金魚屋の徒然なる日常 御縁叶冬の邂逅

大学一年生になった石動秋葉。
秋葉は生まれつき空を飛ぶ金魚が見えていた。
それが原因で幼少期から異端扱いを受け自分を押し殺して生きる秋葉だったが、最近になって身体が金魚になっていく悪夢を見始めた。
日々憔悴していく秋葉だったが、ある日、御縁神社のお祭りで金魚の屋台を出す御縁叶冬と出会う。
女性が群がるほど見目麗しい叶冬だが、ミュージカルのような口調と立ち居振る舞いをする奇天烈な男だった。
そして叶冬は秋葉に言った。

「君が来るのを待っていたよ。金魚の少年」

空飛ぶ金魚を求める初めての人物との出会いに秋葉は高揚する。
叶冬もまた金魚に人生を狂わされた一人だった。
金魚に捕らわれた二人の男が謎を突き止めるブロマンスミステリー。
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