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第七章 師弟の絆
第159話 お帰りなさい!………あんた誰だ!
しおりを挟む「おーーやっと帰ってきた~」
俺達はミネルヴァ姫の呪いを
解き王都ラダマンテュスに
帰還、なんやかんやで3ヶ月過ぎていた。
「そう長く居たわけじゃないのに
実家に帰るような懐かしさを感じる。
リル達元気にしてるかな~」
俺は懐かしき我が家に着き門をくぐる。
「クロスチョップ」
入った途端高揚のない声で
クロスチョップを首目掛けて仕掛ける
アホが迎えてくれた。ならば応えよう。
「カウンターじゃボケ~」
右ストレートを顔面に喰らわす。
そいつは止まりこう言った。
なかなか出来るようになったな~と。
「ルビーバカやってないで、飯頼めるか?
腹減っちゃって」
「分かった……それにしてもずいぶん
レベル上がった」
ルビーは俺の腕をモミモミ、やめろ!
お前はアホでも
見た目はカワイイんだから。
しばらく触って満足してのか、
ルビーはさっさと家に
戻って行った。
「相変わらずあいつの行動は分からん」
俺ははぁーと息を吐き家に向かう。
玄関のドアを開こうとノブを
掴もうとすると、中から
タッタッタと足音が聞こえた。
……誰か出てくる?
俺は少しドアから離れるとバッと開き、
誰かが飛びついて来た。
俺は受け止めようとしたが、
あまりの勢いに止められず
押し倒させる。
「あたた、すごいパワー」
「蒼字(そうじ)さんお帰りなさい!」
その声はリル、しかしおかしい。
今リルの頭が俺の顔の横辺りにあり
この感触……ムニムニと柔らかく動き
同時に押しつけられる強めの重圧。
「あんた誰だ!」
俺は肩に手を置き押し上げると
すごい美人さんが
目の前に、誰?っと思い考える。
「どうしたんです?蒼字(そうじ)さん?」
その美人さんはリルと同じ声で
よく見るとリルによく
似ている。もしかしてお姉さん?
俺の頭の中にクエッションマークで
いっぱい。
「お困りのようだね~蒼字(そうじ)」
「あ!レイチェルただいま~」
「うん、おかえり~」
レイチェルは笑顔で迎えてくれた。
「あ~蒼字(そうじ)さん私にも
ただいまが欲しいですー」
俺に跨る謎の女性が俺の肩を
掴み揺らしながら謎の要求。
うーんそんなに揺らすとお胸様も
揺れますぞ!眼福です。
「あー蒼字(そうじ)さんお帰りなさい」
「チーちゃんただいま~」
相変わらず可愛らしい。ヨシヨシ撫で
たくなる。
「ん?チーちゃん、しばらく見ない間に
大きくなったね」
女の子はこのくらいの歳に一気に
成長する。身長が結構伸びてるよ~
「えへへ、ありがとう!でもリルちゃんの
方がすごいんだよ!ね~リルちゃん」
「えへへ~そんな事ないよ」
俺に跨り照れる美少女
「え!!!リ、リ、リル~?
成長し過ぎだろ~」
俺は驚きのあまり大声でツッコミを
いれる。だって見た目は俺と大して
変わらない歳にしか見えない。
特に胸の成長が著しい。バインバインの
ボインボインってアホか~
「え?本当にリルなのか?」
「ん?そうだよ。こんなに長く帰って
来ないなんて聞いてなかったですよ!
……淋しかったんですよ!」
またぎゅっと抱きしめられる。
「お、おう~」
ア、アカン、いつものリルと違う!
ん~どう対応しよう。
ヨシヨシ撫でて良いのかな~
取り敢えず……撫でてみた!
「えへへ~ありがとう~」
くっ……美人で幼さのある笑顔
……抜群の威力だせ!
「ね~ね~良い匂いがしてきたし、
ご飯が出来るよ早くはいろ~よ!」
レイチェルは相変わらずご飯に目がない。
リルも俺からどいてくれた。
いきなりの事に動揺してしまい懐かしむ
暇がなかった。よし!気を取り直して
ご飯を食べよう。
……………▽
「うま~い」ルビーの飯は美味い、
本当にその辺の高級レストランに負けない。
「うまうまうま~い」
レイチェルは相変わらずモリモリ
元気に食べている。
「美味しいです」
あのちっちゃかったチーちゃんが
大きくなった。成長期なんだろう。
それにしてもなんでここに居るんだ?
遊びに来たのかな?
「蒼字(そうじ)さんこれも美味しいですよ!」
「ありがとう……アハハ」
成長期……だよな。スタイルが良すぎ、
一気に大人の女性になってしまった。
「な~リル……そのなんだ、
大きくなったな~」
「そうなんですよ。いきなり成長して
前まで着ていた服が
一つも着れなくなっちゃいました」
「なんでそんな急に……」
「分からないです」首を傾げるリル。
「オッホン、私が答えよ~リルの成長に
大きく起因したのは急激なレベルアップ
だと推測する。竜人族や獣人によく
見られる症状だよ!」
「あ~なるほど以前ダンジョンに
潜った時三十以上レベルを
上昇させたっけ、それが肉体にも
影響があった……納得だ!」
「フッフッフ~それだけじゃないんだ
よ~ん!あれから私達はさらに
ダンジョンでレベルアップを遂げたのだ~」
「あ~レイチェルさんそれは言わない
約束ですよ~」
「あ!?いっけね!」
慌てるリルに軽く反省するレイチェル、
なんだと!
「どういう事だ!リル」
「え~っと怒らないで下さい!
その新しい商品を作るのに
どうしても必要な部材があるから
行きたいとレイチェルさん
が言いまして……」
「あ~リルそれだと私が悪いみたいで
怒られるじゃん、元々はリルが蒼字
(そうじ)がいない間に頑張ってびっくり
させようって言ったから色々考えたんだよ!」
「ごめんなさい。そんなつもりで
言ったわけではないん
です。あ~どうしましょう……」
「いや、俺に振ってどうすんの!」
なんかあれだな。リルは身体が急激に
成長したけど中身は大して変わってない。
考えてみればそれほど時が経った
訳じゃない。
「んー別に怒ってないけど、二人共気を
つけろよ!ダンジョンじゃ~何が起こるか
分かんないんだから、前みたいにいきなり
地面が砕けて落ちたなんて洒落に
ならないんだからな~」
俺からあまり強く言っても仕方がない。
ただやっぱり心配だから今後は絶対に
着いていこう。
「トントン」
肩を叩かれたので振り向くと……
「うっ……おい!ルビーずいぶんと
古臭い事をやってくれるじゃないか」
振り向いた先には指が置かれていた。
オレの頬にグサッと刺さったよ!
「三人!」
「へ?三人、何のことだ?」
「ルビーにも手伝ってもらった!
つまり私、リル、ルビーの
三人でダンジョンに行っただよ!」
「あ~そういう事、それならそうと
言えよ!いちいち突くな!」
「私も心配しろ!」
「そこに不満なのね!」
実際ははっきりとは分からが多分
ルビーは相当強い!
俺が心配しなくても大丈夫な気がするけど。
「分かった!ルビーは怪我とか
無かったか?」
「大丈夫!骨が折れても超速再生で
五秒で治る」
「ハハハ、そっかそりゃ~良かった」
今の話でどの辺に心配する必要性が
あるんだ!
その後、久し振りの我が家で和気あいあいと
食事を楽しめた。
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