22 / 277
第一章 異世界暮らし
第22話 再びイレギュラー登場
しおりを挟む『オーガ』
身長3メートル前後の魔物、人型で角が生えて
おり巨躯に比例して膂力も体力も高く、真正面
からではBランク冒険者でも太刀打ちできない
強さを持っている。
さっきまで見てきた。オーガよりだいぶ黒い
けど別種のオーガなのか?
「ウォーーすごいね~カッコいい~」
「うぁー」びっくりした~いつの間にか
レイチェルが隣に居た。
「レイチェルさんあれなんですか?」
「さ~分かんないけど!イレギュラーだよ!
ここ最近19階層の魔物の数が減っていたのと
冒険者がいないのに木とか岩にギズが異常に
多かった。
魔物同士ではあまり戦闘になることがない
からおかしいと思っていたけど、どうやら
面白い事が起きている。うむ、興味深い」
「そんな事は言ってる場合ですか!あいつ次々と
他の魔物を襲って食べてますけど」
「そこだよ!そこ、予想通りあの魔物は他の
魔物を食べて力をつけているんだね!素晴らしい
魔物をつまり餌を集めれば呼び寄せることが
出来ると思ったのだが大成功だよ!うんうん!」
おい、お前のせいかよ……どうするんだよ
なんか凄く禍々しいオーラみたいなものを
感じる。メッチャ強そうなんだけど……
「レイチェル聞きたいんだけど、あれなんとか
出来るんだよね?」
レイチェルは少し考えかわいい顔で笑った。
「無理だよ!」
「なんでやねん!」
ついビシッとツッコミを入れてしまった。
「だって私冒険者じゃないよ!科学者とか
発明家だよ!無理に決まってるじゃん!」
「後先のことも考えようよ!危ないでしょ」
レイチェルは人差し指を立て
「チッチッチ~良いかね!思ったら即行動
失敗も成功の素だよ!これが新しい事を発見
する。最大のコツなのさ~勉強になったかい!」
「はい、分かりました。レイチェルさんが
クレイジーで関わらない方がいい人だと」
「え~そんな事言わないでよ!久しぶりに
人と話せて嬉しんだよ!わたし……可愛くない」
なんか可愛い子振ってるけど無理だから
わざとらしいから……
「蒼字(そうじ)さん、黒いオーガ食べ終わって
こっちを見てますよ!」
こっちを警戒しているから動かないけど、
俺達も狙われてるのは間違いないな。
「う~ん」
おっとレイチェルが何か考えているぞ
なにか良い方法があるのか?
「レイチェルなんか思いついた?」
「うん、ブラックオーガだと安直だよね!
カオスオーガそれともダークオーガが良いかな?
どう思う蒼字(そうじ)?」
「分かりました。もう少し考えていて下さい」
ダメだ!レイチェルは頼れない。自分で
何とかしよう。
俺が前に出るとリルが手を前に出し止めた。
黒いオーガの方を見ると近くで状況を伺って
いた魔物が一斉に逃走を始める。
その姿を見た黒いオーガは地面に手をつくと
魔力を通し地面から黒い影のようなものを出し
すべての魔物達を串刺した。
「あれ~なんですか」
リルの声が震えている。
「分からないが強敵ではありそうだな!」
『ステータス 転記』まずは情報収集だ!
……………………………………………………………
『シャドウ オーガ』 Lv:45
種族:オーガ
年齢:1
称号:上位種
職業∶特になし
加護∶特になし
魔法:特になし
HP:51500/51500(+0)
MP∶2000/2000(+0)
気力∶2500/2500(+0)
魔力:1380(+0)
筋力:80000(+0)
耐久:8000(+0)
敏捷:2200(+0)
運 ∶0(+0)
スタミナ∶1500(+0)
技能:固有スキル 『シャドウ』Lv3
……………………………………………………………
「強敵確定!今の俺のステータスじゃまともに
戦っても勝てない。考えろオレ」
地面から突如実体化した影が現れた。
「ヤベー」躱せね~
そこにリルが反応し俺を押して躱してくれた。
「リル助かった!」
「油断しちゃダメです!相手から目を逸らさ
ない!冒険者の鉄則です」
さっきまで怯えていた目じゃなかった。
リルは俺より余っ程場数を踏んでいるんだろう
俺はまだまだダメだな
「お!もう目を離さね~ありがとうな!
行ってくる!」
俺はシャドウオーガに向って走り出す。
いくつもの影が地面を這い襲ってくる。
それを躱しながら走り抜けたいがそう簡単で
はない。ならこちらも行かせてもらう。丁度お前
と同じような力だ!
筆振るい墨を実体化し影を防ぐ。
シャドウオーガを想定外だったのか驚いて
止まっていた。
これは完全に隙だらけだ!
『一文字 一閃』
黒き刃が飛んでいく。しかしシャドウオーガが
突然消えて、俺の攻撃は後ろの木を切断する。
な⁉どこ行きやがった!
周りを見ると木の上にやつはいた。
木の上から飛び上がり拳を振り上げる。
俺は即座に回避したが、ここで改めて
シャドウオーガの恐ろしさを感じた。シャドウ
オーガのいる場所には大きく地面が抉れている。
まともに受ければ即死は間違いなし。
離れ際に『縛筆(ばくひつ)』を放ったけど
シャドウオーガは三秒で引きちぎられた。
ここでお互い動きを止める。
同じような力を使う相手に動揺しているのか?
しかしこちらも手詰まりに近い、一文字さえ
当たれば耐久力からして十分にダメージを
与えられるのにどうやって躱した?
シャドウオーガが再び動きます。
…………『これが分からないと倒せないな』
47
お気に入りに追加
216
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる