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第六章 ミネルヴァ姫の呪いと邪神召喚

第150話 蒼字 VS アルバート団長①

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 昨日はキャンベルさんの事で色々と
考えることが多かった。話を聞いた以上
一体俺に何が出来るかを考えないと
言えない。そう思っていたらなかなか
寝つくことが出来ず寝不足になってしまった。

「はぁぁぁ~もう少しゆっくりしたいわ~」
 ミネルヴァ姫と繋がっている糸は
相変わらずまだまだ伸びている。
このままだとまた別の国に行くことに
なるんじゃないか?

 俺が心の中でボヤいていると、ちょうど
いいタイミングでサリーさんが説明して
くれた。この先に進むと超巨大国家
エルフが作った国アルフヘイムがある。
ここに行くことになった場合かなり
面倒らしい、ヒト族はエルフからかなり
嫌われているらしい。入れなくはないが
厳しい審査とあまり良くない歓迎を
受けるかもしれないとのこと。

「ただし、その前にノーティス荒原が
広がっている。まずはそこを通ることに
なるが、ま~余程のことがなければ
大丈夫じゃろう~なにせなにもないの
だから」
 サリーさんの話だと草木一本生えて
いない何も無い場所らしい。ただおかしな
事も言っていた。毎年必ずここで
行方不明者が出る。何もなく盗賊に
襲われた形跡もないにも関わらずだ。
これに関しては奇妙としか言えない。

「そこが目的地だと良いけど何も
無いなら、そこじゃないんですかね~
そうするとエルフか……」
 
 ん~なんかワクワクするな~
エルフとかやっぱりファンダジー、
異世界と言えばって感じだから是非とも
見てみたい。やっぱり美人さんが
多いのかな~

 俺の中で楽しみが一つ増えた。

 今日の移動をおえて寝床の準備を
していると意外な人物が訪れた。

「少し話をしたい。すまないが
来てくれるかな」

「あ!はい良いですけど、アルバート
団長が俺になんの用ですか?」
 正直昨日寝不足だったから早く
寝たかったけど、アルバート団長に声を
かけられたら断るわけにはいかないよな~

 俺はアルバート団長に連れられて、
なぜかみんなからかなり離れた位置に
連れて行かれた。


「えっと……何がありましたか
アルバート団長、こんな所
まで来て、何か秘密の話を俺に……」
 なんて言ってみたものも俺に話す
秘密の話……そんな重要な話がある
訳が無い。

「あ~実は君にとても重要な話が
あって来てもらった」
 な!なんだと一体俺に何を教えて
くれるんだ!
これは真面目に聞かねば。

「キャンベルくんについてだ!」
 
 俺の中で一気にやる気が失せ嫌な
予感がして来た。

「君はキャンベルくんを
どうするつもりなのかね」

 なんだこの質問、彼女のお父さんに
問い詰められている
感じの威圧の仕方な気がする。

「えっとてすね。昨日キャンベルさん
から正式にパーティーに入れてほしいと
話がありまして、それを了承しました。
ですので、その~仲間としてやって
いこうかと……」

「それはなぜかね!キャンベルくんは
なぜ君のパーティーに入りたいのかね!」
 凄い詰め寄ってくるけどメンドクセ~、
何が聞きたいんだなんて答えればいい。
変な答えだと怒られそうだし~
あ~もうこっちはさっさと寝たいのに~

「はぁ~アルバート団長もご存知かとは
思いますが、キャンベルさんはアビスを
追っています。それで私達に
協力して欲しいと言われました!」

「む!それなら国王軍の方が
最適ではないか!」

「いや……知りませんけど、国王軍だと
情報は集まりやすいかもしれないですけど、
腰が重いというか、その動き出しが
色々なわだかまりで遅いと思ったんで
じゃないです」

「確かにその様なことは軍ではある。
しかし相手は組織だ!一パーティーで
対処出来るものではない」

「それは分かっています!もちろん
キャンベルさんもだから俺達だけで
動くわけじゃなくってギルドや国王軍に
もお願いすることもあると思います。
だから心配しないで下さい」
 
 俺はさり気なく話を終わらせ
帰ろうとした時、

「君に決闘を申し込む!」

 はぁ!?なぜに~
 俺は驚き勢いよく振り向く。

「えっ!?えっ!?どう言う事ですか
アルバート団長?」
 
「君にキャンベルくんを任せられるか
それを見極めたい!
私との決闘を受けて貰おう」

 なんだと……面倒くさい展開に
なってきたぞ。

「アルバート団長、わざわざ決闘を
しなくても良いのでは?それに
キャンベルさんはとても強いですし
そこまで心配しなくてもいいかと……」

「ダメだ!私にはキャンベルくんに
ついてしっかりと確認する義務がある!」

 ダメだ!はお前だ~この人きっと
自分勝手だ!偉い人とかよくあり
そうだけど、自分の意見を絶対に
通さないと納得出来ないんだ~
……えーこれってやらないと
ダメなヤツだよね~

「はぁ~分かりましたけど軽くてすよ!
俺達には大事な任務があるんですから」

「うむ!もちろんだ!分かっている!」
 うむじゃね~本当に分かって
いるんだろうな。

 アルバート団長は剣を引き抜き構える。
それに合わせて俺も懐から筆を出し
墨ブレードにする。


「では尋常に勝負!」
 距離は確かにあった。だけど距離が
ある事を思わせない斬撃が俺の横の地面に
深々と刻まれた。

「これで……軽くなら結構ヤバいわ!」
 俺は一段警戒心を上げ挑むことにした。
 
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