26 / 252
南西の森
しおりを挟む
門の前にはアモンさんとロレンスが待機している。
どうやらお見送りに来てくれたのだろうがまあ少しいじって楽しみましょうか。
「おはようございます。アモンさん、ロレンス」
「ああマサトか、おはよう」
「おはようございます。マサトさん」
「ロレンスは鎧を着てフル装備で気合入ってるね。それにしても数日は町に戻れないのに荷物無くて手ぶらで大丈夫なの?」
ロレンスは怪訝な顔をしています。
「ロレンス聞いてないの?今回の捜索はロレンスも来る事になってるんだよ」
「はい?そんな話は聞いていませんが・・・」
「もしかして聞き漏らした?まあしょうがないか、よしじゃあ出発しよう!」
「いえいえ、行きませんよ、明日と明後日は休養日なんですから」
「休養日は帰ってきたらまとめて取ればいいじゃん、じゃあ出発」
「えぇ~~~~~、聞いてないですよ」
うん、泣きそうな顔してる。やりすぎたか・・・・
そう思っているとアモンさんもやり過ぎだという顔をしてます。
「マサト、からかうのもほどほどにしてやれ、ロレンス、調査に同行は嘘だ、マサトがお前を驚かせようと悪戯で言っただけだ」
「ほんとですよね~」
「ほんとだ、それに今日お前の仕事は門の警備だろう」
「そうですよね、そうですよね、・・・マサトさん驚かさないでくださいよ」
そんな雑談をしているとギルドマスターのバンズさんがやってきました。
「マサト、これにサインしてくれ」
「なんですこれは?」
「ギルドからの依頼書だ、調査が終わったらギルドに来て報告をしてくれ」
「あ~~一応ギルドからの依頼というていを取るんですね、わかりました。」
そう言ってサインをし依頼書を受け取ります。
「じゃあそろそろ出発しますね」
「ああ気をつけてな」
アモンさんやロレンス、バンズさんに見送られて南西の森に向かいます。
森は特に変わった様子もなく静まり返ってます。
「ゾルス、ロゼフ、バルタ、ハンゾウもう出てきていいよ」
その言葉に続きゾルス達が影から出てきました。
「ごめんね。長い事影の中に閉じ込める形になっちゃって」
「いえ、問題ございません。お気になさらず」
そう言ってゾルス達は周囲の森を見渡します。
「特に変わった感じはしませんな」
そうなんです。静まり返っているわけでもなく、かといって騒がしいわけでもなく、普通に生き物の気配を感じる森なんです。
「マサト様しばらくこのまま進みましょう」
ゾルスに促されしばらく進み様子を見ることにします。
「ハンゾウ、先行偵察お願いね、あと念話の距離テストも兼ねるからこまめな報告と自分との距離を把握しておいて」
「かしこまりました」
そういうとハンゾウは森の奥に消えていきます。
さて、この調査依頼、裏を返せばオーガの討伐依頼みたいな感じだけどどうしたもんかな・・・・
そんなことを考えながら周囲を警戒しつつ進みます。
元々森育ちのゾルス達は警戒をしながらも、自然に実っている果実や薬草を採取し持って来ます。
うん、ゴブリンって逞しいな・・・・
そのまましばらく進むとハンゾウから念話が届きました。
「マサト様、前方200メートル程のあたりにサンダーウルフの群れがおります。その数約30頭程」
「サンダーウルフ?初めて聞く名前だけど名前的に雷を纏った狼?」
「そんな感じの狼と思ってもらってよろしいかと・・・・」
あれ?なんかたとえ間違えました?
ハンゾウの微妙な反応に自分のイメージ力の無さを実感します。
「ハンゾウそのサンダーウルフは俺たちが近づいたら逃げそう?向かってきそう?」
「こちらはマサト様を含め5人なのでおそらく向かって来ます」
「よし森の調査第一の獲物として仕留めよう」
そう言ってゾルス達に伝え戦闘準備です。
因みに念話はゾルス達同士でも出来るようでこちらから伝える前にすでにサンダーウルフの情報は伝わってました。
それならそうと先に言ってほしかった・・・
そしてしばらく進むとサンダーウルフの群れが向こう側からやってきます。
ロゼフいわくこちらが風上なので匂いでこちらの接近が気づかれていたようです。
ゾルスが剣を構え、バルタが槍を構え、ハンゾウが短剣を構え、ロゼフが魔法を撃つ機会を狙います。
「ウォォォォーーン」
「ウォーーン!」「ウォーーン!」「ウォーーン!」「ウォーーン!」
狩りの合図なのでしょうか、一回り大きな1頭が遠吠えを上げると他のサンダーウルフ達も次々に遠吠えを上げます。
「マサト様ここはお任せを!」
ゾルスはそう言って前に出ます。」
「あっゾルス、あとバルタもハンゾウも、大変かもしれないけど損傷を少なめにして倒して」
「素材を無駄なく回収する為ですな。承りました!」
そういうとゾルス達はサンダーウルフに向かっていきます。
「ガァルル」「ガァァウ」
サンダーウルフも牙をむき出しにして飛び掛かってきます。
一応、自分もこっちに来た際対処をするために日本刀を抜いて戦いに備えます。
日本刀はネレースがコピーして作ったと思われる骨董店で頂いて来た日本刀を見本にして昨日買ったミスリルの剣を錬成術で日本刀の形にしたものです。
ミスリルの剣が厚みがある剣だったので、柄も鍔もミスリル製で、鞘は内側を木で、外側はミスリル製です。
「ガァルル」「ガァァウ」
ゾルス達とサンダーウルフは互角のような感じで推移しています。
サンダーウルフは素早く数頭で連携しながらゾルス達を翻弄しているようです。
唯一ハンゾウがサンダーウルフをすでに数頭仕留めたようです。
「ガァルル」「ガァァウ」「キャイィン」「ガァァウ」
バルタはともかくとしてゾルスの動きが悪いのは損傷をさせずに仕留めてと言ったのが影響してるっぽいようで、見るからに動きが悪いです。
しかし流石は実践慣れしたゴブリン達です。
着実にサンダーウルフの数を減らしていきます。
「ウォォォォーーン」
群れのボスっぽい一回り大きなサンダーウルフが突如遠吠えを、直後サンダーウルフ達は踵を返し森の奥を目指し逃げ出します。
バシュッツ!!
逃げ出すサンダーウルフ目掛けバルタが槍を投げサンダーウルフのボスを仕留めました。
生き残った数頭のサンダーウルフは蜘蛛の子を散らすように逃げ出します。
「ゾルス、バルタ、ハンゾウお疲れ様、ロゼフも護衛ありがとね」
そういうと素材回収の為解体をはじめようとするゾルスを止めます。
「ちょっと待って、今回損傷を少なめにって頼んだのは素材の為じゃないんだ」
「どういう事でうすか?」
ロゼフが疑問を口にします。
「うん、死霊術で従属させて眷属にしようと思う。こういう森の中では素早く動けるうえ偵察にも向いている。何より鼻が利くうえ音にも敏感だからね。」
「確かに、そう言われれば有用ですな」
「それに、次にこっちに飛ばされてくる人たちの捜索にも役に立つだろうし」
そう言ってサンダーウルフの死体を集めてもらいます。
集めてもらったサンダーウルフを数えると21体ありました。
「結構多かったね」
そう言い一頭ずつ手を当てて魔力を流し込み、雷を纏い俊敏で鼻や耳が良くそして自分たちと意思疎通ができるイメージをしつつ死霊術を発動します。
21頭分死霊術が終わるとお座りをした状態のサンダーウルフが目の前にいます。
「うん、名前だよねそういうと一番大きなサンダーウルフには、アルチと名付けます。」
その後一頭ずつ、イルチ、ウルチ、エルチ、オルチ、カルチ、キルチ、クルチ、ケルチ、コルチ、とあいうえお順に名前を付けていき最後の1頭はナルチになりました。
「「「マサト様の為、全身全霊で働きます」」」
さすがに21頭の狼が声をそろえるとなんか怖いですがこれで今回の調査もスムーズにいきそうです。
因みにサンダーウルフの由来は雷を纏うわけではなく雷のように素早いためについた名前だそうです。
うん、死霊術使うときに雷を纏うイメージしちゃった・・・・パワーアップする分にはまあいいか。
そしてサンダーウルフのアルチ達には四方に散ってもらい森の調査を再開します。
その後はオークやゴブリンの小さな群れが散発的に見つかるくらいで大きな群れなどは見当たりません。
アルチ達にオーガの群れの話を聞いてみましたが大規模な群れが来たので一時的に遠くに避難をしたようで先ほどの場所に戻ってきたのは昨晩だったそうです。
ただアルチ達の捜索で一つ分かったことがあります。
オーガの匂いが分散せず纏まって森の奥に向かっているとの事です。
とりあえず一旦アルチ達に戻ってきてもらい今度はオーガ匂いを中心に鶴翼の陣形のような形で再度調査を開始します。
その後も特に進展もなく日が傾きはじめ出しました。
「まあ焦ることもないか」
そう言って来た道を少し戻ったところに小川があったので一旦そこまで戻りそこで野営をすることにします。
錬成術で地面を柔らかくしゾルスが木を引き抜きます。
その繰り返しを行い直径30メートル位の更地が完成しました。
木材は丸太にしてもらいアイテムBOXに収納し、錬成術で土で出来たカマクラのようなものを作り、ロゼフの土魔法で硬化してもらい本日の寝床の完成です。
しかも今回は寝心地の心配は必要ありません。
ネレースのコピーした大型家具店の倉庫から大量に頂いてきたマットレスがあります。
カマクラの中にマットレスを配備しましたのでこれで今晩の睡眠は完璧です。
バルタとハンゾウは近隣の探索に行き、アルチ達は周辺に散って警戒をします。
うん、普通の人は結構神経を使うだろう異世界での野営がこうも簡単だとある意味チートだなそう思いながらアイテムBOXから調理道具と調味料を出しバルタたちが持ってくるだろう食材を待ちます。
うん、作り始めてから食材が来るより来た食材を見てメニューを決めた方がいいもんね。
そうこうしているうちにバルタとハンゾウが戻ってきました。
バルタは甜瓜もどきを多数抱えてます。ゴブリンってどんだけ甜瓜もどき好きなの?
ハンゾウは川で30センチ位の魚を2、30匹ほど取って来たようです。うん、ハンゾウグッジョブ!!!でもそんなに沢山誰が食べるの?
まあとりあえず、甜瓜もどきはアイテムBOXの中に、魚は全部内臓を取り出し串を刺し6匹だけ残してあとはアイテムBOXの中に、時間停止のアイテムBOX最高!!!だって中に入れとけば鮮度も落ちないし劣化もしないからね。
魚に塩を振り焚火の周りに刺して焼いていきます。
後はスープですが鍋に水を入れ、町で買った野菜を入れてコンソメスープの素を投入し完成です。
「マサト様、味付けはその茶色く四角いものを入れるだけでよいのですか?」
「うん、大丈夫だよ。味見してみなよ」
そう言ってロゼフに味見をさせます。
「なんと、あの小さな塊を入れるだけでこんな味になるとは・・・・」
驚いてます驚いてます。
日本の調味料は異世界でも好評のようです。ゴブリンに関してですが・・・・
サンダーウルフたちもアンデッドの為食事は必要ありませんがなんか一人だけ食べるのも気が引けるんで依然バルタが捕獲してきた鹿もどきの肉を焼いて食べさせます。
ゾルス達と焚火を囲み食事をしますが、コンソメスープは好評でした。
魚の塩焼きもゴブリンには珍しかったようです。普段は魚を取ったらそのまま食べるそうで焼くという概念があまり無いそうです。
食事も終わり一息ついたのでアルチ達の眷属化とゾルス達の強化を行います。
前回使った石の台をアイテムBOXから出し、アルチ達を呼び戻し眷属化を行います。
今回の眷属化に使うのはオーガの魔石10個です。
一頭当たり10個なので21頭で210個、ゾルス達のも10個づつ使うので合計250個、結構な消費です。
まあ魔石を売らなくてもお金は沢山あるし問題はありませんね。
そしてアルチの眷属化をはじめます。
血に魔力を流し込み六芒星の魔法陣を形成しあとは眷属化した後のアルチをイメージします。
雷を纏い素早く俊敏に動き、鋭い牙と爪で戦う姿を、そして艶々でもふもふな毛並みを・・・
そして魔法陣の魔力をアルチに集中するように収束していきます。
魔石が光だしアルチに吸い込まれていきます。
強く太く何かがリンクする感覚があり眷属化が完了します。
それを繰り返し21頭全員の眷属化が完了しました。
試しにアルチに雷を纏ってみてもらうと毛が逆立ちバチバチバチと音を立てています。
うん、これ戦いに役立つかな?今のところ放電しての攻撃はできないようです。
次回強化の際放電攻撃をイメージして強化しましょう。
そしてゾルス達の強化も無事完了しました。
パワーアップはどれだけしても困りませんから今後も魔石がたまったら強化していきましょう。
そんなこんなで夜も更けていきます。
マットレスに寝転び目を閉じます。
明日は何か手掛かりでもあるといいな・・・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:マサト=タケウチ 人間 (35歳)
LV:241
職業:錬成術師
ステータスポイント:0
HP:1432
MP:2783
体力:781
筋力:598
敏捷:311
知力:66
物理耐性:190
魔法耐性:189
スキル:
スキルポイント:70
中級火魔法LV2 中級水魔法LV1 中級土魔法LV1 中級風魔法LV1 中級雷魔法LV2
中級光魔法LV2 中級闇魔法LV1 上級死霊術極 上級付与魔術極 上級影魔術極
アイテムボックス∞×∞
眷属ステータス
------------------------------------------
名前:ゾルス ゴブリンキング(眷属)
LV:68
HP:1253
MP:230
体力:∞
筋力:921
敏捷:297
知力:68
物理耐性:415
魔法耐性:230
スキル:
上級大剣術LV2 中級剣術LV8 上級格闘術LV1
------------------------------------------
名前:ロゼフ ゴブリンシャーマン(眷属)
LV:79
HP:422
MP:953
体力:∞
筋力:297
敏捷:215
知力:96
物理耐性:110
魔法耐性:290
スキル:
中級火魔法LV8 中級水魔法LV6 中級土魔法LV5 中級治癒術LV2
死霊術LV3
------------------------------------------
名前:バルタ ゴブリンロード(眷属)
LV:72
HP:888
MP:229
体力:∞
筋力:667
敏捷:332
知力:65
物理耐性:240
魔法耐性:180
スキル:
上級槍術LV2 中級棒術LV10 中級風魔法LV3
------------------------------------------
名前:ハンゾウ ゴブリン(眷属)
LV:41
HP:329
MP:176
体力:∞
筋力:277
敏捷:385
知力:41
物理耐性:70
魔法耐性:70
スキル:
中級短剣術LV4 格闘術LV9 気配遮断極 暗殺術LV7
------------------------------------------
名前:アルチ サンダーウルフ(眷属)
LV:58
HP:215
MP:206
体力:∞
筋力:185
敏捷:485
知力:36
物理耐性:50
魔法耐性:70
スキル:
雷魔法LV8 気配遮断
------------------------------------------
名前:イルチ他 サンダーウルフ(眷属)
LV:28
HP:115
MP:89
体力:∞
筋力:101
敏捷:385
知力:21
物理耐性:30
魔法耐性:50
スキル:
雷魔法LV5 気配遮断
------------------------------------------
どうやらお見送りに来てくれたのだろうがまあ少しいじって楽しみましょうか。
「おはようございます。アモンさん、ロレンス」
「ああマサトか、おはよう」
「おはようございます。マサトさん」
「ロレンスは鎧を着てフル装備で気合入ってるね。それにしても数日は町に戻れないのに荷物無くて手ぶらで大丈夫なの?」
ロレンスは怪訝な顔をしています。
「ロレンス聞いてないの?今回の捜索はロレンスも来る事になってるんだよ」
「はい?そんな話は聞いていませんが・・・」
「もしかして聞き漏らした?まあしょうがないか、よしじゃあ出発しよう!」
「いえいえ、行きませんよ、明日と明後日は休養日なんですから」
「休養日は帰ってきたらまとめて取ればいいじゃん、じゃあ出発」
「えぇ~~~~~、聞いてないですよ」
うん、泣きそうな顔してる。やりすぎたか・・・・
そう思っているとアモンさんもやり過ぎだという顔をしてます。
「マサト、からかうのもほどほどにしてやれ、ロレンス、調査に同行は嘘だ、マサトがお前を驚かせようと悪戯で言っただけだ」
「ほんとですよね~」
「ほんとだ、それに今日お前の仕事は門の警備だろう」
「そうですよね、そうですよね、・・・マサトさん驚かさないでくださいよ」
そんな雑談をしているとギルドマスターのバンズさんがやってきました。
「マサト、これにサインしてくれ」
「なんですこれは?」
「ギルドからの依頼書だ、調査が終わったらギルドに来て報告をしてくれ」
「あ~~一応ギルドからの依頼というていを取るんですね、わかりました。」
そう言ってサインをし依頼書を受け取ります。
「じゃあそろそろ出発しますね」
「ああ気をつけてな」
アモンさんやロレンス、バンズさんに見送られて南西の森に向かいます。
森は特に変わった様子もなく静まり返ってます。
「ゾルス、ロゼフ、バルタ、ハンゾウもう出てきていいよ」
その言葉に続きゾルス達が影から出てきました。
「ごめんね。長い事影の中に閉じ込める形になっちゃって」
「いえ、問題ございません。お気になさらず」
そう言ってゾルス達は周囲の森を見渡します。
「特に変わった感じはしませんな」
そうなんです。静まり返っているわけでもなく、かといって騒がしいわけでもなく、普通に生き物の気配を感じる森なんです。
「マサト様しばらくこのまま進みましょう」
ゾルスに促されしばらく進み様子を見ることにします。
「ハンゾウ、先行偵察お願いね、あと念話の距離テストも兼ねるからこまめな報告と自分との距離を把握しておいて」
「かしこまりました」
そういうとハンゾウは森の奥に消えていきます。
さて、この調査依頼、裏を返せばオーガの討伐依頼みたいな感じだけどどうしたもんかな・・・・
そんなことを考えながら周囲を警戒しつつ進みます。
元々森育ちのゾルス達は警戒をしながらも、自然に実っている果実や薬草を採取し持って来ます。
うん、ゴブリンって逞しいな・・・・
そのまましばらく進むとハンゾウから念話が届きました。
「マサト様、前方200メートル程のあたりにサンダーウルフの群れがおります。その数約30頭程」
「サンダーウルフ?初めて聞く名前だけど名前的に雷を纏った狼?」
「そんな感じの狼と思ってもらってよろしいかと・・・・」
あれ?なんかたとえ間違えました?
ハンゾウの微妙な反応に自分のイメージ力の無さを実感します。
「ハンゾウそのサンダーウルフは俺たちが近づいたら逃げそう?向かってきそう?」
「こちらはマサト様を含め5人なのでおそらく向かって来ます」
「よし森の調査第一の獲物として仕留めよう」
そう言ってゾルス達に伝え戦闘準備です。
因みに念話はゾルス達同士でも出来るようでこちらから伝える前にすでにサンダーウルフの情報は伝わってました。
それならそうと先に言ってほしかった・・・
そしてしばらく進むとサンダーウルフの群れが向こう側からやってきます。
ロゼフいわくこちらが風上なので匂いでこちらの接近が気づかれていたようです。
ゾルスが剣を構え、バルタが槍を構え、ハンゾウが短剣を構え、ロゼフが魔法を撃つ機会を狙います。
「ウォォォォーーン」
「ウォーーン!」「ウォーーン!」「ウォーーン!」「ウォーーン!」
狩りの合図なのでしょうか、一回り大きな1頭が遠吠えを上げると他のサンダーウルフ達も次々に遠吠えを上げます。
「マサト様ここはお任せを!」
ゾルスはそう言って前に出ます。」
「あっゾルス、あとバルタもハンゾウも、大変かもしれないけど損傷を少なめにして倒して」
「素材を無駄なく回収する為ですな。承りました!」
そういうとゾルス達はサンダーウルフに向かっていきます。
「ガァルル」「ガァァウ」
サンダーウルフも牙をむき出しにして飛び掛かってきます。
一応、自分もこっちに来た際対処をするために日本刀を抜いて戦いに備えます。
日本刀はネレースがコピーして作ったと思われる骨董店で頂いて来た日本刀を見本にして昨日買ったミスリルの剣を錬成術で日本刀の形にしたものです。
ミスリルの剣が厚みがある剣だったので、柄も鍔もミスリル製で、鞘は内側を木で、外側はミスリル製です。
「ガァルル」「ガァァウ」
ゾルス達とサンダーウルフは互角のような感じで推移しています。
サンダーウルフは素早く数頭で連携しながらゾルス達を翻弄しているようです。
唯一ハンゾウがサンダーウルフをすでに数頭仕留めたようです。
「ガァルル」「ガァァウ」「キャイィン」「ガァァウ」
バルタはともかくとしてゾルスの動きが悪いのは損傷をさせずに仕留めてと言ったのが影響してるっぽいようで、見るからに動きが悪いです。
しかし流石は実践慣れしたゴブリン達です。
着実にサンダーウルフの数を減らしていきます。
「ウォォォォーーン」
群れのボスっぽい一回り大きなサンダーウルフが突如遠吠えを、直後サンダーウルフ達は踵を返し森の奥を目指し逃げ出します。
バシュッツ!!
逃げ出すサンダーウルフ目掛けバルタが槍を投げサンダーウルフのボスを仕留めました。
生き残った数頭のサンダーウルフは蜘蛛の子を散らすように逃げ出します。
「ゾルス、バルタ、ハンゾウお疲れ様、ロゼフも護衛ありがとね」
そういうと素材回収の為解体をはじめようとするゾルスを止めます。
「ちょっと待って、今回損傷を少なめにって頼んだのは素材の為じゃないんだ」
「どういう事でうすか?」
ロゼフが疑問を口にします。
「うん、死霊術で従属させて眷属にしようと思う。こういう森の中では素早く動けるうえ偵察にも向いている。何より鼻が利くうえ音にも敏感だからね。」
「確かに、そう言われれば有用ですな」
「それに、次にこっちに飛ばされてくる人たちの捜索にも役に立つだろうし」
そう言ってサンダーウルフの死体を集めてもらいます。
集めてもらったサンダーウルフを数えると21体ありました。
「結構多かったね」
そう言い一頭ずつ手を当てて魔力を流し込み、雷を纏い俊敏で鼻や耳が良くそして自分たちと意思疎通ができるイメージをしつつ死霊術を発動します。
21頭分死霊術が終わるとお座りをした状態のサンダーウルフが目の前にいます。
「うん、名前だよねそういうと一番大きなサンダーウルフには、アルチと名付けます。」
その後一頭ずつ、イルチ、ウルチ、エルチ、オルチ、カルチ、キルチ、クルチ、ケルチ、コルチ、とあいうえお順に名前を付けていき最後の1頭はナルチになりました。
「「「マサト様の為、全身全霊で働きます」」」
さすがに21頭の狼が声をそろえるとなんか怖いですがこれで今回の調査もスムーズにいきそうです。
因みにサンダーウルフの由来は雷を纏うわけではなく雷のように素早いためについた名前だそうです。
うん、死霊術使うときに雷を纏うイメージしちゃった・・・・パワーアップする分にはまあいいか。
そしてサンダーウルフのアルチ達には四方に散ってもらい森の調査を再開します。
その後はオークやゴブリンの小さな群れが散発的に見つかるくらいで大きな群れなどは見当たりません。
アルチ達にオーガの群れの話を聞いてみましたが大規模な群れが来たので一時的に遠くに避難をしたようで先ほどの場所に戻ってきたのは昨晩だったそうです。
ただアルチ達の捜索で一つ分かったことがあります。
オーガの匂いが分散せず纏まって森の奥に向かっているとの事です。
とりあえず一旦アルチ達に戻ってきてもらい今度はオーガ匂いを中心に鶴翼の陣形のような形で再度調査を開始します。
その後も特に進展もなく日が傾きはじめ出しました。
「まあ焦ることもないか」
そう言って来た道を少し戻ったところに小川があったので一旦そこまで戻りそこで野営をすることにします。
錬成術で地面を柔らかくしゾルスが木を引き抜きます。
その繰り返しを行い直径30メートル位の更地が完成しました。
木材は丸太にしてもらいアイテムBOXに収納し、錬成術で土で出来たカマクラのようなものを作り、ロゼフの土魔法で硬化してもらい本日の寝床の完成です。
しかも今回は寝心地の心配は必要ありません。
ネレースのコピーした大型家具店の倉庫から大量に頂いてきたマットレスがあります。
カマクラの中にマットレスを配備しましたのでこれで今晩の睡眠は完璧です。
バルタとハンゾウは近隣の探索に行き、アルチ達は周辺に散って警戒をします。
うん、普通の人は結構神経を使うだろう異世界での野営がこうも簡単だとある意味チートだなそう思いながらアイテムBOXから調理道具と調味料を出しバルタたちが持ってくるだろう食材を待ちます。
うん、作り始めてから食材が来るより来た食材を見てメニューを決めた方がいいもんね。
そうこうしているうちにバルタとハンゾウが戻ってきました。
バルタは甜瓜もどきを多数抱えてます。ゴブリンってどんだけ甜瓜もどき好きなの?
ハンゾウは川で30センチ位の魚を2、30匹ほど取って来たようです。うん、ハンゾウグッジョブ!!!でもそんなに沢山誰が食べるの?
まあとりあえず、甜瓜もどきはアイテムBOXの中に、魚は全部内臓を取り出し串を刺し6匹だけ残してあとはアイテムBOXの中に、時間停止のアイテムBOX最高!!!だって中に入れとけば鮮度も落ちないし劣化もしないからね。
魚に塩を振り焚火の周りに刺して焼いていきます。
後はスープですが鍋に水を入れ、町で買った野菜を入れてコンソメスープの素を投入し完成です。
「マサト様、味付けはその茶色く四角いものを入れるだけでよいのですか?」
「うん、大丈夫だよ。味見してみなよ」
そう言ってロゼフに味見をさせます。
「なんと、あの小さな塊を入れるだけでこんな味になるとは・・・・」
驚いてます驚いてます。
日本の調味料は異世界でも好評のようです。ゴブリンに関してですが・・・・
サンダーウルフたちもアンデッドの為食事は必要ありませんがなんか一人だけ食べるのも気が引けるんで依然バルタが捕獲してきた鹿もどきの肉を焼いて食べさせます。
ゾルス達と焚火を囲み食事をしますが、コンソメスープは好評でした。
魚の塩焼きもゴブリンには珍しかったようです。普段は魚を取ったらそのまま食べるそうで焼くという概念があまり無いそうです。
食事も終わり一息ついたのでアルチ達の眷属化とゾルス達の強化を行います。
前回使った石の台をアイテムBOXから出し、アルチ達を呼び戻し眷属化を行います。
今回の眷属化に使うのはオーガの魔石10個です。
一頭当たり10個なので21頭で210個、ゾルス達のも10個づつ使うので合計250個、結構な消費です。
まあ魔石を売らなくてもお金は沢山あるし問題はありませんね。
そしてアルチの眷属化をはじめます。
血に魔力を流し込み六芒星の魔法陣を形成しあとは眷属化した後のアルチをイメージします。
雷を纏い素早く俊敏に動き、鋭い牙と爪で戦う姿を、そして艶々でもふもふな毛並みを・・・
そして魔法陣の魔力をアルチに集中するように収束していきます。
魔石が光だしアルチに吸い込まれていきます。
強く太く何かがリンクする感覚があり眷属化が完了します。
それを繰り返し21頭全員の眷属化が完了しました。
試しにアルチに雷を纏ってみてもらうと毛が逆立ちバチバチバチと音を立てています。
うん、これ戦いに役立つかな?今のところ放電しての攻撃はできないようです。
次回強化の際放電攻撃をイメージして強化しましょう。
そしてゾルス達の強化も無事完了しました。
パワーアップはどれだけしても困りませんから今後も魔石がたまったら強化していきましょう。
そんなこんなで夜も更けていきます。
マットレスに寝転び目を閉じます。
明日は何か手掛かりでもあるといいな・・・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:マサト=タケウチ 人間 (35歳)
LV:241
職業:錬成術師
ステータスポイント:0
HP:1432
MP:2783
体力:781
筋力:598
敏捷:311
知力:66
物理耐性:190
魔法耐性:189
スキル:
スキルポイント:70
中級火魔法LV2 中級水魔法LV1 中級土魔法LV1 中級風魔法LV1 中級雷魔法LV2
中級光魔法LV2 中級闇魔法LV1 上級死霊術極 上級付与魔術極 上級影魔術極
アイテムボックス∞×∞
眷属ステータス
------------------------------------------
名前:ゾルス ゴブリンキング(眷属)
LV:68
HP:1253
MP:230
体力:∞
筋力:921
敏捷:297
知力:68
物理耐性:415
魔法耐性:230
スキル:
上級大剣術LV2 中級剣術LV8 上級格闘術LV1
------------------------------------------
名前:ロゼフ ゴブリンシャーマン(眷属)
LV:79
HP:422
MP:953
体力:∞
筋力:297
敏捷:215
知力:96
物理耐性:110
魔法耐性:290
スキル:
中級火魔法LV8 中級水魔法LV6 中級土魔法LV5 中級治癒術LV2
死霊術LV3
------------------------------------------
名前:バルタ ゴブリンロード(眷属)
LV:72
HP:888
MP:229
体力:∞
筋力:667
敏捷:332
知力:65
物理耐性:240
魔法耐性:180
スキル:
上級槍術LV2 中級棒術LV10 中級風魔法LV3
------------------------------------------
名前:ハンゾウ ゴブリン(眷属)
LV:41
HP:329
MP:176
体力:∞
筋力:277
敏捷:385
知力:41
物理耐性:70
魔法耐性:70
スキル:
中級短剣術LV4 格闘術LV9 気配遮断極 暗殺術LV7
------------------------------------------
名前:アルチ サンダーウルフ(眷属)
LV:58
HP:215
MP:206
体力:∞
筋力:185
敏捷:485
知力:36
物理耐性:50
魔法耐性:70
スキル:
雷魔法LV8 気配遮断
------------------------------------------
名前:イルチ他 サンダーウルフ(眷属)
LV:28
HP:115
MP:89
体力:∞
筋力:101
敏捷:385
知力:21
物理耐性:30
魔法耐性:50
スキル:
雷魔法LV5 気配遮断
------------------------------------------
14
お気に入りに追加
329
あなたにおすすめの小説
その幼女、最強にして最恐なり~転生したら幼女な俺は異世界で生きてく~
たま(恥晒)
ファンタジー
※作者都合により打ち切りとさせて頂きました。新作12/1より!!
猫刄 紅羽
年齢:18
性別:男
身長:146cm
容姿:幼女
声変わり:まだ
利き手:左
死因:神のミス
神のミス(うっかり)で死んだ紅羽は、チートを携えてファンタジー世界に転生する事に。
しかしながら、またもや今度は違う神のミス(ミス?)で転生後は正真正銘の幼女(超絶可愛い ※見た目はほぼ変わってない)になる。
更に転生した世界は1度国々が発展し過ぎて滅んだ世界で!?
そんな世界で紅羽はどう過ごして行くのか...
的な感じです。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
家族全員異世界へ転移したが、その世界で父(魔王)母(勇者)だった…らしい~妹は聖女クラスの魔力持ち!?俺はどうなんですかね?遠い目~
厘/りん
ファンタジー
ある休日、家族でお昼ご飯を食べていたらいきなり異世界へ転移した。俺(長男)カケルは日本と全く違う異世界に動揺していたが、父と母の様子がおかしかった。なぜか、やけに落ち着いている。問い詰めると、もともと父は異世界人だった(らしい)。信じられない!
☆第4回次世代ファンタジーカップ
142位でした。ありがとう御座いました。
★Nolaノベルさん•なろうさんに編集して掲載中。
死霊王は異世界を蹂躙する~転移したあと処刑された俺、アンデッドとなり全てに復讐する~
未来人A
ファンタジー
主人公、田宮シンジは妹のアカネ、弟のアオバと共に異世界に転移した。
待っていたのは皇帝の命令で即刻処刑されるという、理不尽な仕打ち。
シンジはアンデッドを自分の配下にし、従わせることの出来る『死霊王』というスキルを死後開花させる。
アンデッドとなったシンジは自分とアカネ、アオバを殺した帝国へ復讐を誓う。
死霊王のスキルを駆使して徐々に配下を増やし、アンデッドの軍団を作り上げていく。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー
ジミー凌我
ファンタジー
日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。
仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。
そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。
そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。
忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。
生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。
ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。
この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。
冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。
なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。
異世界転生した私は今日も大空を羽ばたきます!〜チートスキルで自由気ままな異世界ライフ〜
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
高橋かなはある日、過労死で突然命を落とす。
忙しすぎて自由のない日々。
死ぬ間際に見えたのは大空を自由に飛ぶ鳥の姿。
あぁ、鳥になりたい………
普段は鳥、時には人間、猫や犬までなんでも変身できる最強スキルで異世界生活楽しみます!
※章の始まりごとに追加していきます
テーマ
第一章 フェンリル
第二章 騎士団
第三章 転生令嬢
第四章 獣人
第五章 異世界、成長
忙しい時でも1週間に1回は投稿します。
ほのぼのな日常を書きたいな……
その日に思いついた話を書いているので、たまに意見を求めることがあります。
どうか優しい目で見守ってくださると嬉しいです!
※現在休載中
いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!
町島航太
ファンタジー
ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。
ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる