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第一話 集まり始める金魚たち(二)
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金魚屋という言葉に秋葉の心臓が大きく跳ねた。
みれば足元には金魚が泳ぐ水槽。金魚すくいの屋台のようだった。
「君はこの金魚が見えるかい?」
この金魚、と店主が指差したのは水槽ではなかった。
右肩だ。店主は彼の右肩を指差したのだ。
客は冗談だと受け取ったようで、皆面白そうに笑った。だが秋葉にとっては笑える冗談ではなかった。
右肩にいるのだ。金魚が一匹、泳いでいるのだ。
――見えているのか、金魚が。
ぐらぐらと頭が揺れた。揺れている気がする。そう、まるで宙を揺蕩う金魚のように。
つうっと秋葉の頬を一筋の汗が伝った。何か言わなくてはと唇を揺らしたが声が出ない。餌を待つ鯉のように口をはくはくとさせていると、がしっと隆志が肩を組んできた。
「これが名物! このオッサンいつもこれ言ってんだよ」
「オッサンだとぅ!? 僕はまだ三十五だあ!」
「え」
秋葉は二つのことに驚いた。
一つは三十五という年齢だ。どうみても二十代で、大学の敷地内を歩いていても違和感はないだろう。
もう一つは口調だ。この整った容貌から出てくるとは思えないふざけた喋り方で、大きな身振り手振りでみっともなく騒ぐ姿は一人でミュージカルでもやっているかのようだ。
秋葉は呆然と立ち尽くしていると、店主はくすりと微笑みもう一度右肩の少し上を指差した。
「どうだい。君はこの金魚が見えるかい?」
「い、いえ、見えま、せん」
「なあんだ! つまらない! ああつまらない! 実につまらない!」
店主は大きなため息を吐くと、秋葉の額をぴしゃりと叩いた。
「君は金魚をすくう価値が無い! ようし! 出て行け!」
そう言うと、店主は秋葉と隆志を屋台から放り出した。
そしてその後もどんどん客が放り出され、女性客がぐるぐると周回している。
「あの店で金魚すくいやらせてもらえた奴いねーんだと。何で店出してんだって話よ」
「あ、ああ、そうだな」
秋葉は直感的に判断した。
きっと目的は金魚すくいではないのだ。
『君はこの金魚が見えるかい?』
目的は、金魚が見える人間を探すことだ。
*
翌日の祭り二日目、秋葉は再び御縁神社へやって来ていた。
もちろん目当ては名物店主だ。しかし夕方になれば客が押し寄せるだろう。そうなる前に話をしようと、授業をサボって明るいうちに屋台へやって来た。
狙い通り、屋台を開く準備をしている店主にはまだ誰も群がっていない。
秋葉はよし、と気合を入れて店主に声をかけた。
「こんにちは」
「ん? おや? おやおや? 何しに来たんだい、金魚すくえない少年」
「……水槽の外に金魚がいるんですか?」
「その発言こそうちの金魚をすくう価値がない証明だ。帰りたまえ!」
あっはっは、と店主は高笑いをして秋葉の頬をぺちぺちと叩く。
はたから見れば会話がかみ合っておらず、馬鹿にされているように見えるだろう。けれど秋葉には金魚を見ることのできる人間を探している言葉に聞こえた。
そうなら話を聞いてみたいが、秋葉から「空飛ぶ金魚が見えますか」と手の内を明かしてしまったら適当に話を合わされてしまう可能性もある。
――ひっかけてみようか。
頬を叩いてくる手を掴み返し、秋葉は店主を真似てにこりと穏やかそうに微笑んで見せた。
「お祭りだと金魚もたくさん来ますか?」
「……うん?」
ぴたりと店主は頬を叩く手を止めた。
整った眉が少しだけ歪んだのを見逃さず、秋葉はごくりと喉を鳴らした。
「ああいうのに巻き込まれないか気になっちゃいませんか」
秋葉は一足早く店を開けている綿飴屋を指差した。母親に手を引かれた兄弟がきゃっきゃとはしゃいでいる。
綿飴を作る機械の中でぐるぐる、ぐるぐる、と綿飴が回っている。
子供のころ秋葉は綿飴の屋台が苦手だった。この回転に金魚が巻き込まれたらどうなるのだろうと思うと怖かったのだ。同じように金魚を見れるのなら、きっと店主もそうに違いない。
何かしらの反応を見せるだろうと思ったが、店主はめまいを起こしたようにぐらりと身体を大きく揺らして地面へと倒れ込んだ。
「え!? だ、大丈夫ですか!?」
「う……」
想像していなかったリアクションに秋葉は慌てて店主に駆け寄った。
あんな挑戦的に金魚を指差していたくせに、話をしただけで倒れるなんてありえないだろう。一体何が原因なのか分からず慌てていると、店主の後ろに金魚が三匹ほど固まっていた。
ふよふよと泳いで店主の背にすり寄っている。人間についていく金魚はいるが、だからといって倒れるようなところは見たことが無い。
しかしこの男が金魚に関わる特別な人間だった場合は分からない。その他大勢とは違う何かがあるのかもしれない。
「お前ら! この人に何かしたのか!」
秋葉は思わず店主を抱きかかえ金魚を払うように手を振り回した。
「あっちへ行け! 行けよ!」
いくら振り払っても金魚は店主から離れない。触れないのだから当然だが、それでも放っておくことはできない。
どうしたらいいか分からずにいると、金魚のさらに向こう側から一人の少女が走って来る姿が見えた。少女はぐったりとした店主に駆け寄った。
「かなちゃん! しっかりして!」
少女は巫女の装束だった。年齢はおそらく秋葉とそう変わらないだろうが、この神社の職員だろうか。
かなちゃんというのは店主の愛称だろうか。容姿に合っているような合っていないような、どちらともいえない微妙なネーミングだ。
「だから綿飴屋さんの近くは止めてって言ったのに」
「どこかに運びますか? 救急車の方がいいかな」
「少し休めば大丈夫。かなちゃん回る物が苦手なの」
「回る物?」
「うん。ぐるぐるって」
綿飴屋を見ると、当然だが綿飴を回している。あれが怖いのだろうか。
回転恐怖症とは聞いたことのないものだがそういうこともあるのだろう。何となく気になるが、病人を前に興味本位で追及するのは憚られた。
少女に店主を任せて出直そうと立ち上がったが、その時ぐいっと強く腕を引っ張られた。
「うわっ」
「何を見たんだい」
「え?」
「『お前ら』『あっちに行け』と言ったね。一体何がいるのかな」
「そ、れは」
しまった、と秋葉は目を泳がせた。
金魚どうこうと話をするにしては、少女が不思議そうにじいっと見つめてきていて話せそうにない。
どう誤魔化そうかと焦ると、がさりと後ろの茂みが揺れた。そこにいたのはまだ高校生だろうか、浴衣姿の少年だった。少年は秋葉と店長をきょろきょろと見て困ったように怯えている。見れば一般客が少しずつ入り始めている。
――居合わせたのが不運だったと思ってくれ。
秋葉はこれ幸いと少年を盾にして店主と距離を取った。
「こ、この子が変な動きしてたから襲われたのかと思っちゃって!」
「は!? 俺何もしてないぞ!」
「うん、ごめん。完全に見間違い。お詫びに何かおごるよ」
「あ、ほんと? ラッキー」
「何がいい? 焼きそば? チョコバナナ?」
友達の分も買ってやるよ、と少年の顔色を窺いながらそそくさと立ち去ろうとした。
しかしそれを許さないと言うかのように店主の声が秋葉を突き刺した。
「石動秋葉君」
「……え?」
店主は秋葉のフルネームを呼んだ。秋葉は一度も名乗っていないのに。
初対面だと思っていたがまさか知り合いだっただろうか。いや、こんな派手でインパクトのある男を覚えていないわけがない。
店主は怪しく微笑み、するりと秋葉の頬を撫でた。
「君が来るのを待っていたよ。金魚の少年」
ぞくりと背筋が凍った。
店主の手がさらに伸びてきてきて、秋葉は反射的に振り払った。
「失礼します!」
秋葉は無関係の少年の手を握ってその場を逃げ出した。
そこからは何故か何も考えられなかった。
星が見え始める前にベッドへもぐりこんだが、その夜は金魚になる夢を見なかった。
みれば足元には金魚が泳ぐ水槽。金魚すくいの屋台のようだった。
「君はこの金魚が見えるかい?」
この金魚、と店主が指差したのは水槽ではなかった。
右肩だ。店主は彼の右肩を指差したのだ。
客は冗談だと受け取ったようで、皆面白そうに笑った。だが秋葉にとっては笑える冗談ではなかった。
右肩にいるのだ。金魚が一匹、泳いでいるのだ。
――見えているのか、金魚が。
ぐらぐらと頭が揺れた。揺れている気がする。そう、まるで宙を揺蕩う金魚のように。
つうっと秋葉の頬を一筋の汗が伝った。何か言わなくてはと唇を揺らしたが声が出ない。餌を待つ鯉のように口をはくはくとさせていると、がしっと隆志が肩を組んできた。
「これが名物! このオッサンいつもこれ言ってんだよ」
「オッサンだとぅ!? 僕はまだ三十五だあ!」
「え」
秋葉は二つのことに驚いた。
一つは三十五という年齢だ。どうみても二十代で、大学の敷地内を歩いていても違和感はないだろう。
もう一つは口調だ。この整った容貌から出てくるとは思えないふざけた喋り方で、大きな身振り手振りでみっともなく騒ぐ姿は一人でミュージカルでもやっているかのようだ。
秋葉は呆然と立ち尽くしていると、店主はくすりと微笑みもう一度右肩の少し上を指差した。
「どうだい。君はこの金魚が見えるかい?」
「い、いえ、見えま、せん」
「なあんだ! つまらない! ああつまらない! 実につまらない!」
店主は大きなため息を吐くと、秋葉の額をぴしゃりと叩いた。
「君は金魚をすくう価値が無い! ようし! 出て行け!」
そう言うと、店主は秋葉と隆志を屋台から放り出した。
そしてその後もどんどん客が放り出され、女性客がぐるぐると周回している。
「あの店で金魚すくいやらせてもらえた奴いねーんだと。何で店出してんだって話よ」
「あ、ああ、そうだな」
秋葉は直感的に判断した。
きっと目的は金魚すくいではないのだ。
『君はこの金魚が見えるかい?』
目的は、金魚が見える人間を探すことだ。
*
翌日の祭り二日目、秋葉は再び御縁神社へやって来ていた。
もちろん目当ては名物店主だ。しかし夕方になれば客が押し寄せるだろう。そうなる前に話をしようと、授業をサボって明るいうちに屋台へやって来た。
狙い通り、屋台を開く準備をしている店主にはまだ誰も群がっていない。
秋葉はよし、と気合を入れて店主に声をかけた。
「こんにちは」
「ん? おや? おやおや? 何しに来たんだい、金魚すくえない少年」
「……水槽の外に金魚がいるんですか?」
「その発言こそうちの金魚をすくう価値がない証明だ。帰りたまえ!」
あっはっは、と店主は高笑いをして秋葉の頬をぺちぺちと叩く。
はたから見れば会話がかみ合っておらず、馬鹿にされているように見えるだろう。けれど秋葉には金魚を見ることのできる人間を探している言葉に聞こえた。
そうなら話を聞いてみたいが、秋葉から「空飛ぶ金魚が見えますか」と手の内を明かしてしまったら適当に話を合わされてしまう可能性もある。
――ひっかけてみようか。
頬を叩いてくる手を掴み返し、秋葉は店主を真似てにこりと穏やかそうに微笑んで見せた。
「お祭りだと金魚もたくさん来ますか?」
「……うん?」
ぴたりと店主は頬を叩く手を止めた。
整った眉が少しだけ歪んだのを見逃さず、秋葉はごくりと喉を鳴らした。
「ああいうのに巻き込まれないか気になっちゃいませんか」
秋葉は一足早く店を開けている綿飴屋を指差した。母親に手を引かれた兄弟がきゃっきゃとはしゃいでいる。
綿飴を作る機械の中でぐるぐる、ぐるぐる、と綿飴が回っている。
子供のころ秋葉は綿飴の屋台が苦手だった。この回転に金魚が巻き込まれたらどうなるのだろうと思うと怖かったのだ。同じように金魚を見れるのなら、きっと店主もそうに違いない。
何かしらの反応を見せるだろうと思ったが、店主はめまいを起こしたようにぐらりと身体を大きく揺らして地面へと倒れ込んだ。
「え!? だ、大丈夫ですか!?」
「う……」
想像していなかったリアクションに秋葉は慌てて店主に駆け寄った。
あんな挑戦的に金魚を指差していたくせに、話をしただけで倒れるなんてありえないだろう。一体何が原因なのか分からず慌てていると、店主の後ろに金魚が三匹ほど固まっていた。
ふよふよと泳いで店主の背にすり寄っている。人間についていく金魚はいるが、だからといって倒れるようなところは見たことが無い。
しかしこの男が金魚に関わる特別な人間だった場合は分からない。その他大勢とは違う何かがあるのかもしれない。
「お前ら! この人に何かしたのか!」
秋葉は思わず店主を抱きかかえ金魚を払うように手を振り回した。
「あっちへ行け! 行けよ!」
いくら振り払っても金魚は店主から離れない。触れないのだから当然だが、それでも放っておくことはできない。
どうしたらいいか分からずにいると、金魚のさらに向こう側から一人の少女が走って来る姿が見えた。少女はぐったりとした店主に駆け寄った。
「かなちゃん! しっかりして!」
少女は巫女の装束だった。年齢はおそらく秋葉とそう変わらないだろうが、この神社の職員だろうか。
かなちゃんというのは店主の愛称だろうか。容姿に合っているような合っていないような、どちらともいえない微妙なネーミングだ。
「だから綿飴屋さんの近くは止めてって言ったのに」
「どこかに運びますか? 救急車の方がいいかな」
「少し休めば大丈夫。かなちゃん回る物が苦手なの」
「回る物?」
「うん。ぐるぐるって」
綿飴屋を見ると、当然だが綿飴を回している。あれが怖いのだろうか。
回転恐怖症とは聞いたことのないものだがそういうこともあるのだろう。何となく気になるが、病人を前に興味本位で追及するのは憚られた。
少女に店主を任せて出直そうと立ち上がったが、その時ぐいっと強く腕を引っ張られた。
「うわっ」
「何を見たんだい」
「え?」
「『お前ら』『あっちに行け』と言ったね。一体何がいるのかな」
「そ、れは」
しまった、と秋葉は目を泳がせた。
金魚どうこうと話をするにしては、少女が不思議そうにじいっと見つめてきていて話せそうにない。
どう誤魔化そうかと焦ると、がさりと後ろの茂みが揺れた。そこにいたのはまだ高校生だろうか、浴衣姿の少年だった。少年は秋葉と店長をきょろきょろと見て困ったように怯えている。見れば一般客が少しずつ入り始めている。
――居合わせたのが不運だったと思ってくれ。
秋葉はこれ幸いと少年を盾にして店主と距離を取った。
「こ、この子が変な動きしてたから襲われたのかと思っちゃって!」
「は!? 俺何もしてないぞ!」
「うん、ごめん。完全に見間違い。お詫びに何かおごるよ」
「あ、ほんと? ラッキー」
「何がいい? 焼きそば? チョコバナナ?」
友達の分も買ってやるよ、と少年の顔色を窺いながらそそくさと立ち去ろうとした。
しかしそれを許さないと言うかのように店主の声が秋葉を突き刺した。
「石動秋葉君」
「……え?」
店主は秋葉のフルネームを呼んだ。秋葉は一度も名乗っていないのに。
初対面だと思っていたがまさか知り合いだっただろうか。いや、こんな派手でインパクトのある男を覚えていないわけがない。
店主は怪しく微笑み、するりと秋葉の頬を撫でた。
「君が来るのを待っていたよ。金魚の少年」
ぞくりと背筋が凍った。
店主の手がさらに伸びてきてきて、秋葉は反射的に振り払った。
「失礼します!」
秋葉は無関係の少年の手を握ってその場を逃げ出した。
そこからは何故か何も考えられなかった。
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