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第六章 ミネルヴァ姫の呪いと邪神召喚
第129話 ボロスの逆襲
しおりを挟むボロス、獣の国リビアの王族の
長男として生まれた。誰もが祝福し
求められたボルスは大切に育てられた。
獣人は戦闘において高い能力を
有する種族、その為もちろんボルスも
幼い頃から厳しい修行を課せられた。
ボルスが7歳の頃に訓練が始まった。
三日目の指導、先生が血だるまに
され倒された。その後も新しい
指導者を呼ぶが長くは保たなかった。
その強さが認められ一人冒険者ギルドに
登録し依頼をこなす。15歳になる頃には
ボルスは異例の早さでS級冒険者となった。
そして事件が起きる。ボルスは父である
国王に王の座を自分に譲るように進言した。
それを王は受け入れず、激怒した王は
ボルスを牢屋に入れ閉じ込めた。
それから数時間後、ボルスは脱走し
国王を殺した。殺した理由はお前は
俺より弱いならば退かねばならない。
力こそ正義それを体現したような男で
あったボルス、しかし多勢に無勢、
国王軍に取り押さえられたボルスは
国王殺害の重罪で処刑されたはずたった。
…………▽
「良いか!ボロスは恐らく俺達を
恨んでいる。そして恐ろしく強い!
行けばただではすまないんだ!」
「関係ない!私は父を母をそして
国民を守る王族なのだ
誰が何と言おうと行く!」
「ダーたまには言う事聞けよ!」
ボルボは嘆くように叫ぶ。
「ボルボ、急いだ方が良さそうだ。
リリカも連れて行こう」
「蒼字(そうじ)そうはいかない。
俺は王にリリカを
守るよう命を受けているんだ!」
「ん~分かった。俺は先に町に
行くから後で来い!」
蒼字(そうじ)はあっさり説得を諦め、
風太とジャンヌにこの場所を任せて
行ってしまった。
「お!?おい待て!置いて行くな
俺も行く」
「あ!私も行くからな!誰も
止めるな~」
蒼字の後をボルボとリリカが
ついて行くのだ。
……………………▽
蒼字(そうじ)達はリビアの
正門を通り、そのまま城へと向かう。
向かう途中には誰一人居らず、
所々壁に大量の血飛沫が飛んでいる。
間違いなくここで惨劇が起きたことが
伺える。
「蒼字(そうじ)!?前にデカい犬が
いるぞ!」
リリカの声に反応して見ると
どデカい犬がいる。こいつがやったのは
間違いないな。口に大量の血がついた姿を
見て判断する。
『我龍転生(がりゅうてんせい)
………黒曜点(こくようてん)」
蒼字(そうじ)は龍を象った黒い鎧を
着た騎士に変わり、黒いオーラを
纏い突撃、まるで黒い流星の如く
オルトロス(犬)を貫いた。
「黙ってさっさと消えな犬コロ」
オルトロスは朽ちて大きな魔石を
残して消えた。
「何だよそれはメチャクチャツエ~
じゃないか!?」
「何それ私にも教えなさいよ!」
二人がギャギャと煩い、今はそれ
どころじゃないだろう。
「ん?……二人共まだいるみたいだ
気を抜くなよ!」
家の高さより高いサイクロプスが三体、
「こいつはデカいな!一体何処から
湧いて出やがった!」
「斬り刻みがいがありそうね」
ボルボとリリカは闘気を高め
戦闘態勢を取る。
「今時間がねぇーって言ってる
だろうが!」
蒼字(そうし)の叫びも虚しく、
三体の巨人は容赦なく襲いかかってくる。
家を壊しながら来る姿は怪獣を相手に
するような迫力………だが!お前は
すでに克服済みだ!「一文字 一閃」3連!
三体の巨人は首をなくし轟音を出し倒れた。
「だいぶ馴染んてきたな!」
蒼字(そうじ)はLv100になり、
自分のステータスを知ったことで、
今までとは遥かに強い力を得ていることを
認識した。それにより戦いを余裕を
持って行い。また敢えて我龍転生
(がりゅうてんせい)を使っているのは
想像以上に急成長している自分力を
コントロール出来ない恐れがあるため
慣らしを行っていた。
「さてと二人共急ぐぞ~」
ボルボはその時、もうお前だけで
良いんじゃないのと思い、リリカは
思い詰めるように何かを考えていた。
「ずいぶんと面白そうな事をして
いるではないか」
声をする方に向くと大男の獣人が
立っていた。
「オマエーー!!」
リリカの怒りの絶叫がこだました。
大男の獣人が片腕で背負っているのは
片腕と片脚を失ったボルボフ国王、
生きているのかすら疑わしい程の
重傷を追っていた。
リリカは怒りに身を任せ突進
したと思った………意識的には
気がついた時には地に伏せ倒れていた。
「ガアーー」
リリカの腕が踏み潰される。
「オマエ、ボルフの娘か?
ちょっと似てるな~」
ボルボは大男は後に回り込み
大男を殴りが、「くっー」びくともしない。
「お前は……ボルボフだな!力だけの大振り、
教えてやったものだその体に、軸が
ぶれんように殴れとな!」
「ガハァ」ボルボの腹に衝撃が走る。
「倒れるのは早いぞ!戦いは
これからだからな」
ボルボに手を伸ばす。
「な~あんた、それは良いが今度は
俺とやろうぜ!」
ボルスの腕を掴み動きを止めた。
「そうだな!こんな雑魚を相手に
してもつまらんしな!
お前は楽しませてくれるのだろうな」
「ん?お前が楽しめる余裕があればな!」
蒼字(そうじ)はボルスに筆をあてる。
『縛筆直書き』
「ぬ!?……身体が動かんだと」
蒼字は動かなくなったボルスを
横目にボルボ達を墨帯で離れた
家の壁際に座らせる。
「二人共大丈夫か?」
「俺は大丈夫だ!リリカの怪我を
手当てしてやってくれ」
ボルボは腹の痛みに耐えながら
リリカの腕を見る。リリカの腕は
完全に潰れて骨がむき出しになっていた。
「ワタシはいい…お父さまを……助けて……」
自分の腕の痛みを耐えながら
涙を流し懇願するリリカ
「二人共、うん!とても良いと思うよ!
自分より他の人を心配する。素晴しい!
こう言う人達の為なら頑張れるね」
蒼字(そうじ)は筆を一振り、
二人の怪我を治す。
「お!痛みが無くなった」
「え!?……ウソ、腕が治ってる。
え!?え!?治ってる!治ってる!」
身軽なリリカは飛び跳ねて喜び、
そのまま蒼字(そうじ)に抱きつく。
「蒼字(そうじ)お父さまを……」
リリカは蒼字(そうじ)を引っ張り
国王のもとに連れて行く。
「お父さま………」
リリカが声をかけると僅かに反応し、
まぶたが少しずつ開いていく。
「お~リリカ……すまない、私が不甲斐
ないばかりにこのような事に……うっうっ」
国王は身体を震わし涙が流れる。
痛みではなく、国の惨状をそして
家族の事を想い涙が止まらないのだ。
「お父さま、謝る必要などありません!
お父さまが必死に戦ったのは見れば
分かります。蒼字(そうじ)お父さまを
治して、おねがいだ!」
「俺からも頼む!」ボルボは頭を下げた。
「もちろん治すから安心してよ!
『治癒の朱墨(しゅずみ)』」
国王の怪我がみるみる治り腕と脚まで
もが復元されていく、その姿を見て
リリカは涙を流し喜び、ボルボはアゴが
外れるほど驚いた。
「お父さま!!」
リリカは国王に抱きつき、国王は
優しく抱き締めリリカの頭を撫でている。
「君は一体何者だね、さっきの怪我を
治すなど超級魔法でも無理なはずだが……」
国王は身体の確認をしながら
蒼字(そうじ)を見る。
「ま~ま~そんな事良いじゃない
ですか、それよりあっちをなんとか
しないと」
蒼字(そうじ)の目線の先には
動かなくなったボルスが
黒いオーラを纏い動き始めていた。
「おのれ!キサマやってくれたな!」
闇人と化したボルスが怒りの形相で
こちらに歩いて来る。
「あんた、強さに自信があり過ぎて
脇が甘いんだよ!今度は真面目に
やってくれよ!」
ボロスのオーラがさらに大きく広がる。
「キサマは捻り潰して殺す!」
「出来るならお好きにどうぞ」
蒼字(そうじ)は不敵に笑う。
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