書道が『神級』に昇格!?女神の失敗で異世界転移して竜皇女と商売してたら勇者!聖女!魔王!「次々と現れるので対応してたら世界を救ってました」

銀塊 メウ

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第八章 リルとの別れ……魔王ガルドとの戦い

第198話 リルの心は複雑

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◆リルの視点

「あなたは私が求めていた女性です」

 私はリドさんが何を言ってるのか
意味が分かりませんでした。
褒めてくれているのは分かるけど、
なんでそんなに真剣な顔をしているのか。

「リドさん、ありがとう。褒めて
くれてるんですね。別に落ち込んで
いるわけでも劣等感に苛まれている
わけでもないんですよ!だから心配
しないで下さい」

 私は笑顔で答える。
 
 だって私はそんな事に少しも思って
いないのだからむしろここに居る
みんなと一緒に商売が出来てとっても
嬉しく思ってるんだから!

 リドさんは数秒何も喋らず、
「良し」と小さな声をもらす。

 リドさんは私の手を取り膝をつき
私を見上げる。

「リル……僕と結婚してほしい」

 ケッコン………ん?は?へ?
 私の中で知っている言葉のはずなのに
理解が出来ない。
 
 今…リドさんは私を見つめている。
きっと私の反応を待っている?
でも何を言えば良いんだろう。

「すいません、唐突な事に驚かれたと
思われます。これ以上私の想いを抑えては
おけなくなりました。私はあなたの事を
前から好ましく思っておりました。
結婚と言うのは今の私の想いの強さを
あなたに伝える為に言いました。
そのくらい私はリルさんの事が好き
なのです。しかしリルさんとしては
あまりにも突然で驚かれと思います。
考えて頂きたい私と結婚を前提に
お付き合いをお願いしたい」

 リドさんが更に具体的に話をして
くれたので、意味は頭に入ってきた
のだが、何故こうなったのかが分からない。
更に言うとなんと答えていいのかも
分からない。

 私は沈黙してしまう。

 リドさんは私に笑顔を向ける。

「困らせてしまいましたね!すぐに答えを
求めるつもりではありません。リルさん
色よい返事を待っております」

 リドさんはみんなに挨拶をして
パーティーを出て行った。

 私は未だに頭が混乱していると、
チーちゃんが近づいてきた。

「はぁ~リルちゃんスゴイよ!
告白されたのキャーしかも
サドラー商会の次期社長にだよ!キャー」

 チーちゃんがキャーキャーと
テンションが高い。
私なんて「へ、はぁ、うん」みたいな
返事しか出来ないのに。

 今度はレイチェルさんが来た。
「やっぱり男っておっぱいが大きい方が
好きなんだね。レビィも大きかった
もんな~今度おっぱいが大きくなる
薬でも作ろうかな~」

 レイチェルさんは私の胸を見て
ブツブツ言っている。
………おっぱいを大きくする薬……売れそう!

 次にルビーさんが来た。
 無表情のまま手に紙を渡された。
渡された紙を見ると
料理のレシピがたくさん書いてある。

「あいつ、暑苦しいから来なくて
良いから渡しておいて」

 ルビー的にはリドさんに
付きまとわれるのが嫌だったみ
たい。先手を打ってレシピを
用意したみたい。

 次に…蒼字(そうじ)さんが来た。
……何を言われるんだろう。

「リル大変なことになったな。
なんて言って良いのか、
俺から言えることは少ないけど」
 蒼字(そうじ)さんは私の為に
必死で考えてくれている。

「うん…私も頭の中にがごちゃごちゃだよ!
蒼字(そうじ)さんは、
どうしたら良いと思います」

 私は冷静ではいられていないのは
自分でも分かっている。いつも頼って
ばかりなのはいけないと思っているけど、
今回の事は経験がなさ過ぎてどうにも
ならない。お願い助けて!

「う~ん俺から言えることは好きなら
付き合えば良いと思うぞ!」

「へぇ!?」
 蒼字(そうじ)さんの言葉に
私は衝撃を受ける。

「打算的な事を言っちまうとリドさん
この国の大商人の息子、いずれは
サドラー商会を継ぐ人だろ、その人と
結婚出来れば国一番の大商人に
一気に近づける。もちろん俺だって
こんなやり方好きじゃないけどさ…でも……」

 蒼字(そうじ)さんが色々と
言っているけど、最初の
言葉から一切頭に入ってこない。
蒼字(そうじ)さんは止めてくれないの?
私がリドさんと付き合うって言って
なんとも思わないの?私は蒼字(そうじ)
さんの言葉を聞き流し、そのまま自分の
部屋に逃げ込んだ。

◆蒼字(そうじ)の視点

 リルが大商人の息子リドさんを
連れてきた。話に聞いていたけど、
イケメンでかなりの地位を持っているのに
そんな雰囲気を出さず気さくにも話が
出来る。すごく良い人そうだ。俺よりも
ちょい年上になるけど是非とも
お友達になりたい人だ。

 はぁー!?リドさんがリルに結婚を
申し込んでいる。あまりにも突然の事に、
リルもそうだがみんなが呆然と話を
聞いている。
 リドさんって見かけによらず
情熱的な人なの!それとも無計画の
考えなしか!リドさんは自分の想いを
告げると返事に関してはすぐでなくて
良いと言って出て行った。ま~さすがに
爆弾発言過ぎてここには居られない
だろう。とは言ってもこっちもこっち、
リルは混乱状態、パーティーは
ここでお開きだな。

 みんなさっきの事について、
思い思いの事をリルと話をしている。
半分以上は関係ない話だが、ここは
俺も行っとくか、アドバイスできる事が
あるとは思えないけど、話くらいは
聞いてやれるはずだ。

 俺はリルに話をしに行く。

「う~ん俺から言えることは好きなら
付き合えば良いと思うぞ!」

 これは俺の考え方、本人が良ければ
それに従えば良い。それはもちろん
自分なりに良く考えたうえで決断は
するべきとは思うが、周りがとやかく
無責任な言葉で止めたり押したりする
べきではないと思う。だからリルが
リドさんが好きだと思っているなら
付き合えば良いのだ!
 しかしどうにもリルの反応が
良くない。俺が話をしているのに
ずっと上の空、しまいには部屋に戻って
しまった。もしや俺……マズった事を
言ってしまったか!
もしかして俺こそ無責任な事を言って
………俺はその後うんうんと悩んでいると
チーちゃんにアホですかと
初めて罵倒されショックでしばらく
硬直した。

 クソ~明日もう一度リルに話を
して挽回するぞ!

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