父親が同じ私たちは霊でこづかいを稼ぐ

第56話 空き家１

　桜井さくらいまことは、朝倉町に空き家を持っている。
　自身も朝倉町に住んでいるが、空き家は両親が住んでいたもので、両親の死後、空き家を管理している。
　空き家に人が入り込んでいると警察に近所の人から通報が入る。
　警察官は
　「またあの空き家か。」
と思いつつ、空き家を調べる。
　ドアも窓もカギがかかつており、人が入った形跡はない。
　まことは月に１回手入れのため空き家に来る。
　すると、近所の人が彼に声をかけてくる
　「この空き家に度々人が入り込んでいるようだけど、戸締りしてください。」
　「カギは、きちんとかけていますし、人が入ったような跡はありませんよ。」
　「そうですか。」
近所の人は納得いかないよな顔をしていう。
　とうとう警察から連絡が来る
　「桜井さんが管理している空き家ですが、人が入り込んでいるとよく連絡があります。」
　「カギはきちんとかけていますよ。」
　「分かっていますが、防犯のためにセンサーライトか何か取りつけてはどうでしょうか。」
　「分かりました、考えてみます。」
まことは答える。
　彼は、近所のこともあり、玄関にセンサーライトを設置する。
　それから、噂が立ち始める。
　まことが設置したセンサーライトが、誰もいないのに点灯するのだ。
　近所の人は気味悪がる。
　まことが空き家の手入れに訪れると近所の人たちが声をかけてくる
　「あの、桜井さん、センサーライトなんですけど。」
　「センサーライトがどうしましたか。」
　「その、誰もいないのに点灯するんです。」
　「壊れていないと思いますが。」
　「なんだか気味悪くて。」
　「分かりました、センサーライトを取り外します。」
　「そうじゃなくて、お祓いしてもらった方が良いかもと思って。」
　「お祓いですか。」
まことはどうしたらよいのかわからない。
　彼は両親の菩提寺の和尚に相談する。
　和尚は、空き家でお経をあげてくれる。
　だが、センサーライトは誰もいないのに点灯する。
　まことが悩んでいると高校２年生になったばかりの長女の芽衣めいが言う
　「クラスに霊に詳しい子がいるから聞いてみる。」
　「頼むよ。」
まことはあてにせずに答える。