父親が同じ私たちは霊でこづかいを稼ぐ

第75話 背後霊

美穂は病院にあつしの見舞い行く。
　彼女が病室を訪れると視線を強く感じる。
　振り向くが誰もいない壁があるだけである。
　彼は眠っていたので顔を見ただけで帰ることにする。
　すると視線は弱まる。
　彼女が家に帰る途中ずっと足音が聞こえている。
　だが、誰もいない。
　美穂は同じクラスの美湖に相談することにする。
　彼女には呪いのことで２回世話になっているので、今回も解決してくれるかもしれない。
　翌朝、美穂は美湖に話しかける
　「最近視線を感じたり、足音が聞こえたりするんだけど何かわからない。」
　「最近、何かあった。」
美湖には美穂の背後霊が見えるが何か困っているように見える
　「彼氏ができたわ。」
美穂が答えると美湖はまた変な男に捕まったと思う
　「その彼と別れた方がいいわよ。」
隣にいる沙衣がはっきり言う
　「どうして、そんなこと言うの。」
　「あなたの守護霊が困っているわ。守護霊が警告しているのよ。」
　「そんな話信じないわ。」
美穂は沙衣の話に耳を貸さない。
　彼女は怒って自分の席に戻って行く。
　美湖が沙衣に言う
　「美穂の背後霊は守護霊なの。」
　「ええ、悪い男と付き合っているといって困っているわ。」
　「困っているのは分かったけど、沙衣はそこまでわかるのね。」
　「美穂、別れないとひどい目に合うわよ。」
　「彼女、男運悪いから。」
２人になすすべはない。
　美穂は今日も病院へ行く。
　あつしの病室の前まで行くとあつしと女性の声がする
　「一目惚れなんだ。つきあってください。」
　「患者なんだから、おとなしく寝ていてください。」
　「連絡先だけでも交換してください。」
　「彼女、たくさんいるでしょ。」
　「みんな、別れるから。お願い。」
美穂がのぞいているとあつしは若い看護師を必死に口説いている。
　美穂が病室に入る。
　あつしの変わり身は早い
　「美穂、来てくれたんだ。うれしいよ。」
　「さっき、何していたの。」
　「話をしていただけだよ。」
　「あなた、気をつけたほうがいいわよ。手当たり次第に口説いているみたいだから。」
看護師が美穂に注意する。
　「嘘だよ、君一筋なんだから。」
あつしがごまかそうとするが、美穂は黙って帰って行く。
　彼女は視線を感じなくなり、足音も聞こえなくなる。