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ルイロウ領へ至る道
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110日目
使節団も帰り、ゾルス達の道の拡張整備も順調そうなので自分は城壁拡張を再開します。
現在約6000メートル、約6キロ分の城壁が出来ているので大体予定の1/3ぐらいでしょうか。
今日から1日1キロを目標に城壁を作成して行きます。
111日目、112日目、113日目、114日目
城壁は合計11キロ分完成し順調な進捗状況なうえ、月山部長の話では、料理人で洋食の内田さん、和食の丸山さん、パテシエの野上さん、その他に石鹸の大量生産に向けた日本人の確保、横山さんの服屋、そして自分が一番欲しい人材だったバーテンダーの北山さん、をはじめその他にも日本の知識を役立てそうな人のピックアップとヒアリングが終わったそうです。
とりあえず店舗や工場については城壁が拡張された後に場所を確保してからとなりますが、これで自活が現実化して来ています。
因みにジルクスパイダーの腹部、まあ見た目は尻の部分に付与を施した魔力石を装着して糸がエンドレスで出るようにする実験も成功したので製糸工場や織物工場も場所と道具があれば何とかなりそうです。
因みに殆どは自分が投資しているので多くが成功すればかなりの利益が出ることになります。
そう考えると顔がニヤケますが、まあ現実問題異世界で自分の能力があれば大金持ちになってもあまり無意味な感じもします。
115日目
城壁制作が終わってから月山部長と打ち合わせをする為に相談所の中に入ると中から面倒くさい人のわめき声が聞こえて来ます。
「武内!!!お前は何で私を助けに来ないんだ!!!お前が金を払えば私はすぐに釈放されたのだぞ!それを何もせずいたから私が相手に金を払うと約束させられたんだぞ!どう責任を取ってくれるんだ!!!」
そう言って喚きながら詰め寄ってきたのは野田課長です。
「自分が聞いたのは酔っ払って他人に絡んだうえ乱闘になり相手に怪我をさせて拘束されたと聞いていますが?」
「それがどうした。武内!!お前が私をこの町に連れて来たんだろう!だったらお前が金を出して私を釈放させるのが筋だろう!!」
「野田課長、申し訳ないですが言っていることが滅茶苦茶です、ご自身でプレモーネの法に反する事をして相手に怪我をさせて他人に尻拭いをしろとか何を言っているんですか?」
「き、貴様、ふざけんな!!」
「ふざけてはいませんよ。むしろ怪我程度で済んだからいいものの、場合によっては野田課長1人のおこないのせいでプレモーネに居る日本人全員が町から追い出されるかもしれなかったんですよ?それを分かっているのですか?」
「そんなのはお前が金を出せば良いだけだろう!むしろお前は金を持っているんだから全員に金を分けるべきなんだ!自分1人だけ金を持っていい気になっているのはお前だろう!!それを偉そうに何様のつもりなんだ!!」
野田課長が喚き散らしている内容を要約すると、どうやら自分は悪くないと言い張り一向に怪我をさせた相手に対する謝罪や賠償をしない為、賠償額の分だけ強制労働をさせられると言われたらしく、そうなる前にとりあえずその場を逃れるために、相手に賠償をすると約束して釈放されたそうです。
もうハッキリ言って話になりません。
月山部長も自分が来るまでの間、何度も説き伏せていたようですが、自分が悪いと思っていない野田課長には全く無意味だったようです。
「野田っ!!!いい加減にしろ!!!」
相談所に月山部長の怒鳴り声が響きました。
実際、自分が日本の会社で働いている時も月山部長が怒っている姿など見た事なく、まして怒鳴る姿とか初めて見ました。
流石の野田課長も怒った月山部長を初めて見るのでしょう、先程まで喚き散らしていたのに怒鳴られた後は青ざめた顔をしています。
「さっきも言ったが野田君は自分の事ばかりで全体の事を考えてないからそんなことが言えるんだ、金が欲しいなら働けばいい、それが嫌なら町を出て一人で生きていくしかないだろう。ちがうか?」
「ですが武内だけ金を持っていて私たちには分けようとしない、そのせいで私たちは不便な生活を強いられているんですよ?」
「日本に居た時に比べ不便な生活を強いられているのは君だけじゃない、転移させられた日本人もそうだがこの世界の人達もみんな不便な生活をしているんだ。野田君は自分が楽する為に他人に寄生しようとしているだけだろう」
「そ、そんなことは・・・」
野田課長は不満そうな顔をしていますがそれ以上反論も出来ず下を向きブツブツ言っています。
「まあ、強い言葉を言ったが野田君にもこの地で職を見つけて自活をしてもらいたいんだよ」
そう言う月山部長の言葉も耳に入っていないのか野田課長は相談所を速足で出て行ってしまいました。
「武内君、すまんな、私がもっとしっかりと話をして自分のした事の重大性を理解させられたらよかったんだが」
「いえ、野田課長は誰が何を言っても聞かないでしょう、まだ異世界に転移させられたと言う実感が無いんだと思います」
どうやら月山部長は数日置きに野田課長の所に面会に行き説得をしていたようでやっと理解してくれたと思っていたようで、自分の気持ちが伝わっていなかった事に責任を感じているようです。
「まあ釈放されて直ぐに何かトラブルを起こすとは思えませんから暫くは放っておきましょう」
「そうもいかんだろうと言いたい所だが今はそれしかないか・・・」
「そうですね、今の野田課長に何を言っても無駄でしょうし、少し落ち着いたら周りも見えて来るでしょう」
「そうだな、そうなってくれることを祈るしかないか・・」
そう言い月山部長は肩を落とします。
とりあえず今日は打ち合わせが出来そうな雰囲気ではないのですが、明日の件をお願いし自宅に戻ります。
116日目
今日は朝一でグランバルさんからの使いが来て領主館に来て欲しいとの事です。
「グランバルさん、朝からどうしたんですか?」
「おう、マサト、まずはこれを読んでみろ」
そう言ってグランバルさんが見せて来た書状を一読したところ、森を通りルイロウ領へ至る道が拡張を勝手に行った事への抗議の書状のようです。
「ゾルス達は道作りが終わったようですね。それでグランバルさんは何て返事をするんですか?」
「分かり切ったことを、転移して来た日本人がやったらしいがこちらは一切関知していない。そう答えるに決まっているだろう」
「ですよね~。じゃあ自分は一旦ゾルス達の所に言って今度は西の森を通るロニーニャ領へ至る道の拡張を指示してきますね。夕方までには戻ってきますんで」
「それは良いが、くれぐれも争いは起こすなよ」
そう言うグランバルさんに人間と極力接触しないようにゾルス達に気を付けさせる旨を伝え領主館を後にゾルス達の所に行きます。
ルイロウ領へ至る道は幅25メートル位の幅になり地面もしっかりと固められてこの世界では立派な道と言える状態になったようです。
道端に積んである丸太を回収しながら道を進むとゾルス達が出迎えにやってきます。
「マサト様、道の整備拡張、完了致しました」
「うん、ゾルス完璧だね」
そう言ってゾルスを褒め、一旦以前作った森の中にある拠点に向かいます。
「ゾルス、次は西の森を通るロニーニャ領への道をお願いするけど、ゴブリン軍団を一旦、二ホン砦に戻さなくても大丈夫?」
「はい、皆作業にも慣れているのでこのまま作業にかかります」
「わかった、じゃあ自分は一足先に道具を持って西の森を通る道の近くに拠点となる大きめの東屋を数件と食料庫を作っておくから、ゾルスはゴブリン達を率いて向かって来て。サンダーウルフに道案内させるから」
「わかりました。ではこれから皆を集めて向かいます」
「うん、あと今回も人間にあまり見つからないようにやってね」
そう言いアイテムBOXに工事道具を収納しラルに跨り西の森を通る道に向かい、今度も道の1/3ぐらいの所から50メートル位奥に入った所に拠点を作成し、倉庫には穀物を入れておきます。
「アルチ、とりあえずゾルス達が来るまでここの防衛をお願い、ゾルスが来たらプレモーネに戻ってきて」
「分かりました」
アルチに拠点防衛を依頼しプレモーネに戻った頃には夕方近くになっていました。
とりあえ領主館に行きロニーニャ領への道を拡張整備開始する事と、明日から再度城壁制作を再開させる旨をグランバルさんに伝えます。
グランバルさんからは再度トラブルを起こさないようにと釘を刺され、口には出しませんでしたがまあ自分が指揮を執るわけではないのでそんなの約束出来ないですよ・・・。
使節団も帰り、ゾルス達の道の拡張整備も順調そうなので自分は城壁拡張を再開します。
現在約6000メートル、約6キロ分の城壁が出来ているので大体予定の1/3ぐらいでしょうか。
今日から1日1キロを目標に城壁を作成して行きます。
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城壁は合計11キロ分完成し順調な進捗状況なうえ、月山部長の話では、料理人で洋食の内田さん、和食の丸山さん、パテシエの野上さん、その他に石鹸の大量生産に向けた日本人の確保、横山さんの服屋、そして自分が一番欲しい人材だったバーテンダーの北山さん、をはじめその他にも日本の知識を役立てそうな人のピックアップとヒアリングが終わったそうです。
とりあえず店舗や工場については城壁が拡張された後に場所を確保してからとなりますが、これで自活が現実化して来ています。
因みにジルクスパイダーの腹部、まあ見た目は尻の部分に付与を施した魔力石を装着して糸がエンドレスで出るようにする実験も成功したので製糸工場や織物工場も場所と道具があれば何とかなりそうです。
因みに殆どは自分が投資しているので多くが成功すればかなりの利益が出ることになります。
そう考えると顔がニヤケますが、まあ現実問題異世界で自分の能力があれば大金持ちになってもあまり無意味な感じもします。
115日目
城壁制作が終わってから月山部長と打ち合わせをする為に相談所の中に入ると中から面倒くさい人のわめき声が聞こえて来ます。
「武内!!!お前は何で私を助けに来ないんだ!!!お前が金を払えば私はすぐに釈放されたのだぞ!それを何もせずいたから私が相手に金を払うと約束させられたんだぞ!どう責任を取ってくれるんだ!!!」
そう言って喚きながら詰め寄ってきたのは野田課長です。
「自分が聞いたのは酔っ払って他人に絡んだうえ乱闘になり相手に怪我をさせて拘束されたと聞いていますが?」
「それがどうした。武内!!お前が私をこの町に連れて来たんだろう!だったらお前が金を出して私を釈放させるのが筋だろう!!」
「野田課長、申し訳ないですが言っていることが滅茶苦茶です、ご自身でプレモーネの法に反する事をして相手に怪我をさせて他人に尻拭いをしろとか何を言っているんですか?」
「き、貴様、ふざけんな!!」
「ふざけてはいませんよ。むしろ怪我程度で済んだからいいものの、場合によっては野田課長1人のおこないのせいでプレモーネに居る日本人全員が町から追い出されるかもしれなかったんですよ?それを分かっているのですか?」
「そんなのはお前が金を出せば良いだけだろう!むしろお前は金を持っているんだから全員に金を分けるべきなんだ!自分1人だけ金を持っていい気になっているのはお前だろう!!それを偉そうに何様のつもりなんだ!!」
野田課長が喚き散らしている内容を要約すると、どうやら自分は悪くないと言い張り一向に怪我をさせた相手に対する謝罪や賠償をしない為、賠償額の分だけ強制労働をさせられると言われたらしく、そうなる前にとりあえずその場を逃れるために、相手に賠償をすると約束して釈放されたそうです。
もうハッキリ言って話になりません。
月山部長も自分が来るまでの間、何度も説き伏せていたようですが、自分が悪いと思っていない野田課長には全く無意味だったようです。
「野田っ!!!いい加減にしろ!!!」
相談所に月山部長の怒鳴り声が響きました。
実際、自分が日本の会社で働いている時も月山部長が怒っている姿など見た事なく、まして怒鳴る姿とか初めて見ました。
流石の野田課長も怒った月山部長を初めて見るのでしょう、先程まで喚き散らしていたのに怒鳴られた後は青ざめた顔をしています。
「さっきも言ったが野田君は自分の事ばかりで全体の事を考えてないからそんなことが言えるんだ、金が欲しいなら働けばいい、それが嫌なら町を出て一人で生きていくしかないだろう。ちがうか?」
「ですが武内だけ金を持っていて私たちには分けようとしない、そのせいで私たちは不便な生活を強いられているんですよ?」
「日本に居た時に比べ不便な生活を強いられているのは君だけじゃない、転移させられた日本人もそうだがこの世界の人達もみんな不便な生活をしているんだ。野田君は自分が楽する為に他人に寄生しようとしているだけだろう」
「そ、そんなことは・・・」
野田課長は不満そうな顔をしていますがそれ以上反論も出来ず下を向きブツブツ言っています。
「まあ、強い言葉を言ったが野田君にもこの地で職を見つけて自活をしてもらいたいんだよ」
そう言う月山部長の言葉も耳に入っていないのか野田課長は相談所を速足で出て行ってしまいました。
「武内君、すまんな、私がもっとしっかりと話をして自分のした事の重大性を理解させられたらよかったんだが」
「いえ、野田課長は誰が何を言っても聞かないでしょう、まだ異世界に転移させられたと言う実感が無いんだと思います」
どうやら月山部長は数日置きに野田課長の所に面会に行き説得をしていたようでやっと理解してくれたと思っていたようで、自分の気持ちが伝わっていなかった事に責任を感じているようです。
「まあ釈放されて直ぐに何かトラブルを起こすとは思えませんから暫くは放っておきましょう」
「そうもいかんだろうと言いたい所だが今はそれしかないか・・・」
「そうですね、今の野田課長に何を言っても無駄でしょうし、少し落ち着いたら周りも見えて来るでしょう」
「そうだな、そうなってくれることを祈るしかないか・・」
そう言い月山部長は肩を落とします。
とりあえず今日は打ち合わせが出来そうな雰囲気ではないのですが、明日の件をお願いし自宅に戻ります。
116日目
今日は朝一でグランバルさんからの使いが来て領主館に来て欲しいとの事です。
「グランバルさん、朝からどうしたんですか?」
「おう、マサト、まずはこれを読んでみろ」
そう言ってグランバルさんが見せて来た書状を一読したところ、森を通りルイロウ領へ至る道が拡張を勝手に行った事への抗議の書状のようです。
「ゾルス達は道作りが終わったようですね。それでグランバルさんは何て返事をするんですか?」
「分かり切ったことを、転移して来た日本人がやったらしいがこちらは一切関知していない。そう答えるに決まっているだろう」
「ですよね~。じゃあ自分は一旦ゾルス達の所に言って今度は西の森を通るロニーニャ領へ至る道の拡張を指示してきますね。夕方までには戻ってきますんで」
「それは良いが、くれぐれも争いは起こすなよ」
そう言うグランバルさんに人間と極力接触しないようにゾルス達に気を付けさせる旨を伝え領主館を後にゾルス達の所に行きます。
ルイロウ領へ至る道は幅25メートル位の幅になり地面もしっかりと固められてこの世界では立派な道と言える状態になったようです。
道端に積んである丸太を回収しながら道を進むとゾルス達が出迎えにやってきます。
「マサト様、道の整備拡張、完了致しました」
「うん、ゾルス完璧だね」
そう言ってゾルスを褒め、一旦以前作った森の中にある拠点に向かいます。
「ゾルス、次は西の森を通るロニーニャ領への道をお願いするけど、ゴブリン軍団を一旦、二ホン砦に戻さなくても大丈夫?」
「はい、皆作業にも慣れているのでこのまま作業にかかります」
「わかった、じゃあ自分は一足先に道具を持って西の森を通る道の近くに拠点となる大きめの東屋を数件と食料庫を作っておくから、ゾルスはゴブリン達を率いて向かって来て。サンダーウルフに道案内させるから」
「わかりました。ではこれから皆を集めて向かいます」
「うん、あと今回も人間にあまり見つからないようにやってね」
そう言いアイテムBOXに工事道具を収納しラルに跨り西の森を通る道に向かい、今度も道の1/3ぐらいの所から50メートル位奥に入った所に拠点を作成し、倉庫には穀物を入れておきます。
「アルチ、とりあえずゾルス達が来るまでここの防衛をお願い、ゾルスが来たらプレモーネに戻ってきて」
「分かりました」
アルチに拠点防衛を依頼しプレモーネに戻った頃には夕方近くになっていました。
とりあえ領主館に行きロニーニャ領への道を拡張整備開始する事と、明日から再度城壁制作を再開させる旨をグランバルさんに伝えます。
グランバルさんからは再度トラブルを起こさないようにと釘を刺され、口には出しませんでしたがまあ自分が指揮を執るわけではないのでそんなの約束出来ないですよ・・・。
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