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招待
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夕方になる頃には交易品販売所はいつでも営業を開始できる状態になりましたので明日からは仮店舗ではなくこの場所で本格的に販売を開始しますが、やはり公衆浴場の方は順調にはいかないようです。
「月山部長、やはり業務の割り振りがうまく行かないんですか?」
「ああ、ほとんどの人間が受付だけしてればいいと思っている感じだったようで、清掃や休憩所で売る軽食の調理や配膳などはしたくないと言い出して困ってるんだ」
「普通に考えたら受付だけな訳ないのに・・・。それで何とかなりそうですか?」
「今は、支配人と副支配人になってもらった4人を中心に話し合いをして貰っているがこの分だと何人が辞めると言い出すか・・・。こんなんじゃ製糸工場も織物工場もどうなるか、先が思いやられるよ」
そう言って月山部長もかなり困っているようです。
「まあこうなったら、辞めたい人が辞めてもらって残りたい人達だけで運営して足りない人手はプレモーネの人を雇いましょう。どうせ製糸工場と織物工場が出来たらそっちでも働きたいと言う出すでしょうから。そこでダメならもう救いようないですよ」
「武内君、そうは言うが全員が職に就かないと不平が溜まってまた野田君みたいにここを出て行ってしまうぞ」
「そうは言っても、肉体労働はしたくない、汚れ仕事がしたくないとか、あれも嫌、これも嫌じゃどうしようも無いですよ。働いている人間の生活が安定して良くなっていくのを見てたら嫌でも働かざるえなくなるでしょう」
「まあ確かに、ギルドで斡旋している日雇いで食いつなぐより安定して働けてそれなりに福利厚生がある職場の方が魅力があるからな・・・」
「福利厚生?そんなの用意してるんですか?」
「ああ、一応、日本人が運営する職場の従業員は日本の品と公衆浴場の割引をするつもりだ。まあ有給とかは管理が難しいから今の所、予定はしていないが今後も充実はさせたいと思っているよ」
「そうですか・・・・。まあその辺はお任せしますが、あまりやり過ぎると、この世界では福利厚生とかの概念がないんで周りから反発を受ける可能性ありますから程々にしといてくださいね」
「そうか、確かに、プレモーネだけじゃなくこの世界の商家や飲食店などは福利厚生がないからうちだけがそんな事をして目立つとそこで働く人が自分達もと言い出し店主達からの反発を招く可能性があるという事か・・・。なかなかバランスが難しいな・・・」
「まあ、日本の品と公衆浴場の割引ぐらいなら問題ないでしょうけど、それ以外を大々的にするのは様子をみてからの方が良いかと思います。」
そう言って福利厚生に力を入れそうな月山部長に釘を刺しておきましたが、公衆浴場で働く人の役割分担が終わらないと営業出来ないんですよね・・・。
とりあえず月山部長が明日中には役割分担を決めていつでもオープン出来るようにするとの事でしたのでお任せして自宅に戻ります。
そう言えば軽食と飲み物とかどうするのか聞いたら日本人の料理人3人にプロデュースしてもらうとか言ってましたがそう言う所の手回しはすごいですね・・・。
それに冷蔵庫をフル活用して牛乳コーヒとかフルーツ牛乳とかの販売って、どんだけ手回しいいんだか・・。
160日目
朝から交易品販売所に向かい状況確認と商品補充をした後に道作りの進捗を確認した後、ゴブリン達の鎧や剣、そして槍などを作って時間を潰していたら昼頃になったので実験を開始します。
実は昨日の昼間に実験でネレースの部屋に転移魔法で行けるか実験したかったのですが、する暇が無く、夜に行くとネレースと鉢合わせしそうだったのでやめた経緯があったのですが、今日のランチタイムを狙って実験をします。
ネレースから得られた亜空間の知識や原理を元に転移魔法でネレースの居た部屋をイメージしてゲートを開きます。
異なる次元にゲートを開くとなると転移魔法イメージも勝手も違う感覚ですが何回か失敗をした後何とかネレースがいる白い部屋にゲートが繋がります。
「うん、やっぱりネレースは居ないな・・」
そう思いながら白い部屋に入ろうとしましたがなぜか見えない壁のようなものに阻まれて入れません。
何故なのか分からないのでとりあえずアイテムBOXからポテチ1袋を出して白い部屋に投げ込むと部屋にポテチが入った瞬間に動きを止めて中に浮いている状態のまま止まっています。
「え?どういうこと?」
そう思いながらもポテチを回収しようと手を伸ばしてもやはり見えない壁のようなものに阻まれる感覚です。
これって、この部屋は亜空間にあって時間が止まっているから?でもならポテチも中に入らないはずなのに何故に?
そう思いながらも一旦ゲートを閉じで自宅で原因を考えますが思いつきません。
とはいえ、亜空間上にあるネレースの部屋まではゲートが繋がったので後はこれの応用で日本にゲートを繋げれば日本に帰れるはずです。
ネレースの部屋に転移魔法でゲートを繋ぐのに結構魔力を消耗しましたが、一応、博多駅のK〇TTE博多前にあるハート型のポストをイメージしてゲートを開こうとしてみます。
結構ゴリゴリ魔力が消費されていくのが分かりますが、なんか今回は行けそうな気がします。
ゲートが繋がった感覚があり目の前にゲートが開きましたが10センチ四方の広さしかゲートが出来ませんでした。
開いたゲートを覗き込み向こうの様子を見るとなんかスローモーションを見ている感じです。
ネレースが時間軸をずらしているからかな?そう思いながらも魔力が切れるまで勝手知ったる博多駅前の景色を眺めていると魔力切れでゲートが閉じます。
うん、かなり魔力消費するけどかなり前進した感じがする。
そう思いながらしばらく休憩をしてから月山部長の所に行き公衆浴場で働く人がどうなったか確認しに行きます。
月山部長の話では6人程が辞めると言い出して公衆浴場の職員は23人になったそうですが役割分担は出来たそうなのでまあ良しとして営業開始日等を話し合い、どうやらとりあえずは明後日には営業を開始するようなので、明後日はテストがてら一部の人達だけを招待する感じでプレイオープンするとの事です。
うん、どうやらなんとかなったようなんで後は月山部長に任せておくことにします。
その後は自宅に戻り魔道具の制作等をしようとしましたがMPが枯渇しているので数が作れずそのまま家でゴロゴロして過ごしますが、異世界に来てゴロゴロして過ごすの初めてなんじゃないかと思えてきます。
うん、絶対働きすぎだよね・・・。
161日目
今日も朝からゾルスの所に行き道作りの進捗を確認しますが、ゾルスの話ではあと14・5日位で道が完成するとの事ですので今日はそのことを伝えにバイルエ王国の土田の所にいって伝えておこうと思い、転移魔法で首都のドイルズに向かいます。
城門の前に行き門番さんに土田に会いに来たから呼んで来てと言うと今回はスムーズに伝令が城内に走り自分の来着を知らせに行き、それと同時に馬車が用意され城へ連れて行ってくれます。
応接室に通されるとロ二ストさんがやってきます。
「これはマサト殿、本日はいかがされたのですかな?」
「ええ、取り合えず道があと14.5日後には完成するのでその事を伝えに来たのと魔物の大発生についてどうだったかを聞きに来たんですよね」
「そうですか、今ツチダ殿を探しに行かしているので暫くお待ちください。それにしても後14.5日で道が出来るとは何とも・・」
「まあそうですよね。人の手でやったら時間もお金もかなりかかりますしね。それで魔物の大発生はどうだったんですか?」
「そうですね、まあ本来は他国の人に話す内容ではないのですがどうせツチダ殿から情報が洩れるでしょうから、それにマサト殿にならよいでしょうか・・」
そう言ってロ二ストさんが大量発生について話てくれましたがどうやら大量発生が確認されてからの初動がどうしても素早く出来ず村などには被害が出たそうですが、バイルエ王国では冒険者が先行して討伐に乗り出しその後に軍が後詰と言う形で加わり討伐をしたそうです。
それでもすべては討伐できずある程度の魔物が散り散りに逃げたとの事です。
「そうですか、まあドグレニム領の方もある程度の魔物が逃げましたので同じ状況ですね、まあでも軍や冒険者のレベル上げにはなったんじゃないですか?」
「まあ、それはそうなのですが、村などに被害が出ている以上そう言って喜べない状況ですね。それにまもなく魔力の活発化が始まると聞きます、そうなると今以上の被害が予想されますので、軍の方ではその対策でピリピリしてるぐらいです」
「それで、バイルエ王国が掴んでいる隣国の状況はどうなんですか?ウェース聖教国の被害が甚大なのは知ってるんですが・・」
「ははは、マサト殿もお人が悪い、まあ隣国の状況は我が国と大体変わらない感じですな、ただタイカル王国の被害が酷い状況のようですが」
そう言ってロ二ストさんは笑いながら情報を教えてくれたので、ドグレニム領での大量発生の状況も伝えておきます。
「なんと、ではドグレニム領では死者も出ず被害は皆無ですか?」
「まあ、うちのゴブリンに200程の被害が出ましたが人的な被害は無しですね、それに相手がスケルトンだったのでそれが被害の少なさに繋がったんだと思いますよ」
自分の話を聞きながらロ二ストさんはあれこれ質問をして来ているので恐らくは自国で応用できる事は無いかを考えているんでしょうね。
そうしていると廊下を走る音が聞こえてきて応接室の扉が勢いよく開きます。
「おう武内、来るなら来るって言えよ!!ていうかステレーネさんどうするんだ!!本当に来ちゃったじゃん!」
うん、どうやら教国を脱出してバイルエ王国に来ていたみたいですね・・・。
「まあ、そこは土田が器の大きい所を見せて力ずくで自分の女にしちゃうみたいな?」
「いや、駄目だろうそれ!てかこっちに来てまで教国に住む人たち心配してるのに襲えるか!!」
「じゃあ土田が軍を率いて教国攻め込んでろくでも無い教国を解放してバイルエ王国の領土にしてそのままステレーネさんも自分のものにしちゃえばいいじゃん!」
「いや、俺の権限で軍とか動かせないから、それにこれから更に今後も魔力の活発化によって魔物の大量発生がいつ起きるかも分からないのにそんな事してられないだろう!ていうか何故にステレーネさんを俺の女にしようとするんだ?ていうか既に決定事項みたいに言うなよ!」
「いや、いい子だよステレーネさん、何が不満なの?」
「いや、不満とかじゃなくてな・・・。まあそれはさておき今日はどうしたんだ?」
「ああ、道があと14.5日後に出来る事と大量発生の状況を聞きに来たんだけど、ロ二ストさんに聞いたからもういいや・・・。」
「そうか、じゃあ俺が走って駆け付けたのは?」
「うん、無駄だった・・」
そう言うと土田はガクッと肩を落としヤレヤレと言う感じです。
「ああ、それはさておき、明日プレモーネに公衆浴場が開店するんだけど来る?広い風呂にバブルバスにジェットバスにサウナもあるぞ?」
「ほんとか?だが混むんじゃないのか?」
「さあ、ただプレオープンで招待者だけだからそんなに人は来ないだろう、バイルエ王国から男女20人づつ位なら何とかなるんじゃない?」
「そうか、じゃあお言葉に甘えさせてもらうが、明日のどの位に向かいに来るんだ?」
「そうだね、とりあえず昼くらいにこの応接室集合みたいな感じでどう?」
「わかった、じゃあとりあえずめぼしい人には声をかけてみるがステレーネさんはどうするんだ?」
「まあそれは土田に任せる、バイルエ王国的にも抱えててマイナスにはならない人材だろう?まあ教国を併呑する際は声かけてね、一部はドグレニム領が掠め取るから」
「もう何て言ったらいいのか分からん、まあとりあえず明日の昼頃にこの応接室に集まるから転移魔法で送迎してくれ」
そう言って半分呆れている土田を残し転移魔法でプレモーネに戻り月山部長を尋ねます。
月山部長に明日のプレオープンにバイルエ王国から40人程お客さんが来る旨を伝え、販売用のシャンプー・リンス、ボディーソープや垢すりなどを納品しておきます。
「武内君、グランバルさんやその他、プレモーネの幹部が来るんだが大丈夫か?」
「まあ大丈夫でしょ、裸で殴り合いとかしないでしょうし・・・まあ交流という事で」
うん、月山部長の心配も分かるんですが、とりあえず交流は大切だよ、それにバイルエ王国の人達はこれから日本の品を買ってくれる上客になってもらわないといけませんし。
「月山部長、やはり業務の割り振りがうまく行かないんですか?」
「ああ、ほとんどの人間が受付だけしてればいいと思っている感じだったようで、清掃や休憩所で売る軽食の調理や配膳などはしたくないと言い出して困ってるんだ」
「普通に考えたら受付だけな訳ないのに・・・。それで何とかなりそうですか?」
「今は、支配人と副支配人になってもらった4人を中心に話し合いをして貰っているがこの分だと何人が辞めると言い出すか・・・。こんなんじゃ製糸工場も織物工場もどうなるか、先が思いやられるよ」
そう言って月山部長もかなり困っているようです。
「まあこうなったら、辞めたい人が辞めてもらって残りたい人達だけで運営して足りない人手はプレモーネの人を雇いましょう。どうせ製糸工場と織物工場が出来たらそっちでも働きたいと言う出すでしょうから。そこでダメならもう救いようないですよ」
「武内君、そうは言うが全員が職に就かないと不平が溜まってまた野田君みたいにここを出て行ってしまうぞ」
「そうは言っても、肉体労働はしたくない、汚れ仕事がしたくないとか、あれも嫌、これも嫌じゃどうしようも無いですよ。働いている人間の生活が安定して良くなっていくのを見てたら嫌でも働かざるえなくなるでしょう」
「まあ確かに、ギルドで斡旋している日雇いで食いつなぐより安定して働けてそれなりに福利厚生がある職場の方が魅力があるからな・・・」
「福利厚生?そんなの用意してるんですか?」
「ああ、一応、日本人が運営する職場の従業員は日本の品と公衆浴場の割引をするつもりだ。まあ有給とかは管理が難しいから今の所、予定はしていないが今後も充実はさせたいと思っているよ」
「そうですか・・・・。まあその辺はお任せしますが、あまりやり過ぎると、この世界では福利厚生とかの概念がないんで周りから反発を受ける可能性ありますから程々にしといてくださいね」
「そうか、確かに、プレモーネだけじゃなくこの世界の商家や飲食店などは福利厚生がないからうちだけがそんな事をして目立つとそこで働く人が自分達もと言い出し店主達からの反発を招く可能性があるという事か・・・。なかなかバランスが難しいな・・・」
「まあ、日本の品と公衆浴場の割引ぐらいなら問題ないでしょうけど、それ以外を大々的にするのは様子をみてからの方が良いかと思います。」
そう言って福利厚生に力を入れそうな月山部長に釘を刺しておきましたが、公衆浴場で働く人の役割分担が終わらないと営業出来ないんですよね・・・。
とりあえず月山部長が明日中には役割分担を決めていつでもオープン出来るようにするとの事でしたのでお任せして自宅に戻ります。
そう言えば軽食と飲み物とかどうするのか聞いたら日本人の料理人3人にプロデュースしてもらうとか言ってましたがそう言う所の手回しはすごいですね・・・。
それに冷蔵庫をフル活用して牛乳コーヒとかフルーツ牛乳とかの販売って、どんだけ手回しいいんだか・・。
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朝から交易品販売所に向かい状況確認と商品補充をした後に道作りの進捗を確認した後、ゴブリン達の鎧や剣、そして槍などを作って時間を潰していたら昼頃になったので実験を開始します。
実は昨日の昼間に実験でネレースの部屋に転移魔法で行けるか実験したかったのですが、する暇が無く、夜に行くとネレースと鉢合わせしそうだったのでやめた経緯があったのですが、今日のランチタイムを狙って実験をします。
ネレースから得られた亜空間の知識や原理を元に転移魔法でネレースの居た部屋をイメージしてゲートを開きます。
異なる次元にゲートを開くとなると転移魔法イメージも勝手も違う感覚ですが何回か失敗をした後何とかネレースがいる白い部屋にゲートが繋がります。
「うん、やっぱりネレースは居ないな・・」
そう思いながら白い部屋に入ろうとしましたがなぜか見えない壁のようなものに阻まれて入れません。
何故なのか分からないのでとりあえずアイテムBOXからポテチ1袋を出して白い部屋に投げ込むと部屋にポテチが入った瞬間に動きを止めて中に浮いている状態のまま止まっています。
「え?どういうこと?」
そう思いながらもポテチを回収しようと手を伸ばしてもやはり見えない壁のようなものに阻まれる感覚です。
これって、この部屋は亜空間にあって時間が止まっているから?でもならポテチも中に入らないはずなのに何故に?
そう思いながらも一旦ゲートを閉じで自宅で原因を考えますが思いつきません。
とはいえ、亜空間上にあるネレースの部屋まではゲートが繋がったので後はこれの応用で日本にゲートを繋げれば日本に帰れるはずです。
ネレースの部屋に転移魔法でゲートを繋ぐのに結構魔力を消耗しましたが、一応、博多駅のK〇TTE博多前にあるハート型のポストをイメージしてゲートを開こうとしてみます。
結構ゴリゴリ魔力が消費されていくのが分かりますが、なんか今回は行けそうな気がします。
ゲートが繋がった感覚があり目の前にゲートが開きましたが10センチ四方の広さしかゲートが出来ませんでした。
開いたゲートを覗き込み向こうの様子を見るとなんかスローモーションを見ている感じです。
ネレースが時間軸をずらしているからかな?そう思いながらも魔力が切れるまで勝手知ったる博多駅前の景色を眺めていると魔力切れでゲートが閉じます。
うん、かなり魔力消費するけどかなり前進した感じがする。
そう思いながらしばらく休憩をしてから月山部長の所に行き公衆浴場で働く人がどうなったか確認しに行きます。
月山部長の話では6人程が辞めると言い出して公衆浴場の職員は23人になったそうですが役割分担は出来たそうなのでまあ良しとして営業開始日等を話し合い、どうやらとりあえずは明後日には営業を開始するようなので、明後日はテストがてら一部の人達だけを招待する感じでプレイオープンするとの事です。
うん、どうやらなんとかなったようなんで後は月山部長に任せておくことにします。
その後は自宅に戻り魔道具の制作等をしようとしましたがMPが枯渇しているので数が作れずそのまま家でゴロゴロして過ごしますが、異世界に来てゴロゴロして過ごすの初めてなんじゃないかと思えてきます。
うん、絶対働きすぎだよね・・・。
161日目
今日も朝からゾルスの所に行き道作りの進捗を確認しますが、ゾルスの話ではあと14・5日位で道が完成するとの事ですので今日はそのことを伝えにバイルエ王国の土田の所にいって伝えておこうと思い、転移魔法で首都のドイルズに向かいます。
城門の前に行き門番さんに土田に会いに来たから呼んで来てと言うと今回はスムーズに伝令が城内に走り自分の来着を知らせに行き、それと同時に馬車が用意され城へ連れて行ってくれます。
応接室に通されるとロ二ストさんがやってきます。
「これはマサト殿、本日はいかがされたのですかな?」
「ええ、取り合えず道があと14.5日後には完成するのでその事を伝えに来たのと魔物の大発生についてどうだったかを聞きに来たんですよね」
「そうですか、今ツチダ殿を探しに行かしているので暫くお待ちください。それにしても後14.5日で道が出来るとは何とも・・」
「まあそうですよね。人の手でやったら時間もお金もかなりかかりますしね。それで魔物の大発生はどうだったんですか?」
「そうですね、まあ本来は他国の人に話す内容ではないのですがどうせツチダ殿から情報が洩れるでしょうから、それにマサト殿にならよいでしょうか・・」
そう言ってロ二ストさんが大量発生について話てくれましたがどうやら大量発生が確認されてからの初動がどうしても素早く出来ず村などには被害が出たそうですが、バイルエ王国では冒険者が先行して討伐に乗り出しその後に軍が後詰と言う形で加わり討伐をしたそうです。
それでもすべては討伐できずある程度の魔物が散り散りに逃げたとの事です。
「そうですか、まあドグレニム領の方もある程度の魔物が逃げましたので同じ状況ですね、まあでも軍や冒険者のレベル上げにはなったんじゃないですか?」
「まあ、それはそうなのですが、村などに被害が出ている以上そう言って喜べない状況ですね。それにまもなく魔力の活発化が始まると聞きます、そうなると今以上の被害が予想されますので、軍の方ではその対策でピリピリしてるぐらいです」
「それで、バイルエ王国が掴んでいる隣国の状況はどうなんですか?ウェース聖教国の被害が甚大なのは知ってるんですが・・」
「ははは、マサト殿もお人が悪い、まあ隣国の状況は我が国と大体変わらない感じですな、ただタイカル王国の被害が酷い状況のようですが」
そう言ってロ二ストさんは笑いながら情報を教えてくれたので、ドグレニム領での大量発生の状況も伝えておきます。
「なんと、ではドグレニム領では死者も出ず被害は皆無ですか?」
「まあ、うちのゴブリンに200程の被害が出ましたが人的な被害は無しですね、それに相手がスケルトンだったのでそれが被害の少なさに繋がったんだと思いますよ」
自分の話を聞きながらロ二ストさんはあれこれ質問をして来ているので恐らくは自国で応用できる事は無いかを考えているんでしょうね。
そうしていると廊下を走る音が聞こえてきて応接室の扉が勢いよく開きます。
「おう武内、来るなら来るって言えよ!!ていうかステレーネさんどうするんだ!!本当に来ちゃったじゃん!」
うん、どうやら教国を脱出してバイルエ王国に来ていたみたいですね・・・。
「まあ、そこは土田が器の大きい所を見せて力ずくで自分の女にしちゃうみたいな?」
「いや、駄目だろうそれ!てかこっちに来てまで教国に住む人たち心配してるのに襲えるか!!」
「じゃあ土田が軍を率いて教国攻め込んでろくでも無い教国を解放してバイルエ王国の領土にしてそのままステレーネさんも自分のものにしちゃえばいいじゃん!」
「いや、俺の権限で軍とか動かせないから、それにこれから更に今後も魔力の活発化によって魔物の大量発生がいつ起きるかも分からないのにそんな事してられないだろう!ていうか何故にステレーネさんを俺の女にしようとするんだ?ていうか既に決定事項みたいに言うなよ!」
「いや、いい子だよステレーネさん、何が不満なの?」
「いや、不満とかじゃなくてな・・・。まあそれはさておき今日はどうしたんだ?」
「ああ、道があと14.5日後に出来る事と大量発生の状況を聞きに来たんだけど、ロ二ストさんに聞いたからもういいや・・・。」
「そうか、じゃあ俺が走って駆け付けたのは?」
「うん、無駄だった・・」
そう言うと土田はガクッと肩を落としヤレヤレと言う感じです。
「ああ、それはさておき、明日プレモーネに公衆浴場が開店するんだけど来る?広い風呂にバブルバスにジェットバスにサウナもあるぞ?」
「ほんとか?だが混むんじゃないのか?」
「さあ、ただプレオープンで招待者だけだからそんなに人は来ないだろう、バイルエ王国から男女20人づつ位なら何とかなるんじゃない?」
「そうか、じゃあお言葉に甘えさせてもらうが、明日のどの位に向かいに来るんだ?」
「そうだね、とりあえず昼くらいにこの応接室集合みたいな感じでどう?」
「わかった、じゃあとりあえずめぼしい人には声をかけてみるがステレーネさんはどうするんだ?」
「まあそれは土田に任せる、バイルエ王国的にも抱えててマイナスにはならない人材だろう?まあ教国を併呑する際は声かけてね、一部はドグレニム領が掠め取るから」
「もう何て言ったらいいのか分からん、まあとりあえず明日の昼頃にこの応接室に集まるから転移魔法で送迎してくれ」
そう言って半分呆れている土田を残し転移魔法でプレモーネに戻り月山部長を尋ねます。
月山部長に明日のプレオープンにバイルエ王国から40人程お客さんが来る旨を伝え、販売用のシャンプー・リンス、ボディーソープや垢すりなどを納品しておきます。
「武内君、グランバルさんやその他、プレモーネの幹部が来るんだが大丈夫か?」
「まあ大丈夫でしょ、裸で殴り合いとかしないでしょうし・・・まあ交流という事で」
うん、月山部長の心配も分かるんですが、とりあえず交流は大切だよ、それにバイルエ王国の人達はこれから日本の品を買ってくれる上客になってもらわないといけませんし。
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ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
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