113 / 260
第六章 ミネルヴァ姫の呪いと邪神召喚
第106話 サリーさんの呪いを殺す旅!
しおりを挟む「大丈夫ですか!サリーさん」
蒼字(そうじ)は慌ててサリーさんに
駆け寄ると、大丈夫だから席に戻れと
一蹴された。そんな理不尽な!
「はぁー今日は厄日かい、何度驚か
されるのやら、心臓が保たないよ!
悪いが説明してくれるかい」
「それはちょっと……俺の口からは
話せないですよサリーさん」
「それはそうかい、たださっきも
言ったが私は全部している。
ソフィの事もネヴィア王妃の事もね」
サリーさんから重々しい雰囲気を感じる。
「そうですか……ちなみにギルマスも
ご存知なのですか?」
「うん、知ってるよ!私もミネルヴァ姫
の先代にあたる王族の呪いを診た事が
あるからね!私じゃどうにもならなくって
お手上げだったよ!この中で知らないのは
キャンベルくんだけだよ!」
「そうですか」
蒼字(そうじ)は頷き、
キャンベルさんを見る。
「私は外しますね!」
キャンベルさんは席を
立ち上がりドアに向かうと、
「キャンベル、良いわ!
一緒に聞いて頂戴」
「お姉様!それは良くないのでは」
アルヴィア姫は慌てて止めようとする。
「良いのよアルヴィア、だって私の呪いは
解けるんだから内緒にしてても
意味ないわ!」
ミネルヴァ姫はニコニコと笑顔。
「………うん、そうですわね。
お姉様の呪いは必ず解きます。ですから、
聞かれても問題ありませんわね!」
アルヴィア姫も笑顔で応えた。
「キャンベルさん許可が出たみたい
なんで座って下さい。説明しますんで」
蒼字(そうじ)は一口お茶を飲んで、
呪いを封印した方法と今後の方針に
ついて説明した。
「そうかい、まさかそんな事が
出来たとは、蒼字(そうじ)あんたは
すごいよ!私にはあれに立ち向かう
勇気はないよ」
いつもと違いずいぶんと弱々しく
サリーさんが小さく見えた。
「サリーさんも呪いに関わって
いたんですか……」
「私の話もしないといけないかね」
一度目を瞑り過去を思い出す。
そして心を落ち着けてから語り始めた。
サリーさんは高名な魔術師に
連なる家系の一族で、特にサリーさんの
母親は一族の中でも随一と言われていた。
ある日、王からの命を受け、サリーさんの
母親は城に出向いた。そしてソフィの
呪いを知る。当時は王妃様が呪いを
受けていたのだか何としても外に
出たかった。王妃はサリーさんの母親に
懇願し解呪を試みる事となった。しかし、
それは失敗に終わる。直接呪いに触れた
サリーさんの母親は魔物化し兵士達に
よって処理された。サリーさんはその時
かなりの腕前があり解呪の補佐を
していた。つまり母親が殺された瞬間に
立ち会っている。サリーさんの話では
王妃達に恨みはないと言っているが
話をしている表情からすれば思う
ところはあるのだろう。
「魔術師は呪いを相手にする事が
多々ある職業だがあれほど強い呪いは
見たことがないよ、母が幾重にも
構築して作った術でも軽く蹴散らされ
たからね」
サリーさんは過去の話をしだして
からぷるぷると腕が震えている。
大丈夫かな!
「あんたはそれをやって退けた!」
「え!?いや、また!封印だけですけどね」
「十分さね!希望とやる気が湧いてきたよ」
サリーさんの目が
ギラギラしている。こえ~
「まさかこの歳になってこんな気分に
なるとはフッフッフ、その旅、
私も参加させて貰うよ!」
「それってソフィの呪いを
探す旅にですか?」
「いや、違うね。呪いを殺す旅によ!
私は大して役にはたてないだろうが、
そいつに一言文句を言ってやらないと
気がすまないよ!いいね!」
正直面倒くさそうなのでついて
来ないで!と言いたいところだかさっきの
話を聞いたあとではそんな事も
言えず何より断る方が面倒くさい。
蒼字(そうじ)姫様達の了承を得て
サリーさんの同行を許可した。
「それでは話は終わりましたし
そろそろ行きますか」
「お待ち下さい蒼字(そうじ)
もう少し宜しくて!」
「アルヴィア姫どうしました?
まだ何か確認したい事でも」
「はい、キャンベルとお話を
したいですわ!」
えー!?アルヴィア姫も!?
笑顔でお願いされる。
しかし、人とは不思議なものだ!
1日でここまで変わるものなのか、
アルヴィア姫の固い雰囲気が大分
薄れている。城に帰ったら元に戻ろの
だろうが、こんな笑顔を見せられたら
断れないよ~
「ま~もう少しくらいは良いですかね。
アルヴィア姫もキャンベルさんと
お知り合いですよね~副団長ですもん!」
ルビー頑張れ!遅くなりますゴメンナサイと
心の中で謝罪しつつ話にまざる。
「キャンベルが出て行く時は必死に
止めた時を思い出すわ」
「その説は大変ご迷惑をお掛けしました」
「良いの!理由は分かっているから、
でもそろそろ戻ってきても宜しいのでは?」
「いえ!?そういう訳には……」
たじろぐキャンベル、その目線の先
にはギルマス
「あの~アルヴィア姫、
今キャンベルくんを引き抜かれますと
ギルドが大変な事になるので
勘弁願えないでしょうか~」
「確かにキャンベルのような人材が
居ると団体の気が引き締まりますものね!
抜けてしまうと一気に緩んでしまうかも、
でもキャンベルにばかり頼っては
いけません!そろそろあえてギルドの為に
手放すのも……」
「上手い事を言われます。しかしそうは
いきませんよ!キャンベルくんは
私のものです!いくら姫様でも
渡しませんよ!」
激しい視線の衝突!睨み合う
二人の矛先は!
「キャンベルどう思われます!!」
「キャンベルくん分かるよね!!」
二人の大物から受けるプレッシャーに
キャンベルさんは一歩二歩と後ろに下がる。
「お二人共落ち着いて下さい。
あとギルマス!ワタシのは完全否定します
ので、アルヴィア姫申し訳ありませんが
私は国王軍に戻るつもりはありません!
まだやるべき事がありますので!」
「………そうですか、それはとても
残念ですわ。では今度友人として
招待しますので来て下さい」
「姫様!?それは恐れ多いといいますか」
「断るのは駄目ですわ!それは了承
して頂きますわ!」
「アルヴィア、私も一緒に良いかしら?」
「お姉様、もちろんですわ!
あ~楽しみです!」
楽しそうにしている姫様に対し、
キャンベルさんは胃が痛そうに手を
お腹に当てる。ご愁傷さまです!
その思い?視線に気がついたのか
キャンベルさんは蒼字(そうじ)を
鋭い視線で返し、少しだけ口角を上げる。
「はい、私も楽しみです!その際は是非
とも蒼字(そうじ)様も、お呼び下さい」
「えぇーー何でですか!
関係ないですよね!自分?」
「い~え、蒼字(そうじ)様と
姫様達との関係をお聞きしたいですし、
それに一時とはいえ同じパーティを
組んだ仲ではありませんか!私も一人では
緊張してしまいます。一緒に来て
頂けますよね?」
いつものキリッとした顔ではないが
笑顔の裏にいつもと同じ威圧感がある。
行くしかない……ガクッ
その後、二人の姫様達に捕まった
キャンベルさんはいつになくあたふた
しつつ会話を楽しんでいた。
蒼字(そうじ)は早く帰りたかったの
だがなかなか言い出せず、終わるまで
待つしかないと諦めてしまった。
しかし、もし早く帰れていればこの後の
トラブルは起きなかったかもしれないと
言う事を今の蒼字(そうじ)が
知る由もない。
「ルビー待ってろよ!もうずく帰るからな!」
20
お気に入りに追加
218
あなたにおすすめの小説
元英雄 これからは命大事にでいきます
銀塊 メウ
ファンタジー
異世界グリーンプラネットでの
魔王との激しい死闘を
終え元の世界に帰還した英雄 八雲
多くの死闘で疲弊したことで、
これからは『命大事に』を心に決め、
落ち着いた生活をしようと思う。
こちらの世界にも妖魔と言う
化物が現れなんだかんだで
戦う羽目に………寿命を削り闘う八雲、
とうとう寿命が一桁にどうするのよ〜
八雲は寿命を伸ばすために再び
異世界へ戻る。そして、そこでは
新たな闘いが始まっていた。
八雲は運命の時の流れに翻弄され
苦悩しながらも魔王を超えた
存在と対峙する。
この話は心優しき青年が、神からのギフト
『ライフ』を使ってお助けする話です。
巻き込まれた凡人にはスキルの恩恵は無し!? 完結済み
貝人
ファンタジー
彼は極々普通の高校生だった。
素敵な幼なじみもいない。
イケメンでもない。
隠れた力も無い。
クラスに異星人や異能力を持った人もいない。
極度の忍者ヲタクである以外は。
普通過ぎる彼が願石を拾う事で、彼の人生は一変する。
彼は巻き込まれて異世界に送られる。
駄女神降臨!
異世界流脳筋忍者集団は話が通じない!
「誰か僕の話を聞いてくれー!」
駄目勇者
ポンコツ勇者
引きこもり勇者
「勇者って・・・碌な奴がいない。」
「頼むから勇者達!魔王討伐してくれー!」
一つの村は神によって異世界流忍者集団へと染め上げられた!
「「「「忍者!忍者!忍者!忍者!忍者!」」」」
「「「「駄女神滅殺!駄女神鏖殺!駄女神死すべし!」」」」
「「「「断罪!断罪!断罪!断罪!断罪!」」」」
「「「「不敬!不敬!不敬!不敬!不敬!」」」」
神をも恐れぬ異世界忍者集団!
「ハッハッハッハッハッハッ」
笑って全てを語らない村人!
異世界に現れる、黒いヒーロー!
『忍びライダー!見参!』
厨二病溢れる、異世界ファンタジー?
ファンタジー何それ美味しいの?
ーーーーーーーーーーーー
iPhoneで執筆しています。
楽しんで貰えたら嬉しいです。
ーーーーーーーーーーーー
この舞台は一旦閉幕です。次の舞台は神紋が紡ぐ物語へ
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※毎週、月、水、金曜日更新
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
※追放要素、ざまあ要素は第二章からです。
~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。
破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。
小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。
本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。
お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。
その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。
次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。
本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる