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第八章 リルとの別れ……魔王ガルドとの戦い
第209話 決着と再会
しおりを挟む「一体何をしたのだ!」
さっきまでの余裕顔はどこに行ったの
やら、コウリョウ師父の顔に動揺が
伺われる。
へっ……やってやったぜ!
面白い顔が見れたよ!ま~
こんなオッサンの顔を
見ても仕方ないけどな。
「ふ~簡単な話だ!あんたの
ユニークスキルを消した」
「な、なんだと!?」
驚愕するコウリョウ師父
「呪詛 神撫手 黒曜線、スキルを
消す術だ!あんたのスキル『王道』を
消させてもらった。おかけであんたの
覇気が消え圧倒的な優位性がなくなった」
「あり得ん、そんな事出来るはずがない!
そんな事が出来るのは神のみ
………まさかお前のスキルに神の名が
あるというのか!」
「は?なにそれ、ま~良いか、
それでどうする。まだやる?それとも降参
してくれてもいいけど」
「フッ…ハッハッハッハ、いや、
まだ認めんぞ私はまだ負けておらん!
これこそが求めていた闘い」
コウリョウ師父は瓦礫をかき分け出て
来た。そしてその目には闘志が漲っている。
あれ?なんでやる気になっているんだ。
「仕方ない、もう少し相手してやるよ。
コウリョウ師父」
「あ~勝負だ!蒼字(そうじ)よ」
コウリョウ師父は流れる様に構える。
俺は墨帯を使って跳躍、
『一筆書き一閃 乱』
連続斬撃が飛んでいく、それを
コウリョウ師父は手刀で弾きながら
俺に向かって跳躍する。
「闘気斬手」
「墨ブレード」
手刀と剣が交差する。
幾度もの衝突の中で、コウリョウ師父の
動きに乱れが、その隙をつき筆で描く。
………『縛』
「ぐぐぐ」
動こうと歯を食いしばり力を
いれるが動く事は出来ない。
「さっきまでのダメージは大きかった
ようだなとどめを刺させてもらう」
『黒帯千手観音 突』
数多の墨帯が絡まるように一点に集中
コウリョウ師父を弾き飛ばした。
コウリョウ師父は地面に落ち
そのまま動かなくなる。
「今回の勝負は俺の勝ちだ!」
しかし俺も限界そのまま力なく
落下して行く。
『念動力』
落下する俺をクッションの様に
柔らかい力が受け止めてくれた。
「お帰り、さくらとは少しは話せた?」
「あ、一花(いちか)さん、ありがとう
助かりました。は~疲れましたよ」
「それでさくらとは話せたの?」
グイグイくるな~
「それって……重要です?」
「重要に決まってるでしょ!
やっと蒼字(そうじ)くんの正体が
さくらに言えるしいつでも会えるでしょ!」
「それは……そうか」
「蒼字(そうじ)ありがとう、
また助けられちゃったね!」
「ん?陽菜乃(ひなの)か、お前は
普通に話しかけるんだな~一応正体は
バレてなかったと思うが?」
「全然ダメダメだよな!モロバレって感じ」
両手を上げ首を横に振り全身を使って
ダメ出しされた。
「マジか!?もしかして俺の一人芝居、
はずっ~」
俺は恥ずかしさのあまり両手で顔を隠す。
「蒼字(そうじ)くん、なんで
ここにいるの?」
首を動かして横を見ると、口に手を当て
目を潤ませるさくらが立っていた。
「よ~お疲れ!さくらは大丈夫か?」
さくらの表情が変わりムッとしている。
「蒼字(そうじ)くん、人の心配も
良いけど、自分の心配もしなさい!
私達よりも余っ程大怪我してるでしょ」
げっ、怒られた!
でも懐かしいかも、昔も良く怒られたな~
「蒼字(そうじ)くん、聞いてるのかな~」
さくらの目つきがコエ~これはマジで
怒ってるやつだ!
そういう時は、
「ごめんごめん、今度は気をつけるよ」
「もう~そんなこと言って絶対に言うこと
聞かないんだから~」
さくらは両手を腰に当て表情を緩ます。
いつもこんな感じで許してくれる。
「さてと話はこのくらいにして、
まだ戦いは終わってないみたいだ」
「あいつ等、まだやるつもりなわけ」
陽菜乃(ひなの)が見た先には
コウリョウ師父を取り囲むように
四醒獣がこちらを睨んでいる。
「あいつ等~さっき倒したんだから
諦めれば良いのに~」
一花(いちか)さんは顔をしかめ
フヨフヨと浮き、両手を前に出し
戦闘態勢を取る。
さくらも陽菜乃(ひなの)も戦おうと
動くが先程までの戦いのダメージが
残っているのか上手く身体が動かせて
いない。
これは俺も動かないとマズいか!
しかし身体が言う事を効かない。
そもそもさっきも無理やり動かして
いたんだ当たり前か、仕方ない、
もう一度操影術を使うしか……
「待って下さい蒼字(そうじ)」
「アルヴィア姫、それにミネルヴァ姫まで…」
二人の後ろにはアルバート団長と
兵士達が居た。
「あとは私達に任せてください。
蒼字(そうじ)は休んで下さい」
ミネルヴァ姫が優しく微笑む。
「アルバート団長あの者たちを
掃討しなさい」
「はぁ!お任せ下さい」
アルヴィア姫の命令を受け
アルバート団長が
四醒獣に向かって前に進む。
「賊共よ!覚悟せよ我が剣の前に
平伏すが良い!」
アルバート団長が鞘から剣を
引き抜こうとした瞬間、
「ドコーン」光の柱が立ち上り地面が炸裂、
その光の中に人影が……
「誰だ!ご主人様に酷い事をしたのわ!」
光が消え現れたのはジャンヌ・クルス、
その表情は怒りの形相をしており
一瞬周りのものは一歩引いた。
「あ!ジャンヌお疲れ良いところに
戻ってきた。戻ってそうそう悪いけど
あの四人を止めてくれるか」
俺は疲れている様で弱々しい声しか
出なくなっていた。
しかしそれがジャンヌの怒りの炎に
油を注ぐ事になってしまった。
ジャンヌは一瞬悲痛な顔に変わり
すぐに激怒する。
「貴様ら~全員に地獄の苦しみを与えよう」
ジャンヌはそのまま四醒獣に突っ込み、
一振りで地面が砕け四人は吹き飛んだ!
元聖女が地獄とか言っていいのだろうか?
そんな事を考えながら戦いを見守って
いたけどマジで地獄絵図を見ることに
なりそうだったのでジャンヌを止めた。
怒ったジャンヌはマジでこえ~
説得するのが大変だったがなんとか
この場の戦いは収めることが出来たので、
俺は一度寝ることにする。
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