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第一章 異世界暮らし

第22話 再びイレギュラー登場

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『オーガ』
身長3メートル前後の魔物、人型で角が生えて
おり巨躯に比例して膂力も体力も高く、真正面
からではBランク冒険者でも太刀打ちできない
強さを持っている。

 さっきまで見てきた。オーガよりだいぶ黒い
けど別種のオーガなのか?


「ウォーーすごいね~カッコいい~」
「うぁー」びっくりした~いつの間にか
レイチェルが隣に居た。

「レイチェルさんあれなんですか?」

「さ~分かんないけど!イレギュラーだよ!
ここ最近19階層の魔物の数が減っていたのと
冒険者がいないのに木とか岩にギズが異常に
多かった。
 魔物同士ではあまり戦闘になることがない
からおかしいと思っていたけど、どうやら
面白い事が起きている。うむ、興味深い」

「そんな事は言ってる場合ですか!あいつ次々と
他の魔物を襲って食べてますけど」

「そこだよ!そこ、予想通りあの魔物は他の
魔物を食べて力をつけているんだね!素晴らしい
魔物をつまり餌を集めれば呼び寄せることが
出来ると思ったのだが大成功だよ!うんうん!」

 おい、お前のせいかよ……どうするんだよ
 なんか凄く禍々しいオーラみたいなものを
感じる。メッチャ強そうなんだけど……

「レイチェル聞きたいんだけど、あれなんとか
出来るんだよね?」

 レイチェルは少し考えかわいい顔で笑った。
「無理だよ!」

「なんでやねん!」
 ついビシッとツッコミを入れてしまった。

「だって私冒険者じゃないよ!科学者とか
発明家だよ!無理に決まってるじゃん!」

「後先のことも考えようよ!危ないでしょ」

 レイチェルは人差し指を立て
「チッチッチ~良いかね!思ったら即行動
失敗も成功の素だよ!これが新しい事を発見
する。最大のコツなのさ~勉強になったかい!」

「はい、分かりました。レイチェルさんが
クレイジーで関わらない方がいい人だと」

「え~そんな事言わないでよ!久しぶりに
人と話せて嬉しんだよ!わたし……可愛くない」

 なんか可愛い子振ってるけど無理だから
わざとらしいから……

「蒼字(そうじ)さん、黒いオーガ食べ終わって
こっちを見てますよ!」

 こっちを警戒しているから動かないけど、
俺達も狙われてるのは間違いないな。

「う~ん」
 おっとレイチェルが何か考えているぞ
なにか良い方法があるのか?

「レイチェルなんか思いついた?」

「うん、ブラックオーガだと安直だよね!
カオスオーガそれともダークオーガが良いかな?
どう思う蒼字(そうじ)?」

「分かりました。もう少し考えていて下さい」
 ダメだ!レイチェルは頼れない。自分で
何とかしよう。

 俺が前に出るとリルが手を前に出し止めた。
 黒いオーガの方を見ると近くで状況を伺って
いた魔物が一斉に逃走を始める。
 その姿を見た黒いオーガは地面に手をつくと
魔力を通し地面から黒い影のようなものを出し
すべての魔物達を串刺した。

「あれ~なんですか」
 リルの声が震えている。

「分からないが強敵ではありそうだな!」

『ステータス 転記』まずは情報収集だ!


……………………………………………………………

『シャドウ オーガ』 Lv:45

種族:オーガ
年齢:1
称号:上位種
職業∶特になし
加護∶特になし
魔法:特になし

HP:51500/51500(+0)
MP∶2000/2000(+0)
気力∶2500/2500(+0)
魔力:1380(+0)
筋力:80000(+0)
耐久:8000(+0)
敏捷:2200(+0)
運 ∶0(+0)
スタミナ∶1500(+0)

技能:固有スキル 『シャドウ』Lv3
  
……………………………………………………………


「強敵確定!今の俺のステータスじゃまともに
戦っても勝てない。考えろオレ」

 地面から突如実体化した影が現れた。

「ヤベー」躱せね~

 そこにリルが反応し俺を押して躱してくれた。

「リル助かった!」
「油断しちゃダメです!相手から目を逸らさ
ない!冒険者の鉄則です」
 さっきまで怯えていた目じゃなかった。
リルは俺より余っ程場数を踏んでいるんだろう
俺はまだまだダメだな

「お!もう目を離さね~ありがとうな!
行ってくる!」

 俺はシャドウオーガに向って走り出す。
 いくつもの影が地面を這い襲ってくる。
 それを躱しながら走り抜けたいがそう簡単で
はない。ならこちらも行かせてもらう。丁度お前
と同じような力だ!

 筆振るい墨を実体化し影を防ぐ。
シャドウオーガを想定外だったのか驚いて
止まっていた。
 これは完全に隙だらけだ!

『一文字 一閃』 
 黒き刃が飛んでいく。しかしシャドウオーガが
突然消えて、俺の攻撃は後ろの木を切断する。

 な⁉どこ行きやがった!
 周りを見ると木の上にやつはいた。
 
 木の上から飛び上がり拳を振り上げる。
 俺は即座に回避したが、ここで改めて
シャドウオーガの恐ろしさを感じた。シャドウ
オーガのいる場所には大きく地面が抉れている。
まともに受ければ即死は間違いなし。

 
 離れ際に『縛筆(ばくひつ)』を放ったけど
シャドウオーガは三秒で引きちぎられた。

 ここでお互い動きを止める。
 同じような力を使う相手に動揺しているのか?
しかしこちらも手詰まりに近い、一文字さえ
当たれば耐久力からして十分にダメージを
与えられるのにどうやって躱した?
 
 シャドウオーガが再び動きます。

 

…………『これが分からないと倒せないな』



 
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