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俺のためのお前のこれまで
第12話 姉の事情(3)
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「次はこれを細かく砕いてください。勢いよく当てると飛び散ってしまうので、ゆっくり押し潰すようにお願いしますね」
「……こうでしょうか?」
「とてもお上手ですわ。次はこれを――」
ただ部屋を見せるだけなんて芸がないだろうと実際の作業もして見せ、せっかくだからとイオニス自身にもさせてみれば、これがなかなか様になっている。見るからに皮が厚そうな太い指で細かな作業も危なげなくこなし、そして真剣な横顔はますますもって男前だ。
手隙も手伝い、集中していて気付かれないのをいいことに眺め回していれば、
「開けてー」
扉の向こうから呼びかけがあった。
イオニスが顔を上げ、ついでに腰まで上げそうなところを制して俺が向かう。扉を開ければ、ティーセットに両手を塞がれたレティが立っていた。
「お茶どうぞ」
「ありがとうレティ。でも時間は大丈夫?」
「ハンスがさ、星のすごく綺麗に見える所があるから行こうって。少し遠出になるから、準備してたんだ」
なんだ、栗拾いはやめたのか。まあレティが喜ぶならどちらでも構わない。
「ちゃんと暖かくして行くのよ? あ、お夕飯はどうする?」
「ハンスが今作ってくれてるの持っていく!」
「あら、勇者様が?」
意外に思えば、イオニスが小さく笑う。
「簡単な調理でしたら問題なくこなされますよ」
なら今度野菜の皮むきでもさせよう。
「何を作ってらっしゃるんですか?」
「焼いた鳥とか揚げたナマズとか、いろいろパンに挟んでるよ!」
「それは楽しみですね」
「うん! ふへへ」
ご機嫌なレティ。よほどハンスの手料理が楽しみと見えた。が――、
「イオニスさんがハンスといてくれてよかった」
レティの言葉にイオニスが瞠目した。
「イオニスさんがいなかったら、ハンスはもっと辛くて寂しかったと思うんだー」
ふよふよと笑うレティを、イオニスは瞬きもせず見つめる。
「……そうでしょうか」
「そうだよ!」
なんとも自信なさげなイオニスにレティが即答した。
ハンス独りの方がよかったなんてことはないと俺も思う。横にイオニスがいるかいないかで、安心感が圧倒的に違う。
「ハンスはイオニスさんのこと絶対好きだから大丈夫。好きじゃないのに何年もずーっと一緒なんて、ハンスには無理だ。無理! 絶対無理! 無理無理!」
「――レティ」
調子に乗ったレティを、ハンスがひょいと抱え上げた。
「いたの!? いつから!!?」
そうだよ、のあたりから。音もなく扉を開けてレティの背後へ忍び寄る様は、勇者というより暗殺者じみていた。
「そろそろ出るぞ」
「わかった! 降ろして!」
「レティの足じゃいい時間までに着けない」
「でも恥ずかしいだろ?」
「長話するレティが悪い」
「そんな長話してない!」
じゃれるレティをしっかり抱え直したハンスはそのまま扉へ向かう。
「明日の昼まで空ける。好きにしろ」
「ごゆっくり!」
振り返りもしないハンスの肩から顔を出したレティが、いやに力強くイオニスを見る。
「……ありがとうございます」
「いってらっしゃい」
小さく手を振れば、レティも当然のように手を振り返してくれる。
「いってきまーす!」
扉が閉まり、足音が遠ざかっていく。
俺は手を下ろし、小さく息を吐いた。
「レジーナ殿は、お二人の交際をどのようにお考えでしょうか?」
二人の去った扉を見つめ、背を向けられたまま投げかけられた問いに、少し考えてから答える。
「私にとって一番大切なのは、あの子の気持ちです。あの子が幸せなら、それで構いません」
結局はそこに落ち着く。
俺は正直に答えたが。さて、イオニスはどう出るか。大きな背中を見つめて待つ。
「そうですか」
振り返ったイオニスの顔を見て、俺は――。
「……後は仕上げだけですし、少し休憩しませんか? せっかくのお茶が冷めてしまってはもったいないですもの」
――俺はとんでもない思い違いをしていたのかもしれない。
向かいで茶を飲むイオニスをそろりと見やる。
二人を肯定した俺に見せた顔、儚げな微笑みを思い出すだけで心臓が痛い。あんな今にも泣き出しそうな顔をする理由なんてひとつしかないだろう……きっとイオニスは本当にレティが好きだったんだ。別に不思議ではない。だってレティは可愛い。すごく可愛い。可愛いの塊と言っていい。
寄ってくる割にすぐ引いて、全然ギンギンもガツガツもしていないから、てっきりそれほど好きではないのだと思ってしまったが、年の差を考慮すればむしろ真っ当な対応と言える。
もっと言えば、丁度ハンスが掌を返したあたりで、レティと二人きりでいるところを見なくなった気がする。主人のためと身を引いたに違いない。この忠義者め。
しかしレティを逃したら間違いなく一生独身のハンスとは違って、イオニスならその気さえあればいつでも結婚できるだろう。レティほどいい娘なんてそういないだろうが、お似合いの相手が見つかるよう祈っとくぜ!
……ただ、なあ。レティが好きと、レティとハンスをくっつけたくないは両立する。
身を引いたことにしたって、義理立ての意図だけかもしれず、二人の関係を祝福してくれているとまでは言い切れない。つまり別に疑いが晴れたわけではない。どうしたものか。
そこで気付いたが、俺はイオニス自身のことをあまり知らない。イオニスが自分についてさっぱり語らないからだ。
せっかくこうして二人きりでゆっくり向かい合う機会を得たわけだし、イオニス自身に切り込んでみるのもありか。
「あの、騎士様?」
俺の呼びかけに、イオニスがふわりと笑い返してくる。
「はい」
「……」
今日のイオニスは表情筋が緩いな。ついでに頭と口も緩くなっていてくれるといいなあ、なんて思いつつ。
俺はイオニスの聴取を開始した。
「騎士様は――」
ただの好奇心を装ってあれこれと訊ねる俺に、イオニスは気を悪くする様子もなく答える。
十六歳で聖騎士の叙勲を受けたとか。
初めての聖務は緊張で眠れず、任地まで馬に乗っていくはずが馬車を出してもらったとか。
親父さんは石工で、聖騎士になる前はよく仕事を手伝っていたとか。
おふくろさんの特技がパン作りで、週一回は騎士団に差し入れてくれるとか。
少し散歩に出るだけで猫を連れ帰ってしまう、猫に懐かれやすい同期がいるとか。
都に戻る度、団長が手合せしたさにハンスを追いかけ回すとか。
「私は父と母にあまり似ていなくて……心ない言葉をかけられたこともありました」
そしてとうとう、決定的な供述がもたらされた。
「私はペオル司教の推薦があり、あの方の付き人になりました。ペオル司教は枢機卿も務めておられる方で――」
ペオルといえば、レシルとハンスの面倒を看ていたご老公か。何度打診されても出世を断り続けていたのに、何か心境の変化でも……待てよ。まさか、ハンスのためか? ただの司教にできることなんて限られている。勇者を助けるなら相応の立場になるしかない。
権力欲のない人だった。レシルの背に聖痕があると知りながら、誰にも言わず他の子供と変わらず接して。神に選ばれた子供なんて、権力を求めるなら利用しない手はないというのに。そんな人が推したのなら、イオニスを信用してもいいのかもしれない。
「これで完成ですわ。お疲れ様でした」
気分よく再開した作業は、残りは仕上げだけだったこともありすぐに終わった。引き延ばすこともできたが、もう十分だろう。俺はイオニスに薬を渡すと決めた。
胸が弾む。滋養強壮と安眠を両立した、まさに会心の出来。惜しむらくは筋肉に寄せすぎて、万人向けではないところか。二の腕やふくらはぎが逞しくなってしまうかもしれないから女性には勧めづらい。
「少しお待ちいただけますか。お渡ししたい物がありますの」
軽く断わりを入れた俺は、イオニスに背を向け、薬棚へ手を伸ばして――どういうわけか、後ろへ引っ張られた。そしてさらに半回転を加えられた結果、目と鼻の先にイオニスの顔があった。
「んむうぅ!?」
声を上げるが、言葉にならないどころか、うっかり開いてしまった口からぬるりと何かが入り込んできた。
「んんーッ!」
そのまま俺は押し倒されて――。
「……こうでしょうか?」
「とてもお上手ですわ。次はこれを――」
ただ部屋を見せるだけなんて芸がないだろうと実際の作業もして見せ、せっかくだからとイオニス自身にもさせてみれば、これがなかなか様になっている。見るからに皮が厚そうな太い指で細かな作業も危なげなくこなし、そして真剣な横顔はますますもって男前だ。
手隙も手伝い、集中していて気付かれないのをいいことに眺め回していれば、
「開けてー」
扉の向こうから呼びかけがあった。
イオニスが顔を上げ、ついでに腰まで上げそうなところを制して俺が向かう。扉を開ければ、ティーセットに両手を塞がれたレティが立っていた。
「お茶どうぞ」
「ありがとうレティ。でも時間は大丈夫?」
「ハンスがさ、星のすごく綺麗に見える所があるから行こうって。少し遠出になるから、準備してたんだ」
なんだ、栗拾いはやめたのか。まあレティが喜ぶならどちらでも構わない。
「ちゃんと暖かくして行くのよ? あ、お夕飯はどうする?」
「ハンスが今作ってくれてるの持っていく!」
「あら、勇者様が?」
意外に思えば、イオニスが小さく笑う。
「簡単な調理でしたら問題なくこなされますよ」
なら今度野菜の皮むきでもさせよう。
「何を作ってらっしゃるんですか?」
「焼いた鳥とか揚げたナマズとか、いろいろパンに挟んでるよ!」
「それは楽しみですね」
「うん! ふへへ」
ご機嫌なレティ。よほどハンスの手料理が楽しみと見えた。が――、
「イオニスさんがハンスといてくれてよかった」
レティの言葉にイオニスが瞠目した。
「イオニスさんがいなかったら、ハンスはもっと辛くて寂しかったと思うんだー」
ふよふよと笑うレティを、イオニスは瞬きもせず見つめる。
「……そうでしょうか」
「そうだよ!」
なんとも自信なさげなイオニスにレティが即答した。
ハンス独りの方がよかったなんてことはないと俺も思う。横にイオニスがいるかいないかで、安心感が圧倒的に違う。
「ハンスはイオニスさんのこと絶対好きだから大丈夫。好きじゃないのに何年もずーっと一緒なんて、ハンスには無理だ。無理! 絶対無理! 無理無理!」
「――レティ」
調子に乗ったレティを、ハンスがひょいと抱え上げた。
「いたの!? いつから!!?」
そうだよ、のあたりから。音もなく扉を開けてレティの背後へ忍び寄る様は、勇者というより暗殺者じみていた。
「そろそろ出るぞ」
「わかった! 降ろして!」
「レティの足じゃいい時間までに着けない」
「でも恥ずかしいだろ?」
「長話するレティが悪い」
「そんな長話してない!」
じゃれるレティをしっかり抱え直したハンスはそのまま扉へ向かう。
「明日の昼まで空ける。好きにしろ」
「ごゆっくり!」
振り返りもしないハンスの肩から顔を出したレティが、いやに力強くイオニスを見る。
「……ありがとうございます」
「いってらっしゃい」
小さく手を振れば、レティも当然のように手を振り返してくれる。
「いってきまーす!」
扉が閉まり、足音が遠ざかっていく。
俺は手を下ろし、小さく息を吐いた。
「レジーナ殿は、お二人の交際をどのようにお考えでしょうか?」
二人の去った扉を見つめ、背を向けられたまま投げかけられた問いに、少し考えてから答える。
「私にとって一番大切なのは、あの子の気持ちです。あの子が幸せなら、それで構いません」
結局はそこに落ち着く。
俺は正直に答えたが。さて、イオニスはどう出るか。大きな背中を見つめて待つ。
「そうですか」
振り返ったイオニスの顔を見て、俺は――。
「……後は仕上げだけですし、少し休憩しませんか? せっかくのお茶が冷めてしまってはもったいないですもの」
――俺はとんでもない思い違いをしていたのかもしれない。
向かいで茶を飲むイオニスをそろりと見やる。
二人を肯定した俺に見せた顔、儚げな微笑みを思い出すだけで心臓が痛い。あんな今にも泣き出しそうな顔をする理由なんてひとつしかないだろう……きっとイオニスは本当にレティが好きだったんだ。別に不思議ではない。だってレティは可愛い。すごく可愛い。可愛いの塊と言っていい。
寄ってくる割にすぐ引いて、全然ギンギンもガツガツもしていないから、てっきりそれほど好きではないのだと思ってしまったが、年の差を考慮すればむしろ真っ当な対応と言える。
もっと言えば、丁度ハンスが掌を返したあたりで、レティと二人きりでいるところを見なくなった気がする。主人のためと身を引いたに違いない。この忠義者め。
しかしレティを逃したら間違いなく一生独身のハンスとは違って、イオニスならその気さえあればいつでも結婚できるだろう。レティほどいい娘なんてそういないだろうが、お似合いの相手が見つかるよう祈っとくぜ!
……ただ、なあ。レティが好きと、レティとハンスをくっつけたくないは両立する。
身を引いたことにしたって、義理立ての意図だけかもしれず、二人の関係を祝福してくれているとまでは言い切れない。つまり別に疑いが晴れたわけではない。どうしたものか。
そこで気付いたが、俺はイオニス自身のことをあまり知らない。イオニスが自分についてさっぱり語らないからだ。
せっかくこうして二人きりでゆっくり向かい合う機会を得たわけだし、イオニス自身に切り込んでみるのもありか。
「あの、騎士様?」
俺の呼びかけに、イオニスがふわりと笑い返してくる。
「はい」
「……」
今日のイオニスは表情筋が緩いな。ついでに頭と口も緩くなっていてくれるといいなあ、なんて思いつつ。
俺はイオニスの聴取を開始した。
「騎士様は――」
ただの好奇心を装ってあれこれと訊ねる俺に、イオニスは気を悪くする様子もなく答える。
十六歳で聖騎士の叙勲を受けたとか。
初めての聖務は緊張で眠れず、任地まで馬に乗っていくはずが馬車を出してもらったとか。
親父さんは石工で、聖騎士になる前はよく仕事を手伝っていたとか。
おふくろさんの特技がパン作りで、週一回は騎士団に差し入れてくれるとか。
少し散歩に出るだけで猫を連れ帰ってしまう、猫に懐かれやすい同期がいるとか。
都に戻る度、団長が手合せしたさにハンスを追いかけ回すとか。
「私は父と母にあまり似ていなくて……心ない言葉をかけられたこともありました」
そしてとうとう、決定的な供述がもたらされた。
「私はペオル司教の推薦があり、あの方の付き人になりました。ペオル司教は枢機卿も務めておられる方で――」
ペオルといえば、レシルとハンスの面倒を看ていたご老公か。何度打診されても出世を断り続けていたのに、何か心境の変化でも……待てよ。まさか、ハンスのためか? ただの司教にできることなんて限られている。勇者を助けるなら相応の立場になるしかない。
権力欲のない人だった。レシルの背に聖痕があると知りながら、誰にも言わず他の子供と変わらず接して。神に選ばれた子供なんて、権力を求めるなら利用しない手はないというのに。そんな人が推したのなら、イオニスを信用してもいいのかもしれない。
「これで完成ですわ。お疲れ様でした」
気分よく再開した作業は、残りは仕上げだけだったこともありすぐに終わった。引き延ばすこともできたが、もう十分だろう。俺はイオニスに薬を渡すと決めた。
胸が弾む。滋養強壮と安眠を両立した、まさに会心の出来。惜しむらくは筋肉に寄せすぎて、万人向けではないところか。二の腕やふくらはぎが逞しくなってしまうかもしれないから女性には勧めづらい。
「少しお待ちいただけますか。お渡ししたい物がありますの」
軽く断わりを入れた俺は、イオニスに背を向け、薬棚へ手を伸ばして――どういうわけか、後ろへ引っ張られた。そしてさらに半回転を加えられた結果、目と鼻の先にイオニスの顔があった。
「んむうぅ!?」
声を上げるが、言葉にならないどころか、うっかり開いてしまった口からぬるりと何かが入り込んできた。
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そのまま俺は押し倒されて――。
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