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第10話 階段3

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 2日目も霊は現れない。
 3日目、沙衣と美湖は玉砕した男子生徒の屍を積みあげる。
 そして霊は現れない。
 4日目、沙衣と美湖は焦れてくる。
 いちいち男子生徒をふるのも面倒である。
 しかし、階段下の男子生徒の数は増えている。
 2人は冷やかしで来ているのではないかと思うくらいだ。
 この日も霊は現れない。
 5日目、沙衣と美湖は疲れてきている。
 昼休み2人が弁当を食べ終わると男子生徒が来る。
 男子生徒は冷や汗を流しながら勇気を振り絞って言う
 「中野さん、前から好きでした、友達からお願いします。」
 「ごめんなさい、」
沙衣は即答する。
 男子生徒はうなだれて階段を降りていく。
 すると女の霊が出てくる。
 顔は憎しみに歪んでいる。
 沙衣はミネラルウォーターのペットボトルの蓋を開けながら、男子生徒に
 「あぶない」
と叫ぶ。
 男子生徒は振り向くが霊は見えない。
 沙衣はペットボトルの水を出して、水の刃を作り、霊に切りつける。
 霊は水の刃とともに霧散する。
 沙衣と美湖は谷山に報告する
 「谷山先生、除霊をしました。」
 「幽霊がいたのか。」
 「女性の霊です、何か憎しみにとらわれていたようです。」
 「そうか、もう大丈夫なんだな。」
 「はい、これからもよろしく。」
 「もう、こんなことはごめんだ。」
谷山は本音を言う。
 沙衣が教室にいると友人が話しかける
 「あんた階段で何やっていたのよ。」
 「ちょっとね。」
 「噂になっているよ。」
 「何が?」
 「2組の五條さんと2人でハートブレイカーズだって。」
 「いやなネーミングね。」
沙衣は困った顔をする。
 美湖が教室にいると友人が怒ってくる
 「あんた、私が好きな子ふったでしょ。」
 「そうなの。」
 「何してくれるの。」
 「かえってチャンスでしょ、彼、今好きな子いないでしょ。」
 「それもそうね。」
友人は機嫌を直す。
 この件で、沙衣と美湖は校内の有名人になってしまった。
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