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アトゥロォゥシャスタートルの解体
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ギルドの入り口から受付に向かい歩いていると数人の冒険者風の男が話しかけて来ました。
「おい、お前がオーガキングを倒したマサトって奴か?」
そう言って自分を品定なのか威圧なのか頭の天辺から足の爪先まで見てきます。
「そうですよ、自分がマサトでオーガキングを一騎打ちで倒しましたが何か?」
そう言って受付に向かおうとします。
「おい!!待てよ!話は終わってないんだよ!!」
そう言って冒険者風の男は肩を掴んで引き止めます。
「まだ何か?」
めんどくさそうにしている自分に対しイラついたのか男たちはいきり立っています。
「お前みたいなヒョロイ奴がオーガキングを倒せるなんてありえないんだよ!!どうやってオーガキングの死体を手に入れたんだ!」
どうやらオーガキングの頭部を晒して討伐者が自分だと宣伝したせいで功名心の高い冒険者が先を越されたと思って突っかかってきてるようです。
「どうやっても何も一騎打ちで倒しただけですよ、そもそもオーガが群れで来た際、ろくに迎撃も出来ずにしかも逃げ出したオーガすら倒すのに時間がかかっていた人たちにそう言われる筋合いはないですよ」
そう言うと冒険者風の男たちの顔色が変わり目には殺気が籠ります。
「この野郎!こっちがおとなしくしてりゃ調子に乗りやがって!!」
遂に冒険者風の男たちが切れて剣を抜きます。
次の瞬間自分も日本刀に手をかけ居合のように刀を抜き冒険者風の男の剣を切ります。
パキィン!
乾いた音が鳴り冒険者風の男の剣が待っ二つになり折れた剣先が床に突き刺さります。
「なっ!!」驚いたように自分の持つ折れた剣をみて固まっています。
「まだやります?次は剣じゃなくて頭と胴を真っ二つに切ってみますか?」
そう言うと冒険者風の男ははっとしたように剣を手放し距離を取ります。
その顔には怯えというか化け物と相対したような恐怖の顔です。
う~ん、基本無害で大人しく心優しい日本人を捕まえて化け物のような目で見るとは異世界人は教育がなってない!
そう思いながら折れた剣先と柄を手に取り錬成術で魔力を流し込み剣を修復します。
うん、我ながら良い出来、多分折る前より丈夫で切れるようになった感じです。
「はい、あなたの剣、折れる前より丈夫にかつ切れるように直しておいてあげたから大事に使ってね。」
そう言って剣を投げます。
トン!
そう言った感じの音がして剣が冒険者の目の前の床に刺さります。
「で?まだ用事あります?」
「お、お前レベルはいくつなんだ!」
そう言ってまだ絡んできた冒険者は納得いかないように怯えながら大声を上げます。
はたから見ると虚勢張ってるだけのように見えますがギルドに居る全員の視線が自分に集まります。
「う~ん、確か240少し超えたぐらいだった気がするけど・・それがそうしたっていうの?」
「に、240だと!!う、ウソをつくな!!!」
なんかうそつき呼ばわりされてムッときます。
「なんで嘘だと?そもそもあなたとの実力の差は先ほどハッキリしましたよね?」
「ふ、ふざけるな!!お前みたいな若造が200超えてるわけないだろう!」
「若造って35歳なんだけど・・・めんどくさい人だね」
「35だと?年齢までウソをつくのか?」
「は~、まあ信じて貰わなくてもいいんだけどさ~」
そう言ってめんどくさそうにため息をつきます。
なんか周りの人たちも疑いの目で見ています。
まあどうでもいいんですけど・・・そう思っていると冒険者の仲間らしき男が口を開きます。
「お前、ウソじゃないっていうなら、ステータス表示をやって見せてみろ」
そう言うと周りの人達も同意しだします。
なんでそんな面倒なことを・・・
そう思いながら受付にいるうさ耳おねお姉さんにステータス表示の紙をお願いします。
「1回500レンになります。」
うん、笑顔で金請求された・・・俺が出すの?
そう思いながら500レンを渡し、特殊な紙を受け取り血を一滴垂らし魔道具に入れます。
すると白紙の紙にステータスが表示されました。
名前:マサト=タケウチ 人間 (35歳)
LV:249
職業:錬成術師
HP:1482
MP:2823
体力:791
筋力:609
敏捷:323
知力:69
物理耐性:210
魔法耐性:195
スキル:
中級火魔法LV2 中級水魔法LV1 中級土魔法LV1 中級風魔法LV1 中級雷魔法LV2
中級光魔法LV2 中級闇魔法LV1 上級死霊術極 上級付与魔術極 上級影魔術極
状態異常無効 鑑定LV1 アイテムボックス∞×∞
うん、最近しっかりとステータス見て中たけど249だったんだ、ていうかステータスポイントとスキルポイントは表示されないんだ。
そう思い絡んで来た冒険者にステータスの表示された紙を渡します。
「っ、ば、バカな、」
そう言って絡んで来た冒険者とその仲間たちは固まってます。
「これでもういいでしょ、面倒だからいちいち絡まないで貰える?」
そう言うとギルドに居る全員が自分から目を反らします。
うん、無いようだけどなんか悪い方に目立った感じがするな・・・
まあどうでもいいので本来の目的を済ませるため受付に向かいます。
受付のうさ耳のお姉さんは先ほど500レンを請求した時と変わらずにこにこしています。
「いらっしゃいませ、マサトさん、今日は何か素材の販売ですか?」
「お姉さん笑顔だけど、それ以前に目の前でもめ事が起こっているのに放置ってどうなってるのここ・・・。」
「マサトさん以前一角地竜大量に持ってきましたよね?そんな人ですからちょっとやそっとじゃ驚きませんよ、マサトさんなら絡まれても大丈夫でしょうし。」
なんか信頼されているのか諦められているのか・・・
そう思いながら要件を伝えます。
「買取の依頼じゃないんだけど、倒した魔物の解体とかって請け負って貰えるのか聞きたくて」
そう言うとうさ耳のお姉さんは少し考えてから回答をしてくれます。
「素材の解体は可能ですが解体費用を頂きますけどよろしいのですか?」
「費用が掛かるのは予想してたからいいんだけどどのくらいかかるものなの?」
「素材にもよりますが、まあ時価ですね、因みに何を解体希望されているのですか?」
「え~っとね、アトゥロォゥシャスタートル」
「はい、アトゥロォゥシャスタートルですね・・・アトゥロォゥシャスタートルですか?」
「うん、アトゥロォゥシャスタートル、大体全長14.5メートルの・・・」
そのやり取りを聞いていた冒険者たちからの視線が集中しているのがわかります。
「し、少々お待ちください!!」
そう言ってうさ耳のお姉さんは脱兎のごとき勢いで奥に行きます・・・・ウサギだけに・・・。
しばらくするとギルドマスターのバンズさんと副ギルドマスターのウィザーさんがやってきました。
「おうマサト、お前アトゥロォゥシャスタートルの解体希望って本当か?」
「そうですね、値段次第ですけど」
「とりあえず奥の訓練場に出して見せてみろ、それからだ」
そう言うと奥の練習場へ向かいます。何かギルドに居た冒険者達もぞろぞろついてくるんですけど・・・。
そう思いながら訓練につきアイテムBOXからアトゥロォゥシャスタートルを出します。
「こいつぁ~」
バンズさんもウィザーさんも絶句しています。
冒険者に至っては声も出ないようです。
「マサト、こいつはいつ倒したんだ?」
「え~っと一角地竜を倒した際に一緒に、ぶっちゃけ忙しくて最近まで忘れてたんですよね」
「こいつをアイテムBOXに入れたまま忘れてただぁ?お前どういう頭してんだよ」
そういうバンズさんですが、実際お金にも困ってませんしすぐに何とかしないといけない理由もないので完全に忘れてました。
「で?解体を依頼した場合いくらですか?」
「あくまで解体か?これをそのままギルドに売るとか考えてないのか?」
「そうですね、お金には困ってないので解体希望ですね。まあ金額によっては今度森の中に行って自分で解体しますがめんどくさいんで・・・」
「悪いがこれの解体はまあ50万レンってとこだ、買取ならその10倍500万レンいや600万レン出すが売る気はないか?」
やじ馬の冒険者たちは一様に固唾をのんでやり取りを見守っています。
「50万レンで何日で解体できますか?」
「あくまでも解体か・・・そうだな、大体2日ってとこだな」
「2日か~肉が腐りそうですね」
「まあ魔物の肉は魔物しか食わんからな腐っても・・・ああ~そういう事か、だったら先に1日で大まかに肉だけ取り出しておいてその後素材の解体をするがそうすると3日は貰うがいいか?」
「いいですよ、それでお願いします。」
そう言って解体を依頼し50万レンをうさ耳のお姉さんに渡します。
「じゃあ明日の今頃に肉だけ取りに来ますね。」
そう言ってギルドを出ようとするとハンズさんが声をかけてきます。
「とりあえず今度レアで特殊な魔物を倒したらすぐにギルドに持ってこい、こっちも買い取った素材を商人達に売らんともうけが出ないんだ。」
どうやらギルド運営の切実な問題のようです。
「わかりました。今度アトゥロォゥシャスタートル倒したら売りに来ます。」
「アトゥロォゥシャスタートル以外でも売りに来てくれ。」
「わかりました、あとアトゥロォゥシャスタートルですが要らない素材の部位はギルドに差し上げますんでそれで今回は手を打ってください」
「いいのか?」
「いいですよ。お金には困ってませんし、要らない素材持ってても仕方ないですし」
そう言って明日また来る旨を伝えてギルドを出て兵舎に帰ります。
うん、色々有意義だったけど疲れた。
ご飯食べて寝よ・・・
42日目の朝、
朝食を食べに食堂に向かうとすでにいつものメンツがそろって食事を始めています。
今日は皆さん静かに食べてます。
「おはようございます。なんか皆さん明るい顔をしてますがどうしたんですか?」
そう言うと野田課長が嬉しそうに理由を説明してくれました。
どうやら転移してきた日本人用の宿舎が入居可能となったようで今日中にそちらに移るようです。
「武内君はこないのか?」
月山部長が心配そうに声をかけてきます。
「そうですね、自分はやることが多いですしバタバタしてますから、自分で家を借りてそこに住もうかと思います。」
「そうか、まあ確かに色々と忙しそうだからな」
そう言って月山部長は納得してくれます。
「それより仕事はどうなったんですか?」
「それについては明日までに各自自分たちで出来る事を考えて領主やギルドマスター達と話し合う予定だ。まあ城塞の拡張工事の仕事は毎日あるみたいだから仕事にあぶれたらそこで働くよ。」
そう笑いながら部長は話します。
うん、なんか今後の生活に光が見えたようだからみんな明るい表情なのか・・。
「まあ大丈夫だと思いますが、この世界は人の命が金貨数枚大体4、5万レンで買える世界ですからトラブルには気を付けて下さい。裁判所も弁護士も居ませんし最悪正当防衛でも罪に問われる可能性もありますから」
そう言うと月山部長を含めて全員がうなずいています。
これだけ釘を刺しとけば大丈夫だろう。
「それで武内君は今日はどうするんだ?」
「今日ですか?魔道具屋さんに行って魔道具作りを教えてもらいます。」
「魔道具作り?」
「はい、手持ちのスキルで作れそうなので教えてもらえれば自作出来ていつでも必要なものが出来ますから。」
そう言って食事を済ませ魔道具屋に向かいます。
「おはようございます。」
「おはようございます。マサトさん、じゃあ魔道具作りを始めましょうか。」
そういい魔道具制作に取り掛かります。
教え方がうまいのか簡単に魔道具が完成していきます。
「さすがですね、付与魔術の才能と錬成術の組み合わせで一流の職人以上の出来ですよ」
そう言って興奮するハノンさんに時間の許す限り飛行機の設計を教えていきます。
結果まずは高い魔力の魔石が必要との結論になりました。
ハノンさんも予想していたようで機体の作成を先に進めるようです。
一応布と木組みで複葉機をお勧めしています。
そんな感じに過ごしていると午後になりギルドでアトゥロォゥシャスタートルの肉が取り出されているころになりましたので魔道具屋を出てギルドに向かいます。
ハノンさんには今の所兵舎を宿舎にしてると伝え何かあれば来てくれるか伝言をしてくれるように伝えておきましたのでなにかあれば連絡が来るはずです。
そしてギルドに入ると中に居る人の視線が一斉に集中します。
うん、まあ昨日の今日だしこうなるよな~
そう思いながら受付にいるうさ耳のお姉さんに声をかけると解体場に案内をしてくれます。
「おう、マサト、来たな、これがアトゥロォゥシャスタートルの肉だ」
そう言って山積みにされた肉を指さします。
「ありがとうございます。」
そう言ってアイテムBOXに肉を収納して2日後に再度素材を受け取りに来ると伝えます。
これだけ肉があればゴブリン軍団が数日は肉にありつけるでしょう。
そう思いながら受付のうさ耳のお姉さんに腕の良い防具屋と不動産屋さんを聞きます。
何軒か聞けたので明日不動産屋に行って物件をみて時間があったら防具屋に行ってましょう。
とりあえず落ち着ける拠点を手に入れて遺跡で手に入れた古びた本や魔法陣の解析もしないといけませんしスキルの検証もしたいですし、何よりこの世界はお風呂文化が無いようでお風呂がありません。
うん、お風呂が設置できる家が欲しいです。
「おい、お前がオーガキングを倒したマサトって奴か?」
そう言って自分を品定なのか威圧なのか頭の天辺から足の爪先まで見てきます。
「そうですよ、自分がマサトでオーガキングを一騎打ちで倒しましたが何か?」
そう言って受付に向かおうとします。
「おい!!待てよ!話は終わってないんだよ!!」
そう言って冒険者風の男は肩を掴んで引き止めます。
「まだ何か?」
めんどくさそうにしている自分に対しイラついたのか男たちはいきり立っています。
「お前みたいなヒョロイ奴がオーガキングを倒せるなんてありえないんだよ!!どうやってオーガキングの死体を手に入れたんだ!」
どうやらオーガキングの頭部を晒して討伐者が自分だと宣伝したせいで功名心の高い冒険者が先を越されたと思って突っかかってきてるようです。
「どうやっても何も一騎打ちで倒しただけですよ、そもそもオーガが群れで来た際、ろくに迎撃も出来ずにしかも逃げ出したオーガすら倒すのに時間がかかっていた人たちにそう言われる筋合いはないですよ」
そう言うと冒険者風の男たちの顔色が変わり目には殺気が籠ります。
「この野郎!こっちがおとなしくしてりゃ調子に乗りやがって!!」
遂に冒険者風の男たちが切れて剣を抜きます。
次の瞬間自分も日本刀に手をかけ居合のように刀を抜き冒険者風の男の剣を切ります。
パキィン!
乾いた音が鳴り冒険者風の男の剣が待っ二つになり折れた剣先が床に突き刺さります。
「なっ!!」驚いたように自分の持つ折れた剣をみて固まっています。
「まだやります?次は剣じゃなくて頭と胴を真っ二つに切ってみますか?」
そう言うと冒険者風の男ははっとしたように剣を手放し距離を取ります。
その顔には怯えというか化け物と相対したような恐怖の顔です。
う~ん、基本無害で大人しく心優しい日本人を捕まえて化け物のような目で見るとは異世界人は教育がなってない!
そう思いながら折れた剣先と柄を手に取り錬成術で魔力を流し込み剣を修復します。
うん、我ながら良い出来、多分折る前より丈夫で切れるようになった感じです。
「はい、あなたの剣、折れる前より丈夫にかつ切れるように直しておいてあげたから大事に使ってね。」
そう言って剣を投げます。
トン!
そう言った感じの音がして剣が冒険者の目の前の床に刺さります。
「で?まだ用事あります?」
「お、お前レベルはいくつなんだ!」
そう言ってまだ絡んできた冒険者は納得いかないように怯えながら大声を上げます。
はたから見ると虚勢張ってるだけのように見えますがギルドに居る全員の視線が自分に集まります。
「う~ん、確か240少し超えたぐらいだった気がするけど・・それがそうしたっていうの?」
「に、240だと!!う、ウソをつくな!!!」
なんかうそつき呼ばわりされてムッときます。
「なんで嘘だと?そもそもあなたとの実力の差は先ほどハッキリしましたよね?」
「ふ、ふざけるな!!お前みたいな若造が200超えてるわけないだろう!」
「若造って35歳なんだけど・・・めんどくさい人だね」
「35だと?年齢までウソをつくのか?」
「は~、まあ信じて貰わなくてもいいんだけどさ~」
そう言ってめんどくさそうにため息をつきます。
なんか周りの人たちも疑いの目で見ています。
まあどうでもいいんですけど・・・そう思っていると冒険者の仲間らしき男が口を開きます。
「お前、ウソじゃないっていうなら、ステータス表示をやって見せてみろ」
そう言うと周りの人達も同意しだします。
なんでそんな面倒なことを・・・
そう思いながら受付にいるうさ耳おねお姉さんにステータス表示の紙をお願いします。
「1回500レンになります。」
うん、笑顔で金請求された・・・俺が出すの?
そう思いながら500レンを渡し、特殊な紙を受け取り血を一滴垂らし魔道具に入れます。
すると白紙の紙にステータスが表示されました。
名前:マサト=タケウチ 人間 (35歳)
LV:249
職業:錬成術師
HP:1482
MP:2823
体力:791
筋力:609
敏捷:323
知力:69
物理耐性:210
魔法耐性:195
スキル:
中級火魔法LV2 中級水魔法LV1 中級土魔法LV1 中級風魔法LV1 中級雷魔法LV2
中級光魔法LV2 中級闇魔法LV1 上級死霊術極 上級付与魔術極 上級影魔術極
状態異常無効 鑑定LV1 アイテムボックス∞×∞
うん、最近しっかりとステータス見て中たけど249だったんだ、ていうかステータスポイントとスキルポイントは表示されないんだ。
そう思い絡んで来た冒険者にステータスの表示された紙を渡します。
「っ、ば、バカな、」
そう言って絡んで来た冒険者とその仲間たちは固まってます。
「これでもういいでしょ、面倒だからいちいち絡まないで貰える?」
そう言うとギルドに居る全員が自分から目を反らします。
うん、無いようだけどなんか悪い方に目立った感じがするな・・・
まあどうでもいいので本来の目的を済ませるため受付に向かいます。
受付のうさ耳のお姉さんは先ほど500レンを請求した時と変わらずにこにこしています。
「いらっしゃいませ、マサトさん、今日は何か素材の販売ですか?」
「お姉さん笑顔だけど、それ以前に目の前でもめ事が起こっているのに放置ってどうなってるのここ・・・。」
「マサトさん以前一角地竜大量に持ってきましたよね?そんな人ですからちょっとやそっとじゃ驚きませんよ、マサトさんなら絡まれても大丈夫でしょうし。」
なんか信頼されているのか諦められているのか・・・
そう思いながら要件を伝えます。
「買取の依頼じゃないんだけど、倒した魔物の解体とかって請け負って貰えるのか聞きたくて」
そう言うとうさ耳のお姉さんは少し考えてから回答をしてくれます。
「素材の解体は可能ですが解体費用を頂きますけどよろしいのですか?」
「費用が掛かるのは予想してたからいいんだけどどのくらいかかるものなの?」
「素材にもよりますが、まあ時価ですね、因みに何を解体希望されているのですか?」
「え~っとね、アトゥロォゥシャスタートル」
「はい、アトゥロォゥシャスタートルですね・・・アトゥロォゥシャスタートルですか?」
「うん、アトゥロォゥシャスタートル、大体全長14.5メートルの・・・」
そのやり取りを聞いていた冒険者たちからの視線が集中しているのがわかります。
「し、少々お待ちください!!」
そう言ってうさ耳のお姉さんは脱兎のごとき勢いで奥に行きます・・・・ウサギだけに・・・。
しばらくするとギルドマスターのバンズさんと副ギルドマスターのウィザーさんがやってきました。
「おうマサト、お前アトゥロォゥシャスタートルの解体希望って本当か?」
「そうですね、値段次第ですけど」
「とりあえず奥の訓練場に出して見せてみろ、それからだ」
そう言うと奥の練習場へ向かいます。何かギルドに居た冒険者達もぞろぞろついてくるんですけど・・・。
そう思いながら訓練につきアイテムBOXからアトゥロォゥシャスタートルを出します。
「こいつぁ~」
バンズさんもウィザーさんも絶句しています。
冒険者に至っては声も出ないようです。
「マサト、こいつはいつ倒したんだ?」
「え~っと一角地竜を倒した際に一緒に、ぶっちゃけ忙しくて最近まで忘れてたんですよね」
「こいつをアイテムBOXに入れたまま忘れてただぁ?お前どういう頭してんだよ」
そういうバンズさんですが、実際お金にも困ってませんしすぐに何とかしないといけない理由もないので完全に忘れてました。
「で?解体を依頼した場合いくらですか?」
「あくまで解体か?これをそのままギルドに売るとか考えてないのか?」
「そうですね、お金には困ってないので解体希望ですね。まあ金額によっては今度森の中に行って自分で解体しますがめんどくさいんで・・・」
「悪いがこれの解体はまあ50万レンってとこだ、買取ならその10倍500万レンいや600万レン出すが売る気はないか?」
やじ馬の冒険者たちは一様に固唾をのんでやり取りを見守っています。
「50万レンで何日で解体できますか?」
「あくまでも解体か・・・そうだな、大体2日ってとこだな」
「2日か~肉が腐りそうですね」
「まあ魔物の肉は魔物しか食わんからな腐っても・・・ああ~そういう事か、だったら先に1日で大まかに肉だけ取り出しておいてその後素材の解体をするがそうすると3日は貰うがいいか?」
「いいですよ、それでお願いします。」
そう言って解体を依頼し50万レンをうさ耳のお姉さんに渡します。
「じゃあ明日の今頃に肉だけ取りに来ますね。」
そう言ってギルドを出ようとするとハンズさんが声をかけてきます。
「とりあえず今度レアで特殊な魔物を倒したらすぐにギルドに持ってこい、こっちも買い取った素材を商人達に売らんともうけが出ないんだ。」
どうやらギルド運営の切実な問題のようです。
「わかりました。今度アトゥロォゥシャスタートル倒したら売りに来ます。」
「アトゥロォゥシャスタートル以外でも売りに来てくれ。」
「わかりました、あとアトゥロォゥシャスタートルですが要らない素材の部位はギルドに差し上げますんでそれで今回は手を打ってください」
「いいのか?」
「いいですよ。お金には困ってませんし、要らない素材持ってても仕方ないですし」
そう言って明日また来る旨を伝えてギルドを出て兵舎に帰ります。
うん、色々有意義だったけど疲れた。
ご飯食べて寝よ・・・
42日目の朝、
朝食を食べに食堂に向かうとすでにいつものメンツがそろって食事を始めています。
今日は皆さん静かに食べてます。
「おはようございます。なんか皆さん明るい顔をしてますがどうしたんですか?」
そう言うと野田課長が嬉しそうに理由を説明してくれました。
どうやら転移してきた日本人用の宿舎が入居可能となったようで今日中にそちらに移るようです。
「武内君はこないのか?」
月山部長が心配そうに声をかけてきます。
「そうですね、自分はやることが多いですしバタバタしてますから、自分で家を借りてそこに住もうかと思います。」
「そうか、まあ確かに色々と忙しそうだからな」
そう言って月山部長は納得してくれます。
「それより仕事はどうなったんですか?」
「それについては明日までに各自自分たちで出来る事を考えて領主やギルドマスター達と話し合う予定だ。まあ城塞の拡張工事の仕事は毎日あるみたいだから仕事にあぶれたらそこで働くよ。」
そう笑いながら部長は話します。
うん、なんか今後の生活に光が見えたようだからみんな明るい表情なのか・・。
「まあ大丈夫だと思いますが、この世界は人の命が金貨数枚大体4、5万レンで買える世界ですからトラブルには気を付けて下さい。裁判所も弁護士も居ませんし最悪正当防衛でも罪に問われる可能性もありますから」
そう言うと月山部長を含めて全員がうなずいています。
これだけ釘を刺しとけば大丈夫だろう。
「それで武内君は今日はどうするんだ?」
「今日ですか?魔道具屋さんに行って魔道具作りを教えてもらいます。」
「魔道具作り?」
「はい、手持ちのスキルで作れそうなので教えてもらえれば自作出来ていつでも必要なものが出来ますから。」
そう言って食事を済ませ魔道具屋に向かいます。
「おはようございます。」
「おはようございます。マサトさん、じゃあ魔道具作りを始めましょうか。」
そういい魔道具制作に取り掛かります。
教え方がうまいのか簡単に魔道具が完成していきます。
「さすがですね、付与魔術の才能と錬成術の組み合わせで一流の職人以上の出来ですよ」
そう言って興奮するハノンさんに時間の許す限り飛行機の設計を教えていきます。
結果まずは高い魔力の魔石が必要との結論になりました。
ハノンさんも予想していたようで機体の作成を先に進めるようです。
一応布と木組みで複葉機をお勧めしています。
そんな感じに過ごしていると午後になりギルドでアトゥロォゥシャスタートルの肉が取り出されているころになりましたので魔道具屋を出てギルドに向かいます。
ハノンさんには今の所兵舎を宿舎にしてると伝え何かあれば来てくれるか伝言をしてくれるように伝えておきましたのでなにかあれば連絡が来るはずです。
そしてギルドに入ると中に居る人の視線が一斉に集中します。
うん、まあ昨日の今日だしこうなるよな~
そう思いながら受付にいるうさ耳のお姉さんに声をかけると解体場に案内をしてくれます。
「おう、マサト、来たな、これがアトゥロォゥシャスタートルの肉だ」
そう言って山積みにされた肉を指さします。
「ありがとうございます。」
そう言ってアイテムBOXに肉を収納して2日後に再度素材を受け取りに来ると伝えます。
これだけ肉があればゴブリン軍団が数日は肉にありつけるでしょう。
そう思いながら受付のうさ耳のお姉さんに腕の良い防具屋と不動産屋さんを聞きます。
何軒か聞けたので明日不動産屋に行って物件をみて時間があったら防具屋に行ってましょう。
とりあえず落ち着ける拠点を手に入れて遺跡で手に入れた古びた本や魔法陣の解析もしないといけませんしスキルの検証もしたいですし、何よりこの世界はお風呂文化が無いようでお風呂がありません。
うん、お風呂が設置できる家が欲しいです。
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忙しい時でも1週間に1回は投稿します。
ほのぼのな日常を書きたいな……
その日に思いついた話を書いているので、たまに意見を求めることがあります。
どうか優しい目で見守ってくださると嬉しいです!
※現在休載中
いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!
町島航太
ファンタジー
ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。
ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。
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