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第五章 長寿薬ノア
リョウガの強さ
しおりを挟む「グッーー」
歯を食いしばり横薙ぎの一撃に
耐えるギルズズズーっと足が地面を
抉りながら圧される。
『雷槍 地走り』
ギャラトの槍から電撃が発生し
地面に落ちると槍を前面に押し出し
ギルを押し始める。
ギルは大木まで圧されなんとか
耐えているが、潰されるのは時間の
問題だろう。
「ギル~お疲れさん、そのくらいに
してそろそろ交代しろ」※リョウガ
「………………わかりました。交代です」※ギル
「よっと、ギルは降参かい!」
「はい、参りました」
ギャラトはあっさりと後に下がる。
「ギル、お疲れ!素晴らしい動きだったよ!
正直悔しいよ!試合に勝って勝負に
負けた気分だよ!」
※ギャラト
「……………あの~聞いても宜しいですか?
ひいお祖父様」
※ギネア
「もちろん良いよ!ギネアちゃん」
※ギャラト
「なぜ、ギルお兄ちゃんが勝負に
勝ったなのでしょうか?
もちろんすごい闘いだったとは
思いますが……」※ギネア
「アハハハ、そうだよね!これは僕の口
から言うべきかなギルの槍の腕前は
大したものだよ。良くこれほどの実力を
つけたものだよ!そう技術だけなら僕を
超えているね!それが勝負に負けたと
感じる理由、言いたくないけど、
僕が勝ったのはエンジェルドラゴンに進化
して身体能力が遥かに向上しているから
こんなのは僕の納得できる勝利じゃないね!」
※ギャラト
ガックリと肩を落とすギャラト
「ギルやったじゃないか!槍の名手の
爺さんに認めてもらったぞ」
リョウガはギルの肩を軽く
叩き褒め称えた。
「そうですね。決して勝てた訳では
ないですが、認めて頂いたのは嬉しく
感じます。今度は勝てるよう
より修行に取り組むとします」※ギル
「ギルは真面目だな!さすが僕のひ孫だね!
でもさ~良いのかいそんな余裕そうで、
僕に勝てないとこの先の聖域に行けない
んだよ」※ギャラト
まるで焦りを感じさせないやり取りに
ギャラトは不思議に思い首を傾げる。
「すぐに分かりますよ。ひいお祖父様、
僕は前座なんで負けても支障はないん
ですよ!」※ギル
「ギルが前座?………へーギルの横にいる
君はそんなに強いんだ。楽しみだね!」
※ギャラト
リョウガは前にでて挨拶をして名を
名乗り戦闘態勢に入る。
『魔導剣グレンバーン』
左腕から炎が渦巻の右手を左腕の
手の平に当て引き抜くと紅く光る炎の
大剣が現れた。
「へー君すごいね。それを扱えるのかい
地獄の炎も蒸発させると言われる
伝説の剣を……」
ギャラトは顔には出さなかったが
驚愕していた。あの剣は人を選ぶ、
あの剣を体内に封印していれば
たちどころに燃え尽きて跡形もなく
なるはずそれなのにこの男は平気そうに
先程まで喋っていた。それは剣に
認められた証拠、自分の知る中で
あれを扱えた者はいない。
「それじゃー俺から行かせて
もらいますぜ!」
リョウガは大剣を上段に剣を構え
見ることすら困難そして受けることなど
叶うはずがない。そんな力強い一撃が
ギャラトを襲う。
ギャラトは一瞬で判断した。
逃げずに受ければ死ぬと!
ギャラトは全力で回避した。
その判断はきっと正しかった。
大地に一瞬で焼け焦げた線が刻まれた。
驚くべき威力だがそれ以上に
このリョウガと言う男化け物と言って
もいいだろう。恐るべき男だ!
『魔導剣グレンバーン』を完全に
扱えている。本来は一振りすれば
今の一撃で数百メートルの森が消し飛んで
いたはず、しかし実際は5メートル
まで力を凝縮して一切無駄のない威力に
高めている。
「ギャラトさん、この剣は受け止めない
ほうが良いよ絶対に止められないから」
※リョウガ
「なるほど、防御不可なわけね!」
※ギャラト
再びリョウガが突っ込み激しい斬撃を
嵐のようにを繰り出す。ギャラトは槍で
受けず身を捻り躱すことに注力する。
『雷光照(らいこうしょう)』
ポンっと光の玉が破裂しリョウガの
視界を奪う。
しばらくしリョウガの視界が回復、
空を見上げると上空に雷雲とギャラトが
いた。
「行くよ!リョウガくん!」※ギャラト
『天雷槍(れんらいそう)」
巨大な雷の槍が智将に向けて放たれた。
一瞬でリョウガのオーラが高まり
必殺の一撃を放つ
………………………『紅き光』
人差し指をたて上空に向かって超高温の
紅いレーザーを発射した。
雷槍は砕け大地に落雷となって降り注いだ。
ギャラトはゆっくりと地面に降り立ち
「こうさ~ん‼」※ギャラト
両手を上げ完全に降参宣言をする。
「リョウガくん、君何なんだよ!
本当にただのドラゴン族じゃないよね!
まさか、竜神様の関係じゃないの~」
※ギャラト
「正直疑いたくなるのはわかりますが、
普通のドラゴン族です。突然変異
ですね!」※ギル
「酷いぞギル、別に普通だろ!」
※リョウガ
「いつもそんなことは言うが普通じゃない
からな!」※ギル
あ~だこ~だと言い合っていると、
「こらこら二人共喧嘩をするんじゃないの、
これで君達は聖域に進めるんだからさ」
※ギャラト
「ひいお祖父様、私達は進んでも
宜しんですか?」※ギネア
「もちろんだよギネア!君達の勝ちだ
あとは進むだけで第一の試練は終了だよ。
そしてギネア、次は君の試練だよ!
いいかい、自分の気を強く持つんだ。
決して挫けてはいけないよ。………頑張って!」
※ギャラト
「はい、ありがとうございます」※ギネア
第一の試練を乗り越え聖域へと向かう
ギネア、ギル、リョウガ、その後ろ姿を
見て、ギャラトは寂しく感じつつも
嬉しく思い見送った。
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