上 下
44 / 83

第44話 鬼退治1

しおりを挟む
 放課後、沙衣と美湖は、一緒に浜田稲荷に行く。
 参道に入ると着物姿の美女が現れる。
 彼女は浜田稲荷の使いである。
 使いは参道を外れ、松林の中に入って行く。
 沙衣と美湖は、彼女についていく。
 美女は、わら人形が打ち付けられている松の木の前で止まる。
 美湖がわら人形を見て言う
 「丑の刻参りしていたの。」
 「そうじゃが、そやつの怨念は異界をこの世に呼び込み、鬼を向かい入れたのだ。」
使いの言葉に沙衣は聞く
 「鬼を呼び出したのですか。」
 「いや、偶然じゃ、そやつは鬼に食われてしもうた。」
 「なら、私たちの仕事はなんですか。」
 「鬼が町に放たれて人を襲っておる。」
 「鬼を探して退治しろということですか。」
 「探す必要はない。」
 「どういうことですか。」
 「鬼は毎晩2時頃、ここへやってくる。」
美湖は使いに言う
 「今夜、2時鬼を退治すればよいのですね。」
 「その通りだ。」
 「なぜ、来るのですか。」
 「鬼は、この世界に取り残されたのじゃ、毎晩、異界の入り口が開くのを待っておるのじゃ。」
 「分かりました、報酬は出るのですね。」
 「むろんじゃ。」
2人は使いの依頼を受けることにする。
 沙衣と美湖は、五條家に戻り、水の入った18リットルのポリタンク2個を用意する。
 美湖は美月に依頼が鬼退治であることを伝える。
 そして夜を待つ。
 2人は運転手付きの車で浜田稲荷に行く。
 運転手に水の入ったポリタンクを松林の中に運んでもらう。
 沙衣は、ポリタンクの蓋を開ける。
 彼女は美湖に言う
 「私が戦うから、美湖は陽の光で援護して。」
 「分かったわ。」
美湖は答える。
 鬼との戦闘となれば、沙衣がメインで戦うことになる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

逢魔刻の旅人

ありす
ホラー
逢魔刻 闇の住人はいつでも私たちのそばに必ず潜んでいる 誰しもが"やつら"と同じ空間を旅する 旅人になりうるのだ

闇に蠢く

野村勇輔(ノムラユーリ)
ホラー
 関わると行方不明になると噂される喪服の女(少女)に関わってしまった相原奈央と相原響紀。  響紀は女の手にかかり、命を落とす。  さらに奈央も狙われて…… イラスト:ミコトカエ(@takoharamint)様 ※無断転載等不可

ARIA(アリア)

残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……

雷命の造娘

凰太郎
ホラー
闇暦二八年──。 〈娘〉は、独りだった……。 〈娘〉は、虚だった……。 そして、闇暦二九年──。 残酷なる〈命〉が、運命を刻み始める! 人間の業に汚れた罪深き己が宿命を! 人類が支配権を失い、魔界より顕現した〈怪物〉達が覇権を狙った戦乱を繰り広げる闇の新世紀〈闇暦〉──。 豪雷が産み落とした命は、はたして何を心に刻み生きるのか? 闇暦戦史、第二弾開幕!

輪廻の呪后

凰太郎
ホラー
闇暦二十六年──。 エレン・アルターナが見る陰惨な悪夢は、日々鮮明となっていった。 そして、それは現実へと顕現し始める! 彼女の健常を崩していく得体知れぬ悪意! 父と絶縁して根無し草となっていた姉・ヴァレリアは、愛する妹を救うべく謎を追う! 暗躍する狂信徒集団! 迫る呪怪の脅威! 太古からの呼び声が姉妹へと授けるのは、はたして呪われた福音か! 闇暦戦史第四弾! 最強の闇暦魔姫が此処に再生する!

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

滅・百合カップルになれないと脱出できない部屋に閉じ込められたお話

黒巻雷鳴
ホラー
目覚めるとそこは、扉や窓のない完全な密室だった。顔も名前も知らない五人の女性たちは、当然ながら混乱状態に陥り── あの悪夢は、いまだ終わらずに幾度となく繰り返され続けていた。 『この部屋からの脱出方法はただひとつ。キミたちが恋人同士になること』 疑念と裏切り、崩壊と破滅。 この部屋に神の救いなど存在しない。 そして、きょうもまた、狂乱の宴が始まろうとしていたのだが…… 『さあ、隣人を愛すのだ』 生死を賭けた心理戦のなかで、真実の愛は育まれてカップルが誕生するのだろうか? ※この物語は、「百合カップルになれないと脱出できない部屋に閉じ込められたお話」の続編です。無断転載禁止。

東京ゾンビ地獄618!:眼鏡巨乳ヒロインと駆け抜けた、あの闇を照らせ!

島倉大大主
ホラー
618事件を題材にしたライトノベル、もしくは創作物について取り扱っております。

処理中です...