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第一章 異世界暮らし
第24話 出会いは突然に!
しおりを挟む「うぉーーーーーーうま~い」
涙を流しながら叫ぶレイチェル。
リルと俺でご飯を作ってレイチェルに
食べさせた。どうやら一年振りの暖かいご飯に
感動しているようだ。
「うまいうまいうまい」
かき込むよう様にご飯を食べ、うまいが
止まらない。
「レイチェル、ちゃんと噛んでご飯は食べた
方が良いよ」
「いや~ついつい効率を考えてご飯をないが
しろにしていたようだ面目ない。しかし
ご飯とはここまで美味しくなるものとは驚きだ!
これは研究する価値があるかも知れない」
「はいはい、それは良かったね。これからは
ちゃんとご飯を食べるんだよ!レイチェル」
「うん!こんな美味しいご飯ならいくらでも
食べれるよ!」
俺達は腹いっぱいご飯を食べ終わると
眠くなりそのまま寝てしまった。
…………………▽
「ファーー良く寝た!」
俺は目が覚めると朝になっていた。
ここで疑問に思うかもしれないがダンジョンは
意外と明るい、光っているという程ではないが
壁から光が出ている。特にこの20階層は
天井から太陽の如く光が注ぐのでとても明るい。
「蒼字(そうじ)さん起きましたか?
朝ご飯できてますよ!早くしないと冷め
ちゃいます~」
リルがお玉を持って呼びに来てくた。
何この子!ひと昔前の新婚さんみたいな
のりで来て、メッチャ可愛んだけど!
リルの可愛さに惚れ惚れする。
それに引き換え…………
俺の隣にはレイチェルがいつの間にか
寝ている。
俺も思春期の少年だよ!欲情して襲うかも
しれないよ!
横で「ぐうぐう」といびきをかいている
ボサボサ頭を見て、俺はそっと布団をかけた。
「あの~ついでに起こしてほしんですけど………」
リルがまだそこに居た。
…………▽
「おーーーーーう~ま~い~ぞ~」
今日も朝から騒がしい!
「蒼字(そうじ)さん私達これからどう
しましょう………」
「そうだな~……オーバンさん達が心配してる
だろうし早いところ上がった方が良いかもな!」
「でもどうします。私達だけで上層に登れま
すか?…………………蒼字(そうじ)さんがいれば
大丈夫な気もしますけど」
「リル、そんなには簡単じゃないぞ!
さっきみたいなのがウヨウヨ居るとは思わ
ないけどかなりの数の魔物と戦って相当体力を
削られそうだ。万全な状態なら負けないと思う
けど、疲れればきっと隙ができる。そうすれば
どうなるか分からない」
俺も魔物との戦いではないが場数は踏んでいる。
経験値が言っている。危険だと!
「でも、例のマップを使えば戦う事をかなり
避けられるような気がするんですけど!」
「……………そだね~」
さすがリルさんあったま良い~その手が
あったよ!自分の術なのになんで思いつかな
いんだよ俺………
「そうだな、それで行こうか」
「蒼字(そうじ)達、上層に行きたいの?
比較的楽に行く方法あるけど、教えようか?」
「マジ?そんな移動手段あるの、さすが
レイチェル教えてくれ、頼む!』
「良いよ!でもちょっと待ってね!
せっかく行くなら準備していきたいから」
「もちろん、待ってるよ」
ラッキーさすが長くここに居るだけのこと
はある。これでなんとかなりそうだ!あんな
ギリギリの戦いしたくないもんな~
…………………▽
それから1時間後、レイチェルの準備が出来た
ので出発した。
この階層には一切魔物がいないので、
森林浴でもしてるみたいで気持ちがいいね~
う~ん
背伸びをしてると、目の前に大きな大きな
タヌキ型ロボットとすれ違った。自然の中に
不純物が!
「レイチェル、今のなに?」
「あれ!あれは魔力拡散装置だよ!
今は魔力溜まりを検知して拡散しにいって
るんだよ」
「へーすげぇ!ロボットって異世界にある
んだ意外」
「蒼字(そうじ)さんあれは普通じゃあり
ません!なんですかあれ!初めて見ました!」
リルも驚いて見ている。どうやら普通じゃな
いらしい。
「な~レイチェルききた……」
レイチェルに肩を捕まれ揺らされる。
「ねねねねねね………ね~、今、異世界って
聞こえたけど、もしかして蒼字(そうじ)って
勇者なの?」
「ハッハッハ、その話ね!それ言われると
(駄)が付く女神を思い出してムカムカするわ」
「蒼字(そうじ)さん落ち着きましょうか、
拳がプルプルしてますよ!」
つい腹パンを思い出してしまった。
「レイチェルご期待には添えないぞ、俺は
どうやら勇者じゃないらしいからな!」
「でも異世界人なんだろう!私からすれば
勇者とかどうでも良いんだよ!異世界について
教えてよ!」
テンションMAXで詰め寄るレイチェル
この後、色々と聞かれる事になるのだがあまり
にも終わりがなかったので、無理やり止めた。
「いや~異世界は素晴らしい、まだまだ見ぬ
ものがありそして可能性は無限大だ!」
「落ち着けレイチェル、次はどっちに行くんだ?」
なかなか先に進めん!
「何かありますよ?」
しばらく歩くと、リルが何かを見つけた。
そこには神殿のように立派な建物があった。
「ここは下層に続く入口だよ!」
「あのさ~レイチェル、俺達上層に行きた
いんだけど……」
「あ~大丈夫、大丈夫、ここから上層にも
行けるから」
「そうなんだ~それにしてもまだ下層がある
のかよ!15階層なんて大嘘だったな!」
「それは私達が流したデマだから、
実際は50階層まではあったよ!」
「50!そんなに深いところまで……
…レイチェルはもしかして行ったことあるのか?」
「うん、あるよ!2年くらい前にね!」
「そこが最下層なのか?」
「分かんない、そこには大きな金の扉が
あって鍵がかかっていたから入れなかった。
それに……私にはわかんなかったけど、二人に
絶対に開けたらダメだって念押しされてるからね!
開けられないんだよね~中がメッチャ気になる
けど!」
「そうなんだ~レイチェルならそんなの気に
しないで開けそうだけど………」
「蒼字(そうじ)は私の事何だと思ってるのさ~
とは言え、本当は開けてみたいんだけど
あの二人に嫌われるのは嫌なんだよ~」
レイチェルにとってその二人は絶対の
親友なんだなと俺は思った。
俺とリルが建物の方に歩いていくと
「ちょっと待って」と止められ、少し離れた
場所に移動した。そこには綺麗な花畑と墓石が
あった。
「レイチェルここって?」
レイチェルは墓石の前に立ち一輪の花と
水が入ったコップを置いた。
「う~ん実は私も良くわかってないんだよね~
多分かなり昔ここに来た冒険者のお墓かな?
クレスとレビィには大切にしてほしいから
たまに来て掃除とかしてほしいとか拝んで
行ってくれって頼まれてやってる」
俺達もレイチェルを手伝い最後に手を合わせて
行こうかと思ったんだけど………どうしよっかな~
こちらをじっと見る男がいる。
ま~死んでるんだけどね!
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