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試作魔道具

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65日目

昨日、領主館からの帰り道、月山部長とは気まずい雰囲気のままでした。
そして家に帰ると今後の事を考え夜遅くまで魔道具作りに没頭してました。

「マサト様、起きてください。アモン殿とウルチが来ております」

そう言って起こしに来たのはカウアです。
そう言えば今手元にいる眷属ってカウア達ミノタウロスとフォレスホースのラルだけだった。

そう思いながら着替えを済ませ急いで準備をします。
「アモンさんおはようございます。ウルチもご苦労様」
「おい、マサト、おはようございますって、もうすぐ昼だぞ」

そういうアモンさんと一晩中走り続けて来たのでしょう、少し汚れた感じのウルチがリビングで待っていました。
「マサト、今から報告に行くぞ、俺から全員に使いを送ったから直ぐに皆が集まるだろう」

そう言ってすぐ席を立ち領主館に向かおうとします。
「アモンさん、ウルチを連れてちょっと先に行ってて、自分は持っていく物があるから準備して行きますんで」

そう言ってアモンさんとウルチを先に行かせ自分は昨晩作った魔道具を3個程持ってラルに跨り領主館に向かいます。

「マサト、お前が最後だ」
領主館に着き、会議室に通されると全員が集まって席に座っています。
うん、月山部長はやっぱり納得してない顔をしてるな~。

「ウルチ、報告をしてくれる?」
そう言って自分も席に座りウルチの報告を聞きます。

「はい、かしこまりました」
そう言ってウルチがグランバルさんからの指示でプレモーネからウェース聖教国とバイルエ王国の国境に向かい到着したのは小競り合いが起きてから2日後だったとの事です。

到着した時点でウェース聖教国軍は4千程、バイルエ王国軍は3千程が集結していたそうで、その日は両軍睨み合ったままで日没になったそうです。

そして翌日の昼頃にはウェース聖教国軍に千程、バイルエ王国軍には5百程の援軍がありその直後にバイルエ王国軍が仕掛ける形で戦端が開かれたとの事ですが、戦闘は長時間続かずバイルエ王国軍がウェース聖教国軍を鎧袖一触で蹂躙しウェース聖教国軍は壊走したそうです。

「ウルチ、鎧袖一触ってウェース聖教国軍は5千ぐらい兵が居たんだよね?それを3千5百の兵で敗走させたの?」
「はい、恐らく昼頃に大きな旗を掲げ援軍5百を率いて来たと将と思われる若い男が先頭に立ち何か大声で叫んだあと全軍が一丸となってウェース聖教国軍に突入しました」

「それで?」
「はい、突入後は乱戦の様相を呈していたのですが、すぐにウェース聖教国軍が崩れ始め壊走を致しました」

「すぐに崩れた?退却した訳ではなくて?」
「はい、理由は分かりませんがウェース聖教国軍が急に及び腰になりその後壊走したように思えました」

「う~ん、ウェース聖教国軍の大将が討ち取られたとか?」
「申し訳ございません。そこまでは・・・」

「ウルチ、怒ってないから大丈夫、それでその後バイルエ王国軍は?」
「はい、その日はその場にとどまっておりましたが翌日は朝から偵察を出しながらゆっくりとウェース聖教国の領内に進攻して行きました」

「ウェース聖教国領内に進攻したんだ、てことは今回は領土拡張を狙ってるのかな?」

そう言って考えこむ自分ですが、グランバルさん達は首を傾げています。
「マサト、領土拡張って言っても重要拠点を制圧した後でその近隣を従わせる必要がある。ウェース聖教国領の国境から1日とかからない所にある砦は野戦装備の3千5百程では落とせないぞ」

そう言うグランバルさんもバイルエ王国軍の意図が読めないようです。
「じゃあ示威行動って事ですか?」
「分からん、そもそもこんな短期間で戦が一方的に終わった理由すら疑問だ」

確かに、それなりの時間戦闘が続いて一方が押され始めて崩れたならわかりますが、開戦後しばらくしてすぐに壊走した理由が分かりません。

「ウルチ、その大きな旗を持った将らしき人が何か大声で叫んだって言ってたけど、なんて言ったか聞こえた?あと旗はどんな感じだったかわかる?」

「距離があり風上だったので確実には聞き取れませんでしたが、(腐った教国に属さ・・。、貴様らも苦しむことはな・・。)と言っていたようでございます。あと旗は赤に白い真ん中が丸になっている十字で縦と横に黒い線、中に何か文様のようなものがございました」

そういうウルチの報告を聞きまさかな?っと思い紙に記憶をたどりジ〇ン公〇の旗と赤いのが好きな人の被り物をを走り書きします。
「ウルチ、こんな感じの旗?兜はこんな感じの被ってなかった?」

そう言ってウルチに見せるとこんな感じだったとの事です。

「グランバルさん、バイルエ王国軍の将は日本人ですね」
「日本人だと?」
グランバルさんは驚いたように声を上げます。

「ほぼ間違いなく、この旗の図柄と被り物は明らかに日本のアニメ、まあ物語と言うべきでしょうか、それで結構有名ですから」

「じゃあ戦いの前に大声で叫んだのはなぜだ?」
「それは恐らく、そのアニメ、物語のセリフを言ってみたかったからだけでしょう。間違いなく意味は無いです」

「そうか・・・」
グランバルさんはそれだけ言うと黙ります。

「ウルチ、進攻したバイルエ王国軍その後は?」
「はい、アルチ達が来ましたのでそこで引き継ぎ戻ってきましたのでそこまでしか」

「そうか、じゃあアルチ達が今は見張っているんだね?」
「はい」
「ウルチありがとう。影の中で少し休んでて」

そういうとウルチは戻らなくていいのか聞いてきましたが、こちらからアルチ達に伝令を送る際にウルチが必要になる旨を伝え、影の中で休んでもらいます。
うん、あとでご褒美にブラッシングしてあげよ。

「まあ両国が手を結んで攻め込んで来るという最悪のシナリオは回避できましたね」

そう言うとグランバルさんもそれは思っていたらしく少し安心したような感じですが表情を引き締めます。
「とはいえ3千5百の兵が攻め込んで来る可能性は残っているがな」
「確かにそうですが、1万近くと3千5百ではまったくちがいますよ」

「確かにな、とりあえずは次の報告を待つしかないか」
そう言って解散を宣言しようとしたグランバルさんを引き止め昨晩作った魔道具を出します。

「グランバルさん、こんな魔道具を作ってみたんですがどうですか?」
「なんだ?杖?それにしては変な形をしてるようだが・・・」

そうグランバルさんに魔道具を渡します。
「マサト、何だこれは?」
「魔法が使えない人間でも遠くにいる敵に魔法で攻撃する道具です」

「遠くに居る敵を攻撃だと?」
「はい、まだ実験はしていませんのでどの程度の距離まで有効かは今後検証をしますが、これが使えるようになれば魔法が苦手な人間でも魔法で敵を攻撃できます」

「確かに魔法が苦手な人間でも魔法攻撃が出来れば戦いの役には立ちそうだが、ここを引いて使うのか?」
「あっ!!まった!!!」

説明する前に渡したのが失敗でした。
「パキパキパキ、パリーン!!バキ・・・」

「マサト、壊れたぞ!」
「すいません、説明してから渡すべきでした。その引くと書いているのを引くと自壊するようになってるんです。」

「はぁ?なんで自壊させるからくりに引けなんて書くんだ?」
「いや~、人間、ここを引けとか書いてあると引きたくなるじゃないですか、だから万が一敵の手に渡ってもいいようにあえて自壊装置に引くと書いたんですよ」

「おまえな~、先に言えよ!壊れたじゃないか」
「まあ後2個ありますんで、今度は引かないでくださいね」

そう言って一つをグランバルさんに渡し使い方を教えます。
簡単に言えば魔石を使い攻撃魔法の術式を刻んだ筒を持つ銃のようなものです。

「基本的にこの金具を上にすると魔石から魔力が流れ術式が展開されて、この引き金を引くと魔法がこの穴から飛んできます」
「お、おう・・・」

なんか分かったような、分かってないような返事です。

「で?これに似たものは日本でもあったものなのか?」
「そうですね、魔法ではありませんが、似たものはあると言えばありますが・・・・、基本的に普通の人は持ってませんね」
「どういう意味だ?」
「まあ基本的に日本は平和な国ですから戦争の道具を一般人が持つことないですから」

「マサト、これはあといくつある?」
「これと、グランバルさんが持っている2個だけですよ。もう一個は自壊しましたし」
「そうか、じゃあ同様の物を何日でどのくらい作れる?」

「そうですね~結構面倒なんで1日3.4個ですかね。因みに動力源の魔石はオーガの魔石なんで効率悪いんですよ。どの程度の距離まで魔法が届くかも分かりませんし」

そう言うとグランバルさんは肩を落とした感じです。
「まあ落ち着いたら性能実験をして性能向上させますよ」

そう言ってグラフィックからとら魔道銃を回収して領主館を後にします。

「武内君、どういうつもりだ?」
そういう月山部長はかなり険しい顔をしています。

「そうですね、出来れば平和的に使いたいんですけど、今は極力死者を少なくするために役立つ道具をって感じで思いついただけですよ」
「少しでも死者を少なく?戦争の道具を作っておいて死者を少なくとは矛盾しているだろう!!」

月山部長の声は明らかに怒気をはらんだ声です。
「そうですね、戦争に使えば人殺しの道具、魔物に対して使えば冒険者や商人などの身を守る物。使い方次第じゃないですか?」

「それはそうだが・・・、しかし地球で銃が発達した結果どうなったか知らないわけではないだろう!」
「そうですね、戦い方も、死者も格段に増えましたし未だに地球では戦争が起こり多くの人が銃により死んでます」

「なら何故作った!!」
「そうですね、この町に自分が着いたときオーガの大群の襲撃を受けていました、しかし門や城壁からの攻撃でオーガをろくに撃退できず門を突破されそうになってたんですよ。あの時、門が突破されていたら何人、何百人の死者が出ていたか分かりません。だから防衛用の道具として作ったんです」

そう言うと月山部長は何か言おうとしましたが、そのまま口をつぐみます。

「とはいえ、先ほどの魔道具の銃はそう簡単には作れませんしそもそも効率、というよりコスト面で量産化と実用化は難しいでしょう。月山部長が危惧しているようにはならないと思います」

「本当にそうだといいんだがな・・・」

「自分も人殺しの道具としてではなく人を魔物から守る道具として平和の為に普及して欲しいと思ってます」
「平和の為か・・・」

「それに銃を作った理由とは直接関係はありませんが、この世界に来てずっと気になっていることがあるんですよね」
「気になっている事?」

そう言って話を逸らすと月山部長は話に乗ってきてくれました。

「ええ、この世界に3万人が転移させられました。その理由です」
「確か、ネレースと言ったか、あの神は自分を楽しませてくれと言っていたな」

「はい、本当にそんなくだらない目的なんですかね?自分達にはこの世界の人間には無い力や能力を与えられています。それに順位を付けて特典を与えるのも変ですし・・・」
「じゃあ他に目的があるという事か?」

「そこまでは分かりません、ただなんか裏がありそうな気がするんですよね。なので備えあれば憂いなしってとこですね」
「裏か・・・。まあそこは自分も考えてみよう。ただ、それと銃は別問題だ、くれぐれも自重してくれ。この世界で銃を使った戦争なんて考えたくもない。どんなに綺麗事を言っても人殺しの道具には変わらないんだからな!」

そう言いながら町を歩きそれぞれの家路につきます。
うん、話を逸らせなかった・・・。

まあ実の所、月山部長のは内緒ですが、銃身の内部で魔力が爆発して鉄の玉を打ち出す低コスト魔道具も作ったんですけどね・・・。
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