95 / 260
第五章 黒尽くめの正体、そしてアルヴィア姫の判断
第89話 画竜点睛
しおりを挟む「いつかは来るかと思ってはいたけど、
レベル100超えじゃないか……」
蒼字(そうじ)は強敵を前に身体が
ビクついて動けない……と言う事はなく、
さくらや陽菜乃(ひなの)、ジャンヌに
キャンベルさん、みんなに怪我をさせた
ことに対して腹がたって仕方なく、
暴走しそうな身体を必死に抑えていた。
それに無闇に突っ込めば殺される。
蒼字(そうじ)が前に出ようと動くと
一瞬で距離を縮め接近リルと同じ竜人族の
特別な力『竜装』腕の表面に強固な
ウロコをつけ攻守共に使える力で
殴りかかる。
直撃はヤバい!!『墨払い』
ネウロの拳を筆から出した黒い魔力で
受け流し態勢を崩したところに拳を
ねじ込んだ。
「い!?かてぇー」
殴った自分の方の手が痛い!?
「あんた硬すぎだよ!どうなってるんだ」
「フン、俺の竜装は金剛石の如く硬い、
お前の攻撃など効かんぞ!」
「な!?」…………『墨払い』
また、一瞬でネウロは接近、
再び受け流しを行おうとするが、
「同じ手が通じると思うか!」
ネウロは右腕の拳を受け流しを
受けながら回転、その勢いを遠心力に
変えて左腕が俺の左側頭部を狙う。
さっき以上の力、無防備て受ければ
頭が吹き飛ぶ、
『風陣』風太が駆けつけ拳の
軌道を変える。
俺と風太は再び距離を取り、
「油断するな!こいつは一瞬で距離を
縮める術があるようだ!止まらず
動き続けろ!」
俺は風太の助言を受け、
すぐに走り出す。
ネウロの動きは加速度的速さが
上がるが、一定の距離で動きが落ちている。
つまり一定の距離を離れていれば
一瞬で詰められることはない。
距離を取りつつ、攻撃に移る。
『点撃 散らし墨』
黒き弾丸がショットガンの如く、
ネウロに炸裂するが、何事も無かった
ように突撃、俺はさらなる攻撃に移る。
『一筆書き一閃 乱』
連続の斬撃を飛ばす、さすがの
ネウロも今回は腕に魔力を集中させ、
より強く硬質化し受け止めた。
俺は止まった瞬間を見て更に距離を離す。
「どうするつもりだ、離れていては
埒があかないのではないのか?」
風太が並走しながら聞いてくる。、
「それは分かってが、あいつ隙が
無さ過ぎだ!無闇に突っ込んで
馬鹿力でぶん殴られたら一発アウト!
作戦を考える時間が欲しい」
「それは良いが、逃げる時間を稼ぐのも
キツイ相手だわかってるな!」
「あ~分かっているよ!」
考えろ!………相手の方が数段高い
身体能力のうえに戦い慣れている。
正攻法で勝つのは難しい。
相手の動きをよく見ろ!隙を見つけるん
じゃない隙を作る攻撃をするんだ!
それから様々な遠距離から攻撃を仕掛るが
まさに鉄壁、尽く攻撃を防がれる。
「だー全然思いつカーン!大体こいつ
なんなんだよ!こんなけ攻撃してるんだ
から少しは怯め!」
「ボヤいている場合か、躱し続けるのが
難しいと……ワーン」
風太がネウロの拳の衝撃波で
飛ばされた。
「風太~……良くもやったな~
これでも喰らえ~」
火札を投げ、5つの火球が飛んでいく。
「バンバンバンバンバン」高速の拳が
振られ、まったく効かず、接近を
許してしまう!
ネウロの拳が俺を捉える。
「エヘッ」俺はニヤリと笑う。
俺の背中から墨帯が伸び、
『縛筆』
「ム!」ネウロの身体を束縛し
動きを封じる。
「油断したな!隙がないからワザと
こっちで隙を作って油断させたんだよ!」
『一文字 一閃直書き』
俺が筆を振り上げた瞬間、
「ブチ」………「?」
目の前には、腰を落として渾身の一撃を
放とうとしているネウロが居た。
「イヤイヤイヤ、待った!」
俺は腕を交差させガード態勢を取るが、
受ければ死にはしないが骨が砕けるのは
避けられない。
「させません!」
「ご主人様に手を出させない!」
二人の美人が間に入ってを
助けてくれた。
斬撃を受け、後方に後退するネウロ。
ネウロは鋭い目つきになる。
「また貴様らか無駄だ!もう分かって
いるだろう!確かに貴様らは強いが、
闇人となった俺には及ばん」
ネウロから黒いオーラが放たれ、
角の色が黒くなる。
「これで、俺の身体能力はさっきの倍だ!」
俺達はネウロに攻撃を仕掛る。
ジャンヌ、キャンベルさんの鋭い剣撃と
隙を狙った俺の術で激しい戦いが
繰り広げられた。
「クッ」
「カハァ」
「アー!」
俺達の攻撃を尽く防ぎ、
ネウロの攻撃を受け吹き飛ばされなから
もなんとか耐え着地する。
「まったくしつこい奴らだ!」
膝をつき立ち上がろうとしている俺達に
さらなる追撃をするネウロ
身体から溢れる黒いオーラが熱を持ち、
右腕に黒いオーラが集中していく。
「爆ぜよ!黒天爆竜衝(こくてんばくりゅうしょう)」
拳から放たれた黒い球体が前方
100メートルに衝撃波を放ち、
俺達を弾き飛ばした。
轟音と共に弾かれた俺達は瓦礫と共に
落下、かなりのダメージを負った。
「ガハッ……つえー、か、勝てない」
俺は圧倒的な強さに挫けそうになる。
しかし、倒れている。ジャンヌや
キャンベルさん達を見ていると、
は~諦める訳にも行かない。
そう思い踏ん張って立ち上がった。
「ん!………もう諦めろ!お前では話に
ならない!力がある事は認めよう。
しかしお前と私では戦士としての経験値が
違う!勝てる見込みはほぼ0だと思え」
「はぁ!関係ないね!勝てないから諦める。
やなこった。俺は仲間を守れる人間に
なりたいんでね。
今、この場で諦める選択肢はない」
「そうか……良い事だ!
だが!お前に勝たせるつもりはない。
せめて戦士として葬ってやろう」
ネウロから凄まじいオーラが放たれる。
「俺はお前に一つだけ確実に勝っている
ものがある!だから、俺はそこに勝機を
見いだす」
俺は筆片手に魔力を高める。
『マジックブースト』…………『画竜………』
筆を高らかと上げ魔力を放出、それは
黒き龍となりうねり上がって行く。
龍の大きさは時間と共にさらに
大きく強力になっていく。
「なるほど、それがお前の奥の手か!
確かに受ければただではすまないだろう。
当たればだかな!」
「それなら当たるまで攻撃し続ける
だけだーー」
俺は筆を大きく振った。
龍はうねりながらネウロを向って突進、
凄まじい破壊力に地面が爆ぜる。
龍を前にネウロは横に飛び躱す。
それを追うように龍は曲り追撃、
ネウロは縮地を使うことで瞬間的に
加速移動、連続で回避する。
「いつまでもついてきおって邪魔だ!」
「爆ぜよ!黒天爆竜衝(こくてんばくりゅうしょう)」
凄まじい衝撃波が龍を包み吹き飛ばす。
その中を龍は貫き泳いでいく。
ネウロは驚きながらも縮地で移動し
距離を離すが、どこまでも追いかけてきた。
ネウロは攻撃を仕掛けられずにいたが、
焦ってはいなかった。こちらも躱すことが
十分出来ると判断したからだ。しかし
その考えは甘かったと後に思う。
蒼字(そうじ)は声を漏らす
「ここまでが………限界だ!」
……………『画竜点睛(がりゅうてんせい)』
俺は新たなステージに辿り着いた!
11
お気に入りに追加
218
あなたにおすすめの小説
元英雄 これからは命大事にでいきます
銀塊 メウ
ファンタジー
異世界グリーンプラネットでの
魔王との激しい死闘を
終え元の世界に帰還した英雄 八雲
多くの死闘で疲弊したことで、
これからは『命大事に』を心に決め、
落ち着いた生活をしようと思う。
こちらの世界にも妖魔と言う
化物が現れなんだかんだで
戦う羽目に………寿命を削り闘う八雲、
とうとう寿命が一桁にどうするのよ〜
八雲は寿命を伸ばすために再び
異世界へ戻る。そして、そこでは
新たな闘いが始まっていた。
八雲は運命の時の流れに翻弄され
苦悩しながらも魔王を超えた
存在と対峙する。
この話は心優しき青年が、神からのギフト
『ライフ』を使ってお助けする話です。
巻き込まれた凡人にはスキルの恩恵は無し!? 完結済み
貝人
ファンタジー
彼は極々普通の高校生だった。
素敵な幼なじみもいない。
イケメンでもない。
隠れた力も無い。
クラスに異星人や異能力を持った人もいない。
極度の忍者ヲタクである以外は。
普通過ぎる彼が願石を拾う事で、彼の人生は一変する。
彼は巻き込まれて異世界に送られる。
駄女神降臨!
異世界流脳筋忍者集団は話が通じない!
「誰か僕の話を聞いてくれー!」
駄目勇者
ポンコツ勇者
引きこもり勇者
「勇者って・・・碌な奴がいない。」
「頼むから勇者達!魔王討伐してくれー!」
一つの村は神によって異世界流忍者集団へと染め上げられた!
「「「「忍者!忍者!忍者!忍者!忍者!」」」」
「「「「駄女神滅殺!駄女神鏖殺!駄女神死すべし!」」」」
「「「「断罪!断罪!断罪!断罪!断罪!」」」」
「「「「不敬!不敬!不敬!不敬!不敬!」」」」
神をも恐れぬ異世界忍者集団!
「ハッハッハッハッハッハッ」
笑って全てを語らない村人!
異世界に現れる、黒いヒーロー!
『忍びライダー!見参!』
厨二病溢れる、異世界ファンタジー?
ファンタジー何それ美味しいの?
ーーーーーーーーーーーー
iPhoneで執筆しています。
楽しんで貰えたら嬉しいです。
ーーーーーーーーーーーー
この舞台は一旦閉幕です。次の舞台は神紋が紡ぐ物語へ
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※毎週、月、水、金曜日更新
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
※追放要素、ざまあ要素は第二章からです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる