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第二章 二度目の異世界
元英雄 聖女問題に巻き込まれる。
しおりを挟む『聖女』
神に選ばれし10人の女性
『聖女』のギフトを授かり
神の声を聞き世界を導く存在
それゆえにどの国も躍起になって
確保に力をいれる。
「聖女が来てるんですか?
それはすごいですね」
「そうなんだよ。もうすぐ来る予定だから
俺は戻らないといけないけど、
暫く大人しくしてろよな」
「なるほど、僕に構っている
暇はないと………」
ジィと目でバッカスを見る。
「ま、そう言うなよ。飯はちゃんと
持ってくるよう言っておくからさ
………じゃな~」
バッカスはそそくさと帰っていった。
「くっそ~早く帰らないといけないのに~」
八雲は暇なので寝ることにした。
…
……
「おい、起きろ!」
「うん……?」
「何ですか、ご飯?」
監視人が声をかけてきた。
「違う、立て、ヤーガイ司祭様が
お呼びだ」
「う~ん出れるのか?」
八雲は牢屋から出され教会に連れて
いかれた。
「お~きれいな教会だな」
八雲は手錠を付けられ、ホーリー騎士団に
囲まれて移動している。
「昨日ぶりですか」
「こんにちはバッカス司祭、
なにか私に用ですか?」
「君には我々に協力をして貰いたい」
ヤーガイ司祭のニヤリとした顔が見えた。
「協力とは何をすれば良いのですか?」
恐らくろくなことじゃないな
「な~に簡単なことさ、ドラゴンになり
町でひと暴れしてくれれば良い」
「……………あんたなに言ってるんだ」
八雲は明確に敵意をヤーガイ司祭に
向けた。
「何だ怖い顔をして、人殺しなど
朝飯前だろ」
ヤーガイ司祭は悪ぶれもせず
淡々と答える。
想像よりくそ野郎じゃないか、
一応聖職者だろ、もっとまともなこと
言えよ。
「町で暴れてどうするんですか?
そろそろ聖女様が来るらしいし
お忙しいのでは?」
「お、よく知っているではないか。
そうなのだ、聖女が来るのだ、
聖女には長く滞在して頂きたいのだ
その為には、怪我をした人間が多く
いると良い。そこでドラゴンによる
大規模災害が起きれば聖女は暫く。
ここに止まらざるえない。
その間に聖女にはじっくりと
私の素晴らしさを知って頂き
神聖教会の神殿へと導いて頂くのだ!」
なるほど、そんな上手くは
いかないだろうけど、神殿に行きたい
のか、神殿には様々な恩恵があると
言われている。代表的なのは
永遠の寿命とか、神殿に行けるのは
一部の選ばれた人達だけだからね。
聖女に取り入りたいんだな。
「ヤーガイ司祭で具体的に
僕はどうすれば良いのですか?」
「お~やる気になってくれたか、
何難しいことはない、聖女が来る。
少し前に私の部下に案内させる。
中央区でドラゴンになり
暴れて重傷者を多く出してくれ!
死人を出しても構わんよ」
ヤーガイは悪い顔でニヤリとした。
「わかったよ、時間になったら呼んでくれ」
「良い返事だ。それまで待っていてくれ」
…
……
「おい、また牢屋かよ」
八雲は再び牢屋に囚われていた。
てっきりおもてなしを受けれると
思っていたのだが?ガッカリである。
「しかしどこに行ってもいるよな
ヤーガイみたいな奴、異世界だからと
思っていたけど、元の世界でも
いるのかね~」
八雲はぼやきながら天井を見ていた。
…
……
………
その頃聖女一行は
約一時間ほどで付く位置にいた。
「聖女様、町まであと少しです。
ご準備をお願いします。」※護衛1
「事前に調査をさせていた件で、
ドラゴンが現れたらしいのですが、
どうやら上手く撃退したようです。
怪我人はいないようです」※護衛2
「そうなの?良かったわ。フ~……
まったくいつまで経っても
楽させてくれないはね!」
苦笑いする護衛の2人
「そんなこと言って真っ先に助けに
行くのが、コロン様じゃないですか?
天の邪鬼ですね。くふふふ」
「ユ・リ・メ・リ・ア、
年上をからかうとはなに事か~」
「あいたたたた~」
コロンはユリメリアの頭をグリグリする。
護衛の二人は大笑い、和やかに時は過ぎる。
…
……
………
今僕は監視人に連れられて中央区の
高い建物の中にいる。ここから
ドラゴンになって大暴れしろと
言うことか。
長い通路を歩いていると前から
男が歩いてきた。
「よ~、奇遇じゃん」
前から現れたのはバッカスさんだった。
「どこ行くだい!」
「…………………………」監視人達
「バッカスさんもこんなところで
どうしたんですか?
聖女様の件でお忙しいのでは?」
「そうなんだよ、これ以上余計な仕事を
増やさないで欲しいんだけどな~
俺はの~びり酒でも飲んで
ぐ~たらしたいんだよ」
「あ、僕もその方が良いんですけど」
「じゃ、大人しく捕縛されてくれるか?」
「あ、え~とそれは勘弁です。
これ以上ここで長居したくないんで」
「そうか、残念だよ。じゃ行くか!」
バッカスは抜刀し剣をこちらに向ける。
「結界魔法 『ブロック結界』」
剣先から四角いオーラで形成した物体が
飛んできた。
取り敢えず躱す。
後ろにいる監視人に当たり
監視人は結界に囚われ大慌てしている。
「なるほど、あれに当たると
捕まるのか~怖や怖や」
八雲はおどけるように言う
………がそれ程余裕はない。
何故なら現在も手錠付きである。
取ってからにしてほしかった。
「どうする!今度は本気で当てるぜ!」
「了解来やがれバカ野郎~」
「結界はすでに設置済みだ!」
「えっ!?」通路か結界に囲まれた。
「バッカスさん卑怯ですよ。
こんなのありですか!」
「フッ引っ掛かる奴がバカなのさ!」
「くっそバカ野郎返しか~」
「……………フッなんちゃって『シルフ』」
通路を囲っている結界の起点を
外から破壊するシルフ
「フフフ、事前にシルフを召喚
しておいたのだ!」
「おいおい、精霊だと!!」
「第2ラウンドと行きますか」
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