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第20話 海水浴1

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 浪江市から南に行くと田村たむら町となり町の西側は、西之浜にしのはまと呼ばれる砂浜がある。
 西之浜は夏になると海水浴客でにぎわうところである。
 しかし、今年は様子が違う、海水浴客はまばらで誰も海に入ろうとしない。
 シーズンが始まってすぐ、溺死事故が連続で発生し、大きな手が海水浴客を海に引きずり込むのを見たという者まで出てくる。
 このことはニュースにもなっている。
 中野沙衣と五條美湖は、夏休みになり依頼を引き受けて、ある家に来ている。
 2人は家主に居間で話を聞く
 「夜になると2階の天井から物音がするのです。」
 「そうですか。」
2人には霊を見ることができるが、今のところ霊はいない。
 沙衣は、霊に気配を探っているが気配はない。
 2人は2階に行って調べるがやはり霊はいない。
 次に、天井裏を調べると動物のフンのような物が落ちている。
 美湖は家主に言う
 「動物駆除の業者を呼んだ方が良いですよ。」
2人は家を出ると待っていた運転手付きの車に乗る
 「また、外れだー」
沙衣は声に出す
 「お母さまが回してくださる仕事ですから仕方がありません。」
美湖は落ち着き払って言うが顔は引きつっている。
 五條家に着くとテレビ局のディレクターが来ている。
 彼は沙衣と美湖を見ると
 「美湖ちゃんと紗衣ちゃん、君たちの評判いいよ。」
 「仕事ですか。」
美湖が聞く
 「美湖ちゃん当たりだよ、今度は海なんだけど。」
彼が言うと沙衣は聞く
 「まさか水着じゃないでしょうね。」
 「その通り。」
彼は答える。
 沙衣と美湖は、ムッとする。
 母親の美月が美湖に言う
 「やると決めたんだから、ちゃんとしなさい。」
 「分かりました。」
美月は答える。
 ディレクターが説明を始める
 「西之浜のことは知っているかな。」
 「ニュースで知っています。」
沙衣は答える
 「スタッフが聞き込んで情報を得たんだが、海水浴場に大きな手の化け物が出るそうだ。」
 「それが溺死者を出しているというのですか。」
 「おそらくそうなると思う。」
彼は憶測を言う。
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