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第一章 異世界暮らし
第21話 ハプニング さらなる下層
しおりを挟む「あーーーー」
「うぉーーー」
二人の叫び声がこだまする。
(静かだから余計にね)
戦いが終わった後リッシュとオーバンさんは
さっきまでのやり取りを思い出し恥ずかしさの
あまり叫んでいた。落ち着くまでにはかなり
時間がかかるだろう。
「蒼字(そうじ)さん、リルちゃん、
夫と娘を助けてくれて本当にありがとう」
俺とリルはリーザさんに手を取られ
涙ながらに感謝されてた。
「蒼字(そうじ)さんサイクロプスって
どんなけ大きな魔石なんでしょうか?」
興奮気味のリル、商人の血が騒ぐんだろう。
まだサイクロプスは消滅していない。
大きいから時間がかかるのか?
「シュー」と音が…身体がやっと崩壊し始めた。
「わーーどんなのかな~」リルが近づくと
「ボン」と弾けた。
それをきっかけにサイクロプスが棍棒で
叩いた地面にビビが走りリルの下を通ると
地面が砕け崩落した。
「キャー」
リルはそのまま地面に吸い込まれるように
落ちていく。
「リルーー」
俺は何も考えずに飛び込んだ。
…………………▽
「リルーーー」
「蒼字(そうじ)さん」
落下する中、このままだと下の階層の地面に
激突してしまう。なんとかしないと…………
地面が………思ったより遠く全然地面が
見えない。すぐには衝突しないのは良いけど、
落下距離があり過ぎて余計死ぬ!
「リル~これに捕まれ~……」
筆から黒い帯を出しリルに飛ばす。
「……リル良かった。大丈夫か?」
帯をたぐりリルを抱き寄せた。
「蒼字(そうじ)さんすいません」
「いいよそれよりそろそろヤバそうかも!」
とうとう地面が見えてきた。
このまま落ちたら間違えなく死ぬ!
筆から数本の帯を出し側面の壁に当て無理やり
ブレーキをかける。「ガガガガ」と音をたて
徐々に速度が落ちてきた。
よしよしこのまま行けば何とかなるぞ!
「ピェー」
鳥っぽい鳴き声がするけど…「あ~グリフォン!」
なんでこの忙しい時に~
落下しているさなかグリフォンの爪が
蒼字(そうじ)達を襲った。「コンニャロウ」
帯をたくみに使い。グリフォンを躱すと
そのままグリフォンに乗った。
「お~ハリ○ッターで見たやつじゃん」
乗ることには成功したが、もちろん言うこと
なんて聞かないので振り落とそうと暴れる。
地面がかなり近づいてきた。
俺達はタイミングを見て飛び降り着地する。
「ふ~危なかった~」
「ま、まだですよ!蒼字(そうじ)さん」
どうやら怒らせてしまったようでグリフォンが
突っ込んで来た。
『一文字 一閃』
そのまま叩き切る。
取り敢えず他にも魔物がいるかもしれない。
俺達はすぐに隠れる。
「蒼字(そうじ)さんここって………」
「落ちたんだ10階層より下層に、
グリフォンもいたことだし間違いない。
今はどの階層だ~かなり落ちた気もするけど」
「蒼字(そうじ)さん………私のせいでごめん
……アイタ」
リルにデコピンをかます。
「それはさっきも聞いた。それに同じパーティー
なら助け合うのは当たり前だ!いつまでも
うじうじ言うんじゃありませ~ん」
ニッと笑う蒼字(そうじ)
「はい」リルの顔つきがグッと変わった。
「さてとまずは現在値の確認からだな」
筆と紙を出し地図を作成する。
『リアルマップ 転記』
またしてもごっそりと魔力(霊力)と気力が
持っていかれる。
「これが一番しんどいから不思議だよな!」
完成したマップを見て俺は驚いた。
「ここ……19階層なんだけど」………どう言うこと?
確かここは15階層が一番下だと聞いていた
けど実際はもっと下の階層があったってことか?
リルにもこれについて説明する。
「蒼字(そうじ)さんにはいつもびっくり
させられますよ!」
「いや~俺も今回はびっくりしたね。まだ下が
あるんだ、実際どこまであるんだろうな」
「いえ、驚いてるのはそこではなくて、
蒼字(そうじ)さんの力です。こんなマップ
初めて見ましたよ!これめちゃくちゃ便利
ですよ!」
「ふ~んそうだよな、ゲームをやってる者と
しては普通の気がするけど、現実ではないから
あると超便利か……」
マップを確認
前とは違い特定の魔物以外も出るように作った
けどこれはなかなか多い完全に避けながら移動
すると遠回りになるか……でも結果それの方が
良いなら仕方ないか………
「蒼字(そうじ)さん魔物の表示、丸の大きさが
違うんですけどなんでですか?」
「あ~これね!これは魔力の大きさを表してる
んだよ同時に強さの参考になるから大きいのは
できるだけ避けよう」
「蒼字(そうじ)さん、この後どうします」
「う~ん、もちろん上層を目指すんだけど
上がる場所どこになるんだろう。これかな?」
なんとなく階段ぽいマークがある。
分からない以上言ってみるしかない。
マップを見ながら魔物を避けて移動する。
あまりにも遠回りの場合は仕方ないので
不意打ちで倒した。
「あ!ここですね!」
「そうなんだけどリル……これ失敗したな!たぶん」
目の前には巨大な門があった。
形が階段みたいに段差の模様みたいなものがある。
これのせいでマップに載っていたのか!
門を見ていると「ガー」と音をたて開いていく。
「あれ~もしかしてとうとう見つかっちゃっ
たかな~」
あっちゃ~みたいなリアクションを取る
科学者風の女性
「君達よくあの幻影魔法見破ったね!
参考に教えてくれな~い」
今度は随分とフレンドリーに接してくる。
一体この人は誰なんだ?
「あの~その前にあなたは誰なんですか?
俺は蒼字(そうじ)って言います。こっちは
リルです」
「あ~そうだよね!まずは自己紹介!
私はレイチェル・エリオン、レイチェルと
呼んでくれ、さんとか様とか敬称は不要だよ!」
「わかったよ。レイチェル、僕達は簡単に
言うと落ちて来たんだ!地面が突然割れ
ちゃってそこから下層に」
「あ~なるほどね!それならあそこは見破られ
てないんだ!かなり頑張って作ったから簡単に
は破れないと思ってたから良かった!」
話をしているといつの間にか魔物が近く
まで来ていた。
「ヤベー」
「え⁉すごい数」
「あ~ごめ~ん今魔物を呼び寄せる装置を動か
していたんだ!喋ってて忘れていたよ!ちょっと
この数は良くないね!こっちに来なよ!」
気になるワードが聞こえだが今はそれどころ
じゃない。
レイチェルが呼んではくれたけど、
すでに囲まれた。ざっと見ても10体以上、
これを切り抜けるのは難しそうだ!
「ウォーーーーー」
レイチェルから嬉しそうな叫び声が聞こえた。
え~なんで嬉しそうなんだよ!こっちは大変
なんだぞ!
しかし、「バン」と音がしたと思うと、
自分の側面を魔物が吹っ飛んでいった。
今度はなんだよ!次から次へと落ち着かせろよ!
魔物が飛んできた先とレイチェルがキラキラ
した 目で見ている先を見ると一回り大きな
オーガがいた。
………あれはなんだ?
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