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第八章 リルとの別れ……魔王ガルドとの戦い

第234話 戦略会議②

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「バイオス……」

「そうだ、その男が来てからガルド王が
徐々に変わっていた。今までは暴力は
野蛮でもっと嫌っていた事にも関わらず、
時には力でねじ伏せる事をじさない
そんな行動、発言に変わっていった。
始めのうちは俺や周りのもの達も反対し
宥めていたが、歯止めは徐々にに
聞かなくなり、同時に同調する者まで
現れました。そしてその者達はバイオスと
親しくしていた者、間違いなくこの男が
戦争を促し目的をもって行動していると
俺は考えている。だから
この男と接触したら気をつけてくれ」

「了解だアストロン、でもそれなら
魔王よりそいつを取っ捕まえて聞き
出さした方が良いんじゃないか?」

「あ~そうだな。リルの救出が
最優先だが、それも目的の一つに
入れておくか、場合によってはバイオスを
どうにかすれば魔王と化したガルド王を
相手にしなくてもいいかもしれない。
そうか、なるほどな」
 アストロンはニヤリと悪い顔をする。

「それで確認だけど、明日で
良いんだな!」
「あ~それ程悠長なことはして
いられない。リルの救出作戦は
明日決行する。作戦だが大きく分けて3つ
の部隊に分ける。1つ目は陽動、2つ目が
突撃と妨害、3つ目が救出だ」

アストロンの話をまとめると、

まずは1つ目、
揺動部隊はまずは騒ぎを起こすために
王都ドライグの城壁に派手目の攻撃を
仕掛けてもらう。そうすれば、衛兵が
駆けつける。少しでも多くの兵士を
集め城から戦力を引き剥がして欲しい。
ここでは最も戦闘時間が
長くなる。持久力が長けた者が良い。

2つ目は
妨害部隊は救出部隊と共に城に向かう。
さっきも話したが城の門を守る竜騎士が
いる。こいつを相手にするのが主な
役目になるのだが、3つある門のうち
1つから侵入するが時間が経てば他の門に
いる竜騎士も加戦に来るだろう。3人の
強力な竜人と3匹ドラゴンを相手に
するのはかなり危険なため、ここには
防御と回復に長けた者を行かせるのが
良いとのこと。

そして3つ目
リルの救出をする部隊、現状リルが
どこにいるのか分からない。索敵能力が
ある者が必須、それと魔王ガルドと
対峙した場合は戦闘になる。ここでは
近接戦闘の高い者もしくは回避能力が
高い者が良い。それと優先度は下がるが
この部隊には出来れば合わせ
てバイオスの確保も行って欲しい。

「う~ん……了解だアストロン、あとは
部隊の割り振りだな」

「あ~俺にはお前の仲間の能力が
分からん。その辺の情報を合わせて
決めたい」

 それから俺とアストロンで話し合い
部隊を編成した。

・陽動部隊
 ドラン率いる精霊達、ルビー、
チーちゃん、

・突撃、妨害部隊
 さくらさん、一花(いちか)さん、
レイチェル、チャラさん、陽菜乃(ひなの)

・救出部隊
 俺、アストロン、風太、ジャンヌ

「えー私もリルを救出したーい!」
「うるさい!レイチェルはどうせ魔王が
見てみたいとかそんな事を考えてるん
だろう。むしろ絶対に城に入るなよ!」
「えー蒼字(そうじ)のイジワル~」
 俺の服を引っ張るんじゃありません!
 ワガママは許しませんで~

「ね~ね~ワタシはワタシ?」
「あ……ここにも居たか問題児」
「え~ひど~い!私は勇者だよ!
魔王を倒さないと!正義感だよ!これは……」
「陽菜乃(ひなの)否定されてるの
分かってて言ってるよね!」
「え~でもレイチェルと同じで探究心が
強いから仕方ないじゃん……ねぇ~」
 イエーイとレイチェルと陽菜乃(ひなの)
がハイタッチして、仲が良いアピールを
する。こいつらいつの間にこんなに
仲良くなったんだ?

「そうだった、お前達はそういうやつ
だよな!でも今回はダメ!リルの救出が
最優先だ!魔王は二の次、いいな!」

「「はーい……(˘_˘)」」
 二人共不満顔ではあるが言うことは
聞いてくれそう。

「別に魔王の討伐をしないわけじゃない
からな、そのことは手伝って貰う。
それでいいだろ!」

「はーい!!(≧▽≦)」
 こんどは大喜び、この二人はテンションが
子供なんだよ!まったく……困った奴らだ!

「ね~蒼字(そうじ)くん、本当に私達は
行かなくて良いの?あんまり危ないことは
しないで欲しい、私じゃ頼りないかも
しれないけど、それでも……」

 俺は彼女の言葉を途中止める。
 さくらさんらしい昔からそうだけど
俺のことを心配してくれてるんだな。
いつも申し訳ない。でも
これだけは言っておかないと!

「さくらは変に気にし過ぎだよ。
俺は大丈夫だしさくら達が頼りない
なんて思ってない。だから力を
借りているんだ。俺が危ない時は
助けて欲しいしさくらが危なかったら
絶対に助ける。それはもう俺達は
出来てるよ!だから一緒に頑張ろう!」

 エイエイオーみたいなテンションで
腕を上げオチャラケてみた。これで
さくらが少しでも気楽に行ってくれれば
良いんだけど。

「うん!分かった。私も絶対に
蒼字(そうじ)くんを助けるね!」
 メラメラとやる気の炎が見える。
 あれ?失敗したか……う~んなんとも
言えん。

 とにかく無駄に固くはならないだろう。
 それじゃ~行くか!王都ドライグ
………リル待ってろよ!

 今すぐ助けに行くからな~
 俺達はこうして戦いへと赴くのだ。

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