
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