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第二章 カオス!?姫と勇者とキャリーちゃん
第40話 盗まれた伝説の剣キャリーちゃん
しおりを挟む「あんたこれはどういう事だい!」
ややご立腹なサリーさん
「えっとですね……」何から話せば……
「大体あんたに任せたのは貸した本を
取りに行ってもらっただけだよ!どうして
こうなるかね~」
「え?…………あ~そうだ俺お使いを頼まれ
てたんだ!アハハ、忘れていました!」
「あ・ん・た・ね~………」
サリーさんが握りこぶしをぷるぷる
させている。
おっとこれはまずい雰囲気かもしれない。
そんな事を考えていると、村人の女性達が
一斉に膝をつき土下座をする。
「サリー様突然のお願い大変申し訳ありま
せん。私達はお金も行く宛もありません。
どうか私達に仕事を頂けないでしょうか!
お願いします」
「…………は~あんた面倒事を持ってきた
みたいだね」
「アハハハ、すいません」
ため息をついたサリーさんにギロッと
睨まれ笑って誤魔化す俺
「あんた達立ちな!仕事はいくらでも
ある。やる気があるならいくらでも与えて
やるから死ぬ気で働きな!いいね!」
「「「はい」」」
村人達から気合の入ったいい返事が
帰ってきた。
……………▽
「本当に何から何までお世話になって
しまい。なんとお礼を言ってよいか」
サリーさんのはからいで明日にも
仕事を用意してくれることになり当面の
目標……仕事を見つけることができた。
「気にしないで下さい。そんな大したこと
はしてないんで、俺は出来ることを
しただけてすよ!」
「そんな事はありません。私達を助けて
頂いたうえにドラゴンの報酬まで頂く
なんて………この恩はかならずお返し
致します」
「そうですか………」
「はい、もしよければ夜のお相手も
しますよ!」
「えーーー」
「ふふふ、冗談です」
「ひどいですよ~」
「ふふっ、いつでも呼んで下さいね!」
ニコッと笑い一礼して帰っていった。
オレってからかいやすいのかな………
俺はそんな事を考えながら歩いていると、
いつの間にか目の前に人が立っていた。
「兄ちゃん良いもの持ってるね~」
その人は通り過ぎる瞬間ボソッと喋った。
「へ⁉」振り返るとそこには誰も居ない。
不思議に思ったが考え事をしていたので
見間違えたと思い帰宅する。
……………▽
「ただいま!」
「お帰りなさい!」
家に着くとリルが出迎えてくれた。
「サリーおばあちゃんの依頼は
終わった………の?」
「どうしたリル、そんなに不思議そうな
顔して」
「あ!お帰り~蒼字(そうじ)その背中の
イカしてるね!」
レイチェルの言っている意味が分からず
背中を触る。
「は?」おかしい……背中にはキャリー
ちゃんがいるはずなのだが手から伝わって
くるのはゴワゴワする感触
「……………モップだ!…………床とか掃除する
モップだ!清掃………モップだーーーーー
ってなんでやねん!!」
俺はモップを叩きつける……がそれより!
「キャリーちゃんはどこだ!」
どっかで落っことしたか!急いで来た
道を戻るが……
「な~い!」
一体どこにいったんだ…………そう言えば
さっきの男アイツが怪しい!
「やるか!」………『リアルマップ 転記』
……「ダメか!………もしやとは思ったけど」
条件を満たしていない。
つまりアイツの姿を俺はちゃんと
見れていないからだ!
先日の村人を探すことが出来ないのと
同じ、俺はそいつを知らない。
どうもこの力を使うにはいくつか条件が
あるようだ!
「風太いけるか?」
「クンクン…………無理だな!こいつ途中で
匂いが変わっている。何者だ?」
「そうか風大でも追えないのか……」
困ったぞ、追う方法が無くなった。
それにアイツ何者だ只者じゃない…あ!
もしかしてサクさんが言っていた
盗賊ミン!確かこの辺に潜伏してるって
言ってたし、なるほどそいつかもしれ
ない。
「じゃ~諦めるか?」
「風太……そうは行かないよ!キャリー
ちゃんを探そう」
「ま~そうだな!」
俺と風太は周辺を探し回るがなんの
手がかりも見つけることも出来ず帰宅、
みんなに相談することに。
「そいつを見つければ良いんだよね!
さっきのモップを持ってきてよ!」
レイチェルが何かを思いついたみたい
なので、すぐにさっきのモップを持って
くる。
「レイチェルこれで良いか?」
「うん、これだ!これならいける」
なにか機械を取り出しモップに当てる
とそのまま出ていったので俺達もついて
行った。
「ここは………雑貨屋だなレイチェル」
「そうここの匂いが一番強いつまり
犯人はここで買った‼」
「おう!………そうだな多分、で犯人は?」
「ここには居ないようだ。それならー
次だ!」
「レイチェル、ここは?」
「犯人の匂いが強い次の場所だよ!」
「そうなのか……ここは俺が襲われた
場所だな……」
「よ~し次だ!次こそーー」
「あれ?早かったんですね見つかったん
ですか?」
チーちゃんが居る……つまり家に
帰ってきた。
「ごめんよ~蒼字(そうじ)~
ボク無能で~」
レイチェルは膝をつき絶望している。
いや、そこまでのことじゃないから
落ち着こうか!
「匂いで追うのは無理だ!俺でも無理
なんだからな」
風太からのアドバイスあざーす!
「蒼字(そうじ)さんサクさんに話を
聞いたほうが良いんじゃないですか?
なにか分かるかもしれないですし」
「は~そうだな。行ってみるか」
協力願いされてて逆に被害にあって
るってなんか行くの恥ずかしいん
だけど。
サクさんが居る衛兵の詰所に向う。
俺、リル、レイチェル
「お!蒼字くんどうしたの突然」
「え~……っと実はですね」
「…………そうか蒼字くんもやられたか、
確かにあの剣か立派だったから
狙われたんだな!」
そうだよね伝説の剣だもん当然か……
あとでキャリーにしばかれるだ
ろうな~
「そうかこれで6件目か……」
「やっぱり被害者は他にも?」
「まあな!こっちも見廻りはしているん
だが、被害者の話からそれぞれ犯人の
姿が全然違う。男、女、大人、子供、
時には老人…ここまで違うと警戒の
しようがない。正直お手上げだよ!」
「サクさん~こないだの気合はどこに
いったんですか?」
「いや……諦めたわけじゃないぞ!ゴホン」
動揺するサクさん
う~ん困ったぞ!他にいい方法がない。
「蒼字(そうじ)さんキャリーちゃんを
探すことは出来ないですか?」
リルの一言はいつも心に響くぜ!
俺はアホか!なんで気が付かなかった
んだ。キャリーちゃんなら検索できる
可能性が十分にあるぞ!
「待ってろよ~キャリーちゃん!」
………………▽
ここは王都より少し離れた廃墟
「ここにキャリーちゃんが居るみたい」
『リアルマップ 転記』に見事にヒット
………現在捜索中
「ね!ね!あそこに立てかけてるの
キャリーちゃんじゃない」
「あ!本当ですよ蒼字(そうじ)さん」
レイチェルとリルが見ている先に
輝かしく光を放つ剣が、間違いなく
キャリーちゃんだ!
それにしてもオーラをかなり放ってる
けど、やっぱ怒ってるよな?
「よ~し持って帰るか」
「蒼字(そうじ)さん待って下さい」
俺は立ち上がりキャリーちゃんの方に
行くとリルに止められた。
「待ってたら来るんじゃないですか?
盗賊ミンが!」
「そうだよ!蒼字(そうじ)せっかく
だから捕まえちゃおうよ!」
そうだな!ここで捕まえれば今後の
被害をくい止めることが出来る。
ミンを捕まえてやるぜ!
俺達はドアから離れている瓦礫の
隅に隠れる。
「えへへ、なんか楽しいね!かくれんぼ
みたいで!」
レイチェルは緊張感がない。
「レイチェル油断するなよ~」
軽く注意をしておく。
「アハハ、ごめんごめん昔を思い出して、
あの時は楽しかったな~クレスとレビィは
いつもずるいんだよ!|クレスは闘気を
わざと放ってさビクッとした気配を感知
して探すし、レビィなんか魔法で植物を
操ってツタをそこら中に伸ばして巻き
付けて探すんだよ!ボクはいつも木に
ぐるぐる巻にされて大変なんだから」
流石レイチェルの友達、なかなか
ハードな遊びをしている。そんな話を
して待っていると、外から人が入って
くる音が、俺達は気配を殺して隠れる。
中に入ってきたのは身長の高い髭を
生やした老人の男
あいつがミン……俺が見た男じゃない。
情報通り姿を変えることが出来るのか!
男は椅子に座りため息をつく、
コップに手をかけ口につけるといつの
間にかその姿を変えていた。
「おい、嘘だろ………」
ミンの姿は少女に変わっていた。
歳はリルと同じくらいで目つきは鋭く
黄色の髪を後に縛り腰の辺りまで
伸ばしている。
「どうします………捕まえますか?」
リルは少し腰をあげ飛び出す
準備をする。
「う~ん、いやちょっと待って少し
考えさせて………」
俺がリルを止めていると突然ドアが
開いた。
「おい、どうだ調子は?」
長身でガタイの良い獣人の男が入って
きた。
「兄ちゃんは無事なんだろうな!」
「クッ大丈夫だよ!お前がしっかりと
働いてれば何もしない。とは言っても
暇だろうからあいつにも働いてもらって
るけどな!」
「兄ちゃんに手出したら殺すぞー」
「はいはい、随分と反抗的だな!
可愛がりたくなるだろ!」
獣人の男は少女に手をあげようと拳を
向けるが直前で止める。
「ふん~お前を怪我させても得はねえか、
いいか兄ちゃんを無事に返して欲しければ
しっかりと働けよ」
獣人の男は盗品を持って外へ出て
行った。
「…………くそ~兄ちゃん兄ちゃん」
少女は机に顔を伏せて嘆いている。
「なんだ、脅されてるのか?」
少女はバッと顔を上げ俺から
距離を取る。
「誰だ!テメェー」
「誰だはないだろ、まだ一日くらい
しか経ってないぞ。俺の剣盗んでおいて」
「おまえ、盗んだ物を取り返しに………」
「もちろんキャリーちゃん救出もだけど
盗賊ミン、君を捕まえにも来たんだよ!」
「ハッ、お前なんかに捕まるかよ!」
一瞬消えたかと思うほどの速さで
ドアへと走りノブに手をかけ開けようと
するが、
「アァ~なんだコレ、固くて動かないぞ!
うーんうーん」
ノブを必死に下げてドアを開こうと
している。
『縛筆』
ノブから黒の帯が現れ少女の手を縛る。
「な!?なんだコレ、離せ離せーー」
ジタバタ暴れる少女
取り敢えず…………盗賊ミン確保だな!
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