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過去編 結城とあゆみ悲劇までのカウントダウン
過去編 奇跡の所業
しおりを挟む血の匂さい、濃い濃い濃密な血の匂い。
冷たくなり、動かなくなる人達
人が死んでいく、時がたてばより
多くの人達が、
気分が悪い、気持ち悪い、最悪の気分だ!
……▽突然視界が暗くなり声が聴こえた。
「さ~君はどうしたいんだい?」
「えっ、あなたは………前会った神様?」
※八雲
「前も言ったけど違うよ!
僕はただそこに存在者、
君のそばにも、皆のそばにもいるよ!
それで君はどうしたいんだい」
「助けたい、みんなを」※八雲
「随分と我が儘な願いだ!
君には過ぎた願いだね!」
「それでも、助けたいと思うことは
できる」※八雲
「そう!じゃ~やればいいさ!
君は助けたいと強く思えばそれは力になる。
さ~救って見せてよ!僕に!」
……▽今度は視界が明るくなり
「世界が明るく見える。たくさんの
光の玉が!」 ※八雲
頭の中に光の玉から描かれる魔方陣が
見えた。自然と両手を空にかざし
魔方陣を描く。
『ライフ』
ここでたくさんの人が亡くなった。
この人達は生き返らすことは出来ないけど、
まだ生きている人は助けたい。
ここで亡くなった人達の命の欠片を
空の魔方陣が吸収しさらに巨大な
魔方陣になる。
『召喚魔法 ライフスフィア』
魔方陣から鎖に繋がれた巨大なスフィアが
現れる。
鎖は大地に根を張るように広がり
スフィアを支えた。
スフィアの中で何かが脈動する
ように動く。スフィアから光の
鎖が飛び出し負傷者を拘束、そのまま
空に向かって引っ張り上げられた。
スフィアは眩い光を放ち、その光は鎖へと
流れていった。光は負傷者に流れていき
瞬く間に傷を癒していく。
傷が治ったものから光が消え、
鎖と共に地面へと下ろされていった。
スフィアは全ての負傷者を治すと
魔方陣の中へと消えた。
「八雲よ、随分と無茶をしたな!
前とは比較にならない程寿命が
縮まったのじゃ」※リーム
八雲は頭の中がクリアになって
いるのを感じた。今助けることが
出来る人達は全て助けることが出来た
ことを魔法を使っているさなか知ることが
出来た。最悪の気分から一転最高な気分だ!
僕は全てをやりきれたと満足する
ことができ、壁の方に歩きもたれ
掛かっりそのままずるずると
滑るように腰を下ろし眠ってしまった。
「おい、リーム、八雲の奴が勇者
じゃないのか?
こんな魔法初めて見たぞ」※ポチ
「こやつの力は未知数じゃ、リスクは大きい
しかしそれ以上に効果が大きく釣り合って
いないと感じるのじゃ、
恐らく数年の寿命を使い、千人以上を助けて
おるのじゃ」※リーム
「そりゃ~すごいぜ。奇跡の所業だな!」
※ポチ
「うむ、こやつは面白い奴なのじゃ」
※リーム
面白そうに笑いポチの上に乗り八雲と共に
疲れから眠ることにした。
…………▽
結城達はその頃
この奇跡としか思えない光景に驚愕し
初めは呆然としていたが、
今はガンジールさん達と
合流して兵士さんのお手伝いをしている。
大地さん達は僕達がいなくなった後、
すぐに追いかけようとしたが、
一樹と健司がごねて、未希に尻を
叩かれる形で追いかけてきた。
「ガンジールさん、皆さん」※ガザイ
「ガザイ団長も無事のようじゃな」
※ガンジール
「え~何とか」※ガザイ
やや苦笑いし
「先程の魔法に助けられました。
私も瓦礫に挟まれ大怪我を負いましたが、
今はこの通りです」※ガザイ
手と足を動かし見せてくれるが、
所々服が破れているが怪我をしていた
ようにはまったく見えない。
「そうか、なにが起こったかわからんが
よかった。ガザイ団長、現状の砦内の
状況確認を頼む。我々は新たに
現れたと聞く魔人と闘っている。
八雲達に合流する」※ガンジール
「分かりました。私も八雲さん達が
心配です。ガンジールさん宜しく
お願いします」※ガザイ
深々と頭を下げる。
「すごいな~こりゃ~なんだよこの
おっきい穴?」※大地
大地は手を額に当て爆発による穴を眺める。
「大地、これって八雲くん大丈夫だよね…」
※未希
「あー大丈夫に決まってるだろ。
あいつ意外とタフだからな…………」※大地
大地は心配そうにする未希を見て
安心させるために答えるがあまりの
悲惨な状況にすぐに押し黙ってしまった。
「こんなことができるのか魔人はよ!
こんなの勝てるわけね~よ!」※一樹
「俺達も早く逃げね~と、
ま、まだ魔人いるんじゃないか」※健司
「なにを言っておる。八雲が必死に
闘っておるのに逃げるだと!
どうやら性根をしっかりと後で
叩き直さんとな!」※梵字
梵字は額に青筋をたて二人を見下ろす。
二人は「ヒ~」と短く悲鳴をあげた。
「周りを感知しているのですが、
かなりのオーラが使われうまく
探せませんね」※坂本
根を地面に張り周辺を探知しているが、
そこらじゅうにオーラが残っており
それが邪魔で八雲達を見つけることが
出来ない。
「八雲くん、一体どこにいるんだ!
早く助けに行かないと!」※結城
苦虫を噛み潰したように苦しそうな
顔をする。
そこにひとり………一匹の犬が現れた。
「お前達何してるんだ?ワン」※ポチ
「ポチくん、よかった!無事みたいだね!」
「うん?俺は何にも怪我はしてないぞ。
ま~しててもさっきの魔法で
治っただろうけどな。ワン」※ポチ
「ポチくん八雲とリームさんを探してるんだ
早く助けに行きたいんだ。どこにいるか
わからない」※結城
「八雲もリームも知ってるけど、
慌てるな結城、ワン」※ポチ
「ほんとポチくん、八雲くんは
大丈夫なの?」 ※未希
未希と大地が駆け寄ってくる。
「慌てるなって、二人とも無事だよ。
今は疲れて眠っている。ワン」※ポチ
「そうか~良かった~」※未希
未希は安心して、大地は良かったなと
未希の肩を抱いた。
「魔人はどうなった?もうここには
いないのか?」※ガンジール
「あ~魔人か、あいつは死んだよ!
八雲がぶっ倒したから、気にすんな!ワン」
※ポチ
「なんだと、魔人を八雲が!?」※ガンジール
驚愕する。相手はS級手配されている敵だ、
全員でたは闘って勝てるかと言う相手を
八雲一人でだと!
全員がざわつくなか、
「それで、八雲くんはどこに?」※結城
「案内するワン、お前らも疲れただろ
ゆっくり行こうぜ。ワン」※ポチ
…………▽
こうして魔人との闘いは終わった。
この闘いが魔人側にとっても由々しき
ことであり異世界の勇者達の認知を
高め新たな闘いの巻くあけとなった。
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